2024年3月8日から15日にかけて「第6回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。 今回のテーマは『洗練された無駄のない無駄な機能』。 いつも以上にセンスが問われるテーマとなりましたが、皆さん想像を超える驚きと楽しさを持ったプロダクトを見せてくれました。 さて、インタビューは特別賞、「オープニングの出席を忘れてたらなんか僕のテーマが選ばれていた」さん。初出場で見事受賞されました! 「オープニングの出席を忘れてたらなんか僕のテーマが選ばれていた」さんの、「SeiSeiAI」は、こちらの質問に対して全てを「セイ」に置き換えて回答してくれるというもの。 とにかく「セイ」しか言わない。いつか何か返してくれるのかもしれない、と期待して質問を投げ続けてしまう中毒性と、全てにおいての究極的な無駄のなさが強烈な印象を残しました。 初出場ソロ参加の「オープニングの出席を忘れてたらなんか僕のテーマが選ばれていた」こと、逢見泰久(おうみ・やすひさ)さん。どんなきっかけでツクアソへの参加に至ったのか、開発の過程や自身の開発履歴についてなどお話しいただいています。 オープニングの出席を忘れてたらなんか僕のテーマが選ばれていたさんのプレゼンは00:22:11〜 ──── 特別賞受賞おめでとうございます。 逢見:ありがとうございます。 ──── ツクアソへは今回が初の参加ですね。普段からハッカソンには参加されてるんですか? 逢見:実は、ハッカソンというものへの参加は、これが2回目なんです。ツクアソの1ヶ月ぐらい前に初めてハッカソンに参加したんですが、そちらの方ではあまりいい結果が残せなくて。それが悔しかったんで、リベンジのつもりでツクアソに参加させていただきました。 ──── 以前参加したハッカソンはどのようなテーマだったんですか? 逢見:「つながり」というテーマでした。ちなみに「Qiitaハッカソン」です。これが非常に難しくて、技術も足りなくて結局予選に間に合わなかったんです。 ──── なるほど。開発時間もちょっと短かったんですね。ツクアソは今回からプレゼン大会までの時間が72時間に伸びたんですが(前回までは48時間でした)、これはいかがでしたか? 逢見:私の経験が浅いというのもありますけれども、72時間あればまとめられるチームが多いんじゃないかなと思います。 ──── 開発はスムーズに進められましたか?かかった時間などざっくり教えていただければ。 逢見:開発時間は大体6時間とか7時間ぐらいでした。テーマが出てから次の日の昼から夕方くらいで仕上げて提出、という感じですね。 ──── 早い。時間を管理や開発の流れなどはどのようになさいましたか? 逢見:考えながら作るというよりは、アイデアが浮かんである程度固まってから手をつけました。割とすんなりアイデアが出て、それを実現する方法を探したら、これまたすんなり見つかったので、今回は運が良かったというか(笑)。 ──── じゃあ今回は、苦戦されずに済んだんですね。技術的な課題はありましたか? 逢見:テーマが「洗練された無駄のない無駄な機能」だったので、無駄に形態素解析を使ったんですけど、形態素解析エンジンっていろいろあるじゃないですか。それをstreamlitに上げる時に、どうすればいいかなってなったぐらいですかね。 ──── ローカルで作るところまではスムーズに組み合わせが決まってできたっていうことですね。このテーマってそもそも逢見さんの考えたものでしたね。 逢見:恥ずかしながら。 ──── グループ名にもなっていますけども、いつの間にか選ばてたということで。 逢見:そうです。ちょっと用事があってオープニングをスキップしてしまったので、後から自分のテーマに決まったって知ったんですよ。これは何としてもモノをあげないと、ちょっとカッコつかないなと。 ──── 俄然やる気が(笑)。テーマを応募した時に、もしこれが選ばれたらこういうもの作ろう、みたいなふわっとしたイメージも特に持ってたわけではなく。 逢見:なーんにも考えてなかったですね。 (一同笑) ──── 戦略的ではなかったんですね。 逢見:もう本当に、皆さんとスタートラインは一緒でした。 ──── 今回でハッカソンは2回目だっておっしゃってましたが、このツクアソで習得した知識やスキルはありましたか? 逢見:実はなくて…。今回使ったフレームワークが非常に優秀だったので、フロントエンド何もいじってないんです。フレームワークが何もかもをすごくよしなにしてくれてしまったので、次回からはもうちょっと自分でやれるようなものを探したいなと思っています。 ──── フレームワークってどこまでやってくれるんですか? フロントやってないっておっしゃってましたけど、画面自体ありましたよね? 逢見:htmlもcssも全く触ってなくて、Pythonコードでテキストボックス入れたぐらい。 ──── めちゃくちゃ便利ですね。参考までにフレームワークの名前を教えてください。 逢見:streamlitです。デプロイされたものもあるらしいです。まず無料で使えるとっていうことで入れて、なんやかんやしたらなんやかんやなりました。全部面倒を見てくれたので本当に楽で。 (一同笑) ──── ハッカソン向きの優秀なやつですね。 逢見:ですね。でもその代わり自分の身につくことは本当になかったので、それに関しては今後の課題として残しています。 ──── お仕事で使ってるとかそういうわけではないんですか? 逢見:いや、プログラムをいじる仕事ではないんです。プログラミング自体は学生時代にCを習ったくらいで、趣味としていろいろと触っているうちにPythonを習得しました。 ──── なるほど。他に何か触ったりされてるんですか? 逢見:他にはGo言語やRustとか、あとJavaScriptも軽く触りました。Pythonの次だとRustが好きですね。Rustは習得できたらいいなと思っています。 ──── 人生2回目、リベンジのハッカソンにツクアソを選んでくださって嬉しいです。ツクアソへの参加経緯を教えていただけますか? 逢見:Compassでたまたま見つけました。その前のやつは不完全燃焼だったんですけど、やっぱりハッカソンって面白いなと思ったので、次に出るハッカソンを探してて。 ──── ツクアソって、参加してみると割とテーマもスタイルも独特だと思うんですが、その辺りの感想は。 逢見:今回、参加した方みんな難しいっておっしゃってたんで、癖のあるハッカソンだなっていうのは感じました。その「癖つよ」に貢献してしまったのは自分なんですけども。 (一同笑) ──── いや、良かったですよ(笑)。このテーマは何か参考というか元ネタがあるんですか? 逢見:ニコニコ動画のタグですね。「洗練された無駄のない無駄な動き」という…。 ──── なるほど、ニコ動のタグから来てるんですね。 逢見:ニコ中だった時代があるので(笑)。 ──── 他の参加チームの作品でお気に入りのものはありましたか? 逢見:個人的に好きだったのはくまっきーさんの「Nothing - 消える電卓 -」です。UIが洗練されてて。私はデザインができないので、嫉妬しちゃいました。 その他だと、Takさんの「キー未入力の無駄な時を無くすべく、無駄にキー入力し続ける洗練されたシステム」です。あれはすごかったですね。私自身も電子工作もやるのでわくわくしました。 ──── ハードもいけるんですね!どんなものを作られるんですか? 逢見:今、使ってるこのマイクは自作です。オーディオインターフェースにつなげるようにしてあるマイクとか、あとはリューター作ったりとか…。あとは、今だとチップLEDがなぜか大量にあるので、それを使って遊んでます。次回参加するとき、アイデアがうまいこと思いつけば、ハードでいきたいなと考えてます。 ──── ツクアソ常連さんに何組かハードをやる方いらっしゃるんで、増えるとまた面白いと思います。ぜひ。 逢見:今回インタビュー受けるにあたって、以前の受賞者インタビューをいろいろ読んでたんですけども、Takさんとか、「Uzurium」とか、すごく面白いですよね。すごくレベルの高いハッカソンだと思いました。 ──── 技術力を無駄遣いされてる方、多いですよね。 (一同笑) ──── プレゼン、すごく面白かったんですけど、あれはどうやって準備されたんですか? 逢見:モノ自体が出来上がって、ファイナリストになったって通知が来てから作り始めました。もうとりあえずネタに振ってみようと。テーマからネタに振ってるんだから全振りだと思って。 ──── なるほど、全振り(笑)。プレゼン大会中のチャットにたくさんコメントくださって、すごく盛り上がりました。リアクションが早くて、運営からするととても嬉しいです。 逢見:そこのあたりはニコ中だった経験が生きましたね。全体的にゆるくてコメントしやすい雰囲気なのもありました。ツクアソ、すごく楽しかったです。 ──── ありがとうございます。次回のツクアソは9月を予定しているんですが、ご参加いただけますか? 逢見:今からわくわくして待ってます。次回はぜひ最優秀賞でアマギフを狙いたいです。 ──── ぜひさらなる高みを目指していただいて。本日はありがとうございました!
2024年3月8日から15日にかけて「第6回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。 今回のテーマは『洗練された無駄のない無駄な機能』。 いつも以上にセンスが問われるテーマとなりましたが、皆さん想像を超える驚きと楽しさを持ったプロダクトを見せてくれました。 今回のインタビューは優秀賞、チーム「Memetan Tech Tips」さん。第4回ツクアソでは「インコーズ」の名前で特別賞を受賞しています。 チーム「Memetan Tech Tips」さんの「謝罪FAXジェネレータ」は、ぶっ飛んだ内容の謝罪文を生成し、FAXしやすいよう印刷してくれるというものでした。 用途不明の「無駄」、技術の「無駄」、紙の「無駄」という3つの無駄を実現し、ChatGPTのプロンプトを絶妙に調整して、緻密ながらどこにも使えない謝罪文を生成するという表現の面白さにも注目が集まりました。 親子チームのMemetan Tech Tipsさん。この絶妙な発想はどこからやってきたのか、どのように開発までの時間を過ごしたのか、詳細に語ってもらいました! Memetan Tech Tipsさんのプレゼンは 00:50:40〜 ↓↓↓Memetan Tech Tipsさんの過去のインタビューはこちら↓↓↓ 「第4回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー④ 特別賞 インコーズ(とり子 & memetan)さん 「Memetan Tech Tips」メンバー とり子 さん memetan さん ──── 優勝賞おめでとうございます。まず、受賞の感想をお聞かせください。 とり子:息子のmemetanも、何か賞を取れたらいいなって言ってたので、嬉しいです。今回テーマがすごく難しかったので…。役に立つものを作ろうと思って無駄なものができることはあるんですけど、いざ無駄なものを作ろうとすると難しいですね。 ──── 確かに、今回はまずアイデア出しに苦戦するチームが多かったように思います。 とり子:先日、「AI Meeting」というイベントにお声がけいただいて、この「謝罪FAXジェネレーター」と、その他いくつかの作品について発表したんですけども、とても好評で。 ──── すごい。それは先方から依頼があったんですか? とり子:そうです。Xでこの受賞についてつぶやいたら「ぜひ登壇してください」と…。FAXという発想が面白いとお褒めの言葉をいただきました。若者世代であるmemetanとその母親世代の私の感覚がちょうどよく融合したというか。確かにFAXって、若い人からは出ない発想ですよね。 AI Meeting アーカイブ。00:26:51〜とり子さんの発表です。 ──── そもそも紙に出力しようって思わない世代ですよね。その面白さもあっての受賞ですから。素晴らしい。 とり子:最初はFAXという部分はなかったんですよ。謝罪文を生成して終わりだったんです。最後の最後で「FAX送れたら面白くない?」って話になったんですよね。 ──── 最後に。へー! 今回は3日間ありましたが、どのタイミングで「FAX送ろう」ってなったんですか? とり子:3日目ですね。 ──── 本当に最後の最後ですね(笑)。 とり子:そうです。もはや私は言うだけに等しいんですけどね。作業はmemetanが(笑)。 ──── 今回は受賞が2回目で、参加自体は確か3回目でしたか。 とり子:そうですね。以前は「インコーズ」というチーム名で。毎度名前が変わってすみません。構成メンバーは変わってませんので(笑)。 ──── (笑)。第2回にご参加いただいて(インコーズ「ノンビリ動画TockTubeddit」)、第4回では特別賞でしたね(インコーズ「デジタルししおどし リズムを刻め」)。 ↓↓↓前回のインタビューもあわせてお読みください↓↓↓ 第4回ツクアソ 特別賞 インコーズ インタビューはこちらから とり子:そうですね、今はProtoPediaに上がってます。 ──── アイデアが生まれてから開発していく過程について教えていただきたいと思います。今回で3回目の参加ということなので、時間配分などは慣れましたか? とり子:それが、今回は期間中に予定が入っていたりして、時間が取れなかったんですよね。しかもアイデアがなかなか定まらなくて。2日目まで何にもできてなくて、今回はダメかもしれない、辞退するかも…ぐらいの危機的状況で。 ──── じゃあ、2日目の後半ぐらいにアイデアを固めて、急いで作りきったっていう感じだったんですね。 とり子:そうです。アイデアを2人で練っていた時は、全くまとまらなくて。実は「このアイデアで行こう!」ってはっきり定まってもなかったんですよ。2日目に私が用事で外出してて帰ってきたら、memetanが「こんなん作ってみたんだけど」ってあいまいだったアイデアを形にしてくれていたんです。それに残りの時間で肉付けしていった流れですね。 ──── じゃあ、開発時間自体は1日なかったぐらいですかね。 とり子:そうですね。丸1日はなかったと思います。出かけて帰ってきたら出来上がってて(笑)。で、最終的にFAXの機能を実装しようっていう話になったんですけど、memetanは自分の分のバグ潰しにかかりたいから、FAX部分はお母さんが自分でやってよって言われて、いろいろ調べながらいじったんですけど、これが全然うまくいかない。 ──── どのあたりがうまくいかなかったんですか? とり子:これ、結局出来上がったものは「FAX送信用の謝罪文を印刷する」って形に落ち着きましたが、最初は本当にFAXを送ろうと思ってたんですよ。それで、FAXのAPIがあって、それを使おうとしたんですけど、うちに肝心のFAXを受信する機械がなかったんです。それじゃあ全然面白くないなと思って、じゃあプリンターで出力しようと。今度はプリンターのライブラリを探して実装したんですけど、動かなかったんです。使ったライブラリがうちのプリンターと合わなくて。 しかもそのライブラリ、ずっとメンテされてないから「動きません」みたいなコメントがいっぱいついてるようなやつで。そこでmemetanが「もういい、自分でやる!」って別のものを探してきてくれたんですよね。出力形式が違うタイプのやつを読み込んだらうまく動きました。 ──── かなり紆余曲折があったんですね。 とり子:本当に。変な文字化けもするし…。ProtoPediaにそのあたり詳しく載せてますけども。memetanには「Windowsでやるからそんなことになるんだよ」って怒られて(笑)。彼はLinuxの人なので。 ──── memetanさんLinux使うんですか。強い。ちなみに今回の開発環境は何だったんですか? とり子:Node.jsです。 ──── なるほど。このProtoPedia、まとまってて分かりやすいですね。memetansさんのコメントが面白い。「Windowsなんか使うな、プログラマー初心者か」。 (一同爆笑) とり子:ここに載せてる図もmemetanが描いてくれたんです。キャッシュの処理に苦労しまして、たくさん生成されるんで、アクセスの度に生成に行かずにキャッシュしておいたものを出すという作りにしていて、AI Meetingではその辺りが「斬新ですね」と評価していただきました。memetan本人も「大変だった」って言ってましたね。 ──── 確かに、リクエストがいっぱい飛ぶと請求が大きくなるって書いてますね。しかし、memetanさん、若いのに裏側の工夫もされてるのがすごいですね。システム運用の観点がしっかりしてます。memetanさん、おいくつでしたっけ? とり子:16歳です。 ──── 16歳!驚愕ですね!いやすごい…。 気を取り直して、アイデアについてもう少しお聞かせください。かなり時間がかかってしまったとおっしゃってましたが、やはり難しかったですか? とり子:無駄なものを狙って作るって、面白くなくなっちゃうことが多くて、難しいですよね。「面白い」無駄なものを作るっていうところでもう…。 ──── 「オチ」をつけるのは難しいですよね。確かに大抵のハッカソンでは「役に立つ」「何かができる」ものを作るのに、今回は「無駄」というところに収束するので、かなり皆さん頭を悩ませてたのかな、と思いました。他のチームの作品を見て、いかがでしたか? とり子:ZEN SELECTさんの「Coogle」が面白かったですね。あとやっぱりTakさんの作品はいつも魅力的ですね。物が動くと面白さが増します。画面上だけじゃなくて、物理的なものを動かしたいていう欲もあって、今回FAXを持ち出したんです。物とプログラム、セットの方が面白みが増すような気がしました。 ──── 前回の「デジタルししおどし」もそうでしたね。アナログでモノが動いてると、デモも見てて楽しいんですよね。今回のツクアソで新しく手に入れた知識や技術ってありましたか? とり子:memetan的にはいろいろあったと思います。プリンターに出力するあたり、初めての試みでしたし。 ──── 今回はChatGPTを使ってますけど、これは過去作品でも使用したことがありますか? とり子:先ほど話題に出した「AI Meeting」で、「謝罪FAXジェネレーター」と一緒に、もっと前に開発した2つの作品も発表したんです。その中の1つでChatGPTを使ってます。 工事とか消防点検とか、マンションで掲示される紙のお知らせをカメラで撮って、そこの情報を抜き出してGoogleカレンダーに概要と内容と日付を登録してくれるというものです(「カレンダーキャプチャー」)。それで初めてChatGPTを触ったのかな。 ──── なるほど、過去の作品作りが今回に活かされたんですね。webサービスとして公開してるんだ、これは便利ですね。 とり子:スマホからもパソコンからも撮影できるんで、なかなか便利だと思います。学校からのお便りの管理とか。 ──── あれ、全部紙ですもんね。紙をデジタルにする「カレンダーキャプチャー」を作った人が、今度はデジタル情報を紙に出力する「謝罪FAXジェネレーター」を作るっていうのが、また面白いですね。 とり子:本当ですね。言われて初めて気がつきました。 (一同笑) ──── そこを自由に行き来できるのが、インコーズ改めMemetan Tech Tipsさんの武器なんですね。物理とデジタルを融合させるのがすごく上手です。 とり子:この「カレンダーキャプチャー」も、もともとは私がmemetanの力を借りながら作っていたんですけども、最終的には「ちょっともう見てられない!」って全部作り変えられました(笑)。 私が作っていた時は、文書の内容から日付なんかを切り出す別のAPIを使っていたんですけど、memetanがそれをChatGPTに切り替えて。 ──── いや、これ賢い。使い方が賢いですよ。ゼロベースでこれを考えられるっていうのはやっぱりすごい。memetanさんの実力は底が知れないですね。次は何を見せてくれるのかなと期待してしまいます。 とり子:ありがとうございます。 ──── 次回のツクアソは9月を予定しています。またぜひご参加ください。 とり子:本当に楽しいので、またぜひ参加します。今回も大変お世話になりました。 ──── ありがとうございました!
