2022年8月18日から26日にかけて開催された「第3回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)。 「『いや違う、そうじゃない』とツッコまれたくなるモノまたはサービスをツクる」をテーマに、ユニークかつエッジィな作品を作ってくれた受賞者たちのインタビューを公開します! 今回は、学生賞を受賞した「大阪府立たまごかけごはん」のメンバーによるインタビュー。 「日頃の疲れを癒す」というコンセプトの猫ゲームですが、スタートしてみると、サムネイルとはまったく違うあまり可愛くない猫に、辛辣な言葉をかけられたり、からかわれたり、反省文を書かされたりします。一見そうじゃないようですが、猫らしさの本質を捉えており、味のある作品でした。 大学の先輩後輩で構成されたチーム。どんな分担で、どんなスケジュールで制作したのかお話しいただきました! 大阪府立たまごかけごはんさんのプレゼンは 01:20:07 〜 「大阪府立たまごかけごはん」メンバー kani さん yuta-ike さん まご さん Comet さん ──── 学生賞おめでとうございます。大阪府立たまごかけごはんさん、どういった集まりなんですか? kani:普段からよくハッカソンに出てる大学院生2人、私と、yuta-ikeくん。そこにハッカソン初参加の1回生と2回生を加えたチームです。一応同じ大学同じ学科の先輩後輩なんですけど、学年がすごい離れてるのもあって、今回のハッカソンで初めて関わったって感じです。 ──── リーダーって決まってるんですか? kani:リーダーは一応私になります。 ──── じゃあ、kaniさんの声かけのもと集まった後輩たちいうことですか。学校ではkaniさん怖い先輩ですか? kani:いや。 まご:怖い先輩ですね。 (一同笑) ──── Cometさんとまごさんが後輩。 Comet:僕が1回生です。 まご:僕が2回生です。 yuta-ike:僕は修士の1年です。なのでkaniさんの一個下です。僕も後輩です。 ──── 完全に縦社会じゃないですか(笑)。どうですか、みなさん楽しかったですか? Cometさんとまごさんは初めてのハッカソンですね。 まご:スキル面で先輩方に助けてもらうことが多かったんですけど、kaniさんが、各自のスキルに合ったタスクの割り振りをしてくださって、円滑に進めることができてすごい助かったなという感じです。 Comet:僕は実は情報系の知識があんまりなかったんですけど、先輩方が僕ができる範囲のことを与えてくれたんで、やりやすかったし、すごい勉強になったなと思っています。 ──── 先輩後輩という関係性のチームって珍しい。学生さんだと友達同士が多くて、縦の繋がりでっていうのは少ないですね。学科が一緒ということは、研究室とかですか? kani:いや、普段の繋がりは全くなくて、ただTwitterでFFだったってぐらいです。Twitterで、誰かハッカソン一緒にでない?みたいな声をかけたら反応してくれたので。 yuta-ike:初耳やった。いつ繋がったんやろうって思ってたんで、そうだったんですね。 (一同笑) ──── yuta-Ikeさんとkaniさんは、これまでも何度か他のハッカソンに参加してるんですね。 kani:そうですね、もとから結構チーム組んで一緒に出てました。今回は、yuta-Ikeさんが、ハッカソン出過ぎて、もう強い人たちでチーム組むんじゃなくて、教育に回りたいということをつぶやかれてて。 yuta-ike:そんなことは言ってないんですけど(笑) kani:ちょうどいいから後輩と一緒に出ようかなって。 ──── なるほど。ツクアソ、いかがでした? yuta-ike:当日体調不良で1日死んでて。申し訳なかったんですけど、discordとか見てると結構動いてて、1、2回生の2人も実装進めてくれてたので、なんとかなってよかったなって安心してました。 kani:いい意味でゆるい感じですごい楽しかったです。発表も面白いアプリサービスが多くて、見てて面白くて。 ──── 教育的な面の役割は果たせたって感じですか。 kani:直前の直前で颯爽と現れてものすごい進捗を生んで去っていきましたよね、yuta-Ikeくん。 ──── よかったです。他のハッカソンだと、やっぱり結構硬いテーマが多いですかね。 kani:そうですね、ハッカソンによっては結構がちがちだったりとか、役に立つアプリを作らないといけない。それが審査の項目に入ってるみたいなのもあるんで。そこから考えると、かなりふざけることができました。 ──── 開催中はどういうふうに過ごされたんですか? 木曜日にオープニングがあってテーマが決まって、その後チームでアイディアソンというのが定石ですが。 kani:どう過ごしてたっけ?集まってアイディア出しして、作るもの決めて、土台となるベースのプログラムみたいなものを書いて、ぐらいまで当日だったと思います、確か。 ──── 作るもの自体はすぐ決まったんですか? kani:そうですね、割とすぐに。案が出てこなさ過ぎて逆にすぐ決まったって感じでした。 ──── これ以上考えても難しいだろうって。 kani:そうですそうです。 ──── テーマ、難しかったですよね。 yuta-ike:難しかったですね。なんなんだって感じで(笑)。それでもなんとか2、3個案が出てたイメージがありますけど。 ──── このアイディア自体はどなたが? kani:元の案は私です。私がハマってるスマホゲームがあるんですけど、それが広告と実際のゲーム画面が全然違うってことですごい有名で。同じようにイメージと実際のゲーム画面が違うものを作ったら、「違う、そうじゃない」ってなるんじゃないかなっていうのと、単純にエンジニア界隈で猫が流行ってそうだったので、猫のゲームを作ろうと。 ──── それであんなにかわいい猫のゲームに。 kani:そうですね。 (一同爆笑) ──── アイディア自体は割とスムーズだったんですね。設計とかはどうしたんですか?kaniさんがPM的に振る舞う感じですかね。 kani:基本的にはそうなんですけど、最初の土台となるアプリケーションはyuta-Ikeくんに作ってもらってました。 yuta-ike:そうだっけ。 kani:え、覚えてない? yuta-ike:あんまり覚えてない(笑)。そのときから体調崩しかけてたんで。 ──── あれはほとんどフロントエンドだけ書いてる感じですよね? kani:はい。私がデザインと全体的な開発で、初心者のCometくんにも書いてもらって。 Comet:僕は自分ができる範囲のHTMLとCSSを。結構わからないことがあったんで教えてもらいながらみたいな感じで。 kani:猫八さんを放置してるとお楽しみ画面が出てくるっていう機能があるんですけど、そのお楽しみ画面を実装してもらったりとかしてましたね。 ──── 木曜日に土台を作って開発に少し着手して、金曜日は大学はお休みですよね。一日中開発ですか? kani:そうですね、夏休みなんで。バイトとかインターンで日中動けない人もいたので、残りのメンバーで。 yuta-ike:僕が体調悪かったんですけど、金曜日にインターンがフルで入ってて、インターンには頑張って行ったような記憶があります。帰ってきてダウンしてました。 ──── 金曜日の段階でどれぐらい開発が進んでたんですか? kani:最悪この状態で出せるっていうところまではできて、あとは追加で開発をしてるって感じでした。 ──── 金曜の段階でほぼできてたんだ。すごいな。開発全体通してどうでしたか? Cometさんとまごさんのお2人はどれぐらい開発に関わることができたんですか? Comet:自分なりには結構頑張って、できる範囲では参加できたと思います。どうしても知識があまりなかったので、半分勉強するような気持ちで参加して、結果色々知れたなと思ってます。 kani:Cometくんは本当にプログラミング初心者だったんです。GitHubのアカウント作るところから頑張ってくれました。まごくんのほうはばりばり開発してくれてました。 まご:僕はあまりwebの経験がなくて、どっちかっていうとバックエンドのほうを勉強してたんです。今回、開発期間が2日と少しくらいしかないということがあって、フロントだけでやろうって方針になったんで。HTMLとCSSの基本的なところを書いて、それをkaniさんに見ていただいて、リファクタリングとか足りないところの書き直しとかしていただいて、っていう感じでした。 ──── しっかり後輩の人たちに技術が伝わってるっていうのがいいですね。ところで、CometさんはGitHubのアカウント持ってない状態でなんでハッカソン参加しようと思ったんですか? Comet:プログラムに興味があってこの学科に入ったんですけど、学校の授業だとそんなにプリグラム自体に触らなくて、一体どんな感じで実際使ってるかとか見たいと思ったら、ハッカソンに参加したほうがいいかなと思って。そんなときにちょうどTwitterで呼びかけがあったので参加しました。 kani:Twitterでハッカソン出たい人って募集したら、Cometが「いいね」付けてくれたんで、「お前、いいね付けたよな」ってDMして。 ──── 怖い! (一同笑) ──── その段階で面識あったんですか? kani:ないんですけど、Twitterではつながってたんで。 ──── いい先輩に捕まりましたね。yuta-Ikeさんめっちゃ頷いてる。 yuta-ike:なんでkani さんそんな下の子たちとつながってるんだろうってずっと不思議に思ってたんですけど。その疑問が今日、解決されました。 ──── もともと情報系の学科なんですか? kani:はい。京都大学の工学部情報学科です。授業でソフトウェアがっつり開発することはないんですけど、そういうのに興味ある人が集まってる学科ではあるんで、ハッカソンとか出てる人は割と多かったりします。 ──── 発表自体もとても面白いものでした。あれはどなたの担当だったんですか? kani:あれは私が完全が1人で作ったやつです。このゲームはこういう点が「違う、そうじゃない」ところだと思って作りました、だけだとちょっとおもんないと思いまして。だから、あくまでかわいいゲームだというスタンスで発表しようと思いました。 ──── 発表自体も紙芝居みたいで、工夫がありました。他の参加者の発表を見て、手応えを感じましたか? kani:他の参加者の人が面白過ぎて、正直厳しいと思ってました。まごくんとかね。 まご:これを本当に2日と少しで作れる人がいるのか、みたいなのがたくさんあって、本職の人たちのすごさを知ったというか。なんなら、webアプリとかでさえないような発表もあって、見てるだけですごく楽しかったです。 kaniさんの発表は、僕と2人でリハーサルしたんですけど、その段階ですごい面白いと思ってました。成果物の面白さを十二分に引き出してくれる発表をしてくださったと思ってるので、何かしら賞取れてもおかしくないだろうという確信がありましたね。プレゼン聞きながらすごい笑ってて、僕。 Comet:申し訳ないことに発表のときにバイトが被ってて、見れなくて。投稿リスト見て、こういうのが出てるんだなって確認した感じでした。それでも、こんなん作れるんや!みたいなのが多い印象でしたね。でも、自分たちが作ったものに対しても、多少なりとも自信はあったので、賞がもらえたらいいなと思ってました。 ──── で、yuta-Ikeさんはダウンしてたと。 yuta-ike:ダウンしながらもちょこちょこ発表は見ていて、真面目なテーマのハッカソンに出ることが多かったんで、みなさんのネタ力の高さすごいなと思ってました。 ──── ぜひ、ハッカソンに出る伝統を学部内で受け継いでほしいですね。ところでこのチーム名はどういう…。 (一同笑) kani:学年が離れ過ぎてて、共通点がないなって思ったんですけど、全員が大阪府立高校出身ってことに気付いて。 ──── すごい偶然。 kani:そこに、チームメンバーのyuta-Ikeくんが今まで「たまご」が付いたチーム名で出たハッカソンで全部入賞してたので、なんか縁起がいいかなって思って。 ──── その記録まだ更新してますね。 yuta-ike:ぎりぎりつなぎました。 ──── なるほど、ユニークな名前なんでずっと引っかかってました。次回は2月です。ぜひ、kaniさんが卒業されても毎年参加してもらえると嬉しいです。 どうもありがとうございました!
2022年8月18日から26日にかけて開催された「第3回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)。 「『いや違う、そうじゃない』とツッコまれたくなるモノまたはサービスをツクる」をテーマに、ユニークかつエッジィな作品を作ってくれた受賞者たちのインタビューを公開します! 今回は、特別賞を受賞したSeitaroさんのインタビュー。 画面いっぱいに表示されたあの「ぷちぷち」を延々つぶすことができる…はずが、なぜかマインスイーパが始まり、あっという間にゲームオーバーになってしまいます。 違う、そうじゃない。 シンプルな出オチ感が好評でした。 育休中にソロ参加していただいたというSeitaroさん。どんなスケジュールで制作したのか、どうやってこの斬新なアイディアを捻り出したのか、などについてお聞きしました! Seitaroさんのプレゼンは 00:32:29 〜 ──── 受賞おめでとうございます。ご参加いただきありがとうございました。今回ツクアソ初めてですよね? Seitaro:はい。 ──── どうやってこのツクアソを見つけたんですか? Seitaro:実は、ツクアソ主催のソニックガーデンさんに、私の元上司が転職してまして、その方に直接「出てみない?」と声を掛けてもらいました。 ──── そうなんですね。そうくると思わなかった(笑)。ツクアソに参加してみての印象はどうでした? Seitaro:実はハッカソン自体が初めてでして。ツクアソはハードル低いというか、ラフに参加できそうな優しい雰囲気を感じて、構えずに参加することができて、ちょうどよかったです。 ──── 普通のハッカソンに比べるとテーマも雰囲気もだいぶゆるいですよね。今回のテーマ「違う、そうじゃない」、どう思いました? Seitaro:すごい焦りましたね。やばいと思って。でも、全然想像してなかったものを作ることになるんだろうなっていうわくわくもあって、楽しい2日間が始まるなって気持ちでした。 ──── ありがたいお言葉です。今回作られた「ぷちぷち。」はどのくらいで完成したんですか? Seitaro:最終的な完成までは1日かかってないくらいですかね。最終日は微調整をして、みたいな感じでした。 ──── 早い!テーマ発表後、具体的にどういう過程で開発されたのか、教えていただけますか? Seitaro:最初のイベントのあと、まず混乱して(笑)。やばい、どうしよう、みたいな。今回はチームではなくソロ参加だったので、妻に、ちょっとブレスト手伝ってくれって言って、アイディアを出しをしました。20個ぐらいアイディアあげましたね。その時に、ストレス解消アプリで逆にストレス溜まる、とかだったら、「違う、そうじゃない」感あるんじゃん?ってなって、方向性を決めました。ぷちぷちとマインスイーパの組み合わせに固めて、マインスイーパのロジックをネットで転がってるものを調べて、このボリューム感だったら作れるなっていうのを想定して、そこまででその日は寝ました。時間としては夜の10時ぐらいですかね。 ──── テーマ発表から2時間ぐらいじゃないですか。ぷちぷちとマインスイーパを一緒にするっていう発想が、すごいなと思いました。この組み合わせっていうのは、どうやって着想を得たんでしょうか。 Seitaro:どっから来たんですかね…。もうばーんと降りてきたみたいな感じなんで。 ──── ありそうでない組み合わせじゃないですか。今まで見たことない。でも出来上がったものを見てると、確かにだんだん、ぷちぷちとマインスイーパ似てるなって思わなくもない。片っ方はストレス解消できるけど、片っ方は失敗するとむっとしてしまうっていう。その共通点と反対のところを組み合わせがすごく面白いですね。これがまさか2時間のブレストで生まれたとは…。その日はアイディアを固めて、寝て、次の日は開発にあてたんですね。 Seitaro:はい。実は子供が生まれたばかりで、今、育休をいただいてまして。なので仕事に行くことはなくて、ちょこちょこ育児と行ったり来たりしながらプログラムを書いて過ごしました。ロジックは午前中に組んで、午後にイラストというか、ぷちぷちの画像を作ったりして、その日のうちにほぼできたみたいな感じですね。最終日の午前に、何か振りが欲しいなと思って。「違う、そうじゃない」感を出すために、最初は「ストレス解消しますよー」みたいな振りが必要だと思って、トップ画面作ったりとか軽い作業をやって完成でした。 ──── この導入もよかったですよね。ストレス解消感を最初のページでアピールしてくるから、完全にぷちぷちなんだろうなって気分で入りますからね、遊ぶ人は。で、まさか、みたいな。素晴らしかったです。 Seitarao:ありがとうございます。突然「ぷちぷち。」で伝わるかなっていうのが不安だったので、作ってみました。 ──── 細かいしかけもすごいです。画面のぷちぷちがもう潰れちゃってるのとか、ちょいちょい「そうじゃない」感を出してきていて、いいなと思いました。作るにあたって、こだわったポイントとかありますか? Seitaro:画面を崩さない、とにかく綺麗に見えるというところですね。ぷちぷちだよっていうのが伝わらないと、だめだろうなと思ってたので、どんなデバイスでも全部画面いっぱいに広がってゲームが展開されるってところを大事にしました。スマホのほうが簡単なんですよね、特性上。デスクトップでは多分クリアできないぐらい面倒なことに。 ──── 本当、綺麗に画面合わせてましたね。23インチのディスプレイいっぱいでやりました、最初(笑)。ちなみに、音は自分でサンプリングしたんですか?ぷちって音。 Seitaro:リアルなぷちぷち音だと、かえって聞こえないっていう問題があって、自分で作りました。自分だけでやってると、だんだんわからなくなってくるので、これも作っては妻に「どう聞こえる?」って意見もらいながらやりましたね。「クリック音に聞こえる」って言われるので、フリー音源の改変していいやつをいくつか使って、「ぷちぷちっぽい音」を作りました。土の上を歩く音の波形を変えて、混ぜたりして。 ──── 奥さんがかなり協力的で、戦力でしたね。 Seitaro:結構面白がっていろいろやってくれましたね。 ──── お二人とも普段からプログラムのお仕事をしているんですか? Seitaro:僕は、普段はwebシステムって感じで、フロントエンドからサーバーまでを、一つのチームで作っています。あんまりフロントもバックも境界なくやってますね。妻は、ITとは全く関係ないです(笑)。 ────だからこそ発想とかも含めて面白くなったのかもしれませんね。ちなみに賞品はぷちぷちするものを手配しておりますので。 Seitaro:本当にぷちぷちが送られてきたらどうしようって思ってます(笑)。 ──── ぷちぷち1年分送ろうかなとも考えたんですけど(笑)、ちゃんとしたものを送ります。ご期待ください(後日、ぷちぷち=いくらということで、「いくらの醤油漬け」「サーモンといくらの塩辛」をお贈りしました)。 ──── これを機に他にもハッカソンに参加したりとか。 Seitaro:そうですね、いろいろ出れたら楽しいなって思います。 ──── ツクアソもまた2月にあるので、ぜひご参加ください。 Seitaro:ぜひまた参加させていただきたいと思います。 ──── どうもありがとうございました!
