• 「第10回ツクってアソぶハッカソン」を開催しました!

    第10回ツクってアソぶハッカソンのテーマは、「みたかAI!これが人類だ!」でした。 「AI対人間」という構図の作品が多く並ぶだろうと予想していたのですが、いい意味で裏切られました。サービス終了していくAIモデルを人間と同じように弔う葬儀アプリ、AIには絶対に勝てない「黒歴史」で戦うタワーディフェンス、人間の感性と想像力だけを持ち寄る展覧会──直接対決ではない角度から「人類らしさ」を切り出した作品が次々と登場し、テーマの解釈の幅を存分に楽しませてもらいました。 受賞者の皆さんからは「こじつけにならない形でテーマに沿わせるのが難しかった」という声も多く聞かれました。それでいて、AIを前提とした制作が当たり前になったことで、参加者全員の作品のクオリティが確実に上がってきていることを肌で感じた回でもありました。 今回のファイナリストは以下の25組! AI対戦型年齢予想アプリ(Seripro) これが人類の力だ!!-AIと一緒に納品中-(THG(TokyoHackGroup)) 論破AI!これが人類だ!(OWP) 人間には赦しが必要(お久しぶりです!) みたかAI!これが人類の感性と想像力だ!展(インアウト_青春comeback隊) ファーストペンギン(仏の顔も1度まで) にんげんを探せ!(まっつん) 生成会館 モデルの杜(Cookies) 私はロボットではありません(cheon) 寄り道マップ(創発推進チーム) 苦労人(Klaude.hi)(Team トレセン) 「WAGAMAMA」(チーム関西) 言い訳-1 GRAND PRIX!(Nakayama) 俺の黒歴史が強すぎてAIが泣いた件(MagicPoZ) 大丈夫は本当に大丈夫?(創発推進チーム) funk_body(ダンスサークル出身のたか) めっちゃAI、見えてる?(ビーバーズ・ハイブ) 響け!俺らのユーモア!(金曜日の晩ごはん) シュレディンガーの画像(notco) BIMBOW(Pied Piper) AIの言うことなんか聞くもんか株式会社(猫の好奇心は無限大) AIに ”ぎゃふん” と言わせてやった。(Takuta) Anti-Shortcut(T-gyu) TIMEWALK(あるっきー) たかがAI、されどAI。(株式会社ワンにゃん東南事務局) 結果発表 最優秀賞 ビーバーズ・ハイブ 作品名:めっちゃAI、見えてる? プロジェクションマッピングした机に3Dプリンタ製の人型フィギュアを隠し、AIの画像認識に見つかるかどうかを競うフィジカルな体験型作品。「人類がAIに勝つならフィジカルな場で」という発想から生まれました。 受賞者インタビュー① 最優秀賞 Beaver's Hive(齋藤)さん * * * 優秀賞 Cookies 作品名:生成会館 モデルの杜 ひっそりとサービス終了していくAIモデルを、人間と同じように葬儀を挙げて見送るアプリ。 受賞者インタビュー② 優秀賞 Cookies(kuma)さん * * * 優秀賞 まっつん 作品名:にんげんを探せ! 人間がAIのふりをして4体のAIに紛れ込み、捜査官役がその中から人間を見破る対戦ゲーム。どちらが勝っても人間の勝ち、という構図の作り方が光りました。 受賞者インタビュー③ 優秀賞 まっつんさん * * * 特別賞 MagicPoZ 作品名:俺の黒歴史が強すぎてAIが泣いた件 入力した黒歴史からキャラクターが生成される3Dタワーディフェンスゲーム。モデルもBGMも効果音も、タイプ音に至るまでローカルLLMと生成AIで一気通貫に作り込まれています。 受賞者インタビュー④ 特別賞 Mazic Poz(ヒラヤマ&いっぽ)さん * * * 学生賞 インアウト_青春comeback隊 作品名:みたかAI!これが人類の感性と想像力だ!展 限られた立体だけを使って作品を作り、展示・鑑賞できるオンライン展覧会。あえて自由度を絞ることで、その制限の中に感性と想像力を注ぎ込む設計になっています。 受賞者インタビュー⑤ 学生賞 インアウト_青春comeback隊(oba&iga)さん * * * 今回も全力で一緒に遊んでいただき、どうもありがとうございました。 みなさんおつかれさまでした! 最後に恒例の集合写真です。「遊ぶ」の「A」をみんなで掲げての記念撮影。 謝辞と次回の予告 節目の第10回も、参加者の皆さんとともに無事閉会することができました。皆さんいつも全力で遊んでいただき、運営一同大変うれしく思っています。 参加していただいたプログラマの皆さん、今回もありがとうございました! 次回は2027年2月頃に開催予定です。 以下をフォローして頂けるとお知らせします。お楽しみに! https://tsukuaso.connpass.com https://twitter.com/tsukuasohack