2024年3月8日から15日にかけて「第6回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。 今回のテーマは『洗練された無駄のない無駄な機能』。 いつも以上にセンスが問われるテーマとなりましたが、皆さん想像を超える驚きと楽しさを持ったプロダクトを見せてくれました。 今回のインタビューは優秀賞、チーム「ZEN SELECT」さん。前回の第5回ツクアソでは最優秀賞を受賞しています。 チーム「ZEN SELECT」さんの「Coogle」は、検索すると、洗練されていて無駄のない検索結果を示してくれるというものでした。 示される検索結果は一件のみ。その結果の大喜利とも言えるおかしみと益のなさが非常に面白く、また短い時間で落とし所もばっちりときまったプレゼン動画が高く評価されました。「洗練」と「無駄」の二つをきれいに押さえた作りであったと言えます。 4人チームであるZEN SELECTさんが、今回はどうプロダクトを作り上げたのか、完全分業型チームの運営方法、今後のツクアソへの思いなど、賑やかなインタビューとなっています! ZEN SELECTさんのプレゼンは 00:35:27 〜 ↓↓↓ZEN SELECTさんの過去のインタビューはこちら↓↓↓ 「第5回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー① 最優秀賞 ZEN SELECT(ZEN & ずんだ & suckhal & ハマ)さん 「ZEN SELECT」メンバー ZEN さん ずんだ さん suckhal さん ハマ さん ──── 優秀賞受賞、おめでとうございます。 ZEN:ありがとうございます。 ──── 早速ですけれども、今回のテーマはいかがでしたか? このアイデアが出てくるまでにどのくらいの時間がかかったんでしょうか。 ZEN:「はい」か「いいえ」で答えるなら、「いいえ」ですね。今回、僕がオープニングに参加できなくて、後からテーマを聞いたんですよ。出席してた他の3人が先に相談をはじめてて、アイデアリストを見せてもらってまた一緒に考えたんですけど、なかなか形にならかったですね。1日目では決まらずに、翌日の夜に再集合して、それでも出なかった。 ──── 結構苦戦したんですね。 ZEN:そうですね。テーマの解釈がすごく難しくて。いろんな考えが膨らんではしぼみ(笑)。そこにハマさんが「洗練されたものって何?」って、一段フェーズを落とした疑問を投げかけてくれて、そこで「Google、洗練されてるよな」っていう話になったのかな。 suckhal:そんな話してるときに、ハマさんが手を動かして「こんな感じ?」ってデモをぽんと出してくれたんですよ。それが「面白いね」ってなった。 ZEN:実はGoogleの話になる前の段階で、一つデモを作ってもらってたんですよ。しりとりをすぐ終わらせるbot、みたいなデモを。 ハマ:いやいや、「洗練された回答をしてくれる」チャットボットを作ったんですよ。アイデアがなかなか固まらないから、とりあえず手を動かそうと思ってさくっと。 ZEN:そうそう。思い出した。それでそのbotとしりとりしたんですよね。その返答が面白かったの。洗練された回答だから、かなり冷たく、端的に終わらせられたんですよね。それはもう完璧な答えで。 ハマ:「しりとり」から始めて、俺が「りんご」って言ったら、botが「ごめん」。終わり。 (一同爆笑) ──── 洗練されてますね。でもCoogleはそれを踏襲してる気がします。 ハマ:プロンプト一緒なので。 ──── そうなんですか。 ハマ:ほとんど一緒。UIを変えただけですね。だからそうやって話してる間に作って、みんなに触ってもらって。 ZEN:洗練されているが故の冷たさが面白かったんだよね。以前、そういうテーマありましたよね。 ハマ:なんだっけ、「ちがう、そうじゃない」。(※第3回ツクアソテーマ『「いや違う。そうじゃない」とツッコまれたくなるモノまたはサービスをツクる』) ZEN:それだ。そのときみたいな感覚で面白がれたっていう流れはありましたね。 ハマ:そんでもう、ロゴも俺が勝手に作って。作るとも何とも言わずに完成したものをぼんとみんなの前に出したんだよね。 suckhal:そうそう。 ZEN:Googleのロゴっぽいものを作れるやつで作ったんだよって、ハマさんが持ってきてくれたんだけど、suckhalさんにお願いして。 suckhal:一応、グラフィックをちゃんとしました。一回だけ修正入れて(笑) ZEN:最初の洗練されたbotの流れのまま、何でも短い単語で返してくれる感じだったんですよ。それで何回か遊んだんですけど、もうちょっと返答を長くしてもらうように調整したんですよね。初期バージョンだと「確定申告」って検索すると、「必須」、終了、だったんで、もうちょい文字数増やしてもらって、人間味を出すというか、よりイラッとする回答を出したかったんで。 ──── 以前のインタビューでもお聞きしているとは思いますが、「ZEN SELECT」さんを初めて知る方向けに、チーム結成秘話など、教えていただけますか。 ↓↓↓前回のインタビューも合わせてお読みください↓↓↓ 「第5回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー① 最優秀賞 ZEN SELECT(ZEN & ずんだ & suckhal & ハマ)さん ZEN:僕がyoutubeのチャンネルを持ってまして。それが、中田敦彦さんが考案した「XENO」っていうゲームを解説するチャンネルだったんですけど、そこに集まってくれた人たちで結成しました。ハマさんとずんださんが常連で、最初は「3人でゲーム作ろっか」みたいなノリで。suckhalさんは、実は「XENO」のパッケージイラストを描いた方で、ハマさんがコンタクト取ってくださったんですよね。で、引き摺り込んで4人になりました。 ──── 役割分担がはっきりしてるチームなんですよね。 ZEN:そうですね。suckhalさんがグラフィック的なポジションで、今日はお休みのずんださんもデザインワークが担当。ハマさん1人がばちばちのプログラマで、僕はアイディア出しとプレゼンテーション担当です。今回はアイデアひとつも出してないですけど(笑)。なんだかんだ毎回、アイデアはみんなで出し合ってますんで、僕はプレゼン動画を作る担当って言ったほうがいいかもしれない。 ハマ:今回ずんちゃん酒飲んでていなかったけどね。 suckhal:イベントに行ってたんだよね。それでべろんべろんだったっていう(笑)。普段だったら、ずんださんがデザインして、僕はイラストを描きます。 (一同爆笑) ──── アイデア出しながらデモを、というお話だったんですが、実際、開発にかかった時間はどのくらいでしたか? ハマ:今回短かったな。15分くらいじゃない? ZEN:プレゼンテーション動画作ってる時間の方が長いですね。 ハマ:話してる中でさっさと作って出してるから、本当に時間かかってないんだよね。でもあと15分くらい真面目に作り込んだから、トータルで30分くらい。 ──── 本当にさっくり作ったんですね。じゃあ時間の管理とかも特に意識せず? ZEN:スケジューリングとかは特に。でも、トップバッターでプレゼンできないんだったら、中盤ぐらいで発表したいなと思って、提出する時間を待ちました(※ツクアソは提出順に発表となります)。コントロールしたのはそこだけですね。 ハマ:何だかんだ、アイデアソンにもトータルではそんなに時間使ってないもんね。2日に渡ったけど、夜しか集まってないし。 ZEN:でもね、日中もずっと考えてましたよ。何してても頭の片隅にあるというか。フライパン洗ってても「この、フライパンを洗うという動作はどうしたら洗練されるんだ?」とか。「無駄の無い無駄って何?」とか(笑)。 (一同笑) ZEN:そうは言っても、実働って意味ではハマさんの15分プラス15分の30分になっちゃいますかね。 ハマ:あとsuckhalちゃんがロゴ作ってる時間。 suckhal:それ、2分くらいかな。 ZEN:では、32分です。 (一同爆笑) ──── 他のチームの作品で気になったものはありましたか? ZEN:毎回ハードの作品が気になりますね。すごいの提案される方いらっしゃるじゃないですか。僕らも動くモノを作りたい、みたいな話は、毎回一瞬上がるんですけど。 ハマ:まあ、ハード系作るんだと、どうしても一緒にやらないといけないからね。 ZEN:場所どこにするかって話ですよね。 ハマ:俺、基本岡山から出ないからね。 (一同笑) ZEN:毎度挑戦したいとは思ってるんですよ、心の片隅で。モノも作る展開になったら、またそれぞれ違う力が発揮できそうだし。 ──── 今回のプレゼン動画はどんなふうに作られたんですか? ZEN:今回はみんなに相談しないで、「僕、用意しときますね」ってアイデアから全部1人でやったんですよ。当日までみんなどんなものが出てくるか知らないっていう(笑)。本当にかつかつで、発表の1時間前ぐらいまで作ってました。 めちゃめちゃ悩んだんですよね。まず「やっぱ無駄だよね」ってみんなに思わせるオチが一番いいと思って、じゃあそう思わせるにはどうしたらいいのか。言葉で言わなくても、みんなの中で腑に落ちる展開っていうのを前提として逆算していった感じですね。それで、Coogleを紹介するんだけど、結局最後にはGoogleにアクセスして終わるのがいいかなと。持ち上げてから落とす。売るつもりのないものをいかによく見せるか、それを構成するのはすごい難しかったです。 ──── 今回は動画でしたけど、過去にライブで行ったこともありましたね。 ZEN:水のテーマ(※第4回ツクアソテーマ「水!!」)のときですね。あの時は、会話に水をさすbot(「水差係長」)だったんで、それはリアルタイムで会話に水さしてもらったほうが面白いだろうって思ったんですよ。だからライブの形を採用したんです。 やっぱりライブは緊張しますから。本番で言いたいことが飛んだり、つじつま合わなくなったりとかしたら、冷めちゃう場合も多いじゃないですか。そういうものは、動画のほうが適切だろうって思ってやってます。 今回の「CoogleよりGoogleの方が結局いいじゃん」っていうオチは、要するにギャグですよね。動画でも盛大に滑った気分にはなったんですけど、リアルタイムでやったら大惨事かもしれないなと思って(笑)。あと、あれは検索してる場面とか、全部こまめに編集してテンポを調節してるんです。実際に検索してるともっともたもたして見えるので、そこで萎えるのも避けたかった。でもライブの良さっていうのはすごいあるんで。特に今回はそれを感じた発表が多かったですよね。ライブもやりたいとは思ってます。 ──── 今後のツクアソの展開に期待することはありますか? ZEN:僕、第1回のテーマが好きなんですよ。参加してないですけど。「明日がちょっと楽しくなるサービス」って、純粋に気持ちが上向くテーマだと思って。それ以降のテーマも今回のテーマも面白いんですけど、大喜利化してきてる気がするんですよね。プレゼンも何かオチを考えなきゃいけないようなものになっちゃう。それよりもっと「どうだ!すげーもん作っただろ!」っていうハッピーさが欲しいというか。 でも、一般投票で決めてますもんね。これは独り言みたいなものと捉えてください…。 ──── いえ、貴重なご意見です。次回は9月を予定しています。ぜひ、ハードでの参加も期待しています。 ハマ:サーボモーターとM5スタックとかは、一応、手元に用意してるから。できるっちゃできるよ。 ZEN:それはまたその時考えましょう。 (一同笑) ──── ありがとうございました!
2024年3月8日から15日にかけて「第6回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。 今回のテーマは『洗練された無駄のない無駄な機能』。 いつも以上にセンスが問われるテーマとなりましたが、皆さん想像を超える驚きと楽しさを持ったプロダクトを見せてくれました。 さて、恒例の受賞者インタビューです。 まずは最優秀賞から。ツクアソ常連であるTakSanさん、今回で2度目の最優秀賞受賞となりました。 TakSanさんの作品『キー未入力の無駄な時を無くすべく、無駄にキー入力し続ける洗練されたシステム』は、一定時間キーボードを触らずにいると、空白を埋めるように「MUDA」を書き込み続けてくれるというシステムです。 高度な技術と物理的なアイテムを組み合わせて使用することで定評のあるTankSanさん衝撃の新作。キーボードの裏に糸を張って直接キーをタッチし続けるようにするという、洗練された技術の無駄遣いぶりに圧倒されました。 ユニークなプロダクトを次々と繰り出すTakSanさんの、そのアイデアの源泉や、ツクアソへの思いなど、常連ならではの視点から語っていただきました! TakSanさんのプレゼンは 01:08:37 〜 ↓↓↓TakSanさんの過去のインタビューはこちら↓↓↓ 「第2回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー① 最優秀賞 ハック無謀 (TakSan & akitam) さん 「第5回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー④ 特別賞 TakSanさん ──── 最優秀賞おめでとうございます。 TankSan:ありがとうございます。嬉しいです。 ──── 2度目の最優秀賞ですね。今回は常連さんとしての視点でいろいろお伺いしようと思ってるんですが、まず、ツクアソの短い開発時間でプロダクトを仕上げるために、どのように時間管理されてますか? TankSan:時間管理ですか。苦手なところではあるんですが。 ──── 苦手なんですね(笑) TankSan:苦手ですね。今回も締切の前日まで動けませんでした。もう今から作り始めないと間に合わへんっていう、ぎりぎりのところでようやく動き出した感じです。本当は、毎回新しいアイデアで1からやりたいんですよ。で、動き出さないと本当に間に合わないっていうデッドラインを意識しながらあれこれ考えるんです。どうしても思いつかんかったら、時間足りんかったらこの辺をやろうっていう保険みたいなアイデアを用意した上で考えてるんですけど、結局保険のほうになっちゃうんですよね。今回もそうです。 ──── 今回の作品は「保険」のアイデアだったんですか。 TankSan:そうです、既存の作品のアレンジです。改造って言ったほうがいいかな。どのみちメーカーフェアに出品するつもりだったので、展示用に改造することを考えてたんですよね。 もともとは「リモートdeキー暴動?」という作品でした。オンラインでしゃべると、キーボードが勝手に動き出して打ち込んでくれるというものです。3年くらい前にテレワークになった時に、「サボってんちゃうか」と思われてる感を払拭するために作ったんですよね。キーボードを会社に置いておいて、一生懸命仕事してますよアピールができるかな、みたいなノリで作りました(笑)。 これをもうちょっと展示会でも分かりやすいように、ランダムでもいいから無人でも自動で動くように改造したいってところが出発ですね。それを今回は全て「MUDA」の文字列にしたと。 ──── なるほど。ツクアソ以外の場でも常にいろいろものづくりしてるTakSanさんですけども、毎回開発する時に、新しく習得するスキルとか知識ってあるんですか。 TakSan:ありますね。今回は、キーボードをループさせると危険ということが分かりました(笑)。例えば声をマイクに通す時、フィードバックが増幅されてハウリングにつながったりするじゃないですか。そんなようなことがキーボードにも起こるんです。今回は仮想キーボードみたいな仕組みを組み込んだんですけど、キー入力のフィードバックをそのキーボードを監視しているPCにもう一度フィードバックさせるって作業をさせたおかげで、同じキーが押され続けるという無限ループが出来上がってしまって、えらいことになりました。 ──── 開発段階でですか? TakSan:開発段階で起きたんですが、プレゼンの直前にもトラブりました。デモでいったん動かそうとして、プレゼンに使うPCにつないじゃってたので、「MUDA」ってそこら中に打たれてしまって。 (一同爆笑) TakSan:プレゼン資料のタイトルまで全部「MUDA」。パニックですよ。いつもならプレゼン開始して、映ってるのを確認して、一呼吸置いてから始めるんですけど、焦って何も映ってないまま始めてしまった。 ──── そういえばそうでした。でもそんなことが起こったようには見えませんでしたよ。いつもどおり落ち着いて見えました。 TakSan:焦りました。かつてなく。 ──── そういう演出なのかな、くらいに思ってました(笑)。今の質問に少し関連しますが、開発中に直面した課題やつまずきと、それをどうやって克服したのかについてお伺いしたいです。 TakSan:毎回いろいろ地雷は踏みます。踏みすぎて覚えてないくらい。今回の一番は、さきほどお話しした無限ループですね。あとは、今回初めてHIDキーボードとしてArduinoを使ってみたんです。電子工作の入門キーみたいな基盤なんですけど、キーをカスタマイズできるんですよ。ショートカットキーを自分でプログラムしたり、コントローラーを作ることもできる。その仕組みを初めて使ったんで、ちょっとつまずきましたね。そもそも開始が遅すぎてハマってる場合じゃないのに、自分で作ったプログラムを思い出すのにもむちゃくちゃ時間がかかって。 ──── 以前の作品を改造となると、どうやって作ったのか思い出すところから始めなきゃいけないですもんね。 TakSan:そうそう。コードがでかすぎて複雑になっちゃってて。そもそも開発したのが3年前だったので、記憶との戦いでした。動くに違いないと思いつつ、そっちに足元をすくわれるっていう(笑)。 ──── 改造ならではの悩みですね(笑)。ちなみに今回、作品タイトルはどういう経緯で決まったんですか。 TakSan:何も浮かばなかったんで、タイトルで説明しました。私はわりとそういう傾向があるんですよね。毎度説明的な長いタイトルで、発表の時噛むまでがセット(笑)。 ──── 今回も噛んでらっしゃいましたね(笑)。 実際開発に取り掛かるまでにかなり時間がかかったとおっしゃってましたが、やっぱり今回もテーマは難しかったですか? アイデアが浮かびにくかったというか。 TakSan:そうですね。普段から技術の無駄遣いはしているほうだと思ってるんですが、「洗練された」「無駄」そのものっていうので、「うーん、なんだろう?」ってなっちゃいましたね。技術の無駄遣いはいつもやってますが、無駄なものを作るのはあんまりなかった。 ──── そうですね!ツクアソは技術の無駄遣いを喜ぶイベントですけども、「無駄なもの作る」って、確かになかった。似ているようで全然違う発想です。そこが今回の難しさでしたね。今回のアイデアは言わば保険的なものだったってお話だったんですが、他に浮かんだもの、何かありましたか? TakSan:いろいろ浮かんだのは浮かんだんですけど、ことごとく却下でした。何せギリギリに動き出すので時間がなさすぎるんですよね。却下のネタは非公開、ということで。 ──── ではぜひ次のツクアソに活用していただいて。 他の方のチームの作品でお気に入りのもの、ありましたか。 TakSan:『Coogle』ですね。ZEN SELECTさんはいつもながらプレゼンが上手くてずるい(笑)。あと、『謝罪FAXジェネレーター』とか、『消える電卓』も良かった。あの絶妙にイラッとする感がすごい好きです。めっちゃ見たいやん、なんで隠すの?って(笑)。まったく実用的じゃなくて最高です。 今回は初参加の人も結構いましたよね。『鬼の会話断捨離「まとめるくん」』も面白かったです。LINE一文字で返してくるって発想がすごい。初参加であそこまでちゃんと作り込んできたのもすごいなと思いました。 ──── では最後に、常連のTakSanさんとして、ツクアソの楽しみ方、どんなマインドで参加されているのかを教えてください。 TakSan:テーマ募集からもう始まってますね、ツクアソは。テーマを考えるのがまた面白いと思っています。事前にいろいろネタを上げておいて、その中からどれ選ぼうかな、みたいな感じで参加してます。自分のテーマを選んで、また「今回はどんなのが来るんやろうな」っていうワクワク感も好きです。決まったら決まったで必ず迷走するんで(笑)、そこも楽しむ。少なくとも丸1日は迷走するんで、それが面白いんちゃうかな。迷走期間も楽しむ、それがツクアソです。このスタイルはぜひ、続けて欲しいです。 ──── テーマ決めから楽しむ、迷走も楽しむ。名言ですね!まるごと楽しんでいただいて本当に嬉しいです。次回は9月下旬を予定しています。またぜひ、ご参加ください。 TakSan:ぜひ。 ──── どうもありがとうございました!
2024年3月8日から15日にかけて「第6回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)を開催しました。 水温む春、気候の穏やかさにそぐわぬエッジの効いたテーマとなった第6回も、ひりひりするような戦いとなりました。 恒例の投票制でのテーマ決定。ここからもうツクアソの「おもろさ」が始まっています。さて、今回のテーマは… \だだん!/ 開発期限はテーマ発表から72時間後の、2024年3月11日(月) 20:00。指定の応募フォームから作品を投稿し、動作する作品はすべてファイナリストとなります。 今回は以下の13組となりました! Nothing - 消える電卓 -(くまっきー) 無駄を表示しまくる機能(Keita5mpro) SeiSei AI(オープニングの出席を忘れてたらなんか僕のテーマが選ばれていた) 「無駄」が表示される世界(yappu) Coogle(ZEN SELECT) アップグレード数取器(proconlife) Snapy(Pied Piper) 謝罪FAXジェネレーター(Memetan Tech Tips) 鬼の会話断捨離「まとめるくん」ー さらに無駄なのはサブの過去履歴機能だったー(ものづくり小児科医「うえだ」) ムーダー(life) キー未入力の無駄な時を無くすべく、無駄にキー入力し続ける洗練されたシステム(TakSan) 無駄じゃない時間(さわやまブロス) 虚無の時間(チームあづき) ファイナリストたちは、それぞれ3分のプレゼンを実施し、コメンテーターと参加者全員が視聴。投票フォームに得点を記入するという審査方法です。 いつも以上にセンスが問われるテーマとなりました。相変わらず想像を超える驚きと楽しさを持ったプロダクトが満載でした。 結果発表 すべてのチームのプレゼンテーションが終わると、集計が行われ、得票数が一番多いチームが最優秀賞となります。 ちなみに賞品はこちら。 最優秀賞:amazonギフト券10万円分 優秀賞:amazonギフト券5万円分 特別賞:ツクったものにちなんだナニカ 学生賞:amazonギフト券1万円分 さて映えある最優秀賞は… 「TakSan」による「キー未入力の無駄な時を無くすべく、無駄にキー入力し続ける洗練されたシステム」でした! 一定時間キーボードを触らずにいると、空白を埋めるように「MUDA」を書き込み続けてくれるというシステムです。 高度な技術と物理的なアイテムを組み合わせて使用することで定評のあるTankSanの衝撃の新作。キーボードの裏に糸を張って直接キーをタッチし続けるようにするという洗練された技術の無駄遣いぶりに圧倒されました。 次点となる優秀賞は、以下の2チーム。 チーム「ZEN SELECT」さんの「Coogle」は、検索すると、洗練されていて無駄のない検索結果を示してくれるというものでした。 示される検索結果は一件のみ。その結果の大喜利とも言えるおかしみと益のなさが非常に面白く、また短い時間で落とし所もばっちりときまったプレゼン動画が高く評価されました。「洗練」と「無駄」の二つをきれいに押さえた作りであったと言えます。 チーム「Memetan Tech Tips」さんの「謝罪FAXジェネレータ」は、ぶっ飛んだ内容の謝罪文を生成し、FAXしやすいよう印刷してくれるというものでした。 用途不明の「無駄」、技術の「無駄」、紙の「無駄」という3つの無駄を実現し、ChatGPTのプロンプトを絶妙に調整して、緻密ながらどこにも使えない謝罪文を生成するという表現の面白さにも注目が集まりました。 運営のお気に入り。個性がきらりと光るプロダクトに与えられる特別賞は、「オープニングの出席を忘れてたらなんか僕のテーマが選ばれていた」さんの、「SeiSeiAI」となりました。 こちらの質問に対して全てを「セイ」に置き換えて回答してくれるというもの。 とにかく「セイ」しか言わない。いつか何か返してくれるのかもしれない、と期待して質問を投げ続けてしまう中毒性と、全てにおいての究極的な無駄のなさが強烈な印象を残しました。 そして、学生として参加された方の中から選ばれる学生賞。チーム「life」さんの「ムーダー」に決定しました。 ゴミ箱にゴミを投げ入れるというゲームなのですが、RPG風の思わせぶりなオープニングが長く、しかもまったく本編と関係ないという無駄さ。 プレゼン動画では肝心の本編を全く見せずに終わるという、引きの良さ、センスの良さも評価されました。 * * * 今回のテーマは「洗練された無駄のない無駄な機能」でした。 毎回解釈に苦労するお題が多いというのもツクアソの特徴ですが、よりセンスが求められる回となりました。 しかし、その独特の難しさをものともせず、センスフルでとんちの効いた作品がたくさん生まれ、またどのチームも技術的な「無駄遣い」もいかんなく発揮してくれたと思っています。 今回も全力で一緒に遊んでいただき、どうもありがとうございました。 みなさんおつかれさまでした! 最後に恒例の集合写真です。「遊ぶ」の「A」をみんなで掲げての記念撮影でした。お疲れ様でした! 当日の様子は以下からご視聴いただけます。 謝辞と次回の予告 第6回も、参加者の皆さんとともに無事閉会することができました。毎回意欲的にものづくりに参加していただけること、運営一同大変うれしく思っています。 参加していただいたプログラマの皆さん、賞品提供に協賛していただいた株式会社ソニックガーデン様、今回もありがとうございました! 次回は半年後、2024年9月開催予定です。 以下をフォローして頂けるとお知らせします。お楽しみに! https://twitter.com/tsukuasohack
2023年8月17日から25日にかけて「第5回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。 今回のテーマは『大人のカンニング』。 「カンニング」の解釈をどうするかが肝となるテーマでしたが、安定の個性爆発ぶりで、皆さん楽しい作品を見せてくださいました。 さて、第5回も恒例の受賞者インタビューを行いましたよ。 今回は、特別賞を受賞したTankSanさんによるインタビューです。 「カンニング=cunning=ずる賢い」という単語の意味から着想した作品。サービス終了してしまったLINE CLOVAを、Raspberry Piを使って魔改造して再び蘇らせるというプロダクトでした。 ツクアソ常連のTakSanさんの確かな実力と斜め上を行く発想力がいかんなく発揮されており、高評価となりました。何もかもが異彩を放っている作品は、TakSanさんのProtoPediaにも公開されています。 第2回ツクアソから毎回参加しているTakSanさん。技術をあますことなく使い、誰にも思いつけないような作品を作り続けています。 開発過程はもちろん、ハード系製作者の苦悩までいろいろと明かしてくれました! TakSanさんのプレゼンは 00:47:50 〜 ──── 特別賞おめでとうございます。毎度ご参加ありがとうございます。 TakSan:こちらこそありがとうございます。 ──── 早速ですが、LINECLOVAを使おうというのは最初から決まっていたんですか? TakSan:いや違います。実は、今回はちょっと時間があったんで、別ネタでやろうと思ったんです。でも作り始めてから行き詰まってしまって…。結局実績のあったLINE CLOVAを改造することにしました。「ズル賢い」っていうワードを使ったんで、ちょうどいいかなって。 (一同笑) ──── 落としどころがまたちょうどいいですね。 TakSan:本当に「ズル賢く」です。CLOVAのサービス終了は去年の10月に発表されたんですけど、もう次の日には分解し始めたんで、1年ぐらいあたためていたネタですね、実際は。 ──── あっ、そんなに前から…。CLOVAを使う前、最初に検討したアイデアについても少し教えていただければ。 TakSan:もう全然浮かばなくて。「カンニングってなんやろ」って思いながら、とりあえず買ってから積んであった、透過型のディスプレイ(後ろが透けて見える形のディスプレイ)を使おうかなと思ったんです。メガネのレンズよりもう一回り小さいぐらいのサイズ感なんですけど、それを制御したら何か思いつくかなと思って触り始めて…全くだめでしたね。 ──── 「とりあえず机の上から探す」というのは、ハード系の参加者さんはよく言われますね。 TakSan:ハードウェアは癖が見えてきたり、道具を集めたりするのにどうしても時間がかかるんで、もともと手元にあったものとか、ある程度ベースがないものじゃないと時間的に厳しいんですよね。 ──── じゃあCLOVAでってなってから、完成まではどれくらいかかったんですか? TakSan:土曜の朝に「だめだ、CLOVA使おう」ってなって、その時点で12時間切ってたんで、残り時間でできる範囲でなんとかしようと奮闘して。 ──── 上手くテーマに着地できるように。 TakSan:「ズル賢い」の極みで(笑)。 ──── でもちゃんと収められたのは本当にすごいです。 TakSan:なんとか。今回は結構脱落者多かったですよね。プレゼンのときに「チーム数減ったな」と思いました。 ──── やっぱり48時間という時間制限はひとつのハードルですよね。 TakSan:でもツクアソは、開発・提出とプレゼンの時間が分かれてるところがありがたいですね。割と他のハッカソンだと、プレゼンまで込みの場合が多いので、特に僕みたいなソロ参加は、全部1人でやるから間に合わなくなっちゃう。 ──── TakSanさんはかなりハッカソン出ていらっしゃいますよね。ツクアソにもずっと参加していただいて。 TakSan:ツクアソは第2回からですね。第1回は存在に全然気づいてなくって逃しました。 ──── 第2回はいきなり最優秀賞でしたね。とにかく時計を隠すっていうプロダクトで(「時から解放されるには、そうだ時計を隠しちゃえばいい…」ハック無謀)。 TakSan:その次もなんか似たようなものを作りましたね。画面いっぱいに羊を集めてくるみたいな。 ──── 「眠れないのでコンピューターに 羊を数えさせた!?」でしたね。この回のテーマはTakSanさんが考えたものでした(第3回ツクアソテーマ『いや違う。そうじゃない。』とツッコまれたくなるモノまたはサービスをツクる」)。 TakSan:自分で考えたテーマだったのに、賞とれなかったんですよね。インパクト強かったはずなのになんでだろう…。 (一同笑) ──── 今回出てた作品で、印象に残ってるものはありますか? TakSan:最優秀賞の「なるほどですね。」は「最初からきたな!」と思いました。あとは「さだこちゃん」ですね。丑の日プロジェクトさんは、いつもプレゼンも上手いし脅威です。あと、スパイツール製作所さん、3種類って!メンバー1人1作品作ったっていうのがもうすごい。スパイツールさんが一番の脅威だったような気がします。 やっぱり私からすると、同じハードウェア作品はどうしても気になりますね。 ──── ツクアソはテーマがユニークなので、とがったものを作ってくるチームが多いですね。プレゼンもそれに合わせてかかなりとがってる(笑) TakSan:プレゼンも大事ですよね。このCLOVAネタは他でも出していて、何回かプレゼンしてるんですけど、仕組みをしっかり理解してもらおうとすると3分じゃ全然足りないんですよ。3分だとさらーっと流す感じになっちゃう。まず「大人のカンニング」にどう関連付けるかっていうところを説明して…ってやってるとそこにも時間が取られますし。その時間配分はもしかしたら今回一番難しかった部分かもしれないです。 ──── それでもすごいインパクトでした。だからこその特別賞なんですけども。 TakSan:とにかくCLOVAはいろいろいじくってまして、まだまだ絶賛製作中です。詳しくはプロトぺディアなどをご覧ください(笑)。 サービス終了予定の LINE CLOVA にラズパイを仕込んで改造してみた | @TakSan サービス終了になった LINE CLOVA 達に第二の人生を歩ませる ラズパイ化CLOVA-パート1(ガチの改造編) ラズパイ化CLOVA-パート2(専用基板編) 振り返ると1年中CLOVA 改造していた件 ──── たくさんのハッカソンにご参加されてる中、ツクアソにも毎回参加してくれていらっしゃいますけども、ぜひここでツクアソの魅力について教えてください。 TakSan:テーマの意外性です。ガチガチの社会課題解決系とかじゃないんで、やってて純粋に面白い、楽しめるというのが一番ですかね。この姿勢は崩れてほしくないと思ってます。 ──── 次回のぜひご参加ください。お待ちしています。 TakSan:ぜひよろしくお願いします。 ──── どうもありがとうございました!