2022年8月18日から26日にかけて開催された「第3回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)。 「『いや違う、そうじゃない』とツッコまれたくなるモノまたはサービスをツクる」をテーマに、ユニークかつエッジィな作品を作ってくれた受賞者たちのインタビューを公開します! 今回は、優秀賞を受賞したチーム「丑の日プロジェクト」のメンバーによるインタビュー。 丑の日プロジェクトさんの「リュック型延長コード」は、その名のとおり、両脇に電源の付いたリュックサックです。コードは最大10mまで延ばすことができ、同時に120台のスマートフォンを充電できるだけの電流に耐えられる仕様となっています。 「webアプリじゃない」「役に立たないはずが役に立っている」など、あらゆる「そうじゃない」が重なる秀逸さが高評価でした。 第2回ツクアソでも優秀な成績を残した丑の日プロジェクトさん。今回はどのような制作過程だったのか、どんな気持ちで開発に挑んだのか、語ってくれました! 丑の日プロジェクトさんのプレゼンは 01:34:45 〜 「丑の日プロジェクト」メンバー アニー さん マーク さん ──── 第2回に続いてのご参加ありがとうございます。今回の再参加の動機について、お聞かせ願えますか? アニー:やっぱり、第2回に参加したときが楽しかったっていうのが一番大きくて。いろいろなハッカソンにも出てるんですけど、その中でもかなり自由度が高いというか、自由度が高い上に、テーマもかなりしっかり設定してくださるので、ちょうどよい縛りのある自由ですね。やっててずっと楽しいっていう。 マーク:僕も同じです。第2回に参加したときがすごく楽しくて、雰囲気がちょうど僕たちのやりたいこととマッチしてた。 僕たちはものづくりをしてますけど、堅苦しいものはあんまり作らないんですよね。ちょっとネタ要素いれて面白くしようとするんですけど、ツクアソはそれを十分に発揮できるような雰囲気で、僕らが100%楽しみながらできるハッカソンだなと思ってたので、今回もぜひ参加したいと思いました。 ──── 「自由度が高い」とおっしゃってましたけど、今回はその中でもなかなかのテーマでしたよね。これについての印象は。 アニー:自分たちのスケジュールが合わなくて、テーマ決めに参加できなかったんです。結果だけを見た第一印象は、「なんじゃこりゃ」。 (一同笑) アニー:でも「なんじゃこりゃ」っていうのは、決してネガティブな感想じゃなくて、「一体これどうなっちゃうんだろう」っていうわくわくのが大きかったですね。それこそマークがさっき言ったみたいに、僕らの空気が活かせるテーマなんじゃないかと思いました。僕たち優勝できるんじゃないかと。正直な気持ちです。 マーク:僕たちにぴったりのテーマでしたよね、これは楽しいぞって。 ──── テーマが発表されてからの開発の流れはいかがでしたか? アニー:僕たち、かなり事情が特殊だったんです。普段マークがアメリカにいて、僕が東京にいるんですけど、ちょうどマークの帰国日とハッカソンの開始日が重なってしまって。数年振りに日本に帰ってきたのに、マークは実家に帰らずに僕と一緒にホテルに缶詰っていう。帰国早々徹夜するって状況で開発しました。 今回はハードウェアで作りたいねっていうのがあったので、秋葉原に近い、浅草にホテルを取って、そこにふたりで朝チェックインして、とりあえずお風呂に入って、そこでじっくりアイディア出しをしまいした。お風呂から上がる頃にはテーマが決まって、買い出しに行く、みたいな流れでしたね。そこからどんどん開発していって、またお風呂入ったり休憩したりしながら。次の日に、実際手を動かしてみて足りなかった部品をまた買いに行って。 ──── この、「かばんちゃん」に行き着いたのはいつ頃だったんですか? アニー:朝の風呂の時ですね。 マーク:風呂の中で話し合いましたね。 (一同笑) アニー:爆笑しながら話し合ってて、多分周りにすごい迷惑だったと思います。 ──── 前回は、お2人の間に時差があって、それぞれの時間で開発されたってことを、インタビューでおっしゃってたと思うんですけど、今回は物理的には同じ場所で一緒に開発されたんですね。それはだいぶ、共同作業のやり方が変わるかなと思うんですが。 マーク:そうですね、2人で一緒にいるとハードウェアの作れる幅っていうか、話し合いながら作れるので、より楽しくできましたね。 今回同じ場所で一緒に開発したんですけど、僕は帰ってきて早々で、時差ボケの中いきなり徹夜したもんですから、体内時計がもうおかしくなってしまって(笑)。アニーも徹夜してたんで、結局2人ともわけわかんなかったです。 ──── (笑)。実際に、完成して応募できたのどれくらいでしたか? アニー:締切の3秒前でした。大袈裟でなく本当にぎりぎり。 (一同笑) ──── 本当にギリギリでしたね。実は、丑の日さんなかなか応募がなくて心配してました(笑)。 アニー:応募フォームの埋められるところだけ先に埋めて、ぎりぎりまでやって。 ──── タイムスタンプは、8月20日の19時59分08秒でした。残り1分なかった。 マーク:やばい。 アニー:あの3秒は体感だったんだな。体内時計がぐちゃぐちゃになってた。 ──── だいぶどきどきしましたね。ハードで行こうという方針にしたのは、3回目出場が決まってからですか? アニー:はい。マークの帰国日と重なるっていうのがわかったので、せっかく一緒にいるなら、どんなテーマに関わらず、ハードウェアでやりたいよねって言って。もちろん無理な場合もあったと思うんですけど、できるだけ。 ──── ちなみに資格(第二種電気工事士)はこのために取ったんですか? アニー:いつかこういう時がくるんじゃないかと(笑)。 ツクアソに使うぞって思って取ったわけではなかったんですが、いざ欲しいってなったときに第二電工がないとできないってなったらやだなっていうのを見越して取ってたんです。初めてそれが生きる時が来たんで、「今日のために取ったんだ!」って盛り上がりました。作ったものを持ってる分にはいらないんですけど、実際コンセントをつなぐってなると、もしもこれが家庭用電気工作物だって指摘されてしまったらまずいので。そんなことないでしょうけど、万が一誰かに文句を言われても、「いやいや、持ってますよ」って言えるっていう。そういうことですね。 ──── 家庭でも使えますもんね。 アニー:家庭用電源の電圧をそのまま使うんで、危険なことには変わりはないですね。安全を期して。 マーク:直電差したら全部いきますからね。 ──── テストしてるの、ホテルでしたし、有資格者だったのはとても安心でした。 アニー:実際その資格を取った時に得た知識が発表資料で生きたりとか。そもそも何を買わなきゃいけないのかっていうのにも、かなり役立ちました。意味はめちゃくちゃありましたね。「この日のためだったんだ!」って思いました。 ──── 今回ハードで応募されてるのは丑の日さんだけだったので、ツクアソ的に新しさがあって、非常に面白かったです。「ちゃん」しばりは続けてるんですね(笑)。確か、愛嬌を持たせるためですよね。 アニー:そうです、愛嬌を持たせるのと、やっぱり名前を付けた瞬間から、「こいつを完成させてやらなきゃ」って気持ちがぐっと沸きます。 ──── これ、実際のカバンにハサミを入れたりしてるんだと思うんですけど、このために用意した物ですか? アニー:これを作るって決めてから、必要な形をしていて、かつ値段がそこまでしないものっていうのを探しました。なんだかんだ一番時間がかかったのって、このカバン探しかもしれないですね。2人でいろんなお店回って。 マーク:最後の最後に見つけましたもんね、いいカバン。見つかってよかった。なかったらもう僕らのカバンに穴開けるかって話で(笑)。 アニー:その覚悟を決める直前くらいだったもんね。 (一同笑) アニー:最終的にスリーコインズで500円で売ってるのを発見しました。 ──── 無事に作品として完成して、日の目を見れて良かったですね。 アニー:実際、あの後めちゃめちゃ使ってるんです、かばんちゃん。 ──── そうなんですか! アニー:ハッカソンやってる最中は、まったく役に立たないものを作ろうって思ってたんで、水面下でどっちが持って帰るかって戦いがあったんですよ。作ったはいいけど、絶対邪魔になるぞって思ってました。でも、形が出来上がり始めたあたりから、作ってる最中に、もうかばんちゃんが必要になってきたんですよ。グルーガン使ったんですけど、コンセントが短くて、しかもホテルだとコンセント少ない。なので、そこである程度できあがっていたかばんちゃんを背負ってやる、みたいな。なんと、かばんちゃんがないと、かばんちゃん出来上がらないという事態。 ──── すごい、C言語でC言語作るみたいな。 アニー:その後も、マークとどこか行ったりする時には普通にかばんちゃんを持って行きます。まずかばんちゃん出してから、いろいろ出し始めますもんね。 ──── 延長コードで良いのでは?(笑) アニー:僕らも最初、そう思ってたんですよ。めちゃくちゃ無駄なもん作ったなって思ってたのに、結構背負えるっていうのが大きなスペックで。ずっと背中に電源があるっていうのが、すごい便利。例えば先々週、別のオフラインのハッカソンに参加したんですけど、テーブルに備えてある電源が少なくて。そこで堂々と延長コード出してやってると、「あいつら何やってんだ」ってなるんですけど、かばんちゃんって見た目がかばんなんで。あいつらめちゃくちゃ電気使ってるぞ感がないんですよ。自分たちの横にかばんとして置いといて、さりげなく電源が使えるんで、カバンという形に意味があったなって、後からわかるっていう。 マーク:持ち運べるのいいですよね。ひとつの使用例としては、ドライヤーがすごく便利です。お風呂からあがって、ドライヤーしてるときって動けないじゃないですか、コードがあるから。だけどかばんちゃんがあれば、髪を乾かしながら部屋中歩けるんですよ。それがすごい便利。あとは掃除機ですね。コンセント差し変えずにどこへでも歩いて行ける。意外とそういう便利な部分が出てきてしまって。 ──── 確かに、生活の中で想像すると、活躍のタイミングが多いですね。背中に収まってるっていうのが。 マーク:僕らも最初は、「いや、そうじゃない」「延長コードでいいだろ」って突っ込まれることを期待して開発したんですけど、結果的にすごい便利なものができてしまった。これ大丈夫かな、どうしようって話し合いましたよね、発表。 アニー:めちゃくちゃ話し合いましたね。本当に突っ込まれるかなって。 ──── 大誤算ですね(笑)。ちなみに、かばんちゃんは今、どちらがお持ちなんですか? アニー:今、僕の家にありますね。僕の方がその時持って帰れる荷物のキャパだったってだけで手元にあるので、もしかしたらこの後喧嘩になるかもしれないです。 (一同笑) ──── もういっそ量産してみては? アニー:先週あったハッカソンでも、「これ、あったら買いますよ!」って人がいました、意外と需要あるんだって。 ──── 量産いいかもしれないですよ、本当に。そんなかばんちゃんも、残念ながら最優秀賞ではなかったんですけども、今回の最優秀賞作品に関してはどう感じてますか? アニー:僕は、プレゼン見て、正直負けるならここだろうなって思ってたところなんで納得の結果です。もちろん結果発表の瞬間まで、自分たちが優勝だと信じてはいたんですけど。だからこそやっぱり悔しいですね。 マーク:同感です。作ってるときは、自分らが優勝だって思ってましたけど、発表見てるときはやっぱり「うわー面白い」とか、「これいいアイディアだ!」って何回も思いました。もちろん発表の時まで優勝を信じてましたけど、最優秀賞が決まったときは納得でしたね。面白かった。悔しいですけど。 アニー:発表も2人で笑いながら見てたもんね。「なんだこれ!」みたいな(笑)。 ──── 最優秀賞「ソトネル」のユニバックさんは、第1回からの常連ですよね。前回も受賞されてましたし。丑の日さん、次回こそは。 アニー:ライバルとして。 マーク:ユニバックさん、先週のハッカソンで一緒だったんですよね。 ──── ユニバックさんは「僕たちが出ないハッカソンはない」っておっしゃってましたからね(笑)。 マーク:先週参加したハッカソンでも熱い戦いを繰り広げて。いいライバルです。友達でもあるっていう。お互いにどんどん高めあっていく感じがいいですよね。 ──── ちょうどツクアソも、2回連続で賞を取ってるのってこの2チームだけなんですよ。 アニー:そうなるとまた余計に次こそ勝ちたいなー。 マーク:優勝したいな、次こそ。 ──── ぜひ。丑の日さんの世界をこれからも見たいです。また戻ってきてください。ありがとうございました!
2022年8月18日から26日にかけて開催された「第3回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)。 「『いや違う、そうじゃない』とツッコまれたくなるモノまたはサービスをツクる」をテーマに、ユニークかつエッジィな作品を作ってくれた受賞者たちのインタビューを公開します! 今回は、優秀賞を受賞したチーム「SHINKAI」のメンバーによるインタビュー。 SHINKAIさんの「僧じゃない」は、表示された画像の中から僧を探し、格言を受け、徳を積むというアプリ。僧じゃないものを選んでしまうと「違う、僧じゃない」と表示されます。格言は全ての人に与えられるようです。題材の独特な捉え方が非常に面白い作品でした。 メンバーが物理的にご近所さんで構成されているというSHINKAIさん。制作の過程や今後の意気込みなどについて、トークしていただきました! SHINKAIさんのプレゼンは 01:07:13 〜 「SHINKAI」メンバー RISE さん NK さん ハチワレ丸 さん 天然水 さん ──── 入賞おめでとうございます。ご参加いただきありがとうございました。チームメンバーの関係性、なぜこの4人がチームなのかというところから教えていただけますか? RISE:小学校からの友達です。みんな近所に住んでまして、「みんなでプログラミングやってみよう」みたいな話になって。 ──── 4人とも小学校からの同級生なんですか? RISE:1人だけ中学からですが…。 NK:そうだ、忘れてた。 ──── 忘れるぐらいの関係性(笑)。 NK:いつもいるので、なんか。 ──── かなり古くからの関係なんですね。今はそれぞれ別々の大学に行ってるのに、このハッカソンは声かけあって参加してくださったと。 NK:そうですね。僕がもともとプログラミングが結構好きで、ハッカソンに出たいなー、と思ってたんです。それで、connpassでいろいろ調べてるときに、ちょうど第2回ツクアソの締切間近で、みんなに「こんなのあるよー」って声かけたのが最初ですね。第2回は結局なんだかんだ自分は、ちょっと違うチームで出たんですけど、今回は一緒にやりたくてリピートしました。 ──── 第2回からご参加いただいてるんですね。そのときはそれぞれ別のチームで。 NK:3人が同じチームで、僕だけ1人違うチームでした。第2回の時は、みんなが興味あるのかどうかわからなかったんで、僕だけ先にぽっと申し込んじゃったんですよね。申し込んだ後に、「こんなんあるよ」って言ったら割とみんな食いついて。今更組み直すのもあれだなと思って、そのまま別チームになりました。 ──── 満を持してのチーム。ハッカソンは皆さん前回のツクアソが初めてですか? NK:はい、初めてでした。 RISE:僕も。大学のゼミでもハッカソンに参加する話はあったんですけど、時間が合わなくて出れなくて、アイディア出しだけの参加だったんですよね。だから、ちゃんと参加するのは初めてです。 ハチワレ丸:僕は今回の第3回が初めてです。前回は、RISEと天然水と一緒に出るはずだったんですけど、僕がコロナになっちゃって…。 ──── 今回、前回に比べてテーマが結構難しいかったかなって、運営でも話してたんですけど、いかがでしたか?ぜひ率直な意見を。 RISE:うわーなんだこれ、みたいな。そんなかんじでしたね。 NK :ネタに振り切ったほうがいいんじゃないかって思いました。でもそれが逆に良かったのかもしれないです。もっと実用的なものだと、みなさんの技術力が光ってすごいものが生まれてきちゃったと思うんですけど、ネタに走れた分、技術力のない自分たちでもなんとかんったかなって思ってます。 ──── 「僧じゃない」、なかなか秀逸なネタでした(笑)。このアイディアはすぐに決まったんですか? 辿り着くまでの流れを教えてください。 RISE:当日、ハチワレ丸くんの家にみんなで集まって考えてたんですけど、全然思いつかなくって。もうだいぶ煮詰まっちゃったから、一旦外行こうって、みんなで外に散歩に出たんですよ。そこで僕が「そう」にまつわるダジャレを連発して(笑)。「これ『そう』だね」「これも『そう』だ」なんて言いながらコンビニに入って、そこでアイスの『爽』ってあるじゃないですか。それを見かけたハチワレ丸くんが、「うおー!」って。 ──── ハチワレ丸さんが閃いたと。 RISE:そこで、副詞じゃなくて固有名詞で考えるべきなんじゃないかと。でもすぐに僧侶の「僧」が出てきたわけではなくて、また「『そう』って何があるんだろ」って話をしばらくして、最終的にNKくんが、「お坊さんを見つけるのがいいんじゃないか」。 NK:私、昔『ミッケ!』とか『ウォーリーを探せ!』が好きだったんですよ。たくさんある中からちっちゃい何かを見つけるみたいなの、楽しいんじゃないかなと。 ──── なるほど、そこから着想を得て。チームのメリットが発揮された瞬間ですね。テーマが決まってからはどうでした? RISE:どういうものを作ろうっていう、設計図ができるまではすごい早かったですね。実際、プログラミングをするところでは、結構つまづいたりしましたけど…。 ──── 実際にコードを書く人と、アイディアを考えたりプレゼンをする人っていう担当分けは、最初に決めたんですか? それとも全員でやってくスタイルでしたか? RISE:僕とハチワレ丸くんは、プログラミング始めたの去年なんです。