    2026.09.18
  • 「第10回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー⑤ 学生賞 インアウト_青春comeback隊さん

    ──── 学生賞おめでとうございます。まずは作った作品の紹介をプレゼンでは話せなかったこだわりポイントも含めてお願いします。 obaさん ありがとうございます。今回のテーマ「みたかAI!これが人類だ!」に対して、僕たちのチームは「みたかAI!これが人類の感性と想像力だ!」というテーマで作品を作りました。AIにはないだろうという部分として感性と想像力に着目して、それを作品として展示できる場所を作ろう、というコンセプトです。まだまだAIには負けないぞ、と示すような展覧会になるといいなという思いがあります。 ──── 入り口にパンフレットがあるのが印象的でした。 obaさん あそこは少しこだわっていて、縦長の冊子みたいな見た目にしています。コンセプトやテーマ、伝えたいことを書いて、鑑賞のポイントや体験会のご案内も載せました。実はレスポンシブ対応がうまくいっていないので、「PCでご参加くださいね」という案内もそこに書き足しています(笑)。 ──── ギャラリーやショーケースの部分でこだわった部分などありますか? obaさん エントランスの画面と、展示会のギャラリールームの画面があって、そこに作品が並びます。こだわりとしては無限スクロールを実装したことですね。一気に読み込むと重くなるのかなと思って、下に行ったら少しずつ増えていくようにしました。 気になる作品はクリックするとショーケースのページに飛んで、そこで作品に触れられます。操作は画面に書いていないんですが、左クリックで回転、右クリックで左右移動、マウスホイールで拡大縮小ができます。いろんな角度、いろんな距離から楽しめる展示ケースをイメージしました。 ──── 体験会では実際に作品を作れるんですよね。 obaさん はい。使える立体をこちらで限定していて、あえて自由度を減らしています。その制限の中に感性や想像力を注ぎ込んで作品にしよう、というのがチームで話し合ったところです。置ける範囲も縦横16に高さ16を加えた範囲に制限しています。 制限をなくすと、とんでもない作品が生まれることもあると思うんですけど、そういうのが出てしまうと、体験会で軽く触りたい人が逆に出しにくくなってしまうかな、という話をした記憶があります。 ──── 裏側で工夫されたところはありますか? obaさん データ量を軽くするために、作ったモデルを別のファイルに落とすのではなく、「どこに」「どの図形で」「何色で」という情報をひたすらJSONにまとめて、データベースに保存しています。そこが功を奏したというか、データベースの設計もシンプルになりましたし、読み込みのときにガタつかず、サッと表示される印象になりました。 ──── 作品を引き継げる機能もありましたね。 obaさん 途中から作れる機能ですね。引き継いだ場合は、どの作品を引き継いできたのかをショーケースにちゃんと明示するようにしています。ここはプレゼンでは言えていなかったところです。 ──── 継承元を変えると、引き継いだ側も変わるんでしょうか? obaさん そういうわけではなくて、その時点の構造をコピーして、そこにあれこれ触ったものを新しい作品として出す、というイメージです。図形が増えたり減ったりしたらJSONを書き換えて、新しいデータとしてデータベースに保存する流れになっています。 ──── 技術スタックは何を使われたんですか? obaさん ベースにThree.jsがあって、あとは基本的にバニラJSとHTML/CSSで全て構成しました。JSONをパースする関数を書いて、無理やり表示させている感じですね。インフラはCloudflare PagesとSupabaseです。 ──── 役割分担はどんな形でしたか? obaさん 初日にMVPを決めたあと、デプロイを2人ともやったことがなかったので、まず僕がインフラの方から始めました。