2023年8月17日から25日にかけて「第5回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。 今回のテーマは『大人のカンニング』。 「カンニング」の解釈をどうするかが肝となるテーマでしたが、安定の個性爆発ぶりで、皆さん楽しい作品を見せてくださいました。 さて、第5回も恒例の受賞者インタビューを行いましたよ。 今回は、優秀賞を受賞したチーム「シーズン2」の5名によるインタビューです。 シーズン2さんの「蚊ン忍具」は、モスキート音を使ってモールス信号を送るというアプリでした。試験監督には聞かれずにクラスメイトにだけに分かる信号を送るという発想が画期的でユニークです。 「試験のカンニング」という非常に学生らしいストレートな発想ながら、モスキート音を使うというギミックが大変面白い作品です。モールス信号を解読できないと全く役に立たないという絶妙なふざけ具合も高評価でした。 第3回ツクアソでは別チームで参加していたメンバーが、リベンジで挑んだ第5回。見事に優秀賞を獲得!開発過程からものづくりへの思いを楽しく語っていただきました。学生らしいフレッシュなインタビューです! シーズン2さんのプレゼンは 00:22:13 〜 「シーズン2」メンバー えび さん Comet さん magochansan さん レインボーブリリアント さん ──── 優秀賞おめでとうございます。 一同:ありがとうございます。 ──── 今回学生チームはシーズン2さんだけでしたね。ツクアソのことはどこで知ったんでしょうか? えび:なごはち経由じゃなかった? magochan:僕は大学の先輩のレインボーブリリアントさんに誘っていただいて。 レインボーブリリアント:ツクアソのSNSから知りました。 ──── ハッカソンには定期的に参加してるんですか。 レインボーブリリアント:自分とmagochanはそんな感じです。 えび:僕は初参戦でした。 Comet:僕は別のチームで第3回のツクアソに参加しています。そのとき学生賞をもらったんですけど、最優秀賞取りたいと思っていたところにもう一度先輩から声をかけてもらったんで、参加しました。 えび:強くなって帰ってきた。 (一同笑) Comet:「大阪府立たまごかけごはん」のチーム名で。 ──── 「癒しの猫八さん」ですね。今回は別チームで優秀賞ゲットなんですね。あらためておめでとうございます。 Comet:ありがとうございます。 (第3回ツクアソ「大阪府立たまごかけごはん」さん学生賞受賞インタビュー) ──── みなさん同じ大学の方なんですね。サークルの仲間ですか? えび:学科繋がりですね。情報学科です。 ──── 今回のテーマ「おとなのカンニング」、いかがでしたか? えび:アクの強いのがきたなと。そう思ってたら、discordに「あ、これ僕のやつや」って発言があって(笑)。magochanだったっていう。 ──── まさかの身内でしたね。発案者がいたことで、スムーズアイデアが出たとかそういったことは。 Comet:発案した割には何も考えてなかったらしくて。まじかよってなりました。 えび:とりあえず投げてみたんだな。 (一同笑) ──── 開発の過程はどうでしたか? えび:夏休み中だったんで、しっかり時間取ってやれました。僕が最初に機能を何となく決めて、UIに依存しない部分の機能を他の3人に実装してもらう傍ら、僕がデザインを作って、そのあとでフロント、みたいなスケジュールをなんとなく決めて。あとはエンジニア部門で各自どれをやるかを決めてもらって。全体的には完全オンラインで進めました。 ──── えびさんがプロダクトオーナー的にざっくり決めつつ。 えび:僕は、デザインはしたんですけど、機能周りなんかは本当にみんなで、わいわいやりながら決めました。 ──── オンラインでの作業ということですが、ツールは何を使われたんですか? えび:基本はdiscordのテキストで、たまにボイチャですね。 ──── 画面見せたり動きを確認したいときは適宜つないで。 えび:そうですね。 ──── アイデアが出て、形ができて、実際に作り始められたのはどのぐらいだったんですか? えび:作り始めたのは結構早かったと思います。 レインボーブリリアント:割と早くアイディアが決まったんで。1日目の夜には実装に取り掛かったと思います。 ──── かなりスムーズですね。開発の時間もブラッシュアップの時間も十分にあった感じですか。提出はどのくらいでしたっけ? えび:そんなすごいぎりぎりではなかったと思うんですけど。 Comet:とはいえ期限の1時間前まで微調整はしてましたね。 ──── アプリを作る中でこだわったポイントを教えてください。 えび:僕は、普段もデザインのインターンをしているので、UIは気合い入れて作りたいと思ってました。「大人の」なので、それなりに洗練されたデザインにしないとって思って。あと、機能面では「ぎり使えない」ぐらいを攻めたかったですね。めちゃくちゃ便利だとあれなので。 レインボーブリリアント:そうなの? 私は実際にカンニングができるように、電源偽装モードで画面が完全に真っ暗になるように工夫したり、いろいろがんばりましたよ。 (一同笑) ──── 実にツクアソらしいこだわりですね。このネーミングはどうやって決まったんですか。 レインボーブリリアント:ネーミングはmagochanさんが考えました。magochanさんは普段から変な当て字でしゃべってるんで、そのノリで出てきたんだと思います。 えび:内側から滲み出てきた。 (一同笑) ──── みなさん、今回のツクアソ、参加してみていかがでしたか? えび:短期でのチーム開発自体が初めてだったので、お祭り感というか、わいわいやりながら短期間で密度高く作るのがすごく楽しかったです。またやりたいです。 Comet:2回目の参加だったんですけど、前回は大学1回生で、あんまりスキルもなくて、いろんなことに関われなかったんです。今年もいろいろ先輩に助けてもらってたんですけど、前回よりは自分でできることも増えて、うれしかったですね。去年よりは成長できたと思ってます。 magochan:今回レインボーさんの発案で初めてReactを触りました。どう書いたらいいんだろうって調べて模索しながら書いてく感じだったんですけど、それが楽しかったです。日頃触ったことのない技術を使うきっかけになったのもすごく良かったなと思っています。 レインボーブリリアント:ひさしぶりにハッカソンに出たんですけど、やっぱりハッカソンって楽しいなって改めて思いました。また次回も出たいです。 ──── ちなみに、他のチームで気になったものってありますか? えび:ハード系は全部です。僕が一切ハードを知らないので。出てきた瞬間に「すげー!」って圧倒されちゃいますね。特に印象に残ったのは「スパイツール研究所」さんです。プレゼンのアニメーションとかも凝ってて感動しました。 Comet:僕もハードは知識ないんで、ハード系を2日間であれだけ組み立てるのはすごいなと思いました。 magochan:僕もハード系はすごいなと思います。一部コンセプトが被ってたのであせったりとかもしたんですけど(笑)。なんとかプレゼンで挽回できたので、よかったです。 レインボーブリリアント:私もハードですね。LINECLOVAを改造したやつが特に。私たちの作品は、技術的にすごいことやってるわけじゃないんで、プレゼンに笑いを持たせたりとか、そういうテクニックでやってるところがあるんですけど、LINE CLOVAのTakSanさんとか、純粋に技術力の高さで勝負してて。ああいうの憧れます。 えび:丑の日プロジェクトさんも、集合写真とロゴが出てきて、プロっぽい映像ですよね。ユニフォーム着ててすごいかっこいい。本気度の高さがすごいかっこいいですよね。 ──── シーズン2さんはプレゼンが印象的でした。あれはどうやって作ったんですか? えび:脚本は僕が書いたんですけど、写真入れるとかそういう演出はみんなのアイデアで、わちゃわちゃ話し合いながら作りました。 ──── Zoomの反応も良かったですよね。ツクアソはプレゼンもかなり審査に響く感じがありますし。こなれた発表がすごくよかったです。 えび:ありがとうございます。大人感出すためにスーツ着たりした甲斐がありました。 (一同笑) ──── 次回はぜひ、最優秀賞にチャレンジしていただきたいです。 レインボーブリリアント:今度は3回目の参加になるんで、シーズン3にしようと思います。 えび:さらに強くなったCometに乞うご期待です。 (一同笑) ──── ありがとうございました!
2023年8月17日から25日にかけて「第5回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。 今回のテーマは『大人のカンニング』。 「カンニング」の解釈をどうするかが肝となるテーマでしたが、安定の個性爆発ぶりで、皆さん楽しい作品を見せてくださいました。 さて、第5回も恒例の受賞者インタビューを行いましたよ。 今回は、優秀賞を受賞したチーム「PiedPiper」の3名によるインタビューです。 PiedPiperさんの「GegeloMap」は、ユーザーが夜の街で粗相をした際にその場所を登録。蓄積された情報から、あらかじめ汚物を避けて通ることができるというアプリでした。 大人なら誰しも見かけたことのある夜の路上のゲロ。できれば避けたい、と「みんなが思うもの」という目の付け所が面白く、また大人ならではの発想にも注目が集まりました。 ツクアソ第1回から皆勤賞を誇るPiedPiperさん。今回のプロダクトの開発過程はもちろん、いつもどんな視点でものづくりをしているのかなど、常連ならではの楽しいお話をたくさん伺いました。 PiedPiperさんのプレゼンは 00:38:25 〜 「PiedPiper」メンバー 吉田早希(よしださき)さん 近藤里俊(こんどうりしゅん)さん 髙尾凌我(たかおりょうが)さん ──── 優秀賞おめでとうございます。PiedPiperさんは、第1回からずっと参加してくださってるんですよね。 高尾:そうですね、このメンバーは全員参加です。 ──── 第1回は最優秀賞を取られました。今回のお題は難しかったという声が多いんですが、初回と比べていかがでしたか? 高尾:回を重ねるごとに難しくなっていく印象がありますね。 ツクアソって、ぶっ飛んだものを作らないと勝てない気がするんですよ。他にもハッカソンには出てるんですけど、ツクアソだけ勝ち方がイメージできないよねっていう話をよくしています。頑張って作ったとしても、それが勝てるかは最後まで分からないというか、とにかく予測不可能で、難しいハッカソンだなって。 ──── 他のハッカソンにもよく出てらっしゃるんですか? 高尾:はい。見つけて予定があえば即参加っていう感じで、割と出ています。僕と近藤は学生時代にハッカソンを通して知り合ったんです。吉田は会社の同期で、同じようにハッカソンに積極的だったのでスカウトしました(笑)。 (※第1回ツクアソ最優秀賞受賞時のインタビューはこちら) ──── 開発の過程について伺います。テーマが発表されてからアイデアが浮かぶまで、どのくらいの時間がかかりましたか? 高尾:結構かかりましたね。木曜日の夜にテーマが発表されて、その日のうちには固まらなくて。金曜日は普通に出社してたんで、退勤してから集まってまた話し合いだったんですけど、それでも決まらなかったですね。土曜日の朝方、日付を超えてようやく決まって、制作にとりかかったっていう感じでした。 ──── やっぱり難しかったですかね。 高尾:そうですねー。いつもはアイデアをそれぞれ出しながらHackMDに書いていって、そこから選んでさらにブラッシュアップさせていくってやり方なんですけど、出るからにはどうしても勝ちたいんですよ。 だからいかにぶっ飛んだアイデアにするかっていうので手こずって、納得するアイデアが出るまで時間がかかっちゃいました。 近藤:今回の「大人の」の部分で、アダルトっぽい案まで結構出してたんですけど、なかなか堂々と使えるのが出なかった。 高尾:あと今回、使う側と情報を提供する側、どっちもメリットがあるようなものを作りたい、サービスとして成り立つようなものを作りたいなっていう思いもあったので、そこでもアイデア出しに苦戦したよね。 ──── からの、「GeeGeloMap」ですけど、これはどういった経緯で決まったんでしょうか。 吉田:これは結局のところ近藤がノリで。 (一同笑) 近藤:僕、その日飲んでたんですよ。金曜日の夜のミーティングをオンラインでやってたんですけど、僕、飲み会帰りだったんです。帰り道歩きながらで、金曜の夜だから周りも酔っ払いがいて、それを見てたら思いついたっていうかんじです。 高尾:前回は、「水」がテーマで、水文字から連想して時間経過で消えていくチャットアプリ(※第4回ツクアソ出品作品「ChatMith」)を開発したんですよね。真面目路線でパンチが足りなかった。 吉田:敗因は真面目さ。 近藤:やっぱりパンチだよね。ぶっ飛び具合で最優秀賞をもぎ取ったんだ。 (一同笑) ──── 名前から決めたんですか? 近藤:同時ですかね。そもそも僕がゲロでなんかできないかなって思ったんですよね。 マップ上に事故物件ばっかりが表示される「大島てる」っていうサイトがあるんですけど、それを友達に教えてもらったばかりで、ちょうど思い出して「ゲロ版作ったら面白そうだな」と…。 吉田:ひどい(笑) (一同笑) ──── アイディアが出てから土曜日に提出するまでの開発などはいかがでしたか? 吉田:今回、あんまり大きな詰まりがなかったような。 近藤:GoogleMap APIでちょっとさきちゃんが苦労してた印象がある。 吉田:うん、でもそれぐらいですね。 高尾:機能を絞ったので、比較的スムーズに進めたと思ってます。 近藤:みんなで2ページずつシンプルに分けたんだよね、作業を。サーバーもなかったし。 高尾:サーバーなかったね。firebaseで。今回、実装部分のバックを全てfirebaseに任せて、実装はフロントだけだったんです。だからページで分担して。 近藤:パワーで押し切りました(笑)。 吉田:普段は高尾がバックエンドをメインでやっていて、近藤がデザインフロントやって私もフロントやってっていう感じなんですけど、今回はちょっとイレギュラーな形ですね。でもハッカソンによっては、いつもやってない部分を担当したりとか、柔軟にやってるので、そこまでの苦労はなく。 ──── みなさんエンジニアでいらっしゃるということですが、お仕事では具体的に何をやっていらっしゃるんですか? 近藤:僕の本業は、サーバーサイドエンジニアです。フリーランスでデザイナーとしてフロントも触っているので、ハッカソンではフロントをやることが多いですね。 吉田:私はSEなので割と色々なんですけど、メインはクラウドアプリケーションエンジニアで、クラウド構築とかやってます。学生時代にフロントエンドのインターンをやっていて、フロントが一番好きなんです。なのでハッカソンの場でフロントを楽しみながらやってます。 高尾:僕も吉田と同じくSEです。専門領域はクラウドのインフラ部分で、業務ではOCPとかを中心に触っています。 ──── 第1回から参加されていたということですが、ツクアソに最初に参加したきっかけについて教えてください。 高尾:基本的にネット検索です。常に僕や近藤がハッカソンを探してるんです。どっちが見つけたのかはもう覚えてないんですけど、ネット検索に引っかかったんじゃなかったかな。第1回は、ちょうど社会人になったタイミングで。当時はハッカソンって学生向けがすごく多くて、社会人向けって少なかったんですよね。それでツクアソは見つけた瞬間に「出よう!」って。 ──── 今回参加された他のチームで、特に印象に残ったものってありますか? 近藤:僕らと同じ常連のユニバックさんとか、やっぱり毎回いい作品が多いですよね。完成度も高いですし。 吉田:丑の日プロジェクトさんとか。 高尾:そうですね。彼らとは懇親会でも話しましたけど、年代が近いのもあって、毎回楽しみにしてます。今回はどんなもの作るんだろうって思います。 ──── ハッカソンはお好きということですけど、ならではの醍醐味とか良さはどんなところなんでしょう? 吉田:ハッカソンって大抵時間が極端に限られていて、参加すると大体オールになるんですよね。そういう追い込まれた状況で、がーってコーディングしてる時、もうアドレナリンがドバドバ出てすごい楽しく感じます。 あとは、もう普段の業務でコードを書かなくなっているので、その物足りなさをハッカソンで埋めてるところもあります。スピード感から何から普段の業務と全然違うので、ギャップがもたらす刺激みたいなのが強烈で、終わるとまた欲しくなってしまうという…。 (一同笑) 高尾:吉田が言ったことに僕も同意です。あと、やっぱり物作りが好きなので、それを仲間とできるという意味でも魅力的な場だと思ってます。 ハッカソンでしか触れない、触らない技術もあるので、そこも楽しいですね。他の人のアーキテクチャを見るのも勉強にりますし。ハッカソン、面白いです。 近藤:僕もみんなに近い気持ちですね。マネタイズとか気にせずに物を作れるっていいですよね…。僕自身飽き症なんで、長くひとつのサービスを守り続けるというよりは、短期間で考えて作ってを繰り返す方がより刺激を感じます。 吉田:あと、私、第1回ツクアソが人生初のハッカソンだったんです。それがすごく楽しくて。今思えばツクアソだったからなんですけど、「こんなに楽しいんだ!」みたいなのを知ってしまった、という感じでした。 このチームは、メンバーに教えてもらえる、学べることが多くて、それも楽しさのひとつですね。 ──── ハッカソン愛が強い、いいお話を聞けました。今のところ皆勤賞です。ぜひ次回もご参加いただけますよね。 近藤:もちろん、皆勤賞逃すわけにはいかないですね。唯一のチームですよ、われわれ。 高尾:第10回ぐらいで表彰されるんだろうなぁって思ってます(笑)。 吉田:皆勤賞で。 ──── ぜひお待ちしています。本日はありがとうございました!