そこから、ハチワレ丸くんはデザインの興味持ってたので、そこをお任せして、残りの3人で中身を作ろうということになりました。基本的には、ハチワレ丸くんのデザインを僕がコードに起こして、開発経験がもっと以前からあるNKくんが内部の処理を。で、直前にコロナで倒れてしまった天然水くんが途中から復活してホスティングをって感じですね。 NK:firebaseのホスティングだけ、最後起き上がってやってくれて。あれは流石でしたね。めっちゃ時間ぎりぎりだったんでかなり助かりました。 RISE:あと素材探しとか、画像とかもね。 ──── 音とか画像とか、いろいろ使ってましたもんね。うまいことチームで、得意不得意を補い合って進められたってことですね。ちなみに素材はどこから見つけてきたんですか? RISE:それはもう天然水が頑張ってくれて。時間の関係で入れられなかったんですけど、本当はお経をバックに流すつもりだったんです。冗談でお経のフリー音源見つけてきたときはびっくりした。 (一同笑) NK:すごいよね、よく探してくるなって。僕はずっと実装してたんですけど、みんながいろんなもの拾ってくるから、「そんな時間なくて使えねえよ!」って(笑)。 ──── 役割分担ができるのもチームならではですね。具体的な制作過程はどんなかんじだったんですか?始まってから、アイディアソンをハチワレ丸さんの家でやって、コンビニに爽を買いに行って、そのあとすぐに作り始めたんですか? NK:そうですね。 RISE:まずハチワレが、デザインをfigmaで書いてくれることになったんで、とりあえずそれを待ってから開始って感じでした。 NK:僕はゲームの中のロジックを、ちょっとしたもの書いてたんで、そこだけは先行して。 ──── もう寝ずに開発って感じで。 RISE:いや、この日はそこまで危機感なくて寝ちゃったんですよ。 NK:僕も、当日3時間ぐらいは書いたかな?でも次の日はアルバイトがあったのでそのまま寝ました。 RISE:そうだよね、NKは次の日バイトが朝からあるっていうんで、解散して、ハチワレの家でおおまかなオーダーをして。 ハチワレ丸:僕はそこからがんばってました。 ──── ハチワレ丸さんの家がハッカソン会場みたいな感じなんですね。 NK:そうですね。 ハチワレ丸:溜まり場です、もはや。 NK:みんなぴんぽんも押さないで玄関開けて。 ハチワレ丸:気がついたらみんな入ってくるんですよ。 (一同笑) RISE:でも、それぞれプログラム書いたりする作業は各々の家で、LINE電話つなげながらやるって感じでした。煮詰まったりしたら会いに行っちゃうけど。 ──── 近場のメリット出ますね。 RISE:ハチワレ夜勤してたよね。 ハチワレ丸:うん。モンスターとかカフェイン入れて無理やり体起こして。僕、デザインだから、僕が終わらんと他のやつが動けないんで、なんとかしようとずっとやってました。 ──── 作品を提出したのは結構ぎりぎりだったんですよね。 NK:30分前ぐらい。 (一同笑) RISE:すごい焦りましたね。 NK:ハチワレ丸くん寝てたしね。 RISE:家が近いから、物理的に起こしに行きました。殴って起こした(笑)。 ハチワレ丸:目が覚めたら友達がいたんですごいびっくりしました。 (一同笑) ──── ハチワレ丸さんはプレゼンもされてましたよね。プレゼンは全員で作って、発表者は自然に決まったんですか? ハチワレ丸:そうですね、最初プレゼン誰がやる? ってなったときに、一番最初に作業が終わるの僕だったんで、空いた時間でみんなが作ってくれたコードをを微調整したりとかしてて。ついでにどうやったら印象に残るプレゼンができるかをずっと考えて。発表、全然嫌いじゃないので。 ──── 発表がすごく引き込まれました。ちゃんとサービスの内容に合ったプレゼンで、インパクトがありました。 RISE:プレゼンは、ハチワレ丸くんが去年のyoutube見て研究して、頑張ってくれたんですよ。 ハチワレ丸:どうやって引き込むかずっと考えてて、最初に話を振ってしまおうって思いついたんです。それである程度原稿は作ってたので、あとは誰に振るかっていうのだけだった。 ──── あれアドリブだったんですか。いや、人選がよかった。 RISE:あれはよかったですね。乗ってくれて。 ハチワレ丸:もしあまり乗っていただけなかったり、時間取られてしまったらどうしようってずっと不安でした。 ──── 応募された作品の中で、印象に残ってるものってありますか? NK:「ぷちぷち。」ですかね。マインスイーパってのがすごい。 RISE:金魚すくいですね。プロトペディアのときすごい面白くて、こんなのやってる人いるんだ、勝てねえやって。何回か遊びました。 ハチワレ丸:僕もマインスイーパがすごい面白かったです。デザインが割と最初のほうに終わってたので、待ってる間やってました。難しかった。 RISE:金魚すくいとマインスイーパはすごい遊ばせてもらいましたね。 ──── 他のチームの方とも、懇親会でちょっと交流できたかと思いますが。 NK:はい。いろんな人がいて、楽しかったです。社会人の方も多くて。 ──── そうですね、半分以上が社会人。学生さんのチームって3チームしかなかったんですよね。 RISE:社会人のプログラマの人と話す機会ってほとんどないので、すごい新鮮で楽しかったです。 ──── それはよかった。これから就職とか、プログラマを目指されるかは分からないですけど、どういう働き方してるのかとか、ちょっと聞けますよね。メリットが提供できたかな。 NK:去年知っておけばよかったです。もう4年生なので。 RISE:僕まだ3年生なんで、あと1年あるな。良かったです。 ──── 次回もこの4人で。誰もコロナにかからないように。 (一同笑) RISE:順番で言うと僕かNKですね(笑) NK:僕、1回かかってるんで。 RISE:俺かかってない。 ──── フラグが立ってしまった。「僧じゃない」は2位だったんですよね。1票差の2位。これはもう次回は最優秀賞を狙っていただいて。 NK:アイディア勝負で。 ハチワレ丸:プレゼンでも勝負します。 RISE:半年で腕も磨いて、技術でも…。 ──── いけますよきっと。ぜひまた面白い作品をお待ちしております。
2022年8月18日から26日にかけて開催された「第3回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)。 「『いや違う、そうじゃない』とツッコまれたくなるモノまたはサービスをツクる」をテーマに、ユニークかつエッジィな作品を作ってくれた受賞者たちのインタビューを公開します! 今回は、優秀賞を受賞したチーム「dp_hack」のメンバーによるインタビュー。 dp_hackさんの「くるまっぷ」は、経路検索アプリです。セグウェイ、竹馬、かご、プテラノドンを使った所要時間とルートが表示されます。 実は「狂まっぷ」であるという絶妙なウィットと、アイコンの可愛らしさも評価されました。 チームの成り立ちや、開発の課程、初参加だったツクアソの印象など、お話ししていただきました! dp_hackさんのプレゼンは 01:39:58 〜 「dp_hack」メンバー T.Mori さん Iihara さん Taniguchi さん Shigeta さん Akayama さん Kamijo さん ──── 優秀賞おめでとうございます。どうでしたか?テーマ、難しかったですよね。 Iihara:そうですね、難しかったような気はしてます。 ──── そうでもなかったですか? Iiihara:他のメンバーがハッカソン初めてだったので、難しいかどうかの判別はばらばらかもしれないです。私自身はこれまでいくつかハッカソンには参加しているんですが、このツクアソのテーマは難しいなと感じました。 ──── dp_hackさんは、どういうつながらいのチームですか?全部で6人いらっしゃるんですよね。 IIhara:会社の同期です。 ──── いいですね。今回は誰が参加をしようって言い出したんですか? Taniguchi:特別誰かが言い出したってわけではないんですけど…。 ──── でも、正直ツクアソはマイナーなハッカソンなので。誰かが積極的に探しに行かないとご存知ないのではないかと思って。 (一同笑) Iihara:開発者コミュニティのSlackをいろいろ見てた時に、ハッカソン一覧っていうのがあって、その中で直近で開催されるハッカソンがツクアソさんだったので、メンバーに「これどうかな」って話を持ちかけました。 ──── dp_hackさんは今回のツクアソのために結成したチームなんですか? Taniguchi:僕たち今年から社会人になった新入社員で構成されたチームです。研修が終わって、同期同士で関わるコミュニティがないよねって話になって、同時に開発経験がまったくない人もいたので、スキルを身につけられる技術的なコミュニティを作りたいと思ったのが、dp_hackの立ち上げの背景です。 8月上旬ぐらいにコミュニティの立ち上げがあって、そのタイミングで、まずはハッカソンに参加してみようかっていうことで、ハッカソンを探しまして。さっきIiharaさんがおっしゃってましたけど、直近のハッカソンがツクアソさんだったので参加した、という経緯になります。 ──── 社内の同期の集まったテック系のコミュニティということですね。 Taniguchi:そうですね。 ──── 同期の方ってたくさんいらっしゃるんですか? Taniguchi:そうですね、コミュニティに参加してるのメンバーで言ったら60人ぐらい。 ──── すごい。その中の有志が集まって、今回のツクアソに参加してくれたんですね。 Iihara:そうですね。 ──── アイディア出しから開発の過程についてお伺いしたいです。 T.Mori:難しいお題だったとはいえ、結構スムーズに決まりました。 MURALっていうツールを使って意見を出し合いました。そこで出たいくつかの案に投票して、残った上位の案をブラッシュアップさせていって、最終的に今回の「くるまっぷ」の原型になったって感じです。 Taniguchi:MURALっていうのは、webでできるブレインストーミングみたいな、ホワイトペーパーみたいなツールです。そのそこで案出しを行って、上位の検討から詳細詰めてく、みたいな形で。 T.Mori:付箋貼っていくイメージのツールですね。 ──── なるほど。 Iihara:そのアイディア出しのスピードがすごく早くて、あっという間に案が決まってしまったのでびっくりしました。 Taniguchi:30分ぐらいの案出しを行ったあとに、そこから上位4つぐらいのアイディアを評価するっていうのが30分ぐらい。その時点でGoogleマップ使った経路検索やろうっていう話でほぼ決まって、残り30分で詳細を詰めて役割分担って感じでした。当日の午後10時の段階で大体そこまでいってましたよね? Iihara:うん。多分、10時ぐらいには。 ──── あの、ユニークな乗り物が4つ。あれはどれを最初に思いついたんですか? Taniguchi:最初に出てきたのは竹馬じゃなかったでしたっけ。 Iiihara:そうですね、最初竹馬だけが出てきてました。 ──── 最初は竹馬の経路検索アプリだったってことですか? Taniguchi:最初は、経路検索したときに徒歩の結果しか出てこない、みたいなアイディアでした。でもそれってGoogleマップで既にある結果なので、じゃあ別の尺度に変えようっていって、どんどん意見が出てきました。 そこで、現代では使わない乗り物にしたら、「そうじゃない」になるんじゃないかってなったんですよね。で、使ってないもの…竹馬…みたいな流れだった気がします。 ──── 実装自体は、結構さくっとできた感じですか? Iihara:金曜日は出社で、かつ実は土曜日もメンバーのうち2人は終日動けず、他のメンバーも午後は動けない、みたいな事情もあったので、開発に使える時間はかなり短い中で進めました。 Taniguchi:そもそも、1ページ画面遷移するだけっていう簡単なwebアプリなので。もともと時間がないのが分かってたので、最初からアイディア勝負でいこうと話してました。簡単かつ手軽で実現できて、面白いもの作ろうみたいな。 ──── メンバーが6人ともなると、アプリの規模的にも分担するのが難しいぐらいだったんじゃないですか? T.Mori:画面系のレイアウトやるメンバーと、API系をやるメンバーで3:3で分けて、作って、最終日に結合して、みたいな感じでした。 Taniguchi:結構細かく作業を分けたんですよ。おのおのの負担がそこまで重くならないように。 ──── なるほど、構成としては、バックエンドがあるわけでもなく、フロントから直接API拾うという。 Iihara:そうですね。 Taniguchi:僕はフロント担当してなかったんですけど、フロントはUIや画面のデザインとかのプログラムを作って、バックはAPI叩くってことだけでしたね。 T.Mori:アイディア出しの時に、軸をいくつか設定してたんです。その中に、「実現しやすさ」がありました。なので、決まったアイディア自体がもう、実現可能性が高いものだった。スムーズに進むことがある程度決まっていたかなと思います。 ──── 4つの乗り物の中で、プテラノドンが最もインパクト強かったと思うんですけど、そのアイディアはどなたが出したんですか? Taniguchi:プテラノドン出したのは、Iiiharaさんな気が。 Iiihara:な、気はしつつ、定かではないっていうか。やっぱり会話の中で出てきたものだったので、それは他のメンバーの力もあるというか、きっかけがあってこそのあのアイディアだったなと思ってます。 ──── それは、フロントとエンドで3:3に分かれてから出てきたアイディアだったんですか? Iiihara:あ、そうですね。分かれたあとで出てきたアイディアです。 私は一応フロント組だったんですけど、フロントと言いつつ2画面しかなかったんですね。でもメンバーは3人だったので、私が割と浮いた位置にいて、いろいろアイディアを出したりとか、ピクトグラムを作ってみたりとか、そういうところをやってました。 ──── あれ、パワーポイントで作ったんですよね。すごいと思います。 Iihara:(笑)。イラレ(Adobe Illustlator)のライセンスが、学生から社会人になるにあたって切れてしまって。じゃあパワポで作ってみてもいいんじゃないかと思って作ってみました。 ──── すごい。これの「そうじゃない」感がすごかったです。 (一同笑) ──── バックエンド側はいかがでしたか? Iihara:バックエンドというか、APIとかを主に開発してくださったのがShigetaさんなんですけど、割り振りがすごくうまかったので、やりやすかったんじゃないかなって思ってます。 ──── PM的な動きをしたのがShigetaさんなんですか? Iihara:バックエンド側はそうですね。 Taniguchi:全体PMは決めてなくて、主的にバック側のPMやってくださったのがShigetaさんで、フロント側はIiharaさんって形でしたね。 Iihara:そうですね。 ──── バックエンド、API部分とフロントエンドで喧嘩とか、しませんでした? Shigeta:今回作ったシステムは、アイディア勝負みたいなところがあって、システム自体はとっても簡単なものでした。だからこそ、人数が多いので、開発するときに誰にどこやってもらうかみたいなのが結構迷ったというか、綺麗に分担できなくて、結局自分がちょっと多めにやってしまうという…。そこでみなさん不満なかったかなっていうのが。 ──── 本当はもっとやりたかったのに、Shigetaさんが全部やっちゃうからっていう。 T.Mori:多分僕無理でしたね、SHigetaさんやってくれなかったら。 ──── 自分たちのチームが入賞すると思ってましたか?または、どこが優勝すると思ったましたか? T.Mori:僕は、画像で僧を選ぶ「僧じゃない」ですね。 Taniguchi:僕は、iPhone使ってぷちぷちするやつがマインスイーパになっちゃうやつ(優秀賞「ぷちぷち。」)がすごい面白くて。あれくるだろうなと思ってました。 Iiihara:私は金魚すくいのやつですね。twitterで「ツクアソ」で調べたときに、何人か遊んでる方がいらっしゃって、ああいうふうに遊んだ結果を投稿できて共有できるっていいなって、そこまでちゃんと考えてるところがすごいなって思いました。 ──── 今回参加してみての感想をいただけますか? T.Mori:今回初めてだったんですけど、楽しかったですね。 Taniguchi:最初は、ハッカソンなんてすごいハードル高くて、開発経験がそこまでない人は参加できないものだと思ってたんですけど、そういった意味でツクアソさんは参加のハードルが低くて。 ごりごりシステムの内容詰めろとか、クオリティの高いもの作れとか、そんな感じじゃなくて、本当に楽しいものを作ろうっていう、コンセプト通りのハッカソンだったなと思ってます。個人的な収穫としては、もう一回参加したいと思える、すごい良いハッカソンだったと思います。 T.Mori:他の方の発表を聞いてても面白いものがいっぱいあったので、作るだけじゃなくてそういう点でも参加してよかったなと思います。 ──── 次は2月なので、ぜひご参加ください。 Taniguchi:ぜひ。 Iihara:他の開発コミュニティのメンバーも一緒に誘って出れたらな、と思ってます。また同じようなメンツで出ている可能性もありますけど(笑)。 ──── ぜひコミュニティから複数チーム作って出てくださると嬉しいですね。 Iihara:今回はまず参加してみようってところだったんで、次はいろいろ出れたらなと思います。 ──── 次は最優秀賞狙いで。 Taniguchi:腕を磨いて、もっと複雑なものも作れるようになっておきますので。 ──── これは楽しみです。ありがとうございました!