Cloudflare Pagesを用意して、データベースが必要だとなったのでSupabaseを用意して、とりあえずHello Worldがページに乗るようにするところからですね。その間にigaさんには、メインのThree.jsでモデルを作れるようにするところを担当してもらいました。 igaさん 僕はHTMLとCSSが全くできなかったので、そこはobaさんに全部お任せして、僕はThree.jsとJSの方を触っていました。 ──── Three.jsは以前から触られていたんですか? igaさん いえ、初めてでした。ハッカソンのキックオフの金曜日にアイデアがだいたい決まっていたので、ノリで「ちょっとチュートリアルやってみるか」という感じでその日にやってみたんです。今回は四角とか丸とか、基本的な図形を扱っていたので、描画のあたりはチュートリアルの範囲に収まる感じでした。そこは自分で書いて、保存するロジックなどはAIに聞いて作りました。 ──── 意外とご自身で書かれた部分が多いんですね。 igaさん ベースだけ自分で書いて、理解できるようにしておいて、修正のところはAIに任せました。触ったのが1日とかなので、間違っていても何が間違っているか分からないんですよ。なので「これはこういう間違いなんだ」というのを聞いて、それを修正していく、という感じでしたね。なるべく理解できるようにはしていました。ハッカソンなので、本番で動かなくなったら怖いですし。 obaさん その観点だと、チームの中で僕がHTML/CSSを共有する時間も意外とありました。結局JavaScriptからDOMを操作する必要があったので、このタグ構造はこういう意味だよ、ここでこういうのを当てているよ、というのを共有していましたね。学びになりました。 ──── アイデアソンはどのくらいで決まったんですか? obaさん テーマ発表が終わってすぐ「とりあえず話しますか」と始めて、1時間くらいですね。AIも使いながら考えていて、最初は2Dのドット絵みたいな作品をAIで作るという案だったんです。意外とAIがいい感じのものを出してきて、これなら感性や想像力という観点からテーマにつなげられそうじゃない?と思って。そこにigaさんが「3Dにする」というアイデアを加えてくれて決まりました。 ──── 展示会というコンセプトは最初からあったんでしょうか。 obaさん 流れですね。最初は「3Dで作品を作って共有できたらいいよね」くらいでした。翌日に最低限この機能は乗せようという話をして、作っていく中で、展示会っぽくしたらもっと雰囲気が出るんじゃないか、アプリのコンセプトに寄せられるんじゃないか、と。やりたいことに対して、コンセプトやアプリの雰囲気が後付けで整っていった感じです。初日でおおよその機能が整って、「意外といけますね」という話をしていました。 ──── お二人はもともとお知り合いなんですか? obaさん 1年前くらいにSGキャンプに参加して、そのときに同じグループのメンバーだったんです。今回、久々になんとなくハッカソンに出たいなと思い始めて、誰かと出たいとなったときに、懐かしのメンバーがいるじゃないかと思って声をかけたら、都合が合うということで参加してくださいました。 ──── 他のチームの作品で印象に残っているものはありますか? obaさん お葬式のやつですね。作品そのものもそうですけど、プレゼンするときにガイドを装ってやろうという、プレゼンにもテーマを持たせていたところ。服装と背景まで整えてくるあの感じが、どうしても強く印象に残っています。 igaさん 僕もお葬式のアプリが印象的でした。今回このアプリの描画を担当していたので、その意味でも気になって。最初にチャットを打って棺が流れてくるところで終わるかと思いきや、バスの演出があって、そこからさらに続いていく。あの一連の流れが意外だったので、ずっとワクワクさせるような演出がよかったですね。 ──── 最後に、今後の予定を教えてください。 obaさん ハッカソンを見つけられたらまた出たいねという話をしています。もし見つけられなかったとしても、最近はこのアプリをもっと改修したいよねと話しているので、時間を合わせて作ったものを共有したり、一緒に何か一つ実装したりできたらいいなと思っています。 ──── 本日はありがとうございました!