2023年8月17日から25日にかけて「第5回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。 今回のテーマは『大人のカンニング』。 「カンニング」の解釈をどうするかが肝となるテーマでしたが、安定の個性爆発ぶりで、皆さん楽しい作品を見せてくださいました。 さて、第5回も恒例の受賞者インタビューを行いましたよ。 今回は、映えある最優秀賞を受賞したチーム「ZEN SELECT」の4名によるインタビューです。 ZEN SELECTさんの作品は、「なるほどですね」という相槌のキーワードを合図に、わからない単語などをAIが検索して、接続したイヤホンからこっそり音声で教えてくれるというアプリ。会議中や商談中に知らないワードが飛び出してきても慌てずに対処してくれる優れものです。 使用中でもばれないように時計が表示されるというところが面白く、情報取得の成否をさりげなくインジケーターで知らせてくれるという配慮も素晴らしい設計でした。画面がスタイリッシュというところも高評価の作品です。 4人中3人が非プログラマという、ちょっと珍しい編成のZEN SELECTさん。チーム結成秘話や、プレゼンまでの道のり、プログラマチームではなく、クリエイターチームならではの視点が面白いインタビューです! ZEN SELECTさんのプレゼンは 00:07:28 〜 「ZEN SELECT」メンバー ZEN さん ずんだ さん suckhal さん ハマ さん ──── ZEN SELECTさんは常連チームのひとつですね。初の最優秀賞受賞、おめでとうございます。チーム結成のきっかけから教えてください。 ZEN:私がyoutubeにチャンネルを持ってまして。youtuberとして活動しているんです。内容としてはカードゲームを取り扱うようなチャンネルでして、そこでずっと1人で配信してました。そのチャンネルのライブ配信に遊びにきてくださったのが今のメンバーです。自分たちでもカードゲームを作ってみようぜって作り始めたのがきっかけですね。 ──── じゃあプログラマの集団というわけではないんですね。 ZEN:そうですね。プログラマはハマさんだけで、ずんださんがデザイナー、suckhalさんがイラストレーター、僕がyoutuber(笑)。 僕(ZEN)が選んだゲームを売る、みたいな意味で「ZEN SELECT」っていうチーム名だったんですけど、やってることが変わっても名前だけは残ってるという形です。 ──── じゃあ普段はこのメンバーで別の活動をしてるんですか? ZEN:ツクアソには第2回からこのメンバーで参加してますけど、「ZEN SELECT」自体はブランド名のような気持ちで、カードゲームをしたり販売をしたりしています。Amazonにも作品を何点か置いていて、カードゲームやボードゲームの販売イベントに参加したりもしています。 ──── 広く活動されてるんですね。ばらばらの4人ということで、他のメンバーの方も簡単に自己紹介してもらっていいですか? ずんだ:ずんだと申します。「ZEN SELECT」にはデザイナーという役割で関わっています。コロナが始まった頃からZENさんのyoutubeを見始めて、コメントしたのがきっかけで交流が始まって今に至るという感じです。 ツクアソでは、アプリのビジュアル面やロゴマークを作ったりしています。普段では、カードゲームのデザインを担当しています。プログラムに関しては、ド素人のド素人です。というか、ハマさん以外の3人全員ド素人。 ──── プログラムと、webに関しても分からないという状況ですか? ずんだ:そうです。そこへハマさんのお声がけがあって飛び込んだのが、第何回だったっけ? ハマ:第3回からだね。俺はプログラムを書くところを全部やる人。 ずんだ:第3回、4回、5回と出て、3度目の出場でようやく最優秀賞とれました。目標達成。嬉しい限りでございます。 ──── 最初の参加から最優秀賞狙ってたんですか? ずんだ:もちろん。どうせやるなら名を残したいじゃないですか。 ZEN:毎回優勝を狙ってますよね。 ずんだ:でも実際見てると本当に面白い人いっぱいいるからねー。いやー最優秀賞、嬉しい。 suckhal:イラストレーターで参加しています。最初にZENさんが遊んでたゲームに商業的に関わったことがきっかけで、この界隈で盛り上がってるZENさんたちをちらちら横目で眺めてたんですけど(笑)。ハマさんに「ゲーム作ろっ」みたいな感じで声をかけていただいたんだったかな。 イラストレーターということで、モチーフだったりの下地を作って、デザイナーのずんださんにぶん投げて組み上げてもらうっていうやり方です。 ただ、今回については描くものがなくて、最初のアイディア出しには参加しましたけども、ほぼずんださんのデザインで出来てますので、今回私は賑やかし要員ですね。 ずんだ:前回、前々回はごりごり描いてもらいましたので、助かりました。 suckhal:今回無理に描かなくてよかったです。だからこそシンプルに綺麗にできたなと。 ──── 確かに、洗練されてました。 ZEN:われわれは明確に役割が決まっているので、ある程度アイデアが固まってくると、特に言わなくてもなんとなく「自分は今回これぐらい」って察知できるんですよね。 ──── ちなみZENさんの役割は? ZEN:このハッカソンに関しては、完全にプレゼンテーション係です。 アイデア出しは4人で均等な力加減でやるんですけど、それ以外のことでyoutuberにできることはそれぐらいですよ(笑)。 アイデア固まって、6割ぐらい方向が決まると、完全に「プレゼンどうするか」にシフトしちゃいます。そこを中心に考えるんですよね。 今回の「なるほどですね。」は、要するにAIが音声で教えてくれる「カンニング」なんですけど、テキストで残るという機能については僕が提案したんです。カンニングとしては音声で教えてもらって完結してるというか、それがかっこよかったんですけど、プレゼンテーションの終わりを考えると、もうひとつ盛りたい。僕がプレゼンで言いたいからこの機能を足してくれっていう提案だったんですよ。サービスとしてどうかじゃなくて、プレゼンの締まりが良くなるからこの機能を足してほしい、というお願いをしました。 そういうふうに、僕からはプレゼンありきでアイデアを足すこともあります。 ──── あのテキストでログが残る機能は「かゆいところに手が届く感」があったと思います。 ZEN:あれがあるのとないのでは、最後の5秒で喋ることがだいぶ変わってくるんです。最後のほうまで「それいる?」って議論になりましたけども。 ハマ:俺とバトった(笑)。 ZEN:プログラマ的には「いらん」だけど、プレゼン的には欲しかったんですよ。「おっ」って思ってもらいたいわけじゃないですか。 ハマ:いらん!と思ったけど、今回作るものあんまりなくて余裕あったから作って差し上げました。 ZEN:とにかくプレゼンの時に「おっ」て思わせるには、を考えるので実用性の部分が飛ぶことがあるんですよね。 ずんだ:実用性に走ると「いらん」だろうけどね。まあ大体こんな感じでやってます、「ZEN SELECT」は。 (一同笑) ──── 役割がはっきりしてて、この人ならやってくれるだろうという信頼がお互いにあるんですね。 ZEN:少なくとも僕は全員に対して信頼がありますね。きっとこの機能つけてくれるんだろうとか、こんなフォント作ってくれるんだろうとか。特にプログラムはもう完全に任せる感じですよ。実際ハマさんなんか、「できないことは何もないんだけど」ってところから話がスタートしますし。みんなどんと構えてくれるから、好き勝手言える。 ──── 「なるほどですね。」のアイデアはどなたが思いついたんですか? ZEN:ハマさんですね。カードゲーム作る時もそうですけど、最適解を出してくるのはプログラマのハマさんが多い印象です。もちろんみんなでディスカッションした中で出てくるものではあるんですけど。 ずんだ:結構悩んだんだよね。 ZEN:そうね。アイデア自体は、それこそマッチングアプリとか下世話なものまでいろいろ出てきて。でも出てきたアイデア全部集約すると、「何かをきっかけに、疑問に対する答えをくれる」っていうのが、今回のお題の最適解だよねっていうことに、ハマさんの力で気づいたんですよ。最終的に「なるほどですね」っていうワードもたしかハマさんが。 ずんだ:あとさ、割と最初の方で、紳士淑女っぽい、大人っぽい立ち振る舞いにしようっていうのもテーマにしたよね。 suckhal:「大人の」をそういう捉え方でやってみようかっていうことにしたんだよね。 ZEN:そうそう。上品に。大人っぽくっていうところからスタートして、でも「大人っぽい」と「カンニング」はミスマッチなんですよ。どうしても「カンニング」って下世話なほう、普段見れないもののほうに行くから。だからちょっとラインを下げて幅を広げたのが今回の感じですね。 ──── そうやってアイデアを揉んでくださったんですね。 ずんだ:ここがプログラムできない3人にとっても、喋りどころっていうのもあって。 ZEN:ハマさん、なんであれが出てきたんですかね? ハマ:俺がコミュ障だからじゃない? ZEN:あー、そんな話出たかも。「なるほどですね」って、例えば目上の人に言っちゃいけないような、どっちかっていったら失礼なワードなんだろうけど、でもそれにすがる瞬間があるよね、みたいな話。 ずんだ:履歴で「コミュ障がよく使うあいづち」って書いてあるわ。 (一同笑) ZEN:でも、使っちゃいけない言葉だからこそ面白いと思ったんですよ。それがトリガーになってるのが。 ハマ:それはね、ZENがコミュ障じゃないからだよ。あのプレゼンの場にいたほとんどのエンジニアは、「確かに」と思ったはず。 ZEN:でもそれ、大事ですよね。あの場にいるメンバーに刺さらないといけないわけだから、プレゼンというものは。だからラインとしてはちょうど良かった。あれ以上掘ったらもう伝わりづらくなってしまったと思います。 僕らはいつも深掘りしすぎちゃう傾向があるんですよね。 ──── アイデアを掘り下げ過ぎるということですか? ZEN:そうです。でもそれだと外し過ぎるんですよね。思えば第3回、第4回はそのせいで場に刺さらなかったんじゃないかと思ってます。 もしこの第5回が最初の参加だったら、「なるほどですね」では行かなかったんじゃないかな。「なるほどですねって普通すぎない?」「みんな落ち着くとこじゃん?」ってなって、もう一歩踏み込んじゃう。ひねろうとしちゃうんですよ。こういう方向にシフトできたのも、過去の参加実績のたまものですね。今思えばですけど。 ──── どれだけ見てくれる人に刺さるかを考えるということですね。 ZEN:優勝狙うのであれば。もちろんそういうの関係なく全部持ってちゃうプレゼンやアイデアもあるとは思うんですが、そうじゃなくてみんなに共感してもらえそうなラインを考えるのもあるよなって。 それは2回目の参加(第4回)時に感じてました。前回、絶対優勝できると思ってたんですよ。でも全然優勝できなかったから。「違うんだ!」って。 ハマ:何の賞もなかったもんね、前回。 ZEN:「水差し係長」がんばったのに。あのときにsuckhalさんに描いてもらったキャラクターを、今回のシチュエーションにマッチしてたんでさりげなく登場させました。それもあって今回はまさに集大成だったかもしれませんね。 ──── 非常にシンプルスタイリッシュな画面でしたが、デザイン上のこだわりがあったんですか? ずんだ:機能的にすごくシンプルで、いつもだとここにデザインで小ネタ入れてやろうかとか、ちょっと面白いコンテンツ入れてやろうかと思うんですけれども、画面が覗かれたときに気づかれない「普通の時計」にする必要があったので、いろいろ抑えました、 ──── デザインも方法もあえてのシンプルで、かなり早めに仕上がったんですね。 ずんだ:デザインについては、昼間ちょっと仕事サボってぱぱっと。1時間くらいでできたんじゃないかな、ロゴ含めて。 ZEN:毎回そうですけど、デザインはもはやディスカッションしないですもんね。ずんださんが投げてきてくれたものを即、Goで。どっちかっていうと、プログラムのハマさんとずんださんのディスカッションが多いかな。 ずんだ:どうだろう。中身は最初のディスカッションで共通認識できてるし、僕が画面共有しながら作って、「こんな感じでいくよ」「OK」っていうリアルタイムのやりとりだけで。 ZEN:何のスキルもない僕からするとなんか知らんうちにできてきてる。 ハマ:作ってる時って大体全員いないんだよね。できあがると出てくるんだよ。 (一同笑) ──── 全体的にかなりスムーズにできたんですね。提出もトップでした。 ハマ:トータル1時間で作って、デザイン当てるのに使った時間も、多分2〜30分くらいだから。 ZEN:当てるデザインが少なかったっていうのもありますよね。 ハマ:それでもツクアソ参加歴から言えば一番時間がかかった回だよ。それで毎度LINEスタンプ作ってみたり、結構いらんことしてるよね。 ZEN:そういうところを楽しむチームなので。 ──── 他のチームの作品で気になったものはありましたか? ずんだ:プログラムのことが全然分からないので、単純に面白いものが印象に残りがちなんですよね。「GegeloMap」とか、そういうやつが。 ツクアソは、ただただ、「すげー」って思うものばっかりですね。ほんと皆さん、よく考えますよね。 suckhal:僕はLINE CLOVERを魔改造したやつですね。うちにもいるので、CLOVER。呼びかけると「サービスは終了しました」って言うんですよ。悲しみがある。 (一同笑) ZEN:うちのチームは非プログラマばっかりなんで、他のチームの皆さんと判断基準がちょっと違うかもしれないですね。みんなクリエイターではあるんですが、視点が違うんだと思います。 ツクアソはプログラマのお祭りだけど、クリエイターの集まりでもあるから、もうちょっと幅広いジャンルでクリエイションする人がチームにいると、より面白いものが生まれるのかも、と思うんですよね。審査の視点にしても。 ずんだ:物を作りたい気持ちは一緒だもんね。面白がる気持ちも同じ。 ──── 次回も参加していただけるものだと解釈しますけど、今度はハードを作るというのもありなんですよね? ZEN:なにしろスタートは「物作ろうぜ」ですからね。ハマさんも「キットはある」って言ってるし。プレゼンで見ててもインパクトあって面白いよね。人が思いつかないもの、狙いたい。 ずんだ:そうだね、プレゼンが面白くなる。 suckhal:やりたいね。アイデアでもいつも出るし。 ──── では、次回もぜひよろしくお願いします!ありがとうございました!
2023年8月17日から25日にかけて「第5回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)を開催しました。 夏真っ盛りの第5回、相変わらずのユニークなテーマを前に、外気温と同じくらい熱い戦いを繰り広げていただきました! テーマはすっかり定着した投票制で決定。さて、今回のテーマは… \じゃかじゃん!/ 開発期限はテーマ発表から48時間後の、2023年8月19日(土) 20:00。指定の応募フォームから作品を投稿し、動作する作品はすべてファイナリストとなります。 今回は以下の13組となりました! なるほどですね。(ZEN SELECT) すみません、 ちょっと急な連絡が…!(nitami) スマート会計(チーム富士山) SPY TOOL(スパイツール製作所) 蚊ン忍具(シーズン2) お言葉サロン(コースター) To RAVEる -とらべる-(ユニバック) BanBanBan(まっつぁん) GegeloMap(PiedPiper) Don't cunning! Think.(ぅゅ...ぷんぽぷんぽ) 大人の事情で使えなくなった LINE CLOVA をズル賢く復活させる演出⁉(TakSan) さだこちゃん(丑之日プロジェクト) ぶんしょう更生(くま) ファイナリストたちは、それぞれ3分のプレゼンを実施し、コメンテーターと参加者全員が視聴。投票フォームに得点を記入するという審査方法です。 発想力が問われる今回のテーマ。難しさをものともせず、期待を大きく上回る面白楽しいプロダクトが満載でした。 結果発表 すべてのチームのプレゼンテーションが終わると、集計が行われ、得票数が一番多いチームが最優秀賞となります。 ちなみに賞品はこちら。 最優秀賞:amazonギフト券10万円分 優秀賞:amazonギフト券5万円分 特別賞:作ったものにちなんだナニカ 学生賞:amazonギフト券1万円分 さて映えある最優秀賞は… チーム「ZEN SELECT」による「なるほどですね。」でした! 「なるほどですね」という相槌のキーワードを合図に、わからない単語などをAIが検索して、接続したイヤホンからこっそり音声で教えてくれるというアプリ。会議中や商談中に知らないワードが飛び出してきても慌てずに対処してくれる優れものです。 使用中でもばれないように時計が表示されるというところが面白く、情報取得の成否をさりげなくインジケーターで知らせてくれるという配慮も素晴らしい設計でした。画面がスタイリッシュというところも高評価の作品です。 次点となる優秀賞は、以下の2チーム。 チーム「PiedPiper」さんの「GegeloMap」は、ユーザーが夜の街で粗相をした際にその場所を登録。蓄積された情報から、あらかじめ汚物を避けて通ることができるというアプリでした。 大人なら誰しも見かけたことのある夜の路上のゲロ。できれば避けたい、と「みんなが思うもの」という目の付け所が面白く、また大人ならではの発想にも注目が集まりました。 「シーズン2」さんの「蚊ン忍具」は、モスキート音を使ってモールス信号を送るというアプリでした。試験監督には聞かれずにクラスメイトにだけに分かる信号を送るという発想が画期的でユニークです。 「試験のカンニング」という非常に学生らしいストレートな発想ながら、モスキート音を使うというギミックが大変面白い作品です。モールス信号を解読できないと全く役に立たないという絶妙なふざけ具合も高評価でした。 運営のお気に入り。個性がきらりと光るプロダクトに与えられる特別賞は、「TakSan」さんの「大人の事情で使えなくなったLINE CLOVAをズル賢く復活させる演出!?」です。 「カンニング=cunning=ずる賢い」という単語の意味から着想した作品。サービス終了してしまったLINE CLOVAを、Raspberry Piを使って魔改造して再び蘇らせるというプロダクトでした。 ツクアソ常連のTakSanの確かな実力と斜め上を行く発想力がいかんなく発揮されており、高評価となりました。何もかもが異彩を放っている作品は、TakSanのProtoPediaにも公開されています。 そして、学生として参加された方の中から選ばれる学生賞。今回は学生の参加者が、既に優秀賞を受賞されている「シーズン2」さんだけということもあって、割愛されました。 次回、より多くの学生参加者もお待ちしております!! * * * 今回のテーマは「大人のカンニング」でした。 大人ともなるとカンニングをしたいシチュエーションも実にさまざまです。今まで以上に自由な発想が多くみられ、また技術を全力で無駄遣いしてくださる姿も大変多くみられました。まさにツクアソの本懐を果たしていただいた回になったと思っています! 今回も全力で一緒に遊んでいただき、どうもありがとうございました。 みなさんおつかれさまでした! 最後に恒例の集合写真です。「遊ぶ」の「A」をみんなで掲げての記念撮影でした。お疲れ様でした! 当日の様子は以下からご視聴いただけます。 謝辞と次回の予告 早いもので、ツクアソも第5回となりました。こうやって毎回参加してくださる方がいることで成り立っています。本当にありがたく思っております。 参加していただいたプログラマの皆さん、賞品提供に協賛していただいた株式会社ソニックガーデン様、今回もありがとうございました! 半年ごとの定期開催が定着しつつあるツクアソハッカソン、次回は2024年2月開催予定です。 以下をフォローして頂けるとお知らせします。お楽しみに! https://twitter.com/tsukuasohack
2023年2月9日から17日にかけて「第4回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。 今回のテーマは『水!!』。このシンプルかつ自由度の限りなく高いテーマを前に、受賞者たちは、実に個性豊かな作品を見せてくれたました。そんな彼らに行った恒例の受賞者インタビューを公開します! 今回は特別賞を受賞したチーム「H to O」さんから、YYさん、EIちゃんさん、赤い色素さんのお三方へのインタビュー。 チーム「H to O」の開発した「ハイドロップ」は、4種類の「元素ぷよ」を合体して、H2Oを合成していくゲームです。いろんな原子が登場して、水分子以外も合成できるところも面白いポイント。馴染みのあるUIですが、発想が楽しく、デザインなども総じてクオリティが高く魅力的な作品でした。 H to Oさんのプレゼンは 01:29:37 〜 「H to O」メンバー YY さん 赤い色素 さん EIちゃん さん ──── 学生賞受賞、おめでとうございます。 赤い色素:ありがとうございます、よろしくお願いします。 ──── 早速ですが、どういった経緯で結成されたチームなんでしょうか? YY:大学の同じサークルに所属している5人で構成されています。サークル自体はもうちょっと大人数なんですが、ツクアソに出るにあたって募集をかけて集まったのがこの5人です。 ──── ツクアソに出るのを提案したのはどなたなんですか? 赤い色素:リーダーですね。 YY:僕です。Connpassと、あと、ハッカソンの情報をキャッチしてつぶやいてくれるbotがTwitterにあるんですけど、それをフォローしているので、そのあたりから情報を得ました。 ──── じゃあ、もしかして前回までもご存じでした? YY:いや、Connpass自体には入ってたんですけど、実はweb系に関しては、今までハッカソンに出れるほどの実力がなかったんで、あんまり活用してなかったんです。それまではゲーム系のハッカソンに出てました。今回はメンバーも集まったし挑戦しようかなと思って。 ──── そうなんですね。大学のサークル仲間のチームとおっしゃってましたが、どんなサークルなんですか? 赤い色素:一言で言うと、アプリを開発する団体です。各々本当に作りたいものを、作りたい人と一緒に、好きなように作るというのをモットーに活動しています。 ──── かっこいい。このチームで他のハッカソンに出たこともあるんですか? 赤い色素:このチームではないです。サークルの他のメンバーで組んだチームではちょこちょこ出ていて、賞をいただくこともありました。 ──── それはすごい。今回も学生賞受賞で、優秀なサークルですね。 赤い色素:ありがとうございます。 ──── しかし、他のハッカソンと比べると、ツクアソはかなり毛色が違いますよね。今回のこのテーマ、どうでした? EIちゃん:いやー、難しいなぁっていう感じで。アイデアがなかなか出なくて大変でした。「温泉」「ミネラルウォーター」とかいろいろキーワードは出たんですけど、それをゲームに落としこむとなると難しくて。みんなでずっと「難しい」って言いながらアイディア出ししてました。 ──── 木曜日の夜にテーマが発表されて、すぐ集まってアイデアを出し合ったんですか? EIちゃん:そうです。とりあえず何を作るか決めなきゃいけないから、みんなでチャットしながら「やばい、やばい」って(笑)。開発期間も短いし、とにかく寝るまでに決めようと。 ──── じゃあ一応その日にアイデアは固まったんですね。寝る前に(笑)。何時に寝たんですか? (一同笑) EIちゃん:12時は過ぎてました。1時とかだったのかな。そこでいったん寝て、金曜日に開発を始めました。 ──── 5人チームとなると、結構きっちり役割分担しての開発ができますよね。 YY:そうなんですけど、金曜日は用事がある人もいたんで、とりあえず手を動かせるメンバーがメインで作り始めて、用事がある人は後からできることを拾っていくような感じでした。 赤い色素:でも基本的には、私がデザイン系をやって、残りの4人でゲーム本体のコードを書いてもらうっていう感じだったよね。 EIちゃん:そうだね。で、大体できたのが土曜日。 ──── 土曜日の段階では概ね中身はできてる、みたいな。 EIちゃん:90度にしたら消えるとか、二酸化炭素を直線上にしたら消えるとかの法則を土曜日に。基本的な落ちゲーとしてのフォーマットは金曜日にはできてました。 ──── あのデザインのイメージもスッと決まったんですか。 赤い色素:デザインは、ぷよぷよみたいなコンセプトだったので、モチーフが水だし、水滴というか、水まんじゅう的なものを使おうというのはすぐ決まりました。 ──── 最終的に応募したのっていつぐらいでしたっけ。あ、割とギリギリ(笑) EIちゃん:ギリギリでしたね(笑)。やばいやばいっていいながらビルドして。 (一同笑) ──── すごく面白かったですよ。作業時のコミュニケーションって、Zoomですか?それともチャット? YY:Gatherっていう、バーチャル空間に集まります、基本は。でも連絡事項とかはDiscordにサーバー立ててます。そこでチャンネル分けして情報は分割しつつ、共有してました。 ──── ちなみに皆さん、実際に会ったことはあります? YY:俺、ない気がする。 赤い色素:私とEIちゃんは何回か会ったことあるんですけど。 YY:サークル自体が、行っても行かなくてもいい感じなので。もともと僕自身がコロナ禍に入った世代なので、オンラインだけでもいいっていうか。最近はようやく対面で活動ができるようになったので、対面で参加してる人もいるんですけどね。 赤い色素:そもそもオンラインが中心のサークルで、普段の活動もGatherで完結してる人が結構いるんです。それこそあんまり会ったことない人もいて当たり前というか。 ──── そうですよね、作ってるものがアプリだから、確かにオンラインで完結しますね。 YY:そうなんです。そこに困難があまりないという。 ──── なんか新しい。まあ、ツクアソ運営も全国各地にいるので似たようなものなんですけど。 (一同笑) ──── 他のチームの作品でお気に入りのものってありましたか? EIちゃん:「Splatwash」です。ちょっと異色だったような気がして「すげー!」と思いました。最初はみんな5点以下つけてやろ、とか思ったんですけど、思わず10点つけちゃいましたね。 (一同笑) 赤い色素:私は最優秀賞の「ダムダムビーバーズ」でした。あれはすごかった。もう見た瞬間、「これ負けたわ」と思っちゃって。あれを全部学生で作ってるのもすごいし、たった3日間で作ったっていうのもすごいなぁって思います。デザインとか、ゲームとしての機能がすごくちゃんとしてて、純粋に「遊びたい」と思いました。 YY:僕も「Splatwash」ですね。どんなゲームでも適用できるっていうのがすごい。ディスプレイに対して作用しているから、応用性が高いしすごくいいなって思いました。既存のゲームは残しつつ、プラス要素で遊べるっていうのがめちゃくちゃ面白くて。 ──── ひげだるまさんはいつも楽しい作品を見せてくれるんですよ(笑)。他の参加者の作品を見られるのもハッカソンの醍醐味ですよね。みなさん、ツクアソ全体を振り返って、楽しんでいただけましたか? 赤い色素:他のハッカソンと違って、ゆるい雰囲気が楽しかったです。あと、今までもっと開発期間が長いハッカソンが多かったので、3日間という短さが新鮮でした。大変でもありましたけど、このスピード感の中で作るのもすごく面白かったな、と。 EIちゃん:テーマは「水!!」ってことで、難しかったんですけどやっぱり楽しかったですね。何を作るか悩むのは、もういつものことなので(笑)。開発期間が短いっていうのは、赤い色素と同じく新鮮に感じたというか大変だったというか。すごい焦りながらやりました。 YY:僕も楽しく過ごせました。大変でしたけど、大人数の利点生かして役割分担しつつ開発できたし、アイデアもみんなで悩めたし(笑)。 ──── 次回のツクアソは8月を予定しています。ぜひまたご参加いただければ。 YY:はい。院試があるので、余力があれば(笑)。 赤い色素:ぜひまた参加したいです。 EIちゃん:他のサークルメンバーにもやってみたい人がいるかもしれないので、ぜひ。 ──── ありがとうございました!