2022年8月18日から26日にかけて開催された「第3回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)。 「『いや違う、そうじゃない』とツッコまれたくなるモノまたはサービスをツクる」をテーマに、ユニークかつエッジィな作品を作ってくれた受賞者たちのインタビューを公開します! 今回は、映えある最優秀賞を受賞したチーム「ユニバック」の3人によるインタビュー。 ユニバックの作品は、安全性、静けさ、人の多さなどから「寝やすい度」を星で評価し、安心して野宿できるスポットを探してくれるアプリ「ソトネル」。 動画を用いたクオリティの高いプレゼンと、一見、何のズレもないように感じさせる異様なコンセプトに評価が集まりました。 ツクアソ常連チームでもあるユニバック。前回特別賞からの快進撃で、ついに最優秀賞に輝きました。開発の課程やプレゼン映像制作秘話など、たっぷりお話をお聞きしています! ユニバックさんのプレゼンは 01:29:11 〜 「ユニバック」メンバー 松村憲樹 さん 朝日諒 さん 浅見祥喜 さん ──── では改めまして、最優秀賞おめでとうございます。 松村:ありがとうございます。 朝日・浅見:ありがとうございます。 ──── 一票差の接戦を制して見事獲得です。前回に引き続き、今回は最優秀賞ということで。素晴らしい成績を収めてくださいました。どうですか、自分たちでは最優秀賞になると思ってましたか? 浅見:思ってなかったですね。もう速攻反省会始まるぐらいの。 松村:優秀賞も無理だろうなって話で。 浅見:発表終わった瞬間に、審査員の方に「ツッコミどころどこなの?」的なコメントを頂いて。それびっくりして、やばいだめだったかーって感じの反省ムードだったんですが。 ──── (笑)。今回のツクアソ自体の感想はいかがでしたか? もう常連さんだから、楽しく参加してくださったのかなとは思いつつ。 松村:前回同様楽しく参加できてよかったなと思ってます。開発も、前回よりはスムーズに進んでいったので、すごい楽しかったです。辛いことがひとつもなかったぐらい。 ──── 素晴らしいですね。他のお二方はどうでした? 浅見:いや、辛かったですね。普通に辛かったです。 前とほぼ同じ役割分担だったんです。僕がフロントやって、松村くんと朝日くんがバックエンドだったんですけど、前回と同じくフロントに慣れてないんで…。 今回はMapboxっていう、地図開発のプラットフォームを組み込むってなって、苦戦しました。あと、地図の見栄えってどうやって良くするんだろうとか、デザインのところも。大変なところが多かったです。 朝日:僕はバックエンド担当だったんですけど、前よりは板についてきた感じですね。みんな喧嘩とかもせず、仲良く開発できて。非常に気分が良かったです。 (一同笑) ──── 以前は喧嘩してたんですか? 松村:やっぱりアーキテクチャの方向性の違いみたいなのがあって(笑)。今回も、実はデータモデルの方向性の違いがあって。 浅見:今回も若干してたよね、バックエンドチーム。 朝日:いや議論だよね、喧嘩っていうか。 松村:そう、議論、議論。 (一同爆笑) ──── 楽しそうでとても良いですね。 浅見:そうですね、楽しくやりました。 ──── 今回テーマが難しかったですね。どうでした? 松村:テーマから、まず鈴木雅之さんの曲(鈴木雅之「違う、そうじゃない」@Epic/Sony Records)をみんなで聞きました。聞いた結果、この曲から何かを作るのは無理だねっていうことになって、また違う方向性で考えることにしました。 ──── (笑)。では、その中でどんなふうに48時間を過ごされたのか、振り返ってもらっていいですか? 浅見:僕らはいつも、初日の夜中までにはアイディアを決めようという目標のもとにやってます。アイディアの出し方は、ひらめきベースよりは、ロジカルに考えるほうが強いですね。 まずは「違う、そうじゃない」は一旦置いといて、普通に課題ベースで考えました。課題を並べていって、なぜそれが課題になっているのかとか、原因について。それから、課題の解決策を普通に考えたらどうなるの、かというところまでを出して、今度はそれらを「そうじゃない」にするために、ちょっとひねると。そういう順番だったんですけど、今回ハッカソン後に開いてくださった懇親会で、他の参加者の方に話を聞いた限りだと、あんまりそういうやり方してる人いなかったのかなって。 ──── そうですね、結構テーマに引っ張られてアイディア出してるチームが多かったかもしれません。 浅見:正直めちゃめちゃ難しかったんで、かなり頑張って考えました。なんとか初日で。 ──── アイディア自体はさくっと出ましたか? 松村:さくっというか、いつも通り妥協ですね。「もうこれでいいよ」って(笑)。 初日が木曜の夜だったんで、割とメンバー全員残業してきて疲れてて、「なんも考えたくねえよ」「もういいよこれで」って、最終的には。 ──── (笑)。たくさんアイディアが出た中での、「ソトネル」だったんですか? 松村:そうですね。 朝日:ゴミみたいなアイディアが。 浅見:出すのは出して、各々複数投票ありで選んでいって、最終候補2つになったかな。決選投票して「ソトネル」の案に。 ──── それで初日の夜中には決まったと。 浅見:日を跨ぐ前には。 ──── 20時から、3時間ちょいぐらいはアイディア出ししてた感じですね。で、2日目から開発に取り掛かったと。2日目は金曜日でしたが、みなさん普通にお仕事だったんですか? 浅見:いや、全員有給を取ってきました。朝、弊社の始業時刻と同じ9時に集合って感じにして。 松村:朝日くんはいつも寝坊するよね。 朝日:朝弱いよね。 浅見:ほんと朝来てくれなくて。 ──── みなさんリモートでの開発で。 浅見:はい、全員リモートで。 松村:Discordやりながら。 浅見:そういえば、僕たちまだ朝日くんに会ったことないですね。 ──── あ、そうなんですか。 朝日:確かに。 浅見:こんだけやってるのに、まだ会ってないよね、直では。 ──── みなさんそれぞれ遠いところにお住まいなんですか? 浅見:そうでもないんですけど。僕は埼玉で。 朝日:僕と松村くんは東京で、全然来れますね。 松村:朝日くんが会ってくれない感じあるよね。 朝日:密を避けるために(笑)。 ──── このご時世ですしね。ユニバックさんの結成はコロナ禍入ってからですか? 浅見:そうですね。僕らはちょうどコロナ全盛期のときに入社した代で。研修も全部リモートになっちゃって、それで会えてないってのもありますね。遊んだりもできず。 ──── みなさん同じ会社でしたっけ。同期で。 浅見:そうです。 ──── でも会ったことないと。一緒にハッカソンは参加してるんですね、面白いな。入社前からのお知り合いとかでもなく? 松村:いや、全然知らない人ですね。 浅見:会社で初対面の人たちです。厳密には会ってないから初対面ですらない(笑)。 ──── チームのリーダーって決まってるんですか? 浅見:言い出しっぺは松村くんですね。あとビジュアル担当。 松村:ビジュアルっていうかプレゼン? バックエンドとプレゼン担当です。 ──── 松村さんが声をかけたんですか? 松村:そうですね。毎週1回は「ハッカソン」で検索して、出てきたやつを、150人くらいいる同期みんなに声をかけてました。「これあるよ、出よ」って。150人に声かけて、集まったのがこの3人。全然人集まんない。 ──── それで集まったのがこのメンバーなんですね、いいじゃないですか。会ったことないというのがいい(笑)。 浅見:ここまできたらもうリモートだけで。 (一同笑) ──── 2日目の開発に話を戻しますが、進行はどんな感じだったんですか? 浅見:僕と松村・朝日でフロントとバックに分かれて、3時間ごとに進捗を報告し合うっていうスケジュールでやってました。今これぐらいできました、次これやりますっていうのだけは3時間ごとに口頭で共有して。 ──── 役割分担は最初から決まってたんですか?浅見くん前回と同じでまたフロントね、って。 浅見:そうですね。初日にアイディア出して、ざっとした最小要件みたいな、最低限この動作は必要だよねっていうものを出して、役割はその場で決まりました。フロントは今回も浅見でって。データベースとかAPIとかも、ふわっと初日に決めました。 ──── 技術スタックとしては、何で作ったんですか? 浅見:フロントはReactと、さっき言ったMapbox。地図のインターフェースやって、それをAWSのAmplifyで立てちゃってるんですけど。そんな感じでホスティングはそこまでやりました。 朝日:バックエンドはDBがDynamoDBで、基本はAWSです。そこにリアルタイムでデータを集めるんですけど、それもEventBridgeっていうAWSのサービス使って、コードは全部Lambdaで書いて、サーバーレスで組んでます。 ──── まるっとAmplifyに乗っかるより、自分たちでごりごり書いてるんですか。 浅見:そうですね、バックエンドは各々立てて。 ──── 2日目からはそれぞれ開発して、フロントのデザインは浅見さんに一任? 浅見:そうですね。もちろん、ちょくちょく見せて添削してもらってますけど、大体僕の方でがーっとやっちゃってますね。 ──── 形になったのはいつ頃ですか? 浅見:実を言うと1日目、ReactとMapboxの連携が全然うまくいかなくて、デザインに力を入れられなかったんですよ。最終日になってから、マーカーとか色とか機能とか地図の見た目に手をつけられたので、決まったのは最終日です。 ──── 2日目、浅見さん苦労されたんですね。 浅見:全然直んなくて、やりたいことができてなくて。 ──── そういうときは独りで黙々と闘う? 浅見:黙々とやってますね。大学時代の研究からそうだったんですけど、大体周りと別のことやってたりして、独りのことが多かったんで。ただひたすらググって、対応してって感じですね(笑)。 ──── 一方、バックエンド側はどうでした? 松村:バックはもう、割といつも通りの技術を使ってるので、2日目には大体完成しちゃってて。 最終日はあんまりやることがなかったんですけど、フロントでエラーが起きちゃって、ずっと喧嘩してましたねそこで。「どっちが悪いんだこれ」みたいな(笑)。バックのAPIの仕様が悪いのか、フロントの呼び出し方が悪いのか全然わかんなくて。それで結局完成はぎりぎりになりました。 ──── そうですね、エントリーも割とぎりぎりでした。今回、常連さんみんなぎりぎりだったんですよ。エントリー順が発表順になることを知ってて、あえてぎりぎりにしたのかと思ってたんですが。 浅見:発表順を知ってたら、もっとそこらへんを避けたかったですね。常連が並んでで、発表順がやばいっていう話をしてました。 松村:最後の方に発表したいけど、そっちにすごい強い常連チームがたくさんいて、青くなったよね。 ──── 自分たち的に仕上がりはどうでした? 目標のラインに到達していたのか、割と妥協した部分もあったのか。 浅見:追加機能案は、思いつく限り書いておくようにはしてたんですけど、実装できてない部分はあるんで。もうちょっとやりたかったな、とは正直。地図アプリなんで、その場所までのルートを出せるようにしたかったとか…。 ──── バックエンド側はどうです? 松村:バックもそうですね。CRUD処理しかしてないんですよ、基本。それじゃつまんないよね、できれば新しい技術も取り入れてやりたいよねって話はいつもしてるんですけど。今回時間自体はあったんですけど、フロントが詰まってて、バックで実装したところでフロントに出せないので、結局いつも通りの感じに。 ──── バックのお二人がフロントを手伝ったりとかは…。 松村:フロントは手伝えないです、僕たち。 (一同笑) ──── 潔い。 松村:僕と朝日くんは、Vueを使ってるのに、浅見くんがReactをやっちゃって。 浅見:そうですね、フロントを1から勉強するにあたって、VueとかReactとかいろいろある中で、一番文献とかあったりするし、どうせ学ぶんだったらReactがいいかなって選んでしまって、結果二人の知らないものに(笑)。 ──── 発表の準備について伺います。今回は動画を使ってましたね。 浅井:今回、最初から動画を撮りたいねって話してたんです。開発が終わってから準備したんですが、撮影班が松村くんで、編集班が僕という分担で。軽く台本のようなものを作ってから、撮影してもらいました。 ──── 撮影は松村さんお1人で? 松村:撮影は1人で行きました。誰も来てくれないので。 ──── 寂しいですね、1人でロケハン。 松村:1人頑張りました。近くの公園に行って。 本当は日曜に撮りたかったんですよ。土曜日に開発が終わって、日曜日に撮っちゃおうって予定だったんですけど、日曜日、雨が降っちゃって。外で寝るっていうのをやりたかったのに、雨降ってたらやばいじゃないですか。それで平日に撮るしかなくなって、朝5時起きで仕事行く前に撮りに行って、それを浅見くんにダメ出しされて(笑)。次の日も撮りに行って、みたいな。 (一同爆笑) 浅見:ちゃんと指摘したもんね。「表情が固い」とか。監督としてしっかり指摘したんで、申し訳ないですけど、何回か撮りに行ってもらいました。 松村:朝の場面と夜の場面を撮らなきゃいけなかったんで、業務始まる前に行って、業務終わってからも撮りに行くみたいなのを、3回ほどやりました。 ──── それはハッカソンより過酷なんじゃないですか? 松村:ハッカソンより時間かけてます。 (一同笑) ──── それは大変でしたね。その甲斐もあって。 浅見:どうなんですかね。動画のほうもいろいろ改善点があるなあ。 ──── 今回改めて振り返ってみて、最優秀賞に選ばれた要因はなんだと思いますか? 松村:動画と、ちゃんとAWS使ってるところじゃないでしょうか。完成度という点で。「そうじゃない感」はあんまり伝わってなかったみたいなんで…。 浅見:いまいちわかんないんですよ、「そうじゃない感」がみなさんに伝わってたのかが。でも投票してくださってるから、そうなのかなと思いつつ。もしかしたらそれ以外の要素で、今言ったような技術的なところなんかが、みなさんに伝わったりのかなとか、動画が面白かったという評価を頂いての結果なのかな、と思いました。 でも動画はやっぱりよかったんじゃないかなとは思ってるんで、できれば次回もやりたいですね。 ──── プレゼンに動画を使おうと思ったのは、前回のハッカソンで動画受けがよかったとていうのを感じての考えですか? 浅見:そうですね。僕らは動画を撮ったことはなかったんですが、他のチームとか…具体的に言うと「丑の日プロジェクト」さん。 ──── 前回の、「チコちゃん」ですね。 浅見:あれが凄すぎて。動画を使うと伝わりやすいんだなって実感したんで、ああいうのやりたいと思ってチャレンジしました。 実際作ってみて、なおのこと凄さがわかるっていうか。演出とか出し方とかすごくうまい。参考にしていきたいですね。 ──── 次回は2月に開催する予定なので、ぜひ。 浅見:はい、参加する予定なので。 ──── まだ誰も成し遂げていない連覇を狙ってください。 松村:そうですね。 ──── ありがとうございました。
2022年8月18日から26日にかけて「第3回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)を開催しました。 ますます盛り上がりを見せる第3回、今回もたくさんの方にご参加いただきました! 第3回のテーマも、第2回に引き続き、オープニングイベント内で実施した投票をもっての決定となりました。 テーマはこちら! 開発期限はテーマ発表から48時間後の、2022年8月20日(土) 20:00。指定の応募フォームから作品を投稿し、その中から、運営にてファイナリストを選定します。 今回、動作する作品はすべてファイナリストとなりました。 以下の19組です。 1. TSUKKOMI TEMPO!(チーム:テンポマスター(1人)) 2. youtube rappid(チーム寿司ファミリー) 3. 金魚救い(意識中くらい) 4. ゴーグレ(チームお茶) 5. ぷちぷち。(Seitaro) 6. YouTube 6 view (石の上にも三年) 7. くるまっぷ(dp_hack) 8. インスタてバズる!キメ顔撮影カメラ(KのIT教室) 9. Rabbit Timer(ZEN SELECT) 10. BlockZombieSimulator(Fooping) 11. 坐禅Web(web-iot勉強会チーム) 12. オンライン会議の憂晴らしモアイビーム(TKTK360) 13. 僧じゃない(SHINKAI) 14. 眠れないのでコンピューターに 羊を数えさせた!?(TakSan) 15. Super Ultra Hyper Romantic Auth(NonStop) 16. 癒しの猫八さん(大阪府立たまごかけごはん) 17. because...(Pied Piper) 18. ソトネル(ユニバック) 19. リュック型延長コード(丑之日プロジェクト) ファイナリストたちは、プレゼン大会を開催。コメンテーターと参加者全員で視聴し、その場で投票を行いました。投票数が一番多かった作品が最優秀賞となります。 それぞれ1組2分30秒のプレゼンテーションと、特別ゲストとして以下の3名のコメンテーターによる講評が行われました。 ・株式会社ツクロア 秋葉秀樹さん ・株式会社ソニックガーデン 倉貫義人さん ・合同会社Have Fun Tech 曽根壮大さん 常連チームも初参加チームも互角に戦う今回、どのチームも相変わらずの完成度でした。プレゼンテーションのクオリティも流石! 結果発表 すべてのチームのプレゼンテーションが終わったら参加者全員によるオンライン投票が行われます。得票数が一番多いチームが最優秀賞となります。 ちなみに賞品はこちら。 最優秀賞:amazonギフト券10万円分 優秀賞:amazonギフト券5万円分 特別賞:作ったものにちなんだナニカ 学生賞:amazonギフト券1万円分 さて映えある最優秀賞は… チーム「ユニバック」による「ソトネル」でした! 安心して野宿できるスポットを探してくれるアプリ。安全性、静けさ、人の多さなどから「寝やすい度」を星で評価してくれます。 行政などが発表している、犯罪件数から治安ポイントを算出しているそう。まったく意味のない予約機能があるというのも面白い設定です。 動画を用いたクオリティの高いプレゼンと、一見、何のズレもないように感じさせる異様なコンセプトに評価が集まりました。 次点となる優秀賞は、以下の3組でした。 SHINKAIさんの「僧じゃない」は、表示された画像の中から僧を探し、格言を受け、徳を積むというアプリ。僧じゃないものを選んでしまうと「違う、僧じゃない」と表示されます。格言は全ての人に与えられるようです。題材の独特な捉え方が非常に面白い作品でした。 丑之日プロジェクトさんの「リュック型延長コード」は、その名のとおり、両脇に電源の付いたリュックサックです。コードは最大10mまで延ばすことができ、同時に120台のスマートフォンを充電できるだけの電流に耐えられる仕様となっています。 「webアプリじゃない」「役に立たないはずが役に立っている」など、あらゆる「そうじゃない」が重なる秀逸さが高評価でした。 dp_hackさんの「くるまっぷ」は、経路検索アプリです。セグウェイ、竹馬、かご、プテラノドンを使った所要時間とルートが表示されます。 違う、そうじゃない。実は「狂まっぷ」であるという絶妙なウィットと、アイコンの可愛らしさも評価されました。 優秀賞から外れた中から、さらに投票によって選ばれた特別賞は、Seitaroさんの「ぷちぷち。」となりました。 画面いっぱいに表示されたあの「ぷちぷち」を延々つぶすことができる…はずが、なぜかマインスイーパが始まり、あっという間にゲームオーバーになってしまいます。 違う、そうじゃない。 シンプルな出オチ感が好評でした。 そして、特別賞の賞品(作ったものにちなんだナニカ)は、ぷちぷち一年分の予定でしたが、一年分の量がわからなかったので、ぷちぷち=いくらということで、「いくらの醤油漬け」「サーモンといくらの塩辛」をお贈りしました! そして、学生として参加された方の中から選ばれる学生賞は、大阪府立たまごかけごはんさんの「癒しの猫八さん」に決定。 「日頃の疲れを癒す」というコンセプトの猫ゲームですが、スタートしてみると、サムネイルとはまったく違うあまり可愛くない猫に、辛辣な言葉をかけられたり、からかわれたり、反省文を書かされたりします。一見そうじゃないようですが、猫らしさの本質を捉えており、味のある作品でした。 * * * 今回は、テーマが一層難しく、「『そうじゃない』とは何だ?」と考え続ける審査となりました。プレゼンの時間があっという間に過ぎてしまうほど面白いプロダクトばかりで、モノづくりの良さ、技術の無駄遣いの素晴らしさを改めて感じました。 みなさんおつかれさまでした! コメンテーターの感想 「そうじゃない」の解釈の仕方がたくさんあって、判定が非常に難しかった。「そうじゃないな」と思いながら、ずっと楽しめました。(曽根) よくよく見ると、デザインがすごく良かったり、手間のかかっているものが多いなと感じました。テーマがテーマだけに、そこを評価しちゃいけない気がして粗探しをしてしまいました。良いもの作るということは楽しいものだな、好きだな、と思えました。(秋葉) 「あらびき団」のような、深夜番組を彷彿とさせるエッジの効いたものが多く、非常に楽しい時間でした。(倉貫) 最後に、「遊ぶ」の「A」をみんなで掲げての記念撮影でした。お疲れ様でした! 当日の様子は以下のリンクからもご視聴いただけます。 https://www.youtube.com/watch?v=LMMG9GITU5g 謝辞と次回の予告 参加していただいたプログラマの皆さん、コメンテーターの皆さん、賞品提供に協賛していただいた株式会社ソニックガーデン様、ありがとうございました。 半年ごとの定期開催を計画するツクアソハッカソン、次回は2023年2月開催予定です。 以下をフォローして頂けるとお知らせします。お楽しみに! https://twitter.com/tsukuasohack