    2026.07.30
  • 「第10回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー④ 特別賞 Mazic Pozさん

    ──── 特別賞おめでとうございます。まずは作品の概要を教えていただけますか? ヒラヤマさん ありがとうございます。今回のお題「みたかAI!これが人類だ!」は、実はかなり難しかったんです。AIと戦って勝つ、といっても力や賢さで勝つ方向だとあまり面白い作品にならない。じゃあ何なら人間が絶対に勝てるかと考えたときに、いっぽさんから「黒歴史」というワードが出てきて。人間の黒歴史にはAIは絶対に勝てないだろう、と(笑)。そこに僕らの強みである3Dモデリングと生成AIを掛け合わせて、ブラウザで動く3Dのタワーディフェンスゲームにしました。 ──── 「黒歴史」に行き着くまでは、どのくらい悩まれたんですか? ヒラヤマさん 2時間くらいですかね。いつもは30分〜1時間くらいで「それ面白いですね」って方向性が決まるので、2時間悩んだのは結構珍しいです。 いっぽさん AIだからAIが強いよね、という前提がある中で、そいつにどう勝つかというのは本当に難しかったですね。 ──── 前回は落選テーマの「マジ卍みやび」から発想されていましたよね。キーワードを起点にする作り方が多いんでしょうか。 ヒラヤマさん そうですね。前回は「雅」、今回は「黒歴史」。1つ軸になるワードが決まると、そこから一気に組み立てられる感じはあります。 いっぽさん 正直、テーマは何でもいいと思っているところもあって(笑)。ツクアソは技術で殴るハッカソンだと思っているので、どんなテーマでも持っていければ勝てるんじゃないか、というスタンスでずっとやってきました。 ──── 技術構成についても教えてください。 ヒラヤマさん 「SNSで漆黒の死神と名乗っていた」みたいな黒歴史を入力してもらうところから始まります。そこからOllamaとGemmaを使って、基本的にすべてローカルLLMでキャラクターの要素を抽出しています。あらかじめ18体ほどキャラクターを用意しておいて、入力された黒歴史に合うものを選ぶ仕組みです。3Dモデルも既製品を持ってきたわけではなく自分たちで生成していて、リギング(骨格入れ)もAIでやっています。それをThree.jsに載せてWeb上で動くゲームにしました。BGMも効果音も、クリア時に出てくるカードの画像も全部生成AIです。入力からエンディングまで一気通貫でAIが作っている、という形ですね。 ──── プレゼンでは伝えきれなかったこだわりポイントはありますか? ヒラヤマさん 音がとにかく細かいんですよ。黒歴史を入力するときのタイプ音まで生成しているので。 いっぽさん タイプ音を10秒くらいの尺でランダムに生成させて、それを一音一音切り出して、キーボードを打つたびにランダムに鳴らしています。効果音は10個以上ありますし、BGMもヒットポイントに応じて2曲を切り替えています。ゲームが終わったあとには、入力された黒歴史に応じた歌詞付きの曲がその場で生成されます。これも全部ローカルです。 ヒラヤマさん あとゲームバランスですね。タワーディフェンスとして、最初は簡単に倒せるけれど、途中からはちょっと頑張らないと倒せないレベル感にちゃんと調整されている。簡単に倒せたら面白くないので、そこはしっかり作り込まれていました。 ──── 2分のプレゼンでは紹介しきれなかった機能もあると伺いました。 ヒラヤマさん レイド戦ですね。URLに入ってもらえばみんなで同時に遊べて、参加者それぞれの黒歴史がボスへのダメージになるんです。これは2分の中で「今から全員入ってください」とやると、それだけでタイムオーバーになってしまうのでリスクが高すぎて紹介できませんでした。実はこっちがめちゃくちゃすごいんですけどね。 いっぽさん 中二病っぽいセリフを入れるほどダメージが上がる仕様になっています。時間があれば会場のみんなで叩いてほしかったですね。 ヒラヤマさん プロローグも作り込んでいて、スクロールすると映像が進んで、戻すと巻き戻る演出になっています。生成した動画をつなぎ合わせて作りました。ストーリーはAIが出したものをかなり自分で書き換えています。 ──── 2日間でそこまで作り切るのは相当な物量だと思うのですが、どう進めていたんですか? いっぽさん ちょうどワールドカップの時期だったのが良くて(笑)。