2023年2月9日から17日にかけて「第4回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。 今回のテーマは『水!!』。このシンプルかつ自由度の限りなく高いテーマを前に、受賞者たちは、実に個性豊かな作品を見せてくれたました。そんな彼らに行った恒例の受賞者インタビューを公開します! 今回は特別賞を受賞したチーム「インコーズ」さんへのインタビュー。 かなり複雑なリズムも刻むことができる鹿おどし。メトロノームとして、またドラム代わりとして、他の楽器と組み合わせてライブ演奏を楽しむことも可能です。インコーズさんは親子ユニットで、中学生のmemetanさんが主にプログラムを書いています。 メトロノームとして普通に実用性があるところが面白いとの評価。シュールで面白い、ポテンシャルがあり今後の展開にも期待できる、中学生がここまでプログラムを書いているところもすごいというコメントがありました。 インコーズさんのプレゼンは 00:52:24 〜 「インコーズ」メンバー とり子 さん memetan さん ──── まずは、特別賞受賞おめでとうございます。 とり子:ありがとうございます。 ──── まず、鹿おどしという発想に驚いたんですけども、これ言い出したのはmemetanさん? どうして鹿おどしになったんでしょう? memetan:僕の発想です。なんで鹿おどしだったんでしょうね…? 最初に「水!!」って聞いて、すぐに鹿おどしが出てきたからなんですけどね。 ──── 「水!!」からすぐに「鹿おどし」? memetan:すぐだったね。 とり子:うん、すぐに言ってた。 memetan:なんか「水」っていったら鹿おどしじゃない?ってなって、「じゃあそれで」。 一同笑 ──── 素晴らしい(笑)。リズムを刻むようにしようと思ったのは、作り始めてからなんですか? それとも最初から鹿おどしにリズムを刻ませるイメージができてたんですか? とり子:memetanの中では最初からああいうイメージがあったみたいですね。私の中では、ちょっと速度が速くなったり遅くなったりの調整はできるけど、ぐらいのものができるんだろうというイメージでいたので、びっくりしました。こんなの作ってたの? って(笑)。 ──── 普通に生きてて、中3までに(※memetanさんは現在中学3年生です)鹿おどし、触れますかね(笑)。大人のわれわれでもものすごい久しぶりに存在を思い出しました。 memetan:最近見たサンドイッチマンのコントに出てきたような気がしますけど、概念自体はもっと前から知ってましたね。どこで最初に知ったのかは自分でも分かんないです。 一同笑 ──── このハッカソンに参加しようと思ったきっかけについて教えてください。 とり子:最初に参加したのは第2回なんですけど、私が誘ったのがきっかけです。多分、Twitterか何かで情報が流れてきたんだったんじゃないかな。ハッカソンというものに参加したいなっていう気持ちがずっとあったので、memetanを誘ってみたら、結構乗り気でやってくれて、しかも楽しかったので、次もあったらやろうねっていう感じで。前回は都合が合わなくて出れなかったんですけど、今回は満を持して。 ──── そして特別賞を獲得と。さっきもおっしゃってくださいましたけど、楽しかったですか? memetan:楽しかったです。 ──── それが何より一番ありがたい言葉です。面白いと思った作品は何かありましたか? memetan:チャットGPTで作ってた人(TakSan「水をぶっかけてやりたくなる事ってありますよね!!」)とか、ひげだるまさんの作品(ひげだるま「Splatwash」)とか、見てました。 ──── 常連さんですね。お分かりだとは思いますが、ツクアソはああいった感じです(笑) とり子:あんまり、社会課題を解決するプロダクトを、とかいうのは向かないんですよ。小中学生向けのコンテストにもいくつか出してて、ときどき賞をもらったりはしたんですけど、大体が、社会課題を解決するとか、みんなのためになるとか、テーマがそういう視点なんですよね。でもそういう気持ちはあまりなくて、大事なのは自分が作ってて楽しいかどうか。 memetan:そう。 ──── ツクアソの本質はそこです。プログラミングで遊びたい、これが原点ですから。「デジタルししおどし」はまさにコンセプトにぴったりでした。 一同笑 ──── テーマの発表からプレゼンまで、どんなふうに過ごしたか教えていただけますか? とり子:別件があって、オープニングは参加できなかったんですよ。テーマはTwitterで確認して、すぐmemetanとDiscordで会話して。金曜日はお休み取ってたので、朝から取り掛かろうと思ってとりあえずテーマの共有だけ。 memetan:鹿おどしはすぐに決まったので。 とり子:言われるがままに100均などで買い物して、あとはもうmemetanが。プログラムもいつの間にか書いてくれたので、私はちょっと工作と、画面のCSS整えたくらいなんです。でも、プレゼンは全面的に私です。 memetan:プレゼンは苦手…。 とり子:すごい頑張ったんですよ、ライブ演奏。 ──── ものすごく良かったですよ。じゃあもう、方針が決まったら一直線に作って完成に持ってくって感じだったんですね。 とり子:とにかく興味のあることに対する集中力がすごいもので。 ──── しかしこれだけプログラムを中学生が書いてるということが衝撃でした。memetanさんがプログラムを始めたのって、いつ頃なんですか? きっかけとかは…。 とり子:もともと小さい頃から、物の仕組みに対する興味が強い子だったんです。時計の中を開けて見せろって言われたりしてました。だからきっとパソコンなんて与えたらハマるんだろうな、とは思ってたんです。それで…プログラミング教室に行ったのが始まりだよね? memetan:ううん、その前にお母さんが教えた。 とり子:あそう? memetan:そう。最初に、ちっちゃいHTMLとJavaScriptでなんか書いてくれたじゃん。時系列はあんまり覚えてないけど、多分そっちの方が教室より先だったと思う。 とり子:らしいです(笑)。 ──── とり子さんもエンジニアでいらっしゃるんですね。 とり子:そうです。システムエンジニアとしてプログラム書くのを仕事にしてます。memetanは、最初はScratchとかビジュアルプログラミングをやってたんですけど、どんどん吸収していって、もう今は私なんか追い越しちゃってますね。時々仕事の相談をするぐらいなんです(笑)。 ──── すごすぎる。Scratchから始まって、遍歴など教えていただけますか? memetan:Scratchは最初ちょっとだけで、その後VBを教わって、C#になって、JavaScriptになって、TypeScriptになってっていう感じです。今回のフロントは、C#にHTMLとJavaScriptをそのままFlashに書き込んで、webサーバとして配信するようにしました。 ──── 一体何を食べて育ったらこんな有望な人材に…。 とり子:とにかく興味が偏ってて、それしかやらない感じです。生活して行く上で。 memetan:パソコンする、寝る、を繰り返してます。 とり子:学校の勉強は大嫌いだもんね。僕はこんなにやりたいことがあるのになんでこんな面白くないことをやらないといけないんだ!って。 memetan:勉強は面白くない。 一同笑 とり子:だからもう、仕事をもらうような話もあるので、そうやって暮らしていくつもりで。 memetan:面白いことをして生きていきたいので。 ──── 若干15歳でもう稼ぎが。すごいしか言えないです。でもそうですよね、楽しく暮らして、そしてまた楽しくツクアソに参加していただいて。次回は8月なんですけど。 とり子:ぜひ参加したいです。よろしくお願いします。 ──── ありがとうございました!
2023年2月9日から17日にかけて「第4回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。 今回のテーマは『水!!』。このシンプルかつ自由度の限りなく高いテーマを前に、受賞者たちは、実に個性豊かな作品を見せてくれたました。そんな彼らに行った恒例の受賞者インタビューを公開します! 今回は優秀賞を受賞したひげだるまさんへのインタビュー。 ひげだるまさんの「Splatwash」は、イカが墨を吐いて黒く汚れてしまった画面を、専用の放水デバイスできれいに掃除するという教育型ゲームです。手持ちのゲーム画面にクロマキー合成用の映像を重ねて画面出力する仕組みで、ゲームプレイヤーと放水デバイスプレイヤーの2人1組で遊ぶことができます。 驚きのあるプロダクト制作に定評のあるひげだるまさん。くわしい開発の過程や苦労話、プロダクトへの愛など、軽妙なトークが冴えるインタビューになりました! ひげだるまさんのプレゼンは 00:31:54 〜 ──── 2回目の受賞ですね。優秀賞おめでとうございます。いつもながらインパクトのある作品をありがとうございました。 早速ですが、テーマが発表になってから作品ができるまでについてお聞きしたいと思います。あのアイデアはすぐに出てきたんですか? ひげ:今回はもう全然浮かばなかったですね。「水!!」のテーマ、すごく難しかったです。まず、机の周りに水要素が一切なくて。 (一同笑) ──── Twitterでも苦戦してる様子が伺えました。 ひげ:そうなんですよ。どうしようかなと思って、お酒飲んだら出てくるかなと思ったんですけど、飲んでも出てこないし(笑)。それでもう仕方ない、時間もないしってことで、とにかく手に届く範囲にあるものをから捻り出すっていう感じにしました。 ──── それでこんな作品が出てくるんだからすごいですけどね。ところでこれ、発音は「スプラウォッシュ」ですか? ひげ:私も実は自信を持って読めません(笑)。今回の作品は名前が完全に後付けなんですよ。普段は作品名を考えてから物を作ることが多いんです。イメージが固まった状態で作るってことですね。例えば前回のやつ(第2回ツクアソ 優秀賞受賞「家出時計」)も、名前を先に思いついて、その後に作ったんです。発表も「こんな感じにしようかな」とか、ある程度イメージしながら、どういうものを見せたいかっていうのを固めてから作ったんですけど、今回は全く浮かばなくて。 ──── 試行錯誤しながら、まず物ができて、そこから名前を付けたんですね。 ひげ:そうですね。応募するために名前を付けたって感じです。「スプラトゥーン」っぽいし、「スプラ」で「洗う」んだから、くっつけちゃえっていう。そんな造語なもんだから、発音が定まってなくて、発表の時の動画を見返してもらったらわかるんですけど、ちょっとゴニョゴニョって言ってると思います(笑)。 (一同笑) ──── それにしてもここまでにたどり着くのはかなり大変だったんじゃないでしょうか。結局どういうきっかけで進んでいったんですか? ひげ:この前の週ぐらいに、TwitterでWiiのコントローラーを使うっていう話題を見かけたんですよね。それ、昔やったことあるなー、と思って、そしてふと机を見渡すとヌンチャク(「Splatwash」で使用したWiiのコントローラー)が置いてあってですね…。 ──── 手の届く範囲に転がってたんですね、アイデアが。 ひげ:そうそう(笑)。「出しっぱなしだったな、これ使っちゃおう」って。最初は、M5Stackを使って銃みたいに打てたら面白いかなと思ったんですけど、センサーの精度的なところで時間がかかりそうだったんで、ヌンチャクに逃げました。 ──── なるほど。それでもかなり斬新だなという印象でした。思いついても、そこから先、組み立てていくのが大変じゃないですか。 ひげ:私もOBS Studioをこういうふうに使うのは初めてで。そもそもクロマキーを使ったのも実は初めてだったんです。クロマキーの使い方から調べながら作りました。本当にできるのか検証しながら、ゲームっぽくアレンジしていくところにも時間をかけて…。そんな感じだったんで、前回ハードをたくさん触った感じから言うと、今回はソフト開発が多めでしたね。 ──── アイデアが出てから全部作り切るまでにどのくらいの時間がかかったんですか? ひげ:金曜日になんとかアイデアを捻り出して、あとはソフトウェアのところだったんでゴリゴリと作って、なんとなくそれっぽいのができるようになったのが日付が変わって土曜日に入ったぐらいでした。それで今度はガワの、見た目をきれいにしようと思って、買い出しに出たのがお昼ぐらいかな。近くの100均に箱を買いに行きました。そこからガワを作りつつ、もろもろ微調整して。とはいえ応募自体はそんなギリギリじゃなかったはずですね。 ──── プレゼンも、前回に増して面白いものでした。あれは実際にライブでプレイされてたんですよね? ひげ:後ろで娘にやってもらっていました。これ、一人では遊べないプロダクトなので…。ファイナリストプレゼンが始まったぐらいから、ずっと娘に練習してもらってたんですよ。最初プレイが下手過ぎて、ひとまず1面クリアできるくらいになってもらわないと成立しないので、ひたすら練習(笑) ──── プレゼン中に、字幕も出してましたよね。 ひげ:そうですね、あれは全部OBS Studioを活用しています。基本的にデモ主体でプレゼンをしたい人なんですよ、私。とにかくデモを見てほしいんです。前回は物自体を見てもらいたいってことで紙芝居だったんですけど、今回は全部OBSで、タイトルや機能説明も全部中に入れて、切り替えでやりました。本当はもっと凝りたかったんですけど、ちょっとそこまで作る余裕がなくて。 ──── いやいや、時間の制限がある中で新しいところにチャレンジして、デモもきっちり動くところまでまとめてくるのはさすがでした。 ひげ:ツクアソは、作る部分と発表がきっちり分かれてるのがいいですよね。発表に対してどういうふうに持っていくかって時間取れるのはこのハッカソンならではだと思います。作って応募してすぐプレゼンだったら、ここまでのデモはできなかった。 ──── あえて録画にせずに、ライブでデモもやるということにこだわりがあるんですか? ひげ:作ったもの見てもらいたいっていうのが大前提です。動画でもいいんでしょうけど、やってて楽しいのはライブデモなんですよね。緊張感があるっていうか。私が制御ができない娘という存在が、どういうプレイするか(笑)。もうドキドキしながらやって、それが楽しい。 ──── ハプニングを含めて楽しむんですね。ご自身が楽しんでいらっしゃるなっていうのがすごく伝わって、見てる側もまたすごく楽しかったです。 ひげ:私はどうしてもデモがやりたくなるから、はなからデモがしやすいものを考えることが多いですね。最後どういうようにして見せようかっていうところを中心に考えちゃう。 ──── 全部ひっくるめてすごく楽しい作品でした。今回習得したクロマキーとか、次回にも使えそうな感じですよね。 ひげ:そうなんですよ。いろいろ活用できそうだなと思って。うまいこと使えばもっと面白いことができそうです。テーマにもよりますけどね。 ──── 運営が言うのもなんですが、ツクアソはテーマが難しいですよね(笑)。今回のテーマはどうでしたか? ひげ:いやー、難しかったです!でもみんなすごいですよ、面白い作品ばっかり。特に私は、元素をくっつけるぷよぷよみたいな、「ハイドロップ」。あれが大好きで。Twitterでも上げていらっしゃって、プレゼンの前に遊ばせてもらってたんです。楽しかったなー。 ──── 今回のイベントは学生の方がすごい活躍をされてましたよね。最優秀賞も学生の方でした。 ひげ:うまいことチームとして動いてるなっていう気がします。役割分担しながらみんなが力が発揮できているから、短い期間でこんな完成度高いもの作ってくるんですよね。すげーなと思います、学生さん。 ──── 若い方もどんどん増えて、ツクアソ自体が盛り上がっていくのは嬉しいことです。ひげだるまさんにもいつも盛り上げていただいて。 ひげ:せっかく参加してるんで、盛り上げないとなって思って。私、誰よりTwitterでつぶやいてますもんね。 ──── 公式がもっとつぶやけるようにがんばります…。 (一同笑) ──── 次回ツクアソは8月を予定しています。いかがでしょう。もちろん出ていただいて(笑)。 ひげ:ツクアソすごく楽しいんで、ありがとうございます。でも毎回出るの申し訳ないとも思ってるんですよね。おっさんが活躍するのはちょっとっていうのもあって…。もっと若い子にも出ていただいて。 ──── いやいや、ツクアソは誰が活躍するかというよりは、どれだけ楽しんでもらえたかが重要なので、ぜひ。 ひげ:会社の若手を誘ってチームで、とも考えてます。まだどうなるかはわかんないですけど、自分がメインというよりかは若い子たちに入ってもらってっていうやり方にできたら。いろんな人に広がって、それを見られたらまた楽しいじゃないですか。 ──── それはもう。ありがとうございます、お待ちしています!