2022年2月17日から25日にかけて開催された「第2回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)。 「時からカイホウ(開放/解放)されるサービス」をテーマに独創的な作品を見せてくれた受賞者たちのインタビューを公開します! 今回は、学生賞を受賞したチーム「CJLCBOYS」のインタビューです。 CJLCBOYSさんの「atode!」は、どんなコンテンツでもワンタップでブックマークしてまとめておくことができるアプリです。忙しい時に見つけてしまった気になるコンテンツを見逃さないで済む、シンプルだけど現代人のニーズに合っている、というところが評価されました。 CJLCBOYSさんのプレゼンは 00:48:24 〜 「CJLCBOYS」メンバー Samrat(サムラット)さん Danial(ダニエル)さん ──── ご参加いただいてありがとうございました。学生賞受賞おめでとうございます。 Samrat・Danial:ありがとうございます。 ──── このハッカソンはどこで見つけたんですか? Samrat:Danialが「connpass」で見つけて、誘ってくれました。ハッカソンは初めてだったのですが、春休みにyoutubeとか見て時間を潰すより、友達と何か作ったりしたかったので。 ──── 今回「時からカイホウ(解放/開放)されるサービス」というテーマでしたが、ピンときましたか? Samrat:実はあまりピンと来なくて、僕もDanialも日本語があまり得意じゃないので、日本語が得意な友達に意味を聞いたりしました。 ──── これは日本語話者でも解釈が難しいテーマでしたね。この「atode!」を作ろうと決めるまで時間がかかったんですか? Samrat:初日はアイディアだけ考えて、次の日も1時間くらいアイディア出しをしました。 Danial:初日にいろいろアイディアを出したんですが、結局どれが一番いいのか決まらず、とりあえず次の日の朝からミーティングしようってなって。 ──── 最終的にはどうやって決めたんですか? Samrat:初日は、僕が出したアイディアはDanialが好きじゃない、Danialが出したアイディアは僕が好きじゃないとなってしまって(笑)。2日目にDanialが出したアイディアが良かったので、僕が少し広げる形で決まりました。 Danial:朝、私はジムに行くんですけど、そこでアイディアを揉みながらトレーニングしていて、「atode!」を思いついたんです。Samratもきっと同じような経験があるだろうと思って知らせたら、すぐに同意してくれて。 ──── 実際アイディアを形にしていくときはどういう分担で作業したんですか? Danial:Samratはバックエンドが得意なので担当してもらって、僕はフロントエンドを担当しました。 Samrat:でもDanialもバックエンド手伝ってくれたよね。 Danial:一応ね(笑)。結局一緒にやる部分は必ずあるから。 ──── 開発はスムーズにいきました? Samrat:多少の問題はありましたけど、なんとかなりました。 Danial:意外とスムーズだったよね。私の作業に問題が出るとSamratが手伝ってくれて、その間に私が次に何をやるべきかを考えて、Samratの作業が終わる頃に残りのタスクを提示して、分担して…という流れでした。 ──── いい感じに協力し合ってできたんですね。 Danial:2人だったから良かったのかもしれません。もっと人数が多かったら、分担が難しくなったと思います。 ──── 土曜日の20時が締め切りでしたが、どのくらいで完成しましたか? Samrat:18時位でしたね。 ──── 結構ぎりぎりまでがんばりましたね。 Samrat:実はDanialも僕も18時以降に予定があったので、それまでに終わらせたかったんです。 Danial:でも最後の1時間で不具合が出たんです。リマインダを設定しても出ないっていう基本的な不具合で。それじゃ使えないからSamratがすごく慌ててましたね。私はプレゼンを準備していたので、その辺知らないんですけど、あれどうやって解決したの? Samrat:それはちょっと考えたりGoogleでいろいろ探したりしたら解決できたの。特に工夫がないね(笑)。 ──── 次の予定までぎりぎりのスリルも味わいつつ、楽しくハッカソンできたんですね。 Samrat:楽しかったです。 Danial:本当に楽しかった。終わった後すぐSamratに、また別のハッカソンに参加しようって言いました。今回すごく楽しかったので、賞がもらえるとかそういうことがわかる前にまたSamratとハッカソンに出たいと思いました。 ──── それは最高ですね。嬉しい感想です。 Samrat:春休みが終わる前にもうひとつくらいハッカソンに出ようと思っています。 ──── お2人はどういうご関係なんですか? Samrat:日本語学校が同じだったんです。大阪の日本語学校で1年間一緒に勉強していました。僕はその後大阪の大学に入って、Danialは東京の大学に。 Danial:日本語学校でSamratはプログラミングが得意なことで有名だったので、このハッカソンを知ったときすぐ連絡しました。 ──── 他の人のプレゼンや作品見てどう思いました? Danial:他のチームのプレゼンを見るたびに、Samratが必ず「素晴らしいアイディアだ!」と興奮してましたね。 Samrat:こんなに創造的な人たちがいるのか!と驚きました。 Danial:私たちの作品は割と真面目だったので。 ──── 真面目に課題を解決しようとする、真っ当なプロダクトでしたね。 Danial:だから本当に面白いアイディアがたくさんあって、良かったよね。 Samrat:遅刻した時に言い訳するやつとか。 Danial:それが本当に面白かった。 Samrat:その発表もとてもよかった。 Danial:動画もアイディアも面白かった。あれは私にとってとても必要なものでしたし(笑)。 ──── 次のツクアソは8月に開催します。2月と8月の年に2回のサイクルにするつもりで。 Danial:本当ですか?またやろう、Samrat。 Samrat:うん、またやろうよ。 Danial:ツクアソはすごく良いハッカソンだと思います。1年に2回あるのが嬉しいです。 ──── ぜひご参加ください。ありがとうございました!
2022年2月17日から25日にかけて開催された「第2回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)。 「時からカイホウ(開放/解放)されるサービス」をテーマに独創的な作品を見せてくれた受賞者たちのインタビューを公開します! 今回は、特別賞を受賞したチーム「ユニバック」のインタビューです。 ユニバックさんが開発した「ドタキャンさん」は、参加者のモチベーションを測定して相対評価し、イベントをキャンセルするか否かを判定してくれるアプリです。実はみんなが憂鬱に思っている予定を勝手にキャンセルしてくれるというアイディアは、非常に現代的でユニークですね。 ユニバックさんのプレゼンは 01:03:45 〜 「ユニバック」メンバー 松村 憲樹 さん 朝日諒 さん 浅見 祥喜 さん ──── まずは特別賞おめでとうございます。ユニバックさん、この3人はどういったチームですか? 松村:会社の新卒入社2年目の3人、同期で構成されています。 ──── 仲が良いんですね。 松村:開発のことしか話さないですけど(笑)。 ──── ハッカソンには今までも3人で参加されてきたんですか? 松村:そうですね。入社してから、ハッカソンの告知があったら全部応募してる感じです。 ──── おお、すごいですね。普段からアンテナを高めに張ってるんですか? 松村:そうですね、はい。 ──── 今回テーマを投票で3つのうちから選んでもらいましたが、投票したテーマになりましたか? 浅見:それぞれが何に投票したのか知らないんですよね。僕は「今まであった中で一番欲しいサービス」でした。一番考えやすそうかなと思って投票したのに、一番難しそうな「時からカイホウされるサービス」になっちゃって、やばいと思いました(笑)。みんな何に投票した? 朝日:自分も浅見くんと同じです。一番今まで欲しかったサービスだったら、今までのアイディアを使い回せるからいいかなと思ったんですけど、残念ながらそうはならなかったですね。 松村:僕は「時からカイホウされるサービス」。 ──── そこはチャットで談合したりとかはしなかったんですね(笑)。 松村:全然しなかったですね。個人個人好きなものに投票しました。 ──── 難しいテーマでしたよね。 浅見:難しかったですね。これまで僕らが出てきたハッカソンは、テーマがないものばかりだったので、テーマが決まってること自体も慣れなくて難しいなと思いました。 ──── 今回のプロダクトのアイディアはどうやって出したんですか? 松村:そもそもその定義ってなんだろうというところから考えて、それに結びつくものをどんどん出していって、「時」と「解放/開放」というワードから連想されるものを合わせて、こんなサービスあるよね、こういう具体例あるね、って詰めていきました。 ──── 「ドタキャンさん」自体は誰が思いついたんですか? 浅見:これは朝日くんですね。 朝日:僕ですね。 ──── 憂鬱な予定がドタキャンされるかも、というのは、過去の経験からの連想ですか? 朝日:僕がドタキャンしたわけじゃないんですけど、憂鬱な予定が突如キャンセルされた時に、めちゃくちゃ嬉しかった記憶があったんです。それをアイディアにしてみました。 ──── なるほど。テーマの発表からどのくらいでアイディアが固まったんですか? 朝日:どのくらいだったっけ?日をまたぐ前には決まったかな。 松村:そうだね、3時間くらいで大体決まりました。全然他にいい案が出なくて、もうこれでいいよね、みたいな(笑) ──── 開発は次の日からですか?平日でしたよね。お仕事をしつつ? 松村:いや、全員有休取りました(笑)それでもう金曜の朝から開発です。 ──── いいですねえ。役割分担はどんなふうになってました? 松村:浅見くんがフロントエンドで、朝日・松村がバックエンドで開発しました。 ──── スムーズにいきました? 松村:いや。 浅見:いやあ…フロント大変でしたね。僕は仕事でもプライベートでもフロント全然やってないんですが、今回こういう役割分担になったんで、ひたすら調べて組んで、変なエラーが出て、っていうのを繰り返してました。すごい苦戦しました。 ──── どうして普段やらないフロントを担当することになったんですか? 浅見:なんでかわかんないです(笑)。松村と朝日くんが仕事でフロントを触るんですよ。だから僕としては2人にやって欲しかったんですけど、なぜか結局僕がフロントやることになって。でも正直フロントに興味はあって、触ってみたいと思っていたので、ちょうどいい機会かなと。 ──── それは良かった。楽しかったですか? 浅見:そうですね、楽しかったです。新しいところに触れたり、ここはこんなに簡単に書けるんだ、とか発見もありました。あと、デザインの辛さがわかりました。細かいところを調整したりとか、「見やすさ」って難しいなと。お客さんがいて、ちゃんとデザインを組んでる人ってどうやってるんだろうって、そういうところも気になりました。 ──── バックエンドの2人はいかがでしたか? 松村:そんなにさくっとはいかなかったよね。 朝日:わりと探り探りやってたよね。 松村:今回AWSを使ったんですけど、触ったことのない分野だったんで、探り探り、ちょっと喧嘩もしながらやってました。 (一同笑) 松村:この方針でいこうよって言うと、いやそれはめんどくさいからみたいな喧嘩を…。最終的には仲良く完成することができましたけど(笑)。 ──── 完成はいつ頃だったんですか? 松村:土曜の昼ぐらいに1回できたんだよね。 浅見:そこで最低限のものは。多少余裕を持ってできました。 ──── 「ドタキャンさん」は今後世に放つんですか? 松村:世に放つ予定なんですけど、今の状態だと1週間に1回止まるんですよ。 (一同笑) 松村:そこが改修できたらリリースしようと思ってます。 ──── じゃあ楽しみにしてます。ちなみに次回は8月に開催予定です。 浅見:ぜひ参加しようと思います。 ──── お待ちしてます。ありがとうございました!
2022年2月17日から25日にかけて開催された「第2回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)。 「時からカイホウ(開放/解放)されるサービス」をテーマに独創的な作品を見せてくれた受賞者たちのインタビューを公開します! 今回は、優秀賞を受賞した「ひげだるま」のインタビューです。 ひげだるまさんの作品は「家出時計」。周りが静かな状況になると、「時の表示」が家出してしまい、残された「分」だけで頑張って時間を表現する、というユニークな時計です。発表は、ちいさな紙芝居を使ってライブで行われ、その強いインパクトも高評価に繋がりました。 ひげだるまさんのプレゼンは 00:18:32 〜 ──── 優秀賞おめでとうございます!早速ですが、このハッカソン自体をどこで知りましたか? ひげだるま:ツクアソ運営メンバーの方がツイッターで共有されているのを見つけて、タイミングも良かったのでぜひ出たいなー、と。 ──── ありがとうございます。今回はおひとりでの参加なんですね。 ひげだるま:ひとりだとやっぱりチームよりも時間の都合がつけやすいので。あと、最近はずっと在宅でやってるので、人と接する機会がなくて(笑)。調整するのも結構大変なので、ひとりのが楽かなと思いました。 ──── 「家出時計」は、とてもユニークな作品でしたね。プレゼンも想定外でとても面白かった。プレゼン賞があったら絶対優勝でした。どうして作ろうと思ったんですか? ひげだるま:全然あれを作る予定ではなかったんですよ。そもそも投票したものと違うテーマになったので…。 ──── そういうことありますよね(笑)。 ひげだるま:違うテーマになってしまったのもそうなんですけど、そもそもこのハッカソンの主旨を勘違いしてたんです。期間がもっと長いハッカソンだと思ってたんですね。だからテーマが今日決まって、何か考えて週末に具材を買いに行こうかな、なんて考えてたら「あと8時間!」って言われて(笑)。だからもう自分の持ち物の中から使っていない機器を探して、そこでATOM Liteと、昔使った4桁の7セグが出てきたんです。これでなんとか作ろう、テーマに合うものは何だろうって考えて、そこから「時がなくなったらどうなるんだろう」ってアイディアが出ました。「時」がなくなったら、「分」が頑張って表示するだろうなって。 ──── なるほど。 ひげだるま:最初は「秒」まで表示しようと思ったんですよ。でもそれだと4桁では足りなかったので、「分」までにして、あとは個人的に最近3Dプリンタを手に入れたんで、それを使いたかった。そんな感じで考えた結果、こういうちょっと変わった時計を作ってみようかなと。 ──── じゃあハードが先にあった上でのアイディアなんですね。結構しばりがあった方が面白いアイディア浮かんだりしますよね。 ひげだるま:そうなんですよね。言われた瞬間難しいと思ったんですけど、「これを使うんだ」ってなればなんとか。 ──── 提出までの24時間はどのように過ごされたんですか? ひげだるま:実は割と早かったんですよ。初日の晩には一応アイディアが決まっていて、3Dのモデルを作って、翌日の朝には印刷をかけて、結局最終日20時締切だったと思うんですけど、16時ぐらいにはほぼ完成してました。 ──── すごい! ひげだるま:機能自体はシンプルなんですよね。あとはそのストーリーが肝心で。ただ時がなくなるってだけだと面白くないので、最初はお兄ちゃんが家出するんじゃなくて、弟が追い出す話を考えてたんです。でももうちょっと気弱な方が自分的に共感しやすいので、お兄ちゃんが勝手に遊びに出て行っちゃうから弟が頑張る、みたいなストーリーにして。作業自体は比較的早く終わって、ストーリー作りに少し時間をかけた感じですね。 ──── ライブデモでも音が重要だったじゃないですか。静かにしてたら戻ってくるっていう。あれはちょっとした仕組みを組んでるんじゃないかなって思ったんですけど。 ひげだるま:元々音を使う想定でやってたので、中にマイクが入ってるんです。そのマイクの調整がハッカソンの期間の中では丁度良くできてなかったので、デモの時大変でしたね。やっぱり物理的なモノなので、動画だといまいち面白くない。ライブ感が損なわれてしまうなと思って、そのまま映してフリップ的なもので見せたらちょっと変わった発表になって面白いかなと思ってああいう形に。今回発表はハッカソンとは別に時間が取れたので、ちゃんと考えられて良かったですね。ちなみに、イーゼルはあんな小さいのがなかったので自作です。 ──── すごい、いいなあ。 ひげだるま:木を買ってきて、釘打ち込んで。楽しかったです。 ──── それは良い。素晴らしい。ハッカソン全体楽しかったですか? ひげだるま:楽しかったですねえ。家にいるからっていうのもあるんでしょうけど、意外と平日の開発でもなんとかなりました。あとは発表と開発の時間がが分かれてたので、発表のことを気にせずにモノづくりに集中できたのも良かったですね。 ──── 楽しんでもらえて何よりです。ちなみに自分が最優秀賞を取れると思ってましたか? ひげだるま:いや、思ってなかったですね。だから自分の作品に投票するということもせず、自分の作品以外で本当に好きなものを選んだんで。好きな作品が残ってたから良かった。 ──── 結構票が集中してましたよね。あの時計隠すやつとか…。 ひげだるま:そうなんですよね。綺麗に隠してないところがまた良くて。力技で隠してるのが、あれをもっと綺麗に精巧に作っちゃってたらだめだったと思うんですよ。 ──── 確かに(笑)。 ひげだるま:あの雑なのが良かった。 ──── 本当に楽しんでいただけたようで嬉しいです。良かった。 ひげだるま:トップクラスに楽しかったですね。楽しんでる人が賞を取ってるだろうな、とも思いました。チームでも個人でも、楽しくできたところが強いんで、ハッカソンは。 ──── 次回またぜひ参加していただけたら嬉しいです。 ひげだるま:また、ぜひ! ──── ありがとうございました!