AIにお願いすると2〜3時間くらいは延々と実装してくれるので、朝5時に起きてイシューを立てて「よろしく」と投げてから試合を見る。試合が終わる頃にはできあがっているのでレビューして、また寝る。それをずっと繰り返していた感じです。どれだけAIに自律して動いてもらえるようにするかがポイントだと思っています。 ヒラヤマさん 最終的にコードは4万行規模、イシューが200件くらい、プルリクエストは129件でした。TDDも入れているのでテストもちゃんと書いています。 いっぽさん イシューに目的とやることを細かく書いてから着手する形で、2人の担当はA/Bに分けています。今回はフロントとバックで切って、最初にお互いモックを作っておいて、分離した状態でも動作確認できるようにしました。作業が直列にならないように工夫する、というのは毎回やっていますね。 ヒラヤマさん 朝起きて開くと、いっぽさん側が異次元の進化をしていて「うおすげえ」となる。それが楽しかったです。 ──── お二人はもともと同じ会社の同僚なんですよね。 いっぽさん 同僚になったのは1年半くらい前ですね。ただ、僕らちゃんとエンジニアをやりだして1年くらいなんですよ。僕はもともと10年ほど生産技術で、工場の設備の工程設計をしていました。 ヒラヤマさん 僕は機械系の設計出身で、ソフトはまったくという感じでした。Gitの使い方も1年前まではちゃんと知らなかったんです。今回はイシューを作ってプルリクを出してマージして、というのをお互いポンポン回せたので、あらためて「Gitっていいな」と思いましたね。 ──── 他のチームの作品で印象に残っているものはありますか? いっぽさん 葬式のやつですね。あれは負けたかもな、と思いました。アイデアで言うとカメレオンの作品も、あれが出てきたらもう勝てないなと。技術の戦いじゃなくなっているというか。 ヒラヤマさん アイデアで圧倒的に差がついていましたよね。しかも3Dモデルをそのまま残して中で動かしていて、クオリティも高い。あれはすごかったです。 ──── 最後に、次回のツクアソに向けて一言お願いします! いっぽさん 今回は実はハードもいけたんですけど、今回の題材でハードをやってもちょっと違うよね、ということで、あえてソフトに寄せました。次回はハードもあった方が嬉しいですかね? ヒラヤマさん こだわりをたくさん詰め込めて、作っていて本当に楽しかったです。またぜひ参加させてください。 ──── 本日はありがとうございました!

    2026.07.30
  • 「第10回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー③ 優秀賞 まっつんさん

    ──── 優秀賞おめでとうございます。受賞は予想されていましたか? まっつんさん いや、取れないと思っていました(笑)。個人的に発表をミスしたなと思っていて、ライブデモにすればよかったなと。なのでびっくりしましたね。 ──── 発表は2分と短かったですものね。今日はたっぷり時間があるので、作品の紹介からお願いします。 まっつんさん 「人間を探せ」というゲームを作りました。プレイヤーはどちらも人間で、1対1、あるいは1対複数で、2つの陣営に分かれて勝負します。人間側はAIに化けて逃げる、捜査官側は人間を見破る、という形です。 まず捜査官が質問を書きます。その質問は、1人の人間と4体のAIに同じように投げられます。AIはそれぞれその質問に回答して、人間もAIのふりをして回答する。捜査官はその5つの回答を比較して、どれが人間かを見破ります。4体のAIの中にどれだけ紛れ込めるか、というゲームですね。 ──── 難易度の設定もありましたよね。 まっつんさん 「やさしい」「ふつう」「むずかしい」があるんですが、これは回答する側の人間に対して、「AIならこんなニュアンスや言葉遣いで答えるよ」という例がいくつ出るか、という違いです。2個出るもの、1個出るもの、なしで答えるもの、という形になっています。 ──── UIも音も世界観も、バランスがすごく取れていると思いました。参考にしたデザインはあるんですか? まっつんさん 参考というほどではないんですけど、警察ものというんですかね。KEEP OUTの文字と暗い夜の感じですね。捜査官と、それに追われる人間側、というイメージがまずあって、そこからブラッシュアップして今の形になりました。 実は最初はもっと素朴で、ゲームが淡々と流れていくだけだったんです。