2023年2月9日から17日にかけて「第4回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。 今回のテーマは『水!!』。このシンプルかつ自由度の限りなく高いテーマを前に、受賞者たちは、実に個性豊かな作品を見せてくれたました。そんな彼らに行った恒例の受賞者インタビューを公開します! 今回は優秀賞を受賞したふーぴんさんへのインタビュー。 ふーぴんさんの「Uzurium」は、モーターで回る磁石の磁力を使って筒内の水に渦を発生させ、光の演出と組み合わせて目を楽しませてくれるインテリアアイテム。オリジナルライティングのプログラム、渦と光のシーケンス制御による演出も巧みなものでした。プロダクトの面白さはもちろん、プレゼンのクオリティが高く、シンプルながらしっかりアピールできているところも高く評価されました。 美しいハードウェアの持つ独特の世界観で会場を沸かせたふーぴんさん。開発の過程、プレゼン当日の様子、「Uzurium」への思いなどたくさんお話しいただきました! ふーぴんさんのプレゼンは 01:04:57 〜 ──── 優秀賞おめでとうございます。 ふーぴん:ありがとうございます。 ──── 今回のツクアソのテーマである「水!!」ですが、これを出されたのはふーぴんさんでしたね。このテーマに決まった時の率直な気持ちをどうぞ。 ふーぴん:「よっしゃきたぜ!」って感じでした。 (一同笑) ──── どうして「水!!」なんですか? ふーぴん:もともと、水に関連するものを作りたいなと思っていたんです。去年の暮れに、岐阜県の大垣市でメーカーフェアがあったんですけど、そこで「マグネティックスターラー」っていう、水を混ぜる装置を展示している人がいたんですよ。それを見て、「渦を展示するなんてすごい面白いな」と思って。そこから、水を回して渦を表現できる何かを作りたいなと考えてたんです。テーマ決めの時は、「渦」って書こうか「水」って書こうか迷ったんですけど、とりあえず「水!!」にしました。 ──── なるほど。そもそもハッカソンが開始される前から水について考えていたんですね。 ふーぴん:そうですね。ハッカソンでいきなりハードウェアをガガッと作り切るのって、かなりハードルの高いことだと思うんですけど、コツコツ作ってた要素が若干あったので、そこを今回のテーマにうまく乗せることができました。 ──── 選んだ方がちゃんと賞を取ってくださってる。すごく嬉しいことです。じゃあ、テーマが決まった段階から、もう作る物のイメージはできてたんですか? ふーぴん:はい。ただ、見せ方については全然考えてなくて。以前から、カクテルをシェイクする様子を表現したらエンタメになるんじゃないか、という構想があったんですが、それを本当にやり出すと、カクテルを混ぜるところと、それを取り巻く演出に関する部分をかなり作り込むことになります。それだと開発量が多過ぎてとても間に合いそうにないんで、提出日の20時時点では、とりあえず単体で見せられるものを提出しようと。それでスタンドアローンで回ってくれるUzuriumを1個だけ作って提出しました。ネタはありましたけど、ハッカソンで作るっていう観点で、具体的に作るものは変えたっていうのが実際ですね。 ──── 確かにカクテルをテーマにすると、プレゼンや見せ方のハードルが上がりそうですね。だからツクアソでは、自分が使いたい技術を最短で見せられるようなものになったんですね。複数並べてあって綺麗な色で光って、すごくフォトジェニックなビジュアルでした。熱帯魚の水槽みたいな…。「Uzurium」という作品名はそのあたりからきてるんですか? ふーぴん:最初はテラリウムがいいなと思ったんです。テラリウムで渦を再現しているから「Uzurium」なんですけど、1個置いてあるだけだと正直映えなかったんで、1週間の間に量産して編集用に並べました。 ──── 本当に綺麗でした。あれが雑貨屋に置いてあったら、買ってみようかなって思います。アロマキャンドルみたいな、お部屋の癒し要員で。 ふーぴん:中身をお湯にして、アロマオイルを入れるといい感じで拡散されると思います。それもちょっと思いついて、実際アロマ屋さんでお話聞いて考えたりしました。 ──── それはますます商品化が具体的になりますね。あとは販売してくれるメーカーさんを探して…。 ふーぴん:メーカーフェアとかで売ってみたいなっていう考えもあります。掴みが良ければクラウドファンディングやってみようかな、とか。夢が膨らんでます(笑)。 ──── いや、これはいけますよ。期待してます。 制作自体に関するお話もお聞きしたいんですが、お仕事でハードウェアを扱っていらっしゃるんですか? ふーぴん:はい。本業では回路設計をやっています。なので、回路周りは自作です。あとはモーターで磁石を回して渦を作っているのと、ネオピクセルLEDを使って光をつけてます。仕組みとして大きくはその2つですね。 ──── テーマが発表になって、作るものが決まって、すぐに開発をスタートしたんですか? ふーぴん:そうですね。オープニングの次の日(金曜日)は一応休みにして。ケースから全部作ったので、夜にケースの設計をして、夜中に3Dプリンタ回して、翌朝を迎えて。 ──── 土曜日の段階では、ガワはできてたと。 ふーぴん:そうです。ガワからスタートして、スタンドアローンで動くというところをアピールしたかったんで電池駆動にしたんですけど、実はその電気回りで結構トラブって苦戦しました。手持ちのDC-DCコンバータの電流能力が渋くて、LEDの光量を光らせすぎると電源が落ちたり、起動時の突入電流でDC-DCが止まっちゃったり。いちいち「なんじゃこりゃ!」を繰り返して。最終日もそこに引っ張られてちゃって、かなりギリギリになりました。大体想像通りに動くようになったのが提出日の16時ぐらいでした。そこから提出用の動画を撮り始めたのかな。 ──── 4時から動画を作成し始めたってことは、残り4時間しかなかったってことですね。 ふーぴん:でもその時はまたプレゼン用じゃなくて、提出用の動画だったので、ザクザクっと撮ってなんとか。 プレゼン時にはとにかく量産して並べて映えさせたかったんで、提出した瞬間に部品発注を始めました。それで同じものを5個複製してって感じですね。それも結局ギリギリになっちゃって、本当にプレゼンの直前まで動画を編集してましたね。今回は全部ライブでしゃべろうかなと思ってたんですけど、失敗のリスクもあるし、時間切れになって終了でーすってなるのが嫌だったんで、なんとか動画でやり切るために必死で。 ──── プレゼンの映像もすごく綺麗に作ってらっしゃいましたね。 ふーぴん:そうですね、動画だと作り込めるし、時間切れみたいな失敗もないので、頑張ってこだわって作りました。一眼レフの明るいレンズ使ったり、背景暗くしてみたり。 ──── すごく上手いなと思いました。他にもハッカソンに出られてるんですか? ふーぴん:色々出させてもらってます。今年は初めてですけど、去年は2回か、3回ぐらい出ました。最近オフラインのハッカソンもぼちぼち開催されるようになりましたし。僕、オフラインが好きなんです。やっぱりハードウェアは実物を見てほしいという気持ちがあって。これはメーカーフェアにも出したいなあと思っています。 ──── 場所とタイミングが合えばぜひ、本物を見に行きたいです!今回のツクアソもたくさん作品が出ましたが、気になったものはありましたか? ふーぴん:ひげだるまさんの「Splatwash」ですね。演出をリアルでやってたじゃないですか。あれ、すごい上手くて良かったです。あとは最優秀賞の「ダムダムビーバーズ」。プレゼンが面白くて爆笑しながら見てました。 ──── プレゼン力が高い人たち、いますよね。ひげだるまさんは本当に毎回お上手なんですよ。ふーぴんさんも前回のツクアソ、参加されてましたよね。 ふーぴん:はい、「いや違う。そうじゃない。」っていうテーマでしたね。僕は前回はゾンビを作りました(BlockZombieSimulator)。 ──── あれも面白い発想でした。「これじゃない」感があって(笑)。カメラで撮ったものがゾンビになるんですよね。 ふーぴん:そうですね、レゴを撮って、色合いの量に応じてゾンビをいろんなパラメータ振って出すっていうものでした。この時賞を逃して悔しかったんで、今回の優秀賞は本当に嬉しいです。 ──── 結構テーマに左右されますよね。次回は8月開催予定です。またのご参加をお待ちしております。 ふーぴん:ぜひまた発表させていただきたいです。こういう、「俺得!」みたいなテーマのハッカソンは少ないので、良いイベントだと思ってます。常連さんも、回を追うごとにどんどんレベル上げてくるので、それも面白くて楽しみなんです。 ──── 自由に遊ぶ、作りたいものを作る。縛りがないのが「ツクアソ」でございます。次回も面白い作品期待してますね。本日はありがとうございました!
2023年2月9日から17日にかけて「第4回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。 今回のテーマは『水!!』。このシンプルかつ自由度の限りなく高いテーマを前に、受賞者たちは、実に個性豊かな作品を見せてくれたました。そんな彼らに行った恒例の受賞者インタビューを公開します! 今回は、映えある最優秀賞を受賞したチーム「おはようございます⏰💤」の4名によるインタビュー。 おはようございます⏰💤の作品は、ビーバーくんが木をかじってダムを作るというゲームアプリ「ダムダムビーバーズ」。水、天敵のコヨーテ、台風などの妨害キャラと戦いながら、住処となるダムを作ることを目指します。 完成度が非常に高く、ゲームとしてきちんと成立しているというところが高評価。フォント、カラー設計、キャラクタなどグラフィック面もクオリティが高く世界観がしっかりと出来上がっている作品です。 なんと学生だけで構成されたというおはようございます⏰💤。チーム結成秘話や、開発の過程、プレゼン当日の様子などをお聞きしています! おはようございます⏰💤さんのプレゼンは 01:29:11 〜 「おはようございます⏰💤」メンバー みったん さん らっしーね さん みったに さん えびすけ さん ──── 最優秀賞おめでとうございます。早速ですが、ツクアソに参加したきっかけについて教えてください。 みったん:僕たちのチームはバイト仲間で構成されてるんですけど、グループチャットに先輩が「参加してみたら?」と貼ってくださったのが、ツクアソのリンクでした。それを見て参加を決めた、というのが経緯です。 ──── なるほど。ちなみにどんなバイトか、差し支えなければお聞きしても? みったん:ライフイズテックという会社で、メンターとして、ゲームやデザインを中高生に教えています。今回のチームは全員そこに集まった仲間で、今このインタビューに参加している4人は日本にいるんですけど、もう1人、アメリカ在住のメンバーがいます。全員バラバラの大学の学生ですね。 ──── じゃあ、そのチャットの投稿に食いついてきた5人でチームを結成したと。 みったに:実はそうでもなくて(笑)。ツクアソが始まった当日に、みったんとらっしーねがDiscordに集まってたんです。それを見て、なんか面白い話あるかな、と思って入ったら、急に「明日と明後日、暇?」って…。 えびすけ:私もそのパターンです。ツクアソ当日にDiscordに入ったら、「ちょっと今、空いてる?」。 (一同笑) みったん:僕とらっしーねと、もう1人、リンっていうアメリカ在住の子の3人でオープニングに参加しました。で、「水!!!」っていうテーマが出た後に、コミュニティの中でいつも作業用に使ってるサーバーがあって、そこでアイディア出しをしようってなったんですよ。その時タイミングよく入ってきた人を順番にスカウトしました。 ──── びっくりしませんか? 急に「暇?ハッカソンやってるんだけど出る?」って。しかもテーマが「水!!」(笑)。 らっしーね:それが、仲間内では結構あるんです。「今、暇だからハッカソン出ようよ」みたいなの。 ──── すごい。そういう空気ができてるんですね。では、今回のテーマ「水!!」、どうでした? みったん:もともと参加しようとした3人は、アプリ寄りな開発をイメージしていて、開発用のサーバを立てるとか、そういう事前準備をしてたんです。そこに「水!!」ってテーマだったんで、嬉しかったですね。僕たちはunityでゲームを作るのが好きで、そういうことを子どもたちを教えてたので、「このテーマならゲーム作れる!」って。自分たちのやりやすいフィールドにうまいこと持っていけると思いました。 ──── じゃあ、割と迷いなく取り組めたんですね。 みったん:でもアイディア出しの途中で瞑想もしました、みんなで。「結局水って何?」って話をしたりとか。 (一同笑) らっしーね:「水!!」で「!!」だから、水の階乗なんじゃないか、みたいな。 みったん:階乗でアイディア出てきたら面白そうだけど、何も思いつかなかったね。 ──── 実際「ダムダムビーバーズ」のアイディアにたどり着いたのはどのぐらいだったんですか? らっしーね:アイディア自体は、テーマが発表された日に出たんだと思います。これをやろうって決めたのが、次の日の午前とかだっけ? みったん:そうですね。アイディアがまだしっかり決まってない状態で開発を始めて、開発を進めながらアイディアを固めるような感じで進めました。 ──── でも、ふわっとし過ぎてると難しくなりそうですね。大枠は決まってたんですか? ビーバーが出てくるとか、川が舞台とか。 みったん:川があって、ダム的なものを作るっていう、コア部分は決まってました。チームメンバーをいきなり集めたっていうのもあって、それぞれのスケジュールがちょっと…。開発期間中に丸1日バイトが入っている人がいたりして、それは仕方ないので、もうとにかく開発に入らなければ、みたいなところで、企画出しが終わってない段階で開発を始めました。 ──── 事前に参加準備している人たちは、有給取ったりしてますけど、確かに突発的に集まるとそうなりますね。なかなか面白い開発の仕方です。初日にアイディアが出て、次の日の午前中ぐらいに固めつつ開発し出して、ビーバーが出てきたのいつですか? みったに:アイディア出しの時点で、ビーバーの話はあがってましたね。 みったん:あったね、ビーバーとダム。 らっしーね:いろんなアイディアをそこにうまくくっつけたんだよね。ビーバーでダムを作らせて、そこに何かゲーム要素を肉付けしていこう、みたいな感じで。 みったん:面白く、ゲームとして成立させるにはどうしようって話しながらね。 ──── 最終的に出来上がって応募できたのはどのくらいの時間でしたか? 実は応募順がそのまま発表順になるので、後ろの方だった印象ですけれども。 らっしーね:21組中18番目でしたね。だいぶギリギリ。 ──── やっぱりギリギリまで作り込んでましたか? らっしーね:そうですね、5分前くらいまでやってました。 みったん:ゲーム作り込んだり、ビルドですごいエラーを吐いたり、そういうのもあって大慌てで提出しました。 ──── 応募いただいてから動作確認するんですけど、このゲームは本当に楽しく遊ばせてもらいました。難易度がすごくちょうど良い。上手に作ってるなと。発売されたら買ってしまいますね、これは。参加者の方の中でも遊んだ方が何人かいらっしゃって、評判良かったですよ。 みったん:ありがとうございます。 ──── 作品を応募されてから、ファイナリストプレゼンまでは1週間程度ありました。プレゼンの役割分担などはどのように行ったんですか? らっしーね:僕がプレゼンをやるって決まったのが金曜日でした。スライドは、ゲーム全体のデザインを担当してくれたえびすけが作ってくれたので、世界観が統一できたかなと思ってます。 ──── プレゼンは結構練習されたんですか? えびすけ:スライドができあがったのが、プレゼンの30分くらい前で…。 らっしーね:当日、15番目のグループが発表している時にできあがりをもらいました。 ──── じゃあ、ファイナリストプレゼンがスタートした段階ではまだ完成されてなかったんですね。 らっしーね:してなかったです。できあがって、すぐ、みったにとえびすけを相手に1回しゃべってみたんですけど、余裕で2分半超えてて(笑)。そこから軌道修正して、本当にギリギリに完成です。 ──── すごく完成度の高いプレゼンだったなと思ってましたし、周囲もそのように評価してたと思うんですけど、裏ではそんな感じだったんですね(笑)。 みったに:火の車でした。 ──── 意外です。何度も練習したんだとばっかり…。 らっしーね:練習は2回でした。2分半超えの1回と、軌道修正した1回で。 ──── すごい調整力とかアドリブ力です。普段のアルバイトでの、メンターとしての経験が生きてるんでしょうか。 らっしーね:そうですね、そこが非常に大きいと思ってます。主に中高生を相手にメンターをやっているんですが、やっぱり少しテンションを上げていくというか、盛り上げるのを意識した方がうまくいくんですよね。同じような感じでプレゼンができたかな。 ──── なるほど、場数がやっぱり違うんですね。まるでプロのプレゼンターみたいで。 みったん:かなりプロです、らっしーねは。 ──── プレゼン自体もすごく聞きやすかったし、世界観もよく伝わってきました。それがまた票に繋がった印象もあります。作品の完成度もさることながら、プレゼンの良さも評価のポイントとしてすごく高かった。ちなみに、他の作品を見て、いける!と思いましたか? みったに:いや、そもそもは学生賞を狙ってたんです。始まってみたら学生の参加数がそこまで多くなかったので、「学生賞はいけるかも?」と思ってたんですけど、「Uzurium」がとにかく衝撃的で。あれは本当に欲しいと思いました。評価めちゃめちゃ高くつけたんですけど。そんな感じで、最優秀賞は全然思ってもみなかったですね。 らっしーね:最優秀賞の結果がバーンって出た時に、「え?」ってなりました。 みったん:チャットしながらファイナリストプレゼンに参加してたんですけど、みんなで「うわーすごい!取れた!」って。 ──── 他にお気に入りの作品ってありますか? みったん:僕は「水差係長」ですね。もう新し過ぎて。やっぱりパワーポイントとか、プレゼンテーションソフトを使ってプレゼンするっていうのが僕たちの中では当たり前だったので、そういうものが全部覆された作品でした。すごく印象的です。 えびすけ:私は「デジタルししおどし」です。中学生が作ってるっていうのが衝撃で。自分の子供の可能性を見出して、一緒にハッカソンに出てくれる親御さんもすごく素敵ですし、親子仲の良さも感じて、いい作品だったなと思います。 らっしーね:僕は「スワロー」です。自分たちみたいにソフトを作ってる側からすると、2日間であれだけハードを動かせるのって、めちゃくちゃすごいと思いました。アイディアもすごく面白いですし。 みったに:僕も、みったんと被るんですけど、「水差係長」が印象的でした。懇親会のときにお話できたんです。開発の裏側とか、アルゴリズムとか聞いて、すごい工夫されてて面白かったです。どうやって雑談をしてるかの判定の取り方とか、僕たちでは出てこない発想です。そういうアイディアが盛り込まれてるのがすごく楽しかった。 ──── 他にもこのチームでハッカソンに出られたりしてるんですか? みったん:このチームでハッカソンに出たのは今回が初めてです。でもそれぞればらばらにハッカソンへの参加経験はありますね。ツクアソは他のハッカソンに比べると、幅が広いと思います。ソフトからハードからいろいろあって面白かった。あと、新しくやってみようっていうハードルが低いのも楽しいところですね。賞金があるのも珍しくて嬉しいです(笑)。 みったに:今まで参加してきたハッカソンの中でも、圧倒的にコード書ける時間が短かったハッカソンでした。これは僕らの都合でしたけど。 ──── 次回はぜひ平日のところはお休みをもらってご参加ください(笑)。楽しんでいただけてたようでとても嬉しいです。次回は8月に開催ですが、いかがですか? らっしーね:自分はぜひ参加したいです。 みったん:みんなぜひやりたいって気持ちがあると思います。でもちょっと8月は僕ら繁忙期なので、相談しつつ。 みったに:また即席でメンバー集めてもいいよね。「はい、やるから!」みたいな感じで。 (一同笑) ──── ありがとうございました!