2022年2月17日から25日にかけて開催された「第2回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)。 「時からカイホウ(開放/解放)されるサービス」をテーマに独創的な作品を見せてくれた受賞者たちのインタビューを公開します! 今回は、優秀賞を受賞したチーム「意識中くらい」のインタビューです。 意識中くらいさんの「かわりみミーティング」は、テレビ会議中の自分の映像をループ動画(かわりみ)に差し替えることができるというツール。ループ映像を「かわりみ」にすることで、気づかれずに離席できるという画期的なアイディアが大好評でした。 意識中くらいさんのプレゼンは 00:44:43 〜 「意識中くらい」メンバー pvcresin さん shiso さん salmoncode さん ──── 優秀賞おめでとうございます。ご参加くださりありがとうございました。「かわりみミーティング」はどなたのアイディアなんですか? pvcresin:僕とshisoの2人です。 shiso:テーマが発表されて、当日にも少し打ち合わせしたんですけど、一旦寝てまた次の日にみんなで考えようってなったんですよ。それで次の日の集合時間にsalmoncodeくんが起きてこなかったと(笑)。それがスタートになって、なんとかネタとして着地させたってかんじですね。 ──── ちゃんと動くように持っていけたのがすごいですよね。敢えてZoomを使ったのもすごくいいと思いました。 shiso:最初はGoogleMeetでいこうと思ったんですけど、うまくいかない部分がありまして、たまたま試したZoomで動いたので。 salmoncode:UIの問題ですね。カメラを取得するタイミングが、ユーザーの操作ごとにやっているか、読み込み時に一回きりでやってるかの違いで、決してZoomがセキュリティ的に問題あるってわけではないです。最近の、ブラウザで使うチャットってほぼWebRTCを使っているので、裏側のストリームさえ いじれればどちらでも使えるかなと思って、手近なZoomを選びました。 ──── 3人の役割分担はどういうかんじだったんですか? pvcresin:salmoncodeくんがWebRTCに詳しいので、コアな部分を主にやってもらって、それをみんなでモブプロするって形ですね。shisoくんにZoomのUIの操作や動画の作成を主にやってもらって、僕がUIやデザイン周りを担当しました。 ──── 全体でどのくらいかかったんですか? pvcresin:夜の8時にテーマの発表があって、その日にアイディア出しして、次の日の朝も集まって…。 shiso:2日目も大体20時ぐらいまでやって、その日のうちにコアな部分はとりあえずできたみたいなかんじですね。最終日にデザインと、機能追加できるかな、やめとこうかみたいなことを考えて。 ──── チームの3人はどういったご関係ですか? pvcresin:大学の同期ですね。 shiso:僕は1年浪人してるので、厳密には2人よりひとつ年上です。 ──── いいですね、大学の同期でそういう友達がいるの羨ましいです。大学卒業してからも仲が続いているのがすごい良い。 shiso:在学中に結構ハッカソンにも出てたんです。今回はちょっと間が空いて、リハビリみたいなかんじになりましたけど、pvcresinくんから話をもらって。 ──── どうですか?久々のハッカソンは。 pvcresin:楽しかったです。テーマが広くてアイディア出しとかも楽しかった。 ──── 今回3つのテーマから投票で決まる形でしたけど、望んだテーマでしたか? pvcresin:ばっちりでした。 ──── 運営としては今回のテーマが一番難しいと思ってたんですが…。 shiso:その分遊び甲斐というか、一番広く考えられるテーマだと思いました。 ──── 楽しんでもらえて何よりです。みなさん会社員ですよね。 pvcresin:そうですね、僕は金曜日は有給取りました。 shiso:僕とsalmoncodeくんは実は同じ会社の違う部署に所属しているんです。2人ともエンジニアで。 ──── 実はいつsalmoncodeさんが変わり身になるかと楽しみにしてるんですけど…。 (一同笑) ──── salmoncodeさんあんまりしゃべらないから気になってるんですけど、変わり身になってますね? (salmoncodeさん、「かわりみミーティング」使ってました) salmoncode:結構長いこと変わり身してました(笑) ──── 素晴らしい。やっぱりバレないですよこれ。 (一同笑) ──── このハッカソンへの参加の経緯を教えてください。 salmoncode:見つけてきたのはpvcresinさんですね。 pvcresin:connpassで見つけました。 ──── たまたま出てきたんですね。ありがとうございました。 shiso:一応前回の作品もどんなのがあったのか予習したんですけど、今回は参加者がすごく多いなと思いました。 salmoncode:学生がいたのも面白いですよね。 ──── 物理的なモノを作っている人がいたり、バラエティーに富んでいて面白くなりました。決選投票もあって、本当に接戦でした。 shiso:「同票!?」ってなって、熱かったですね。ハッカソンでは、しっかりした技術とネタをどう折り合いつけるか考えるんで、今回もそれを意識して出来たと思います。 ──── 最優秀賞に選ばれると思いましたか? pvcresin:結構自信あったんですけどね(笑)。 shiso:賞は狙ってましたもんね。 pvcresin:ちょっと惜しかったですね。やっぱりプレゼンのインパクト力についてはシミュレーション不足でした。 salmoncode:取れると思ってました。 ──── 実際他の参加者のプレゼンを見てどう思いましたか? pvcresin:最優秀賞を僕、すごい気に入ってて。僕らはちょっと真面目な発表スタイルに寄せすぎたなって思いましたね。 salmoncode:いい時代になったなって思いました。YouTuberだったり、主婦と子供とペアでやってますとか、僕らがハッカソン参加し出した時は、本当に僕らみたいな人たちしか参加してなかったので、それがすごい良いなって。 ──── ハッカソンも近年だいぶ参加者に幅が出てきましたよね。だからこそ面白い作品があって、我々も楽しかったです。 salmoncode:そうですね、楽しかったです。 ──── ちなみに次回は8月です。今後2月と8月に定期的に開催しようと思っていますので、ぜひまたご参加ください。 shiso:はい。今まで1ヶ月くらい時間のあるハッカソンには結構参加していたんですけど、今回短い期間でやるのは初めてで、すごく良い刺激になりました。次回もぜひ。 salmoncode:参加したいですね。期間の長いハッカソンは、テーマも社会的なものが多くなるので、「作ることが目的です」って言い切っちゃってるのがいいな、と思いました。 ──── ではまた、夏にお会いしましょう。 pvcresin:またお願いします。
2022年2月17日から25日にかけて開催された「第2回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)。 「時からカイホウ(開放/解放)されるサービス」をテーマに独創的な作品を見せてくれた受賞者たちのインタビューを公開します! 今回は、優秀賞を受賞したチーム「丑の日プロジェクト」のおふたりによるインタビューです。 「丑の日プロジェクト」は、ランダムで遅刻理由を生成し、気に入ったものを選ぶと自動で言い訳文章を待たせている相手に送信することができるというアプリ『「ちこちゃん」遅刻理由ジェネレーター』を開発。アプリの圧倒的なユニークさもさることながら、プレゼン動画のクオリティの高さも注目を集めました。プロジェクト結成の由来やハッカソン当日の状況など、楽しいお話が満載です! 丑の日プロジェクトさんのプレゼンは 01:07:28 〜 「丑の日プロジェクト」メンバー アニーさん マーク さん ──── 優秀賞受賞おめでとうございます。早速ハンドルネームの話題なんですが、どうして「アニー」と「マーク」なんですか? アニー:僕は普段から呼ばれているニックネーム。マークは本名なんですよね。 マーク:そうなんですよ。もともとアメリカで生まれまして、その時にミドルネームとしてつけられたのが「マーク」です。アメリカではそれが一番発音しやすいのでそのまま呼ばれてます。 アニー:「アニー」は「スター・ウォーズ」のアナキン・スカイウォーカーからです。ダース・ベイダーが好きなので…。僕もアメリカにいた時は本名を発音できる人が誰1人いなかったので、日本にいる時から使っていたニックネームをそのまま使っています。現在いる日本の職場でも「アニー」って呼ばれているので、ほぼ本名みたいな感じですね。 ──── 異色のお2人ですね。どういうご関係なんですか? アニー:大学の3DCADのクラスで初めて出会いました。この「丑の日プロジェクト」自体はそもそも僕と僕の幼馴染の2人で始めたんですけど、マークがいてくれたらきっともっと楽しいだろうと思って、誘ったら快諾してもらえました。 ──── 「丑の日プロジェクト」という名前の由来は? アニー:今、同席していない3人目のメンバーの「太郎」が、平賀源内が好きなんですよ。諸説ありますけど、土用の丑の日にうなぎを食べるブームの火付け役が平賀源内だというエピソードがあるじゃないですか。僕も平賀源内の、そういうちょっと意地が悪いような、賢いような発想が好きだなと思って、名前にしました。 僕的にこの3人は、妄想を実現化するために本気で取り組めるメンバーだと思っているんです。普通だったら「何に使うのそれ?」みたいなものでも、「そんなことわざわざやる必要ある?」ってことでも、実現したいと思ったからには全力でやろうって思える「プロジェクト」です。 マーク:僕も同じですね。やっぱり僕らはエンジニアなので、ものづくりが好きなんですよ。でも仕事で自分達の好きなものを作れるわけでもない。でもこの「丑の日プロジェクト」では、僕たちの本当に作りたいものを作れる。そのためのプロジェクトだと思っています。 ──── このプレゼン動画の最初の背景、すごくかっこいいですよね。これはどなたが描かれたんですか? アニー:丑の絵の方はプロのデザイナーをやっている友達で、題字の方はやっぱり友人の書道家に書いてもらいました。どちらもずっと丑の日プロジェクトを応援してくれている友人です。ちゃんと著作権を譲ってもらって、自由に使わせてもらっています(笑)。 ──── 大事なことですね(笑)。 ──── 今回のツクアソハッカソンにご参加いただいてありがとうございました。このハッカソンについてはどこで情報を? アニー:僕らハッカソンがすごい好きで、週に1度は面白そうなハッカソンないかなってリサーチしてるんです。多分その中で見つけたんですけど、とにかくツクアソさんはすごく楽しそうで、HPがわかりやすかった。あと、賞品があるのも嬉しかったですね。それでメンバーで盛り上がって、今回はスケジュールの合うこの2人で出ようかって。 ──── 実際参加してみてどうでしたか?楽しんでいただけました? マーク:楽しかったです。 アニー:次も絶対出ようって話にもうなってます。 マーク:次こそは最優秀賞いこうって言ってたもんね。 ──── 今回、テーマを3つの選択肢から投票で選ぶスタイルだったんですけど、お2人が望んだテーマでしたか? アニー:僕は確か違うものを選びました。でも結果としてはこのテーマで良かったです。アイディアもいっぱい出てきましたし、そこからいろいろ妄想も膨らんで、今回発表させていただいたもの以外にも、「これはハッカソン関係なくやろうね」って言い合える面白いものがたくさん浮かびました。そうやって他にも作りたいものが出てきたりするところが、ハッカソンの好きなところなんですけど、今回のテーマでもそう思えたのでとても良かったです。 マーク:すごい楽しかったです。「こんなものあったら便利だよね」っていうものがどんどん浮かんできて、すごく良いテーマでした。 ──── テーマが発表されて、提出期限まではどんなかんじで過ごされたんですか? アニー:僕は今東京にいるんですけど、マークが今もカリフォルニアに住んでいるんですよ。 マーク:そうなんです。だから僕は時差の関係でオープニングには出れなくて。朝起きてアニーからのメッセージを見て、「時からカイホウされるサービス」というのを知りまして、そこからオンライン上でフローチャートどんどん作っていって、時間ができたときにZoom繋いで会話して…ってかんじで進めました。 アニー:ちょうど時差がいいかんじになってましたね。テーマが発表されてから、僕がある程度のアイディアの下地みたいなのを作って、それが出来た頃にマークが起きてくる、みたいな(笑)。そこから「あとは任せた」って僕は一旦寝て、また起きたらマークがアイディアを膨らませてて、それをもとにどうしようか僕が考えて、僕の仕事が始まる時間に今度はマークの仕事が終わるので、バトンタッチしたマークが資料を作ったり準備したりして、僕の仕事が終わった時間に2人で開発始めて…というかんじでどっちかが起きてるんですよ僕ら。 ──── いいな、交代制だ。 マーク:でももうハッカソンの当日は2人ともオールしてるんで、結局時差とか関係ないですよね。 アニー:金曜日から土曜日にかけてはそうだね。徹夜して仕上げて。 ──── じゃあ結構余裕持ってできたかんじでした? アニー:いや、なんだかんだ結構ぎりぎりでしたね。締切の50秒前くらいまでやばいやばい言いながらやってました。 マーク:いきなり「ちこちゃん」使うところでした。 (一同爆笑) ──── たくさんアイディアが出た中で、どうしてこの「ちこちゃん」になったんですか? マーク:僕はアメリカで生活しているんですけど、やっぱりアメリカ人って自由に生きてるんですよ。毎日楽しく、どんな小さなことでも大げさに楽しむっていうか。日本人と何が違うんだろうって考えると「時間」なんです。時間から解放されてるってことだと思うんですよ。彼らは仕事でも普通に遅れてくるんですよ。「ごめん遅れた」みたいな。学校でも先生が授業に5分くらい遅刻してくるのは普通のことですし。そういう経験を踏まえると、「時から解放される」ってことは、「遅刻を認められる」っていうことだと思いまして。そこからアイディアが出た感じですね。 ──── そっちの人たちは言い訳するんですか? マーク:します。車がパンクする人が多いですね。 (一同爆笑) マーク:他にも「渋滞が起きた」とか「歯が痛い」とか「娘の誕生日が」とかバラエティがあって。時間には縛られずに自分のライフを楽しむんだっていうのがありますから、こっちの人は。そういうのも参考にしました。 ──── 動画がすごく印象的だったんですが…。 アニー:僕と太郎がすごい遅刻癖があって、基本この3人で何かする時はいつもマークが待ってくれる立場にあるんですよ。今回も遅刻の言い訳メッセージはマークが担当してくれたんですけど、いかにも僕が送ったことあるようなメッセージで(笑)。そんな流れで、これは動画の方が良さが伝わりやすいだろうと思うのと同時に、実際にいつも遅刻する側の自分がやるよりも、それを客観的に見てるマークの方がうまく演技できるんじゃないかと思ってああいう形になりました。予想以上にマークがすごい良い演技してて、「こういうかんじか!」って(笑)。 マーク:丑の日プロジェクトの強みは、全員動画が作れるところにあるんです。必要な素材を撮る環境が整っていて、編集できるスキルもあるので、せっかくだから使おうと。動画にした方が印象にも残りますし。 ──── ホームページに掲載している他のプロダクトも楽しいものばかりですね。ネーミングは「〜ちゃん」しばりなんですか? アニー:名前は大事ですね。プロジェクトに名前を付けた瞬間からすごい愛おしくなるんですよ。うまくいかない時も「ちこちゃん、今すぐ楽にしてあげるからね!」みたいな気持ちで、修正にも力が入ります。以前「しかくちゃん」って3Dプリンタを作った時、僕らの不注意で基盤が爆発しちゃったんですよ。その時も、「しかくちゃーん!!」って(笑)。 ──── それは面白いですね(笑)。 アニー:そういうかんじで、すごく大事にする気持ちが出てくるんですよね。女の子の名前をつけることで、「僕らが1番大事にしてあげるよ」みたいな。そういう目的もあってああいう名付けをしています。 ──── 他の人たちの作品を見てどう思いました? アニー:もちろんみなさん面白いと思いましたけど、正直最優秀賞は僕らだなって思いながら聞いてました。 マーク:僕もまったく同じです。 (一同笑) アニー:僕らは動画という発表スタイルで、インパクトを狙ったんですけど、紙芝居式にやってる方とかいたじゃないですか。ああいうの見て、「うわーこれめっちゃいいなー!」と思ったりしました。 ──── 全体的にクオリティの高いハッカソンでした。ちなみに次回は8月に開催予定です。是非ご参加ください。参加者がより増える予想ですが。 アニー:ぜひ参加したいです。次回もっとライバルが増えると思うとわくわくしますね。 ──── ありがとうございました!