ゲームプレイとしては今と全く同じなんですけど、味気なさすぎてインパクトが全然残らないなと思って、世界観やUI/UX周りはだいぶ凝りました。 ──── 作り直そうと思ったきっかけは何だったんですか? まっつんさん 友人にテストプレイしてもらったときですね。今住んでいるのが寮なので、そこの友人3人にやってもらったんですけど、面白いとは言ってくれるものの、初めて触ったときの驚いている感じがなかったんですよ。「おお!」ではなく「面白いね」で終わる感じで。ハッカソンでは驚きの部分が大事だと思っていて、インパクトを残さないとダメだなと。これはまずいと思いました。 ──── リニューアル後の反応はいかがでしたか? まっつんさん 全然違いましたね。内容は同じなんですけど、最初のプレイの入り込みやすさが世界観のあるなしで全く違う。世界観って大事なんやな、と実感しました。 ──── 入り込ませるために、特にどこを意識されたんでしょう。 まっつんさん イントロ部分のストーリーですね。最初に設定を与えることで、自分は今から何をすればいいのかが分かってもらえるというか。遊び方だけ見ても分かるは分かるんですけど、一回プレイしないと分からないので、入り込めない感じがあったんです。 ──── 感情移入しやすくなる、ということですね。 まっつんさん おっしゃる通りです。「今から捜査官になって探さなきゃ」という気持ちになってもらえるかどうかが大きいと思います。 ──── 今回のテーマ「みたかAI!これが人類だ!」から、どうやって「人間を探せ」を思いついたんですか? まっつんさん 最初は、みんな同じだと思うんですけど、人間とAIを戦わせて人間が勝つというスタイルは考えました。ただ、どう転んでも人間の勝ちにしたかったんですよね。このゲームは人間対人間の構図なので、どちらが勝っても人間の勝ちなんです。比較対象がAIというだけで。純粋に対AIにすると、みんな被ってしまうなと思ったのもあります。 コンセプトが生まれたきっかけは、Xで「AI構文」のツイートがよく伸びているのを見たことですね。昔のChatGPTっぽい文体や絵文字をまとめた投稿がよくバズっているじゃないですか。それを見ていて、今のAIが出す文章はもうすごく人間に近いので、逆に人間の方がそっちに合わせることもできるな、と思ったんです。 ──── 今回はお一人での参加でしたよね。 まっつんさん 個人ですね。相方はClaudeです(笑)。あとはテストプレイしてくれた寮の友人たちですね。 ──── 3日間の時間配分はどんな感じでしたか? まっつんさん ずっと考えていたわけではないですが、アイデアに1日弱使って、それをもとにClaudeで作ってもらってV1ができたのが2日目。すぐ試してもらって「ちょっと違うな」となったので、3日目でもう一回再構築しました。1日弱が3つに分かれているイメージですね。 ──── 詰まったところはありますか? まっつんさん 回答のばらつかせ方ですね。ここはゲームプレイの重要な部分で、同じAIだったら全部同じ回答になってしまうんです。かつ、せっかく人間が答えるんだったら、回答する人間の側を有利にさせたかったので、モデルの選定とプロンプトの設定は苦労しました。 ──── モデルはどんな基準で選ばれたんですか? まっつんさん 最初はすごく賢いモデル、今ならFableとかを使いたかったんですけど、1プレイのコストがすごく高くて。ちゃんと世の中に出したいと思って作っていたので、そこも踏まえてやめました。 あとは、せっかくAIを4体も使えるのなら会社も分けたいなと思って、OpenAI、Google、Anthropicで分かれるようにしています。各社の違いが出るかもしれないというのは、こだわりの点ですね。ちょうどいいタイミングでSonnet 5が出てくれたので、賢さもコスパも良くて、そこはかなり救われました。なければOpusになっていたので。 ──── 裏側のプロンプトはどうされているんですか? まっつんさん 「一言で言うこと」と文字数の制限だけを入れて、前提などは全部なくしています。AIって前提から答えるので、それだと明らかにAIだと分かってしまうし、人間が紛れ込みにくいんです。1プレイのテンポも悪くなりますし、文字数が増えると打つ人も大変なので。今のちょうどいいスタイルにするのは結構苦労しました。 ──── AIが回答するまでのテンポもすごくスムーズだと感じました。 