2023年2月9日から17日にかけて「第4回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)を開催しました。 すっかり定番イベントとなった今回も、たくさんの方にご参加いただくことができました! テーマは恒例の投票制で決定。さて、今回のテーマは… \どん!/ 開発期限はテーマ発表から48時間後の、2023年2月11日(祝) 20:00。指定の応募フォームから作品を投稿し、動作する作品はすべてファイナリストとなります。 今回は以下の21組!! 飲めるくん(チームcoffee) スワロー(木本田) 水やりぱぉん~君(卒論オワタ!!!) 日本百名水 水娘!!(TEAM TT) ブロックゲーム "jOH-Hatsu"(ヴェルディ) Splatwash(ひげだるま) 砂漠の中心で「水」を叫ぶ(KitKat) 水差係長(ZEN SELECT) 神経水JACK!!(うぇっきー) ゆらぎの虚像空間(hank) デジタルししおどし リズムを刻め(インコーズ) HOT BOX!!(揃-SOLOE-) 寝耳に水!!(yasu) 水!!を生み出す装置「Uzurium」(ふーぴん) Water補Q(まーくん) みZoom(ユニバック) ChatMith(PiedPiper) ダムダムビーバーズ(おはようございます⏰💤) 水をぶっかけてやりたくなる事ってありますよね!!(TakSan) ハイドロップ(HtoO) すいちゃん(丑之日プロジェクト) ファイナリストたちは、それぞれ2分30秒のプレゼンを実施し、コメンテーターと参加者全員が視聴。投票フォームに得点を記入していきます。 以下、3名のゲストコメンテーターによる講評も行われました。 ・株式会社ツクロア 秋葉秀樹さん ・株式会社ソニックガーデン 倉貫義人さん ・合同会社Have Fun Tech 曽根壮大さん 自由度の非常に高いテーマとなった今回ですが、柔軟で驚くような発想も多く、充実したハッカソンとなりました。 プレゼンにみなさん力を入れていただいてありがとうございます! 結果発表 すべてのチームのプレゼンテーションが終わると、集計が行われ、得票数が一番多いチームが最優秀賞となります。 余談ですが、今回から新システムを導入し、より集計が効率の良いものとなりました。 ちなみに賞品はこちら。 最優秀賞:amazonギフト券10万円分 優秀賞:amazonギフト券5万円分 特別賞:作ったものにちなんだナニカ 学生賞:amazonギフト券1万円分 さて映えある最優秀賞は… チーム「おはようございます⏰💤」による「ダムダムビーバーズ」でした! ビーバーくんが木をかじってダムを作るというゲームアプリ。水、天敵のコヨーテ、台風などの妨害キャラと戦いながら、住処となるダムを作ることを目指します。 完成度が非常に高く、ゲームとしてきちんと成立しているというところが高評価。フォント、カラー設計、キャラクタなどグラフィック面もクオリティが高く世界観がしっかりと出来上がっている作品です。 次点となる優秀賞は、以下の2組でした。 ふーぴんさんの「Uzurium」は、モーターで回る磁石の磁力を使って、筒内の水に渦を発生させ、光の演出と組み合わせて目を楽しませてくれるインテリアアイテム。 オリジナルライティングのプログラム、渦と光のシーケンス制御による演出も巧みなものでした。 プロダクトの面白さはもちろん、プレゼンのクオリティが高く、シンプルながらしっかりアピールできているところも高く評価されました。 ひげだるまさんの「Splatwash」は、イカが墨を吐いて黒く汚れてしまった画面を、専用の放水デバイスできれいに掃除するという教育型ゲームです。 手持ちのゲーム画面にクロマキー合成用の映像を重ねて画面出力する仕組みで、ゲームプレイヤーと放水デバイスプレイヤーの2人1組で遊ぶことができます。 驚きのあるプロダクト制作に定評のあるひげだるまさん。今回も、箱型のコントローラーにわざわざ鍵を刺して回すというギミックに注目が集まりました。 さらに、より運営の印象に残った、きらりと光るプロダクトに与えられる特別賞は、 インコーズさんの「デジタルししおどし リズムを刻め」となりました。 かなり複雑なリズムも刻むことができる鹿おどし。メトロノームとして、またドラム代わりとして、他の楽器と組み合わせてライブ演奏を楽しむことも可能です。インコーズさんは親子ユニットで、中学生のMEMETANさんが主にプログラムを書いています。 メトロノームとして普通に実用性があるところが面白いとの評価。シュールで面白い、ポテンシャルがあり今後の展開にも期待できる、中学生がここまでプログラムを書いているところもすごいというコメントがありました。 そして、学生として参加された方の中から選ばれる学生賞は、H to Oさんの「ハイドロップ」に決定。 4種類の「元素ぷよ」を合体して、H2Oを合成していくゲームです。いろんな原子が登場して、水分子以外も合成できるところも面白いポイント。 馴染みのあるUIですが、発想が楽しく、デザインなども総じてクオリティが高く魅力的な作品でした。 * * * 今回は「水!!」というシンプルなテーマをどう解釈するのかが焦点となりました。期待通り、みなさん柔軟で面白い発想のものばかり。もはや商品として十分通用するようなクオリティのものがたくさん発表されました。とにかく楽しむのがコンセプトのこのハッカソン、今回も全力で一緒に遊んでいただき、どうもありがとうございました。 みなさんおつかれさまでした! コメンテーターの感想 回を追うごとにクオリティが上がっていって本当にすごいと思います。今回も、ハードもソフトも両方見られてとても楽しかったです。次回も楽しみにしています。(曽根) 個人的に一番すごい回だなと思っています。ハードを使ったものも増えてきて、アイディアもクオリティもどんどん良くなっています。特に学生の活躍が目覚ましいのが嬉しいですね。若い人が面白いものを作ってくれるのは本当にわくわくします。参加者全員を心から労いたいと思います。(秋葉) 今回もユニークで面白いものが多いなと感じました。特に今回は、テーマのおかげがゲームが増えてきた印象です。ゲームはチームそれぞれの特徴がより生かされていて本当に面白く、ハッカソンの醍醐味が詰まっていて見ている方も非常に楽しめました。(倉貫) 最後に恒例の集合写真です。「遊ぶ」の「A」をみんなで掲げての記念撮影でした。お疲れ様でした! 当日の様子は以下からご視聴いただけます。 謝辞と次回の予告 参加していただいたプログラマの皆さん、コメンテーターの皆さん、賞品提供に協賛していただいた株式会社ソニックガーデン様、ありがとうございました。 半年ごとの定期開催を計画するツクアソハッカソン、次回は2023年8月開催予定です。 以下をフォローして頂けるとお知らせします。お楽しみに! https://twitter.com/tsukuasohack
2022年8月18日から26日にかけて開催された「第3回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)。 「『いや違う、そうじゃない』とツッコまれたくなるモノまたはサービスをツクる」をテーマに、ユニークかつエッジィな作品を作ってくれた受賞者たちのインタビューを公開します! 今回は、学生賞を受賞した「大阪府立たまごかけごはん」のメンバーによるインタビュー。 「日頃の疲れを癒す」というコンセプトの猫ゲームですが、スタートしてみると、サムネイルとはまったく違うあまり可愛くない猫に、辛辣な言葉をかけられたり、からかわれたり、反省文を書かされたりします。一見そうじゃないようですが、猫らしさの本質を捉えており、味のある作品でした。 大学の先輩後輩で構成されたチーム。どんな分担で、どんなスケジュールで制作したのかお話しいただきました! 大阪府立たまごかけごはんさんのプレゼンは 01:20:07 〜 「大阪府立たまごかけごはん」メンバー kani さん yuta-ike さん まご さん Comet さん ──── 学生賞おめでとうございます。大阪府立たまごかけごはんさん、どういった集まりなんですか? kani:普段からよくハッカソンに出てる大学院生2人、私と、yuta-ikeくん。そこにハッカソン初参加の1回生と2回生を加えたチームです。一応同じ大学同じ学科の先輩後輩なんですけど、学年がすごい離れてるのもあって、今回のハッカソンで初めて関わったって感じです。 ──── リーダーって決まってるんですか? kani:リーダーは一応私になります。 ──── じゃあ、kaniさんの声かけのもと集まった後輩たちいうことですか。学校ではkaniさん怖い先輩ですか? kani:いや。 まご:怖い先輩ですね。 (一同笑) ──── Cometさんとまごさんが後輩。 Comet:僕が1回生です。 まご:僕が2回生です。 yuta-ike:僕は修士の1年です。なのでkaniさんの一個下です。僕も後輩です。 ──── 完全に縦社会じゃないですか(笑)。どうですか、みなさん楽しかったですか? Cometさんとまごさんは初めてのハッカソンですね。 まご:スキル面で先輩方に助けてもらうことが多かったんですけど、kaniさんが、各自のスキルに合ったタスクの割り振りをしてくださって、円滑に進めることができてすごい助かったなという感じです。 Comet:僕は実は情報系の知識があんまりなかったんですけど、先輩方が僕ができる範囲のことを与えてくれたんで、やりやすかったし、すごい勉強になったなと思っています。 ──── 先輩後輩という関係性のチームって珍しい。学生さんだと友達同士が多くて、縦の繋がりでっていうのは少ないですね。学科が一緒ということは、研究室とかですか? kani:いや、普段の繋がりは全くなくて、ただTwitterでFFだったってぐらいです。Twitterで、誰かハッカソン一緒にでない?みたいな声をかけたら反応してくれたので。 yuta-ike:初耳やった。いつ繋がったんやろうって思ってたんで、そうだったんですね。 (一同笑) ──── yuta-Ikeさんとkaniさんは、これまでも何度か他のハッカソンに参加してるんですね。 kani:そうですね、もとから結構チーム組んで一緒に出てました。今回は、yuta-Ikeさんが、ハッカソン出過ぎて、もう強い人たちでチーム組むんじゃなくて、教育に回りたいということをつぶやかれてて。 yuta-ike:そんなことは言ってないんですけど(笑) kani:ちょうどいいから後輩と一緒に出ようかなって。 ──── なるほど。ツクアソ、いかがでした? yuta-ike:当日体調不良で1日死んでて。申し訳なかったんですけど、discordとか見てると結構動いてて、1、2回生の2人も実装進めてくれてたので、なんとかなってよかったなって安心してました。 kani:いい意味でゆるい感じですごい楽しかったです。発表も面白いアプリサービスが多くて、見てて面白くて。 ──── 教育的な面の役割は果たせたって感じですか。 kani:直前の直前で颯爽と現れてものすごい進捗を生んで去っていきましたよね、yuta-Ikeくん。 ──── よかったです。他のハッカソンだと、やっぱり結構硬いテーマが多いですかね。 kani:そうですね、ハッカソンによっては結構がちがちだったりとか、役に立つアプリを作らないといけない。それが審査の項目に入ってるみたいなのもあるんで。そこから考えると、かなりふざけることができました。 ──── 開催中はどういうふうに過ごされたんですか? 木曜日にオープニングがあってテーマが決まって、その後チームでアイディアソンというのが定石ですが。 kani:どう過ごしてたっけ?集まってアイディア出しして、作るもの決めて、土台となるベースのプログラムみたいなものを書いて、ぐらいまで当日だったと思います、確か。 ──── 作るもの自体はすぐ決まったんですか? kani:そうですね、割とすぐに。案が出てこなさ過ぎて逆にすぐ決まったって感じでした。 ──── これ以上考えても難しいだろうって。 kani:そうですそうです。 ──── テーマ、難しかったですよね。 yuta-ike:難しかったですね。なんなんだって感じで(笑)。それでもなんとか2、3個案が出てたイメージがありますけど。 ──── このアイディア自体はどなたが? kani:元の案は私です。私がハマってるスマホゲームがあるんですけど、それが広告と実際のゲーム画面が全然違うってことですごい有名で。同じようにイメージと実際のゲーム画面が違うものを作ったら、「違う、そうじゃない」ってなるんじゃないかなっていうのと、単純にエンジニア界隈で猫が流行ってそうだったので、猫のゲームを作ろうと。 ──── それであんなにかわいい猫のゲームに。 kani:そうですね。 (一同爆笑) ──── アイディア自体は割とスムーズだったんですね。設計とかはどうしたんですか?kaniさんがPM的に振る舞う感じですかね。 kani:基本的にはそうなんですけど、最初の土台となるアプリケーションはyuta-Ikeくんに作ってもらってました。 yuta-ike:そうだっけ。 kani:え、覚えてない? yuta-ike:あんまり覚えてない(笑)。そのときから体調崩しかけてたんで。 ──── あれはほとんどフロントエンドだけ書いてる感じですよね? kani:はい。私がデザインと全体的な開発で、初心者のCometくんにも書いてもらって。 Comet:僕は自分ができる範囲のHTMLとCSSを。結構わからないことがあったんで教えてもらいながらみたいな感じで。 kani:猫八さんを放置してるとお楽しみ画面が出てくるっていう機能があるんですけど、そのお楽しみ画面を実装してもらったりとかしてましたね。 ──── 木曜日に土台を作って開発に少し着手して、金曜日は大学はお休みですよね。一日中開発ですか? kani:そうですね、夏休みなんで。バイトとかインターンで日中動けない人もいたので、残りのメンバーで。 yuta-ike:僕が体調悪かったんですけど、金曜日にインターンがフルで入ってて、インターンには頑張って行ったような記憶があります。帰ってきてダウンしてました。 ──── 金曜日の段階でどれぐらい開発が進んでたんですか? kani:最悪この状態で出せるっていうところまではできて、あとは追加で開発をしてるって感じでした。 ──── 金曜の段階でほぼできてたんだ。すごいな。開発全体通してどうでしたか? Cometさんとまごさんのお2人はどれぐらい開発に関わることができたんですか? Comet:自分なりには結構頑張って、できる範囲では参加できたと思います。どうしても知識があまりなかったので、半分勉強するような気持ちで参加して、結果色々知れたなと思ってます。 kani:Cometくんは本当にプログラミング初心者だったんです。GitHubのアカウント作るところから頑張ってくれました。まごくんのほうはばりばり開発してくれてました。 まご:僕はあまりwebの経験がなくて、どっちかっていうとバックエンドのほうを勉強してたんです。今回、開発期間が2日と少しくらいしかないということがあって、フロントだけでやろうって方針になったんで。HTMLとCSSの基本的なところを書いて、それをkaniさんに見ていただいて、リファクタリングとか足りないところの書き直しとかしていただいて、っていう感じでした。 ──── しっかり後輩の人たちに技術が伝わってるっていうのがいいですね。ところで、CometさんはGitHubのアカウント持ってない状態でなんでハッカソン参加しようと思ったんですか? Comet:プログラムに興味があってこの学科に入ったんですけど、学校の授業だとそんなにプリグラム自体に触らなくて、一体どんな感じで実際使ってるかとか見たいと思ったら、ハッカソンに参加したほうがいいかなと思って。そんなときにちょうどTwitterで呼びかけがあったので参加しました。 kani:Twitterでハッカソン出たい人って募集したら、Cometが「いいね」付けてくれたんで、「お前、いいね付けたよな」ってDMして。 ──── 怖い! (一同笑) ──── その段階で面識あったんですか? kani:ないんですけど、Twitterではつながってたんで。 ──── いい先輩に捕まりましたね。yuta-Ikeさんめっちゃ頷いてる。 yuta-ike:なんでkani さんそんな下の子たちとつながってるんだろうってずっと不思議に思ってたんですけど。その疑問が今日、解決されました。 ──── もともと情報系の学科なんですか? kani:はい。京都大学の工学部情報学科です。授業でソフトウェアがっつり開発することはないんですけど、そういうのに興味ある人が集まってる学科ではあるんで、ハッカソンとか出てる人は割と多かったりします。 ──── 発表自体もとても面白いものでした。あれはどなたの担当だったんですか? kani:あれは私が完全が1人で作ったやつです。このゲームはこういう点が「違う、そうじゃない」ところだと思って作りました、だけだとちょっとおもんないと思いまして。だから、あくまでかわいいゲームだというスタンスで発表しようと思いました。 ──── 発表自体も紙芝居みたいで、工夫がありました。他の参加者の発表を見て、手応えを感じましたか? kani:他の参加者の人が面白過ぎて、正直厳しいと思ってました。まごくんとかね。 まご:これを本当に2日と少しで作れる人がいるのか、みたいなのがたくさんあって、本職の人たちのすごさを知ったというか。なんなら、webアプリとかでさえないような発表もあって、見てるだけですごく楽しかったです。 kaniさんの発表は、僕と2人でリハーサルしたんですけど、その段階ですごい面白いと思ってました。成果物の面白さを十二分に引き出してくれる発表をしてくださったと思ってるので、何かしら賞取れてもおかしくないだろうという確信がありましたね。プレゼン聞きながらすごい笑ってて、僕。 Comet:申し訳ないことに発表のときにバイトが被ってて、見れなくて。投稿リスト見て、こういうのが出てるんだなって確認した感じでした。それでも、こんなん作れるんや!みたいなのが多い印象でしたね。でも、自分たちが作ったものに対しても、多少なりとも自信はあったので、賞がもらえたらいいなと思ってました。 ──── で、yuta-Ikeさんはダウンしてたと。 yuta-ike:ダウンしながらもちょこちょこ発表は見ていて、真面目なテーマのハッカソンに出ることが多かったんで、みなさんのネタ力の高さすごいなと思ってました。 ──── ぜひ、ハッカソンに出る伝統を学部内で受け継いでほしいですね。ところでこのチーム名はどういう…。 (一同笑) kani:学年が離れ過ぎてて、共通点がないなって思ったんですけど、全員が大阪府立高校出身ってことに気付いて。 ──── すごい偶然。 kani:そこに、チームメンバーのyuta-Ikeくんが今まで「たまご」が付いたチーム名で出たハッカソンで全部入賞してたので、なんか縁起がいいかなって思って。 ──── その記録まだ更新してますね。 yuta-ike:ぎりぎりつなぎました。 ──── なるほど、ユニークな名前なんでずっと引っかかってました。次回は2月です。ぜひ、kaniさんが卒業されても毎年参加してもらえると嬉しいです。 どうもありがとうございました!
2022年8月18日から26日にかけて開催された「第3回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)。 「『いや違う、そうじゃない』とツッコまれたくなるモノまたはサービスをツクる」をテーマに、ユニークかつエッジィな作品を作ってくれた受賞者たちのインタビューを公開します! 今回は、特別賞を受賞したSeitaroさんのインタビュー。 画面いっぱいに表示されたあの「ぷちぷち」を延々つぶすことができる…はずが、なぜかマインスイーパが始まり、あっという間にゲームオーバーになってしまいます。 違う、そうじゃない。 シンプルな出オチ感が好評でした。 育休中にソロ参加していただいたというSeitaroさん。どんなスケジュールで制作したのか、どうやってこの斬新なアイディアを捻り出したのか、などについてお聞きしました! Seitaroさんのプレゼンは 00:32:29 〜 ──── 受賞おめでとうございます。ご参加いただきありがとうございました。今回ツクアソ初めてですよね? Seitaro:はい。 ──── どうやってこのツクアソを見つけたんですか? Seitaro:実は、ツクアソ主催のソニックガーデンさんに、私の元上司が転職してまして、その方に直接「出てみない?」と声を掛けてもらいました。 ──── そうなんですね。そうくると思わなかった(笑)。ツクアソに参加してみての印象はどうでした? Seitaro:実はハッカソン自体が初めてでして。ツクアソはハードル低いというか、ラフに参加できそうな優しい雰囲気を感じて、構えずに参加することができて、ちょうどよかったです。 ──── 普通のハッカソンに比べるとテーマも雰囲気もだいぶゆるいですよね。今回のテーマ「違う、そうじゃない」、どう思いました? Seitaro:すごい焦りましたね。やばいと思って。でも、全然想像してなかったものを作ることになるんだろうなっていうわくわくもあって、楽しい2日間が始まるなって気持ちでした。 ──── ありがたいお言葉です。今回作られた「ぷちぷち。」はどのくらいで完成したんですか? Seitaro:最終的な完成までは1日かかってないくらいですかね。最終日は微調整をして、みたいな感じでした。 ──── 早い!テーマ発表後、具体的にどういう過程で開発されたのか、教えていただけますか? Seitaro:最初のイベントのあと、まず混乱して(笑)。やばい、どうしよう、みたいな。今回はチームではなくソロ参加だったので、妻に、ちょっとブレスト手伝ってくれって言って、アイディアを出しをしました。20個ぐらいアイディアあげましたね。その時に、ストレス解消アプリで逆にストレス溜まる、とかだったら、「違う、そうじゃない」感あるんじゃん?ってなって、方向性を決めました。ぷちぷちとマインスイーパの組み合わせに固めて、マインスイーパのロジックをネットで転がってるものを調べて、このボリューム感だったら作れるなっていうのを想定して、そこまででその日は寝ました。時間としては夜の10時ぐらいですかね。 ──── テーマ発表から2時間ぐらいじゃないですか。ぷちぷちとマインスイーパを一緒にするっていう発想が、すごいなと思いました。この組み合わせっていうのは、どうやって着想を得たんでしょうか。 Seitaro:どっから来たんですかね…。もうばーんと降りてきたみたいな感じなんで。 ──── ありそうでない組み合わせじゃないですか。今まで見たことない。でも出来上がったものを見てると、確かにだんだん、ぷちぷちとマインスイーパ似てるなって思わなくもない。片っ方はストレス解消できるけど、片っ方は失敗するとむっとしてしまうっていう。その共通点と反対のところを組み合わせがすごく面白いですね。これがまさか2時間のブレストで生まれたとは…。その日はアイディアを固めて、寝て、次の日は開発にあてたんですね。 Seitaro:はい。実は子供が生まれたばかりで、今、育休をいただいてまして。なので仕事に行くことはなくて、ちょこちょこ育児と行ったり来たりしながらプログラムを書いて過ごしました。ロジックは午前中に組んで、午後にイラストというか、ぷちぷちの画像を作ったりして、その日のうちにほぼできたみたいな感じですね。最終日の午前に、何か振りが欲しいなと思って。「違う、そうじゃない」感を出すために、最初は「ストレス解消しますよー」みたいな振りが必要だと思って、トップ画面作ったりとか軽い作業をやって完成でした。 ──── この導入もよかったですよね。ストレス解消感を最初のページでアピールしてくるから、完全にぷちぷちなんだろうなって気分で入りますからね、遊ぶ人は。で、まさか、みたいな。素晴らしかったです。 Seitarao:ありがとうございます。突然「ぷちぷち。」で伝わるかなっていうのが不安だったので、作ってみました。 ──── 細かいしかけもすごいです。画面のぷちぷちがもう潰れちゃってるのとか、ちょいちょい「そうじゃない」感を出してきていて、いいなと思いました。作るにあたって、こだわったポイントとかありますか? Seitaro:画面を崩さない、とにかく綺麗に見えるというところですね。ぷちぷちだよっていうのが伝わらないと、だめだろうなと思ってたので、どんなデバイスでも全部画面いっぱいに広がってゲームが展開されるってところを大事にしました。スマホのほうが簡単なんですよね、特性上。デスクトップでは多分クリアできないぐらい面倒なことに。 ──── 本当、綺麗に画面合わせてましたね。23インチのディスプレイいっぱいでやりました、最初(笑)。ちなみに、音は自分でサンプリングしたんですか?ぷちって音。 Seitaro:リアルなぷちぷち音だと、かえって聞こえないっていう問題があって、自分で作りました。自分だけでやってると、だんだんわからなくなってくるので、これも作っては妻に「どう聞こえる?」って意見もらいながらやりましたね。「クリック音に聞こえる」って言われるので、フリー音源の改変していいやつをいくつか使って、「ぷちぷちっぽい音」を作りました。土の上を歩く音の波形を変えて、混ぜたりして。 ──── 奥さんがかなり協力的で、戦力でしたね。 Seitaro:結構面白がっていろいろやってくれましたね。 ──── お二人とも普段からプログラムのお仕事をしているんですか? Seitaro:僕は、普段はwebシステムって感じで、フロントエンドからサーバーまでを、一つのチームで作っています。あんまりフロントもバックも境界なくやってますね。妻は、ITとは全く関係ないです(笑)。 ────だからこそ発想とかも含めて面白くなったのかもしれませんね。ちなみに賞品はぷちぷちするものを手配しておりますので。 Seitaro:本当にぷちぷちが送られてきたらどうしようって思ってます(笑)。 ──── ぷちぷち1年分送ろうかなとも考えたんですけど(笑)、ちゃんとしたものを送ります。ご期待ください(後日、ぷちぷち=いくらということで、「いくらの醤油漬け」「サーモンといくらの塩辛」をお贈りしました)。 ──── これを機に他にもハッカソンに参加したりとか。 Seitaro:そうですね、いろいろ出れたら楽しいなって思います。 ──── ツクアソもまた2月にあるので、ぜひご参加ください。 Seitaro:ぜひまた参加させていただきたいと思います。 ──── どうもありがとうございました!