2022年2月17日から25日にかけて開催された「第2回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)。 「時からカイホウ(開放/解放)されるサービス」をテーマに独創的な作品を見せてくれた受賞者たちのインタビューを公開します! 今回は、映えある最優秀賞を受賞したチーム「ハック無謀」のTakSanへのインタビュー。 パソコン上のあらゆる時計を隠してくれるという、非常にハッカソンらしい独創的なアプリを開発してくれました。その「技術の無駄遣い」ぶりが素晴らしく、絶賛の中の最優秀賞。どんなふうに開発したのか、どうしてそのアイディアに至ったのか、根掘り葉掘り聞いてみました! ハック無謀さんのプレゼンは 01:11:37 〜 「ハック無謀」メンバー TakSanさん akitam さん ──── まずはおめでとうございます。お見事でした。 TakSan:とってもありがたいです。とても楽しい、素晴らしいハッカソンを企画していただいて本当に感謝です。 ──── 楽しんでもらえたら何よりです。ハック無謀さんは今回おひとりでのご参加でしたね。 TakSan:そうですね、一応2人でやってたんですけど、ちょっと相方が忙しくなってしまって、抜けたり入ったりしてたんで、私が代表で顔を出してる感じになりました。 ──── 「ハック無謀」というチーム名はどういった理由で決めたんですか? TakSan:今回の相方とは何回か組んだことがあるんですけど、いつも力技で無謀なことをするので、そのイメージからですね。 ──── 力技感のある作品でした。 TakSan:私も個人的には力技が好きなんです。いざとなったら力技。いざとならなくても力技かもしれない(笑)。 ──── (笑)どういうおふたりなんですか? TakSan:大阪の、電子工作系とVR、MRとかのメタバースが混ざったようなサークルで知り合いました。相方もハッカソン好きで、関西でハッカソン参加したら結構な確率で出会うという…。そのうち示し合わせて出たりするようになって。ハッカソン仲間ですね。 ──── いいですね。今回のハッカソンが始まって、「時計を隠しちゃえばいいじゃん」というアイディアに至るまでどのくらいかかったんですか? TakSan:結構直感ですぐに思いついたんです。「時間をわからなくしたい」というところから入った感じですね。わからなくする方法は色々あると思ったんけど、賞は人気投票で決まると聞いていたので、できるだけ参加者の誰にでもわかるように意識して考えました。それで、一番わかりやすいのは「隠す」かなって。 ──── 「投票」も念頭にあったんですね。わかりやすくて馬鹿馬鹿しくて最高でした。ウィンドウで隠すのがたまらない。きれいに隠せてなくてはみ出しちゃってるのも味があって(笑)。 ──── アイディアはすぐ決まって、開発にかかった時間はどのくらいだったんですか? TakSan:私も相方も仕事を持っていて、木曜日のオープニングイベントの後、そこから参加者たちがみんなバリバリに始めるとは思ってなかったんですよ。それで遅れを取ってるのはわかってたんですけど、仕事はしなきゃいけないのでとりあえず仕事して、金曜日の夜10時くらいから打ち合わせを始めました。実は相方を誘ったのも金曜日の朝だったんですけど。 ──── 金曜の夜10時からだったらもう24時間切ってますね、締切まで。 TakSan:そうですね。お互いハッカソン慣れはしてたので、「明日の朝までにこういうことをしておきましょうか」だけ打ち合わせて。 ──── 開発は2人で分担してやられたんですか? TakSan:一応分担はしたんですけど、やっぱり相方が忙しくて。時計を隠すということが果たしてできるかどうかも金曜日の時点ではわからなかったんです。とりあえずベースを作ろうということで、私の方が顔認識、相方が画像認識でポップアップの方法を探る、という分担で考え始めました。ざっくり調べてオープンCVかYOLOどっちを使うか朝までに調べましょう、みたいな。朝になって、顔認識でポップアップあげるところまでなんとかいけたんで、そっちに舵を切りました。 ──── 結局完成したのはどのくらいだったんですか? TakSan:何時頃だろう?本当にやばかったんですけど、時計を隠してたんで…。 (一同爆笑) ──── 時計隠してたらいつだかわかりませんよね(笑)。 TakSan:多分4時か4時半…。時間を忘れて没頭できたことが一番良かったですね(笑)。 ──── 楽しかったですか? TakSan:楽しかったです。本当に時間を忘れてやってた感じで。 ──── ちなみにハッカソンはよく参加されるんですか? TakSan:もう二桁いってるかな。12、3回は。相方の方はもっといってると思います。 ──── どんなハッカソンが楽しかったですか? TakSan:大阪であった、デジットハッカソンっていう、ハードウェア系で3週間ぐらいの長い期間でやったやつですね。デジットっていう電子部品屋さんが主催で、そこで使えるクーポン5000円分を資金にして電子工作系の作品を作るというものでした。 ──── ハード系も結構やられるんですか? TakSan:本職は組み込みのハード系なんです。実は今回使ったような画像認識とかは専門外でした。今回、ハード系でいくのか、ソフト系でいくのか、サービス系でいくのかっていうのはかなり迷ったんです。ここ1年半くらいはオンラインのハッカソンが多くて、得意のハード系で頑張って作っても、画面できちんと見せられないと失敗しちゃうんですね。だから画面でしっかり見られて、インパクトのあるものにしようと思いました。 ──── 確かにインパクトありましたね。間違いなかった。なんの実用性もないというところが最高。 TakSan:ありがとうございます。普段から実用性のないものを作ってるんで(笑)。 ──── 「ザ・ハッカソン」という感じの作品でした。他のファイナリストプレゼンを見て、ご自分のチームが最優秀賞になると思いましたか? TakSan:まさかくるとは思わなかったです。独創的なものが多くて、人数も多かったし。正直しくじったかなーと思いながらも、とりあえずやったことは頑張って発表しようと。 ──── 刺さってましたね。コメンテーター陣にも好評でした。 TakSan:先ほど「みんなにわかりやすく」にこだわったというお話しをしたんですけど、「なぜ時計を隠すことにしたのか?」とか、「なぜそうしたか?」を論理的に説明することに注力したので、それがちゃんと伝わってよかった。 ──── このタイトルはすぐに決まったんですか? TakSan:私が勝手に決めちゃいました。いつも作品に長い名前をつけてしまうんですよね。 ──── ProtoPediaを見ると結構長いタイトルが多いですね。「昭和育ちのおっさんたちは黒電話を携帯する夢を実現する」とか…。本当に技術の無駄遣いが多いんですね(笑)。 TakSan:基本的には無駄遣いですね。 ──── 昔から好きなんですか?無駄遣い。 TakSan:そうですね、コンテストやハッカソンに参加し出してからはそういうものばっかり作ってます。実用的な時計とかも作ってはいるんですけど、それはもう発表は全然してないですね。発表し甲斐がないというか。 ──── インスタで「映え」を気にするのと同じような感覚なんですかね(笑) TakSan:ああ、そういうかんじかもしれないですね(笑)。 ──── 本当に面白い。ふさわしい方が最優秀賞になってくれました。「ツクアソ」は、この8月にも予定してますのでぜひまた参加してください。 TakSan:楽しみにしています。 ──── ありがとうございました。
2022年2月17日から25日にかけて「第2回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)を開催しました。 好評のうちに終了した1回目から約3ヶ月、今回も多くの方々にご参加いただきました! 第2回のテーマは、オープニングイベント内で投票を実施。 決定したのはこちら! 開発期限はテーマ発表から48時間後の、2022年2月19日(土) 20:00。指定の応募フォームから作品を投稿し、その中から、運営にてファイナリストを選定します。 今回ファイナリストに選出されたのは、以下の23組。 1. GAME SAGASU KUN(うしおか) 2. 時を超えて…: いつでもオリンピック(610t) 3. ノンビリ動画TockTubeddit(インコーズ) 4. 家出時計(ひげだるま) 5. Let's Helper(Nao) 6. 時効(SGキャンプ一期生) 7. 懺悔室 - あなたの罪を告白してください -(KICKHOST) 8. のび太選手権(ひつじくらぶ) 9. CHRONO HACKER [ クロノ・ハッカー ](PULL UPS) 10. Wikipandom(Tamegai Haruka) 11. EGAO Meet Extension(👏👏👏) 12. かわりみミーティング(意識中くらい) 13. Atode(CJLC BOYS) 14. チートバーガー🍔(イケカタチーズバーガー) 15. ニクセン (かさ) 16. Time Piggy Bank(SHINKAI) 17. ドタキャンさん(ユニバック) 18. 「ちこちゃん」遅刻理由ジェネレーター(丑之日プロジェクト) 19. 時から解放されるには、そうだ時計を隠しちゃえばいい…( ハック無謀) 20. Hit Hit Hot−Fix(チーム fkuMnk) 21. ハッカソンジェネレータ(web-iot勉強会チーム) 22. Ushimitsu(Kakuu!路線) 23. timerelease(PiedPiper) ファイナリストたちは、2日後の2月25日(金)にプレゼン大会を開催。コメンテーターと参加者全員で視聴し、その場で投票を行いました。投票数が一番多かった作品が最優秀賞となります。 それぞれ1組2分30秒のプレゼンテーションと、特別ゲストとして以下の3名のコメンテーターによる講評が行われました。 ・株式会社ツクロア 秋葉秀樹さん ・株式会社ソニックガーデン 倉貫義人さん ・合同会社Have Fun Tech 曽根壮大さん 今回は前回の2倍以上の数のファイナリストが選出されましたが、どのチームも完成度が高く、またプレゼンテーションも非常に面白いものばかりでした! 結果発表 すべてのチームのプレゼンテーションが終わったら参加者全員によるオンライン投票が行われます。得票数が一番多いチームが最優秀賞となります。 ちなみに賞品はこちら。 最優秀賞:amazonギフト券10万円分 優秀賞:amazonギフト券5万円分 特別賞:作ったものにちなんだナニカ 学生賞:amazonギフト券1万円分 さて映えある最優秀賞は… ハック無謀さんによる「時から解放されるには、そうだ時計を隠しちゃえばいい・・・」でした! 「時計があるから時間に縛られてしまう→時計を隠して仕舞えばいい」という発想から生まれたアプリ。PC画面に映ったどんな時計も瞬時に徹底的に隠してくれる、というものでした。 コメンテーター倉貫さんのコメント「面白すぎる。力技で時計を隠すということに結構な技術を使っている。その馬鹿さ加減が最高。技術の無駄遣いというハッカソンの醍醐味を感じさせてくれました。」 次点となる優秀賞は、以下の3組でした。 意識中くらいさんの「かわりみミーティング」は、テレビ会議中の自分の映像をループ動画(かわりみ)に差し替えることができるというツール。chromeウェブストアで既に公開中だそうです。 コメンテーター秋葉さんのコメント「人数が少ないとかなりのチャレンジになる。バレたほうが逆に面白いので、そういうゲームに使うのも良いかも」 丑之日プロジェクトさんの「『ちこちゃん』遅刻理由ジェネレーター」は、遅刻の理由を選択するだけで、文章を作成して相手に送信してくれるというもの。LINEやTwitterと連携しているところが実用的で便利です。 コンメーター秋葉さんのコメント「webミーティングの遅刻の言い訳にも使いたいので、Slackに連携してくれると助かる。良いアイディアです」 ひげだるまさんの「家出時計」は、一定の無音状態を感知すると家出してしまう「時」を「分」が補ってなんとか時間表示するという斬新なもの。フリップを使ったプレゼン方法もユーモラスで好評でした。 コメンテーター曽根さんのコメント「発表方法も含めてアイディアが素晴らしい。本当に動くのかというライブのどきどき感もすごい」 優秀賞から外れた中から、さらに投票によって選ばれた特別賞と、学生として参加された方の中から選ばれた学生賞の二組は以下の通りです。 特別賞のユニバックさん「ドタキャンさん」は、参加者のモチベーションを測定して相対評価し、イベントをキャンセルするか否かを判定してくれるアプリ。言いにくいことをアプリが言ってくれるのは非常に便利ですね。 学生賞のCJLC BOYSさん「atode!」は、どんなコンテンツでもワンタップでブックマークしてまとめておくことができるアプリです。忙しい時に見つけてしまった気になるコンテンツを見逃さないで済む、シンプルだけど現代人のニーズに合っている、というところが評価されました。 * * * 前回に比べてぐっと参加者も増え、より一層の盛り上がりを見せてくれました。どの参加者もいきいきと「作る」ことを楽しんでくれていることがプレゼンテーションからも伝わり、非常に良い場になったと思っています。 今後も回を重ねていく予定ですので、ぜひまたみなさん遊びに来てください! コメンテーターの感想 前回よりまたアイディアもプレゼンもワンランクレベルが上がったなという印象がありました。ハッカソンの良さである、テクノロジーを使って面白いものを作るというところもいかんなく表現されていました。楽しい時間をありがとうございました。(曽根) 「やばいな」「くだらない」と言えるような「ツクアソ」であってほしいなと思っていたので、それにふさわしい良い作品がたくさんあってとても面白かったです。(秋葉) 「作るのが楽しい」という原点に立ち返るために始めた「ツクアソ」ですが、まさしく最高にくだらないものに全力で技術を使うことを楽しんでくれていたと思います。非常によかった。また次回にも腕を磨いて参加してください。(倉貫) 最後に、「遊ぶ」の「A」をみんなで掲げての記念撮影でした。お疲れ様でした! 謝辞と次回の予告 参加していただいたプログラマの皆さん、コメンテーターの皆さん、賞品提供に協賛していただいた株式会社ソニックガーデン様、ありがとうございました。 大変好評だったツクアソハッカソンは、次回2022年8月開催予定です。 以下をフォローして頂けるとお知らせします。お楽しみに! https://twitter.com/tsukuasohack
2021年8月20日から22日にかけて開催された「第1回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)。 「明日がちょっと楽しくなるサービス」をテーマに画期的な開発をしてくれた受賞者たちのインタビューを公開します! 学生として参加してくれた中から選ぶ「学生賞」。受賞したのは 「明日日記」を開発した立津尚也さんでした。 「明日日記」は、事前に明日のことを書いた文章を解析し、日記のポジティブ度を計算するシステムです。将来有望な学生として評価された立津尚也さんに、開発過程やご自分のことなどインタビューしました。 立津さんのプレゼンは 00:42:19〜 ──── 立津さんは現在大学生ということですが、普段はどんな勉強をされているんですか? 立津:武蔵野大学のデータサイエンス学部というところに所属しています。若干コンピューターサイエンスみたいなところもありまして、機械学習あたりがメインです。現在3年生なんですが、教えてもらうというよりは、自分で調べながら作るようなスタイルの授業です。提出物もいろんな形で求められるので勉強になってます。楽しい。 ──── すごくいいですね。ツクアソはどこで知ったんですか? 立津:web系の技術や機械学習なんかもある程度力がついてきたので、何か出たいなと思ってググりました。「ツクアソ」はその中でも特別年齢制限もないし、個人参加もOKだったので、初参加でもやりやすいかなと思って応募しました。 ──── 今回のテーマが発表された時、どう思いましたか? 立津:捉え方にも寄るな、と思ったんですが、直感的には「明日が楽しみ」だと予定系になるのかなー、と。 ──── すぐに着想したんですか? 立津:実は、エンジニアとは全然関係ない、幸せそうに生きてる人に電話したんです。 ──── 面白いですねそれ。 立津:年に2〜3回会うような人ですね。電話して、ハッカソンの話も一切しないで「どんなことを楽しみに生きてる?」って聞いてみました。 ──── いいアプローチですね。マーケティングからやってる。 立津:久しぶりに話す楽しみもありましたし。1時間くらいは自分で考えたんですけど、「楽しい」って人によって違うから、聞いてみないとわからないと思って電話しました。色々妄想できて良かったです。自分は結構おしゃべりな方なので、人と話してると2時間くらいはすぐ経っちゃうんですよね。 ──── じゃあ基本電話で、実際に作り始めたのはどのくらいでしたか? 立津:金曜(オープニング)から土曜にかけて寝ないで電話して、そこから2〜3時間寝て、提出ギリギリまで開発してました。ハマると2日くらいは寝ないでも大丈夫なので…。 ──── 素晴らしい。ハッカソンの理想的な過ごし方です。 立津:楽しかったです。 ──── なおやさんが1番最初の応募だったんですよね。締め切りよりだいぶ早い時間でした。 立津:実は日曜日に予定があったので、早めに応募したんです。何としても行きたかった。 ──── すごい。若さだ。元気だ。 立津:(笑) ──── できたものに対する満足度はどうですか? 立津:「もっとこうしたかった」というところばかりですね。ちょっとアイディア出しに時間を取られすぎてしまったので、開発にかけられた時間が1日弱と少なかったのが…。そこにもう少し時間取れたら、周りの作品と比べた時にデザインやUIXに工夫ができたなー、とか、授業でやった自然言語処理系を組み込めたらとも思ったし…その辺は若干後悔が残ります。 ──── 実際作ってみてどうでした? 立津:今までの自分の持てる技術は割と発揮できたかなと思っています。本来なら新しい技術を使おうかなとも思っていたんですが、時間なくなってしまったので…。でも2、3回しかやったことのないことを1日でちゃんと形にできたのは良かったです。あと、他の参加者の方々が本当にすごくて。そういうのが聞けたのも面白かったです。 ──── 次回もぜひ参加してくださいね。 立津:はい、是非。チーム開発もやってみたいです。 ──── お待ちしてます。どうもありがとうございました。
2021年8月20日から22日にかけて開催された「第1回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)。 「明日がちょっと楽しくなるサービス」をテーマに画期的な開発をしてくれた受賞者たちのインタビューを公開します! 今回は、特別賞を受賞したチーム「Teamカナッター」さんのインタビューです。 七夕のように願い事をアップしておき、それが叶ったときにシェアできるサービス「カナッター」。優秀賞から外れた中から、さらに投票によって選ばれました! Teamカナッターさんのプレゼンは 00:07:11〜 「Teamカナッター」メンバー 時田遼介(ときたりょうすけ)さん 植木宏(うえきひろし)さん 大橋一摩(おおはしかずま)さん ──── Teamカナッターさんはどういったチームですか? 時田:最初に私がツクアソに登録したんですけど、1人で出るのはつまらないと思って、同じ会社の植木さんと大橋さんに声をかけました。 ──── 最初にテーマを知った時どう思いましたか? 時田:難しいテーマだなと思いました。持ち帰ってすぐに3人でミーティングしたんですが全く決まらなくて…。言葉を分解して考えてみたりもしたんですけどうまくいかなくてたまたま会社にいた人に声をかけてアイディアをもらったりしました。 ──── そこからすぐにアイディアは出ましたか? 植木:そこからも1時間くらい出なくて、かなり迷走した末に何とか捻り出しました。技術的にも時間的にも見通しがついて、方向性も決まったので、そこからどう形にしていくかという話にシフトしました。 ──── ベースができてからはアイディアが盛り上がってきた? 時田:そうですね、名前まで決まって。 ──── 制作の過程はをざっくり教えてください。 植木:(オープニング)当日は話し合いで2時間ちょっとかかって、プロジェクト用意して少し作業して終わった感じですね。 大橋:1日目にざっくり基本となる動きは作ってしまって、そこからどれだけ(楽しく)見せられるかを2日目から極めていけるように盛り込んでいきました。 ──── 役割分担はどんな風にしたんですか? 植木:それぞれバラバラにやるのはちょっと想像つかなかったので、時間決めてzoom繋ぎっぱなしで共同編集しながら作りました。1人で書いてたらミスったりわからなくなったりするじゃないですか。そういう時に、ああじゃあここは僕が書いときます、みたいな感じで交代で。効率的にも感じました。 時田:僕も楽しかったです。見た目のこだわりがメインだったと思うんですけども、そこを共同編集で議論しながら進めていけたので。 大橋:普段他の人の開発風景を見ることのない立場で仕事しているんで、みんながどれくらいの速度感でやってるのかとかがわかって勉強になりました。得るものが多かった。 ──── 作品を提出した時の満足度を教えてください。 植木:要件としては、テキストを投稿するだけのありきたりなものなので、見た目の、短冊を裏返すアイディアとか、揺らすアニメーションだとか、ランダムにフォントが変わるだとか、そこに結構時間をかけました。あの形に落ち着くことができたので、僕は満足しています。 時田:そうですね、いい感じの動きが作れて「これは提出してもいいんじゃないか」と思えました。 大橋:流れ星だとか、短冊が揺れる感じだとか、言葉だけではイメージがつきづらかったんですけど、実際形になってみて「おおっ」と思いましたね。「完成!」と。 ──── 自分がイメージできないものが、ハッカソンで一緒に仕上げていけるのは良い経験ですよね。どうもありがとうございました。