まっつんさん あそこは実は、思ったより速かったんですよね。回答前にAIが考えているフェーズがあるんですけど、本当はモデルごとに回答時間をばらつかせて「ちゃんと考えているんだな」と分かるようにしたかったんです。ただ想定より速かったので。まあ結果としていい感じになったので、これはこれで良かったかなと思っています。リアルタイムで考えているというのを分かってほしかったんですよね。 ──── 他のチームの作品で印象に残っているものはありますか? まっつんさん お葬式のやつですね。あれはやられました。今ってAIの移り変わりがすごく激しいじゃないですか。特に今年に入ってから、GPTがすごい、Claudeがすごいと、モデルがいっぱい出てはすぐ死んでいく。あれを追悼できるというのがいいですよね。発表もすごくて、世界観がしっかりしていました。そこまでやるか、と思いましたね。 ──── 普段からアプリを作られているんですか? まっつんさん 仕事は別なんですよ。ものづくりは3Dプリントとか、どちらかというとハードの方が多いですね。ただClaudeが出てきて、アプリがすごく簡単に作れるようになったのもありますし、ハードをやるにしてもアプリケーションが必要になったときは、UI/UXや世界観を一番大事にしています。そこを適当にやってしまうと、せっかく中身が良くても全部台無しになってしまうので。発表も含めて、見せる部分はしっかりしたいなという気持ちがあります。 ──── 画面の中の、紙をテープで貼ったような表現も素敵でした。あれはご自身のアイデアですか? まっつんさん あれはClaudeですね。ああいうUIは、こちらが伝えた世界観をすごく汲み取ってくれました。壁打ちしていく中で「こんなのどう?」といくつも提案してくるので、それに対して違う、違う、あ、これいい、という感じで自分で選んで採用していきました。ただ、大まかなところは最初に出してきたV1のままだったので、自分で指定しないとこの形にはならなかったですね。提案力もすごいなとびっくりしました。 ──── 最後に、作品について言い残したことがあれば。 まっつんさん このアプリは回答する側に重きが置かれていると思われがちなんですけど、実は質問を投げる側も大事なんです。質問もちゃんと考えるとゲームとして面白くなる。どちらも頭を使わないとダメだよ、というところは伝えたらよかったなと思っています。 紛れ込ませたいのであれば、自分が回答したい答えをAIにも言わせるように仕向けて、それと同じように出せばいい。そういう意味で、AIに寄せていく頭の使い方が大事なんですよね。 ──── 本日はありがとうございました!

    2026.07.30
  • 「第10回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー② 優秀賞 Cookiesさん

    ──── 優秀賞おめでとうございます。他の受賞者の方にも「印象に残った作品は?」と伺っているのですが、今のところ全員が「お葬式のやつ」と答えられています。 kumaさん 本当ですか(笑)。恐縮です。 ──── まずは作品の概要を教えていただけますか? kumaさん 普段ひっそりとサービス終了していくAIモデルたちを、人間と同じように葬儀を挙げて見送るアプリです。AIが自分一人ではできない体験をAIにさせよう、というコンセプトで作りました。 ナレーション付きで葬儀が進行していきます。「本日はGPT-4.5 Previewの葬儀に先立ちまして、故人とのお別れの時間でございます」というところから始まって、参列席には今をときめく現役のモデルたちが親族として並んでいます。 ──── 故人の紹介文がかなり作り込まれていますよね。 kumaさん GPT-4.5 Previewは「歴代最大級の体を持ちながら、物腰の柔らかい性格で、誰よりも人の話を聞くモデルだった」という紹介になっています。この紹介文は、実際にそのモデルを使っていた人のX(Twitter)の投稿をもとに作っていて、本当にそういう特徴だったのかを裏取りしています。惜しんでお別れをしている人の声をちゃんと拾っている、という形ですね。提供終了の経緯も、GPT-4.1の提供開始に伴って公開から4ヶ月半でAPI提供が終了した、というところまで入れています。 ──── 葬儀の流れそのものも本格的ですね。 kumaさん 地味に棺の中を覗く機能があったり、ご焼香で祭壇へ進んでいただいたりします。