2022年8月18日から26日にかけて開催された「第3回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)。 「『いや違う、そうじゃない』とツッコまれたくなるモノまたはサービスをツクる」をテーマに、ユニークかつエッジィな作品を作ってくれた受賞者たちのインタビューを公開します! 今回は、優秀賞を受賞したチーム「丑の日プロジェクト」のメンバーによるインタビュー。 丑の日プロジェクトさんの「リュック型延長コード」は、その名のとおり、両脇に電源の付いたリュックサックです。コードは最大10mまで延ばすことができ、同時に120台のスマートフォンを充電できるだけの電流に耐えられる仕様となっています。 「webアプリじゃない」「役に立たないはずが役に立っている」など、あらゆる「そうじゃない」が重なる秀逸さが高評価でした。 第2回ツクアソでも優秀な成績を残した丑の日プロジェクトさん。今回はどのような制作過程だったのか、どんな気持ちで開発に挑んだのか、語ってくれました! 丑の日プロジェクトさんのプレゼンは 01:34:45 〜 「丑の日プロジェクト」メンバー アニー さん マーク さん ──── 第2回に続いてのご参加ありがとうございます。今回の再参加の動機について、お聞かせ願えますか? アニー:やっぱり、第2回に参加したときが楽しかったっていうのが一番大きくて。いろいろなハッカソンにも出てるんですけど、その中でもかなり自由度が高いというか、自由度が高い上に、テーマもかなりしっかり設定してくださるので、ちょうどよい縛りのある自由ですね。やっててずっと楽しいっていう。 マーク:僕も同じです。第2回に参加したときがすごく楽しくて、雰囲気がちょうど僕たちのやりたいこととマッチしてた。 僕たちはものづくりをしてますけど、堅苦しいものはあんまり作らないんですよね。ちょっとネタ要素いれて面白くしようとするんですけど、ツクアソはそれを十分に発揮できるような雰囲気で、僕らが100%楽しみながらできるハッカソンだなと思ってたので、今回もぜひ参加したいと思いました。 ──── 「自由度が高い」とおっしゃってましたけど、今回はその中でもなかなかのテーマでしたよね。これについての印象は。 アニー:自分たちのスケジュールが合わなくて、テーマ決めに参加できなかったんです。結果だけを見た第一印象は、「なんじゃこりゃ」。 (一同笑) アニー:でも「なんじゃこりゃ」っていうのは、決してネガティブな感想じゃなくて、「一体これどうなっちゃうんだろう」っていうわくわくのが大きかったですね。それこそマークがさっき言ったみたいに、僕らの空気が活かせるテーマなんじゃないかと思いました。僕たち優勝できるんじゃないかと。正直な気持ちです。 マーク:僕たちにぴったりのテーマでしたよね、これは楽しいぞって。 ──── テーマが発表されてからの開発の流れはいかがでしたか? アニー:僕たち、かなり事情が特殊だったんです。普段マークがアメリカにいて、僕が東京にいるんですけど、ちょうどマークの帰国日とハッカソンの開始日が重なってしまって。数年振りに日本に帰ってきたのに、マークは実家に帰らずに僕と一緒にホテルに缶詰っていう。帰国早々徹夜するって状況で開発しました。 今回はハードウェアで作りたいねっていうのがあったので、秋葉原に近い、浅草にホテルを取って、そこにふたりで朝チェックインして、とりあえずお風呂に入って、そこでじっくりアイディア出しをしまいした。お風呂から上がる頃にはテーマが決まって、買い出しに行く、みたいな流れでしたね。そこからどんどん開発していって、またお風呂入ったり休憩したりしながら。次の日に、実際手を動かしてみて足りなかった部品をまた買いに行って。 ──── この、「かばんちゃん」に行き着いたのはいつ頃だったんですか? アニー:朝の風呂の時ですね。 マーク:風呂の中で話し合いましたね。 (一同笑) アニー:爆笑しながら話し合ってて、多分周りにすごい迷惑だったと思います。 ──── 前回は、お2人の間に時差があって、それぞれの時間で開発されたってことを、インタビューでおっしゃってたと思うんですけど、今回は物理的には同じ場所で一緒に開発されたんですね。それはだいぶ、共同作業のやり方が変わるかなと思うんですが。 マーク:そうですね、2人で一緒にいるとハードウェアの作れる幅っていうか、話し合いながら作れるので、より楽しくできましたね。 今回同じ場所で一緒に開発したんですけど、僕は帰ってきて早々で、時差ボケの中いきなり徹夜したもんですから、体内時計がもうおかしくなってしまって(笑)。アニーも徹夜してたんで、結局2人ともわけわかんなかったです。 ──── (笑)。実際に、完成して応募できたのどれくらいでしたか? アニー:締切の3秒前でした。大袈裟でなく本当にぎりぎり。 (一同笑) ──── 本当にギリギリでしたね。実は、丑の日さんなかなか応募がなくて心配してました(笑)。 アニー:応募フォームの埋められるところだけ先に埋めて、ぎりぎりまでやって。 ──── タイムスタンプは、8月20日の19時59分08秒でした。残り1分なかった。 マーク:やばい。 アニー:あの3秒は体感だったんだな。体内時計がぐちゃぐちゃになってた。 ──── だいぶどきどきしましたね。ハードで行こうという方針にしたのは、3回目出場が決まってからですか? アニー:はい。マークの帰国日と重なるっていうのがわかったので、せっかく一緒にいるなら、どんなテーマに関わらず、ハードウェアでやりたいよねって言って。もちろん無理な場合もあったと思うんですけど、できるだけ。 ──── ちなみに資格(第二種電気工事士)はこのために取ったんですか? アニー:いつかこういう時がくるんじゃないかと(笑)。 ツクアソに使うぞって思って取ったわけではなかったんですが、いざ欲しいってなったときに第二電工がないとできないってなったらやだなっていうのを見越して取ってたんです。初めてそれが生きる時が来たんで、「今日のために取ったんだ!」って盛り上がりました。作ったものを持ってる分にはいらないんですけど、実際コンセントをつなぐってなると、もしもこれが家庭用電気工作物だって指摘されてしまったらまずいので。そんなことないでしょうけど、万が一誰かに文句を言われても、「いやいや、持ってますよ」って言えるっていう。そういうことですね。 ──── 家庭でも使えますもんね。 アニー:家庭用電源の電圧をそのまま使うんで、危険なことには変わりはないですね。安全を期して。 マーク:直電差したら全部いきますからね。 ──── テストしてるの、ホテルでしたし、有資格者だったのはとても安心でした。 アニー:実際その資格を取った時に得た知識が発表資料で生きたりとか。そもそも何を買わなきゃいけないのかっていうのにも、かなり役立ちました。意味はめちゃくちゃありましたね。「この日のためだったんだ!」って思いました。 ──── 今回ハードで応募されてるのは丑の日さんだけだったので、ツクアソ的に新しさがあって、非常に面白かったです。「ちゃん」しばりは続けてるんですね(笑)。確か、愛嬌を持たせるためですよね。 アニー:そうです、愛嬌を持たせるのと、やっぱり名前を付けた瞬間から、「こいつを完成させてやらなきゃ」って気持ちがぐっと沸きます。 ──── これ、実際のカバンにハサミを入れたりしてるんだと思うんですけど、このために用意した物ですか? アニー:これを作るって決めてから、必要な形をしていて、かつ値段がそこまでしないものっていうのを探しました。なんだかんだ一番時間がかかったのって、このカバン探しかもしれないですね。2人でいろんなお店回って。 マーク:最後の最後に見つけましたもんね、いいカバン。見つかってよかった。なかったらもう僕らのカバンに穴開けるかって話で(笑)。 アニー:その覚悟を決める直前くらいだったもんね。 (一同笑) アニー:最終的にスリーコインズで500円で売ってるのを発見しました。 ──── 無事に作品として完成して、日の目を見れて良かったですね。 アニー:実際、あの後めちゃめちゃ使ってるんです、かばんちゃん。 ──── そうなんですか! アニー:ハッカソンやってる最中は、まったく役に立たないものを作ろうって思ってたんで、水面下でどっちが持って帰るかって戦いがあったんですよ。作ったはいいけど、絶対邪魔になるぞって思ってました。でも、形が出来上がり始めたあたりから、作ってる最中に、もうかばんちゃんが必要になってきたんですよ。グルーガン使ったんですけど、コンセントが短くて、しかもホテルだとコンセント少ない。なので、そこである程度できあがっていたかばんちゃんを背負ってやる、みたいな。なんと、かばんちゃんがないと、かばんちゃん出来上がらないという事態。 ──── すごい、C言語でC言語作るみたいな。 アニー:その後も、マークとどこか行ったりする時には普通にかばんちゃんを持って行きます。まずかばんちゃん出してから、いろいろ出し始めますもんね。 ──── 延長コードで良いのでは?(笑) アニー:僕らも最初、そう思ってたんですよ。めちゃくちゃ無駄なもん作ったなって思ってたのに、結構背負えるっていうのが大きなスペックで。ずっと背中に電源があるっていうのが、すごい便利。例えば先々週、別のオフラインのハッカソンに参加したんですけど、テーブルに備えてある電源が少なくて。そこで堂々と延長コード出してやってると、「あいつら何やってんだ」ってなるんですけど、かばんちゃんって見た目がかばんなんで。あいつらめちゃくちゃ電気使ってるぞ感がないんですよ。自分たちの横にかばんとして置いといて、さりげなく電源が使えるんで、カバンという形に意味があったなって、後からわかるっていう。 マーク:持ち運べるのいいですよね。ひとつの使用例としては、ドライヤーがすごく便利です。お風呂からあがって、ドライヤーしてるときって動けないじゃないですか、コードがあるから。だけどかばんちゃんがあれば、髪を乾かしながら部屋中歩けるんですよ。それがすごい便利。あとは掃除機ですね。コンセント差し変えずにどこへでも歩いて行ける。意外とそういう便利な部分が出てきてしまって。 ──── 確かに、生活の中で想像すると、活躍のタイミングが多いですね。背中に収まってるっていうのが。 マーク:僕らも最初は、「いや、そうじゃない」「延長コードでいいだろ」って突っ込まれることを期待して開発したんですけど、結果的にすごい便利なものができてしまった。これ大丈夫かな、どうしようって話し合いましたよね、発表。 アニー:めちゃくちゃ話し合いましたね。本当に突っ込まれるかなって。 ──── 大誤算ですね(笑)。ちなみに、かばんちゃんは今、どちらがお持ちなんですか? アニー:今、僕の家にありますね。僕の方がその時持って帰れる荷物のキャパだったってだけで手元にあるので、もしかしたらこの後喧嘩になるかもしれないです。 (一同笑) ──── もういっそ量産してみては? アニー:先週あったハッカソンでも、「これ、あったら買いますよ!」って人がいました、意外と需要あるんだって。 ──── 量産いいかもしれないですよ、本当に。そんなかばんちゃんも、残念ながら最優秀賞ではなかったんですけども、今回の最優秀賞作品に関してはどう感じてますか? アニー:僕は、プレゼン見て、正直負けるならここだろうなって思ってたところなんで納得の結果です。もちろん結果発表の瞬間まで、自分たちが優勝だと信じてはいたんですけど。だからこそやっぱり悔しいですね。 マーク:同感です。作ってるときは、自分らが優勝だって思ってましたけど、発表見てるときはやっぱり「うわー面白い」とか、「これいいアイディアだ!」って何回も思いました。もちろん発表の時まで優勝を信じてましたけど、最優秀賞が決まったときは納得でしたね。面白かった。悔しいですけど。 アニー:発表も2人で笑いながら見てたもんね。「なんだこれ!」みたいな(笑)。 ──── 最優秀賞「ソトネル」のユニバックさんは、第1回からの常連ですよね。前回も受賞されてましたし。丑の日さん、次回こそは。 アニー:ライバルとして。 マーク:ユニバックさん、先週のハッカソンで一緒だったんですよね。 ──── ユニバックさんは「僕たちが出ないハッカソンはない」っておっしゃってましたからね(笑)。 マーク:先週参加したハッカソンでも熱い戦いを繰り広げて。いいライバルです。友達でもあるっていう。お互いにどんどん高めあっていく感じがいいですよね。 ──── ちょうどツクアソも、2回連続で賞を取ってるのってこの2チームだけなんですよ。 アニー:そうなるとまた余計に次こそ勝ちたいなー。 マーク:優勝したいな、次こそ。 ──── ぜひ。丑の日さんの世界をこれからも見たいです。また戻ってきてください。ありがとうございました!
2022年8月18日から26日にかけて開催された「第3回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)。 「『いや違う、そうじゃない』とツッコまれたくなるモノまたはサービスをツクる」をテーマに、ユニークかつエッジィな作品を作ってくれた受賞者たちのインタビューを公開します! 今回は、優秀賞を受賞したチーム「SHINKAI」のメンバーによるインタビュー。 SHINKAIさんの「僧じゃない」は、表示された画像の中から僧を探し、格言を受け、徳を積むというアプリ。僧じゃないものを選んでしまうと「違う、僧じゃない」と表示されます。格言は全ての人に与えられるようです。題材の独特な捉え方が非常に面白い作品でした。 メンバーが物理的にご近所さんで構成されているというSHINKAIさん。制作の過程や今後の意気込みなどについて、トークしていただきました! SHINKAIさんのプレゼンは 01:07:13 〜 「SHINKAI」メンバー RISE さん NK さん ハチワレ丸 さん 天然水 さん ──── 入賞おめでとうございます。ご参加いただきありがとうございました。チームメンバーの関係性、なぜこの4人がチームなのかというところから教えていただけますか? RISE:小学校からの友達です。みんな近所に住んでまして、「みんなでプログラミングやってみよう」みたいな話になって。 ──── 4人とも小学校からの同級生なんですか? RISE:1人だけ中学からですが…。 NK:そうだ、忘れてた。 ──── 忘れるぐらいの関係性(笑)。 NK:いつもいるので、なんか。 ──── かなり古くからの関係なんですね。今はそれぞれ別々の大学に行ってるのに、このハッカソンは声かけあって参加してくださったと。 NK:そうですね。僕がもともとプログラミングが結構好きで、ハッカソンに出たいなー、と思ってたんです。それで、connpassでいろいろ調べてるときに、ちょうど第2回ツクアソの締切間近で、みんなに「こんなのあるよー」って声かけたのが最初ですね。第2回は結局なんだかんだ自分は、ちょっと違うチームで出たんですけど、今回は一緒にやりたくてリピートしました。 ──── 第2回からご参加いただいてるんですね。そのときはそれぞれ別のチームで。 NK:3人が同じチームで、僕だけ1人違うチームでした。第2回の時は、みんなが興味あるのかどうかわからなかったんで、僕だけ先にぽっと申し込んじゃったんですよね。申し込んだ後に、「こんなんあるよ」って言ったら割とみんな食いついて。今更組み直すのもあれだなと思って、そのまま別チームになりました。 ──── 満を持してのチーム。ハッカソンは皆さん前回のツクアソが初めてですか? NK:はい、初めてでした。 RISE:僕も。大学のゼミでもハッカソンに参加する話はあったんですけど、時間が合わなくて出れなくて、アイディア出しだけの参加だったんですよね。だから、ちゃんと参加するのは初めてです。 ハチワレ丸:僕は今回の第3回が初めてです。前回は、RISEと天然水と一緒に出るはずだったんですけど、僕がコロナになっちゃって…。 ──── 今回、前回に比べてテーマが結構難しいかったかなって、運営でも話してたんですけど、いかがでしたか?ぜひ率直な意見を。 RISE:うわーなんだこれ、みたいな。そんなかんじでしたね。 NK :ネタに振り切ったほうがいいんじゃないかって思いました。でもそれが逆に良かったのかもしれないです。もっと実用的なものだと、みなさんの技術力が光ってすごいものが生まれてきちゃったと思うんですけど、ネタに走れた分、技術力のない自分たちでもなんとかんったかなって思ってます。 ──── 「僧じゃない」、なかなか秀逸なネタでした(笑)。このアイディアはすぐに決まったんですか? 辿り着くまでの流れを教えてください。 RISE:当日、ハチワレ丸くんの家にみんなで集まって考えてたんですけど、全然思いつかなくって。もうだいぶ煮詰まっちゃったから、一旦外行こうって、みんなで外に散歩に出たんですよ。そこで僕が「そう」にまつわるダジャレを連発して(笑)。「これ『そう』だね」「これも『そう』だ」なんて言いながらコンビニに入って、そこでアイスの『爽』ってあるじゃないですか。それを見かけたハチワレ丸くんが、「うおー!」って。 ──── ハチワレ丸さんが閃いたと。 RISE:そこで、副詞じゃなくて固有名詞で考えるべきなんじゃないかと。でもすぐに僧侶の「僧」が出てきたわけではなくて、また「『そう』って何があるんだろ」って話をしばらくして、最終的にNKくんが、「お坊さんを見つけるのがいいんじゃないか」。 NK:私、昔『ミッケ!』とか『ウォーリーを探せ!』が好きだったんですよ。たくさんある中からちっちゃい何かを見つけるみたいなの、楽しいんじゃないかなと。 ──── なるほど、そこから着想を得て。チームのメリットが発揮された瞬間ですね。テーマが決まってからはどうでした? RISE:どういうものを作ろうっていう、設計図ができるまではすごい早かったですね。実際、プログラミングをするところでは、結構つまづいたりしましたけど…。 ──── 実際にコードを書く人と、アイディアを考えたりプレゼンをする人っていう担当分けは、最初に決めたんですか? それとも全員でやってくスタイルでしたか? RISE:僕とハチワレ丸くんは、プログラミング始めたの去年なんです。そこから、ハチワレ丸くんはデザインの興味持ってたので、そこをお任せして、残りの3人で中身を作ろうということになりました。基本的には、ハチワレ丸くんのデザインを僕がコードに起こして、開発経験がもっと以前からあるNKくんが内部の処理を。で、直前にコロナで倒れてしまった天然水くんが途中から復活してホスティングをって感じですね。 NK:firebaseのホスティングだけ、最後起き上がってやってくれて。あれは流石でしたね。めっちゃ時間ぎりぎりだったんでかなり助かりました。 RISE:あと素材探しとか、画像とかもね。 ──── 音とか画像とか、いろいろ使ってましたもんね。うまいことチームで、得意不得意を補い合って進められたってことですね。ちなみに素材はどこから見つけてきたんですか? RISE:それはもう天然水が頑張ってくれて。時間の関係で入れられなかったんですけど、本当はお経をバックに流すつもりだったんです。冗談でお経のフリー音源見つけてきたときはびっくりした。 (一同笑) NK:すごいよね、よく探してくるなって。僕はずっと実装してたんですけど、みんながいろんなもの拾ってくるから、「そんな時間なくて使えねえよ!」って(笑)。 ──── 役割分担ができるのもチームならではですね。具体的な制作過程はどんなかんじだったんですか?始まってから、アイディアソンをハチワレ丸さんの家でやって、コンビニに爽を買いに行って、そのあとすぐに作り始めたんですか? NK:そうですね。 RISE:まずハチワレが、デザインをfigmaで書いてくれることになったんで、とりあえずそれを待ってから開始って感じでした。 NK:僕はゲームの中のロジックを、ちょっとしたもの書いてたんで、そこだけは先行して。 ──── もう寝ずに開発って感じで。 RISE:いや、この日はそこまで危機感なくて寝ちゃったんですよ。 NK:僕も、当日3時間ぐらいは書いたかな?でも次の日はアルバイトがあったのでそのまま寝ました。 RISE:そうだよね、NKは次の日バイトが朝からあるっていうんで、解散して、ハチワレの家でおおまかなオーダーをして。 ハチワレ丸:僕はそこからがんばってました。 ──── ハチワレ丸さんの家がハッカソン会場みたいな感じなんですね。 NK:そうですね。 ハチワレ丸:溜まり場です、もはや。 NK:みんなぴんぽんも押さないで玄関開けて。 ハチワレ丸:気がついたらみんな入ってくるんですよ。 (一同笑) RISE:でも、それぞれプログラム書いたりする作業は各々の家で、LINE電話つなげながらやるって感じでした。煮詰まったりしたら会いに行っちゃうけど。 ──── 近場のメリット出ますね。 RISE:ハチワレ夜勤してたよね。 ハチワレ丸:うん。モンスターとかカフェイン入れて無理やり体起こして。僕、デザインだから、僕が終わらんと他のやつが動けないんで、なんとかしようとずっとやってました。 ──── 作品を提出したのは結構ぎりぎりだったんですよね。 NK:30分前ぐらい。 (一同笑) RISE:すごい焦りましたね。 NK:ハチワレ丸くん寝てたしね。 RISE:家が近いから、物理的に起こしに行きました。殴って起こした(笑)。 ハチワレ丸:目が覚めたら友達がいたんですごいびっくりしました。 (一同笑) ──── ハチワレ丸さんはプレゼンもされてましたよね。プレゼンは全員で作って、発表者は自然に決まったんですか? ハチワレ丸:そうですね、最初プレゼン誰がやる? ってなったときに、一番最初に作業が終わるの僕だったんで、空いた時間でみんなが作ってくれたコードをを微調整したりとかしてて。ついでにどうやったら印象に残るプレゼンができるかをずっと考えて。発表、全然嫌いじゃないので。 ──── 発表がすごく引き込まれました。ちゃんとサービスの内容に合ったプレゼンで、インパクトがありました。 RISE:プレゼンは、ハチワレ丸くんが去年のyoutube見て研究して、頑張ってくれたんですよ。 ハチワレ丸:どうやって引き込むかずっと考えてて、最初に話を振ってしまおうって思いついたんです。それである程度原稿は作ってたので、あとは誰に振るかっていうのだけだった。 ──── あれアドリブだったんですか。いや、人選がよかった。 RISE:あれはよかったですね。乗ってくれて。 ハチワレ丸:もしあまり乗っていただけなかったり、時間取られてしまったらどうしようってずっと不安でした。 ──── 応募された作品の中で、印象に残ってるものってありますか? NK:「ぷちぷち。」ですかね。マインスイーパってのがすごい。 RISE:金魚すくいですね。プロトペディアのときすごい面白くて、こんなのやってる人いるんだ、勝てねえやって。何回か遊びました。 ハチワレ丸:僕もマインスイーパがすごい面白かったです。デザインが割と最初のほうに終わってたので、待ってる間やってました。難しかった。 RISE:金魚すくいとマインスイーパはすごい遊ばせてもらいましたね。 ──── 他のチームの方とも、懇親会でちょっと交流できたかと思いますが。 NK:はい。いろんな人がいて、楽しかったです。社会人の方も多くて。 ──── そうですね、半分以上が社会人。学生さんのチームって3チームしかなかったんですよね。 RISE:社会人のプログラマの人と話す機会ってほとんどないので、すごい新鮮で楽しかったです。 ──── それはよかった。これから就職とか、プログラマを目指されるかは分からないですけど、どういう働き方してるのかとか、ちょっと聞けますよね。メリットが提供できたかな。 NK:去年知っておけばよかったです。もう4年生なので。 RISE:僕まだ3年生なんで、あと1年あるな。良かったです。 ──── 次回もこの4人で。誰もコロナにかからないように。 (一同笑) RISE:順番で言うと僕かNKですね(笑) NK:僕、1回かかってるんで。 RISE:俺かかってない。 ──── フラグが立ってしまった。「僧じゃない」は2位だったんですよね。1票差の2位。これはもう次回は最優秀賞を狙っていただいて。 NK:アイディア勝負で。 ハチワレ丸:プレゼンでも勝負します。 RISE:半年で腕も磨いて、技術でも…。 ──── いけますよきっと。ぜひまた面白い作品をお待ちしております。