2021年8月20日から22日にかけて開催された「第1回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)。 「明日がちょっと楽しくなるサービス」をテーマに画期的な開発をしてくれた受賞者たちのインタビューを公開します! 今回は、優秀賞を受賞したチーム「web-iot勉強会チーム」さん。 明日のビールのワンコインつまみを楽しく選ぶというコンセプトで、Amazonから500円以下のつまみを勝手に選んで自分に贈るサービス「サプライズつまみ」。楽しさもさることながら、ビジネス展開も視野に入れられそうな可能性が評価されました。 web-iot勉強会チームさんのプレゼンは 00:32:14〜 「web-iot勉強会チーム」メンバー 加藤さん 大場さん 熊谷さん ──── web-iot勉強会チームさんはどういったチームですか? 加藤:3人のエンジニアのチームというか、一緒に勉強している仲間ですね。「webとかIoTのブログ」っていうブログサイトを作ってまして、そこを中心にアウトプットをしているグループです。熊谷くんは大学時代のサークル仲間、大葉くんは親戚です。2人ともエンジニアを目指したいということだったんで、それなら一緒に切磋琢磨して勉強していこうよ、という感じで始まりました。 ──── 珍しい集まりですね。普段はどのような活動をしているんですか? 加藤:毎週火曜日にみんなで時間決めて集まって、テーマを決めて話し合っています。最近は勉強会というか、この「サプライズつまみ」を本気でプロジェクト化しようとしているので、その話ばかりで「勉強会」という形ではなくなっちゃってますが…。 ──── そんなきっかけになって嬉しいです。「ツクアソ」についてはどこで知ったんですか? 加藤:会社で誰かが「こんなイベントがあるぞ」って言ってて、そこからですね。ちょうどハッカソンに参加したりして実績を積みたいと思っていたところだったので、すぐに申し込みました。 ──── オープニングでテーマを最初に聞いた時どう思いましたか? 加藤:戸惑いましたね。ぱっとは何も思いつかなくて。 ──── 「サプライズつまみ」のアイディアはどんな風に浮かんだんですか? 加藤:まず「明日楽しみだった体験って何だろう」と考えました。私、最近iPad Airを買ったんですよ。それが可愛くて仕方なくてケース買ったりペンシル買ったりそれに貼るラベル買ったりして。そういうものを今日注文したんだから今日は届かない。でも明日届く。それが楽しみだという話をしたら、熊谷がそれを発展させてくれました。我々は共通してビールが好きなので、「明日のビールを最高に美味くしてくれる何かがいいんじゃないか」と。じゃあそういうのを勝手に注文してくれたら楽しいね、みたいな感じで。 ──── 制作の過程やかかった時間を教えていただけますか? 加藤:アイディアが固まるまでは2時間くらいです。Slackで。その深夜には具体的にどうやったらいいか仕様を決め始めました。土日はまとめて時間取って、コードは私がほぼ書いてしまった感じですね。詰まると相談したり、探し物を頼んだりしながら…。本当は勝手に注文までしてしまうというところまでやりたかったんですが、どうしてもそれができなくて、そこで仕様を見直して日曜日に…。 ──── 締め切りの日の朝に「自動注文は無理だ」となったんですね。 加藤:そうです。本当はAPIを使ってパッケージ化したかったんですが、色々制約があって無理だなと思って、そうこうするうちに時間的に厳しくなってきて、間に合うようにしようと紆余曲折があって、あの形になりました。 ──── スクリプトでの応募でしたね。男らしくて良かったと思います(笑)。感銘を受けました。 加藤:そこに面白みを持っていただけたのは嬉しいです。「できることをやる」じゃなくて「面白いものを作りたい」と思ったんです。できなかったらできなかったでしょうがない、やろうとしていたことを大事にしようと。何かしら開発に関して話す場があると思ってたんで、そこで「本当はこういうことやろうとしていて、やろうとした結果できなかったよ」という話ができれば、聞いてる人の学びになるだろうと。正直これはちょっと失敗したなって思ってたんですけど、ずいぶん意外な評価をいただいて…。 ──── いや面白かったです本当に。ちなみにまだ開発を続けていらっしゃるとおっしゃってましたが、今後の展開はどうお考えですか? 加藤:はい、とりあえず商品を選ぶところをAPI化しようと思っています。あとは、アレクサを使って注文するところまでできたら。できるかはわからないんですけど、挑戦中ですね。 ──── じゃあ将来「アレクサ、いい感じのおつまみ入れて」が実現するかもしれないんですね。ぜひ頑張ってください。本日はありがとうございました。
2021年8月20日から22日にかけて開催された「第1回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)。 「明日がちょっと楽しくなるサービス」をテーマに画期的な開発をしてくれた受賞者たちのインタビューを公開します! 今回は、優秀賞を受賞したチーム「KICKHOST」さん。 送信したメッセージが24時間後に届くというアプリ「飛脚」を開発。手紙が届くのを待つ楽しみを再現し、受賞となりました。クオリティの高いプロモーションムービーでも楽しませてくれました。 KICKHOSTさんのプレゼンは 01:18:47〜 「KICKHOST」メンバー デザイナー:YOKIZO プログラマ:かっちゃん プログラマ:とっちー ──── KICKHOSTさんはどういったチームですか? KICKHOST:岡山を拠点に「それぞれのスキルを持ち寄り、アプリやサービスをスピーディーに創出し、利益を出す。」ことを目的として結成された、デベロッパーやデザイナーによるアライアンスチームです。集まっていろんなものを作る、サークルのような感じですね。 ──── 開発の過程について教えてください。 KICKHOST:お題が発表となった金曜日の夜のうちに方向性を決めました。土曜日は朝からひたすら動くものを開発し、土曜日の夜には8割完成していました。 今回メンバー3名のうち2名は、自宅から車で1時間くらいの海の近くのホテルに2泊3日で泊まりながら開発してきたのですが、最終の締め切りまで少し時間があったので、コンセプトムービーを撮影して作ったんです。アイデア出し→アプリ開発→コンセプト動画撮影→動画編集という順で進めて48時間でちゃんとできました。 ──── メッセージをただ送るだけじゃなく、読み上げてくれるんですよね。 そうです。ただの単純な24時間遅延するメッセージサービスになってしまうので…と一捻りして、CoeFontというサービス(https://coefont.cloud/)を使いました。人の声をフォントのように自由につかえて、自由なテキストをその人の声で喋らせることができます。 ──── 見事に優秀賞受賞でしたね。 KICKHOST:ありがとうございます。実はKICKHOSTは日本中の数々のハッカソンに参加していて、晩年優秀賞(2位)なんです。どうしても、現実的に動くものを想像してしまい、突拍子もないアイデアが出ないというのが課題だと感じています…。 ──── 参加してみていかがでしたか? 最優秀賞の「Negotop」のアイディアが素晴らしかった。完成度も高かったですね。外部のハッカソンは久しぶりでしたが、すごく楽しかったし、いつもと違う環境でただただモノを作るのは楽しいと再認識しました。 ──── ありがとうございました。
2021年8月20日から22日にかけて開催された「第1回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)。 「明日がちょっと楽しくなるサービス」をテーマに画期的な開発をしてくれた受賞者たちのインタビューを公開します! 今回は、映えある最優秀賞を受賞したチーム「PiedPiper」の3名によるインタビュー。 昨日の夜の寝言をラップ形式の音楽に変換して目覚まし音にしてくれるというユニークなアプリを開発した彼ら。開発の様子やチームの成り立ちなどお聞きしました。 PiedPiperさんのプレゼンは 00:53:05〜 「PiedPiper」メンバー 吉田早希(よしださき)さん 近藤里俊(こんどうりしゅん)さん 髙尾凌我(たかおりょうが)さん ──── 3名とも社会人1年目のチームだそうですね。どのような繋がりで今回チームを組んだんですか? 高尾:僕と近藤が学生の頃からのハッカソン仲間です。いつもは別の2人と4人組で出ていたんですが、今回残りの2人の都合が悪いということで、新しくメンバーを探したんです。そこで僕の同期の吉田さんがハッカソンに興味があると申し出てくれて、この3人のチームに落ち着きました。 ──── そもそもこのハッカソンのことはどこで知りましたか? 近藤:この前の週にも別のハッカソンに出ていて、次を物色していたらハッカソンのまとめサイトに掲載されていて、面白そうだなと。 ──── チーム名の「PiedPiper」というのはどこから付けたんですか? 高尾:「シリコンバレー」という海外ドラマから…。IT企業の話で、主人公たちが所属する会社名が「PiedPier」だったんです。みんな観ていたので、「これでいいよね」と。 ──── (笑) ──── 今回のハッカソンのテーマ「明日がちょっと楽しくなるサービス」でしたが、最初に発表になった時どう思いましたか? 高尾:そうですね、シンプルに難しいな、いろんな考え方が出来るテーマだなと思いました。その前に参加したハッカソンのテーマがかなり具体的だったので、余計に難しさを感じたというか…。 ──── 制作の過程を具体的にお聞かせいただけますか? 高尾:オープニング(テーマ発表のイベント)が終わってからすぐに3人集まってアイディアを出し合いました。ただその日は出し合うだけで、一旦寝てから朝改めて詰めようということにして解散して、本格的に決めたのは次の日の朝からです。夜のテンションで決めるのはまずいって話になったので(笑) ──── 「Negotop」はどなたのアイディアが元になっているんですか? 近藤:僕が音楽系のプロダクトが好きなんです。以前にも貧乏ゆすりが始まるとそのビートに合わせてラップがはじまるみたいなプロダクトを作りたいというアイディアを出していたので、そのあたりから着想しました。 ──── すごい、天才的な発想です(笑)。そのアイディアはすぐに出てきましたか? 近藤:すぐではないですね。夜はずっとオンラインでミーティングして、やっと捻り出した感じでした。 ──── 他にも面白そうなものがたくさん出てますね。ここから時間がかかった? 近藤:そうですね、日付変わっても話してて、3〜4時間は話したと思います。「今日を楽しくする」だと浮かびやすいんですけど、「明日」っていうのが難しくて。明日を楽しくするために今日をつまらなくする、という発想も出ました(笑)。 ──── だいぶ迷走もしたんですね。 近藤:「明日」には「前日」が関わってくる、必ず明日の前に寝るじゃないですか。そこから睡眠時間が出てきて。最初は寝言じゃなくて寝相について考えていたんです。でも寝返りよりも寝言の方がいいんじゃないか、じゃあ寝言だけとってきてラップにしようって話になって。それだけだとつまらないんでそれを目覚まし音にすると面白いんじゃないか…という風に進みました。 ──── 決まった日に寝言を録音したりしてみました? 近藤:しました。吉田さんが既存のアプリを教えてくれて。 吉田:でも誰も寝言を言ってなかったんですよね(笑)。 ──── (笑) 近藤:その時点ではもうデザインも一応考え始めていました。僕と吉田さんで。 ──── 3人の役割分担はどんな感じだったんですか? 近藤:僕と吉田さんがフロント兼デザイナーみたいなところで…。 高尾:僕がインフラ系とバックを担当しました。 ──── 役割の負担ってどうしても均等にならないと思いますがその辺りは? 高尾:そうは言っても、近藤が以前軽く作っていたものがあったり、外部記事から知識引っ張ってきたりしていたのでそんなには…。 吉田:今回私だけハッカソン初参加だったんです。それに対して高尾くんと近藤くんは慣れもあり、知識もあり、どうしても私がお手伝いさせてもらうみたいな部分が多かったので、まあ均等ではなかったですね。 ──── 本格的に作り出したのはまた次の日から? 高尾:そうです。zoomを繋ぎっぱなしにして、それぞれがやれることを各自やりつつ丸一日…もう本当にギリギリまで作ってました。 ──── この作品が最後の応募でした。ギリギリまで作り込んで、思うところまでできましたか? 近藤:最初に設定した、マストの最低ラインまではできたかなって思ってます。 ──── 応募した時の手応えは? 高尾:できた瞬間には、ああこれは入賞は確実だろうなとは思いました。正直なこと言うと、応募した瞬間は「これトップだろ」って3人全員が思ったんですけど、飛脚(優秀賞 KICKHOST制作『飛脚』)の発表見た時に「これどっちだろうな」って話はしてました。 近藤:すごい良かったよねあれ。 ──── 結果最優秀賞でしたね。改めておめでとうございます。プレゼンのクオリティも高かったと思いました。あれはどなたが? 吉田:プレゼンしたのは私なんですけど、全員で作りました。コメントも盛り上がっててすごく嬉しかった。 ──── 吉田さんは初めてのハッカソンどうでした? 吉田:楽しみながら参加させてもらえてありがたかったです。正直ハッカソンは、全然眠れなかったり意見が対立したりしてもっとピリピリしてるイメージがあったので…。でも「ツクアソ」ではそんなことはなく。雰囲気もよかったですし睡眠も取れましたし(笑)。 ──── 次回もぜひご参加いただきたいです。持ち前のユニークなアイディアで。 近藤:しょうもないアイディアめっちゃ出しますよ、僕たちのチームは。2連覇する気持ちでぜひ参加したいです。 ──── ありがとうございました。
2021年8月20日から22日にかけて「第1回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)を開催しました。 ツクアソは、1日目の夕方に発表されたテーマに沿ったアプリを、3日目の夕方までの48時間で開発しきるハッカソンです。完全オンラインでの開催で、チームでも個人でも参加できます。 記念すべき第1回となる今回のテーマは「明日がちょっと楽しくなるサービス」です。 テーマ発表後、参加者の皆さんはアイデアを練り、プログラミングをしてアプリを仕上げていきます。3日目の夕方には実際に動く状態にして提出してもらいました。それで開発は終了です。 そして開催後から1週間後の8月27日に、プレゼン大会&表彰式が行われました。エントリーされた皆さんによるアプリのプレゼンテーションが行われて、視聴者による投票で賞が決まります。 今回は、以下の総勢9組のファイナリストによるプレゼン大会となりました。(ちなみに、発表順は実行委員長によるライブコーディングで作ったランダム順番プログラムによるものです。) 1.カナッター(Teamカナッターさん) 2.こどもチャット(hiroponさん) 3.サプライズつまみ(web-iot勉強会チームさん) 4.明日日記(なおやさん) 5.NEGOTOP(PiedPiperさん) 6.きのあり(mat_akiさん) 7.Fun Todo(萩原崇之さん) 8.飛脚(KICKHOSTさん) 9.ダジャレシステム(山本和久さん) それぞれ1組5分程度のプレゼンテーションと、特別ゲストとして以下の3名のコメンテーターによる講評が行われました。 ・株式会社ツクロア 秋葉秀樹さん ・株式会社ソニックガーデン 倉貫義人さん ・合同会社Have Fun Tech 曽根壮大さん 提出されたアプリとプレゼンテーションは、どのチームのアイデアも素晴らしく、アプリの完成度も高く、48時間でアイデア出しからプログラミングまで行ったとは思えないものばかりでした。 結果発表 すべてのチームのプレゼンテーションが終わったら投票タイムです。表彰式に参加された全員による投票で決まる公平な多数決による審査です。(なので、審査員ではなくコメンテーターなのです) 第1回の最優秀賞は、チーム「PiedPiper」による「Negotop」でした! Negotopは、昨日の夜の寝言をラップ形式の音楽に変換して目覚まし音にしてくれるアプリ。自分の寝言がどんなことを言っていて、それがどんな音楽になるのか、明日の朝が楽しみになります。 コメンテーター倉貫さんのコメント「明日を楽しくするというテーマから、寝言にいった発想が天才的でした。こういった自分で想定できない何かを出してくれるのは、明日をワクワクさせてくれますね。デザインも完成度も素晴らしかったです。」 PiedPiperチームは、全員が社会人1年目の3人組のチームだそうで、それも驚きで将来がとても楽しみです。 次点となる優秀賞は、以下の2組でした。 KICKHOSTチームの「飛脚」は、手紙が届くのを待つ楽しみを再現した、送信から24時間経ってからメッセージを届けられるアプリです。なんと気合の入ったムービーまで作ってくれました。 コメンテーター秋葉さんのコメント「ムービーに本気を感じました。田舎の母親に手紙を送るみたいに、メールだけじゃなくモノも送れたりすると、さらに待つ楽しみが増しそうです。」 web-iot勉強会チームの「サプライズつまみ」は、明日のビールのワンコインつまみを楽しく選ぶというコンセプトで、Amazonから500円以下のつまみを勝手に選んで自分に贈るサービスです。 コメンテーター曽根さんのコメント「アイデアがすごい良い。Amazonだけでなく楽天とかも対応としたり、おつまみ以外のお花とか、ビジネスとして展開できそうで可能性を感じました。」 優秀賞から外れた中から、さらに投票によって選ばれた特別賞と、学生として参加された方の中から選ばれた学生賞の二組は以下の通りです。 特別賞のカナッターは、七夕のように願い事をアップしておき、それが叶ったときにシェアできるサービスです。今回はトップバッターで発表してくれました。 学生賞の明日日記は、明日のことを事前に書いて、文章解析をして日記のポジティブ度を計算するシステムです。学生のうちから、ここまで開発できると将来有望ですね。 * * * 今回は最後には、投票による最優秀賞・優秀賞を決めましたが、表彰されるかどうか関係なく、どのチームどの参加者も、まずは作ることそのものを楽しんでくれているのが、プレゼンテーションから伝わってきました。 ある参加者は、自分が試したことのない新しい技術を試す場として参加し、ある参加者は、普段から解決したかった問題をハッカソンに絡めて解決する機会として参加していました。 参加の動機は、それぞれ違うけれど、誰もが作る過程を楽しんでくれているのは、ツクアソの「ツクってアソぶ」を体現してくれてるようでした。 実行委員長のコメント 参加者の皆さんが、プログラミングを純粋に楽しんでくれているのが伝わってとても嬉しかったです。私は、主催する立場だったので応募と発表はできませんでしたが、同じテーマ、同じ時間でプログラミングをして遊んでました。第2回では、主催者と参加者の立場を両立できるように運営方法を工夫したいなと思ってます(笑)。 謝辞と次回の予告 参加していただいたプログラマの皆さん、コメンテーターの皆さん、賞品提供に協賛していただいた株式会社ソニックガーデン様、ありがとうございました。 大変好評だったツクアソハッカソンは、次回2021年冬〜2022年の春にかけて開催予定です。 以下をフォローして頂けるとお知らせします。お楽しみに! https://twitter.com/tsukuasohack