最後に「故人へ最後のプロンプトをお送りください」というところがあるんですが、ここは言葉にせず見送る、つまり空のまま送信することもちゃんと考慮しています。そのあと出棺して火葬場へ移送、お骨上げでお箸で骨壷へ納めていただく、という流れです。 終わると証明書がもらえて、画像として保存したりOS標準の共有機能でシェアしたりできます。戒名もちゃんと考えていて、モデル名にちなんだ字が入るようになっています。あと、発表では見せられなかったんですけど、「続きから参列する」機能もあるんですよ。 ──── アイデアソンはどんなふうに進んだんですか? kumaさん 社内で使っているSlackのようなツールで、2人で共同のブレストをしました。まず人間の負の面とプラスの面をどちらも考えるところから始めて、最初はマイナス方向で進めようと思っていたんです。でもプラスの面を考えたときに、肉体的な体験は他と被らなさそうだねという話になって、旅行、アウトドア、キャンプ、山登り、食事、スポーツといった候補が出てきました。 その中でチームメンバーがふと「葬式とかあるよね」と言って、「でもAIにはないよね」と。人間にしかない体験ってなんだろう、という話になっていったんですね。人間にとっての死は、AIにとってはサービス終了だよね、と。それを湿っぽくなりすぎない形でできたら面白いんじゃないか、というところから固まっていきました。 ──── AI自身にも聞いてみたそうですね。 kumaさん 「あなたが人間だったら何がしたいですか」「みんなが感じている感覚を感じてみてください」といったプロンプトも投げてみました。切り口をブレストしていたら出てきたので、それを掘っていったらこれになった、という感じです。 ──── アイデアソンにはどのくらいかかりましたか? kumaさん 土曜日には終わらなかったですね。題材さえ良ければ勝ちに行けるところがあると思っていたので、ハッカソンでデモ映えして、かつテーマに沿った要件をギリギリまで決めて、できる範囲で当日提出しようと。なので日曜に急いで実装しました。 ──── 技術スタックは何を使われたんですか? kumaさん 3DはThree.jsですね。あとはゴリゴリJavaScriptを書いています。歌はSuno AIで作りましたが、作詞は僕がちゃんとやりました。今週だけで4曲くらい作っているので、ほぼ作曲家です(笑)。技術選定自体は、ほぼAIありきで決めた感じですね。 ──── 開発の進め方も教えてください。 kumaさん プロンプトだけチームメンバーと共有して、あとはほぼ自動で開発してもらう形です。MVPはほぼ一発でできたと思います。そのあと、モデルの特徴で嘘を言っていないかといった細かいところをチェックして提出しました。 ──── そのプロンプト、かなり凝っていますね。 kumaさん 目指す世界観や品質の基準、作業の手順まで書いています。「こうしたい」という部分もAIが出してきているので、僕らはチェックをしたという感覚に近いですね。発表内容もシェアして、分かりにくいところがあれば「よく分からん」というフィードバックをもらっていました。 ──── 発表の構成も相当練られていた印象です。 kumaさん よく分からなさをある程度残しつつ、何を見せられているんだという気持ちになってもらう、というのは意識していました。実はデモが得意なチームメンバーが発表する予定だったんですが、事情があって僕が出ることになったので、緊張しながらやっていました。発表のイメージだけ共有してもらって、細かいところはこちらで決めた形です。 ──── 他のチームの作品で印象に残っているものはありますか? kumaさん 黒歴史のやつはすごかったですよね。Tripo AIでモデリングしたとおっしゃっていたと思うんですけど、僕も最近使ってみて、あんなに上手にはできないなと思って。かなりこだわってキャラクターを作られたんだろうな、というのが気になりました。クオリティでは勝てないな、と思いましたね。 ──── 今回参加されてみて、今後のハッカソンの戦い方みたいなところで感じたことはありますか? kumaさん 今回はテーマが結構難しかった気がしていて。こじつけ感なく自然にテーマに合ったものを作るのは、なかなか難しいですよね。しかもハッカソンで勝ちに行くとなると、デモ映えするとか、すごいと思ってもらうといった要件も乗ってくるので。 ただ個人的には、さっきのお葬式のアイデアも、出した本人はそこまでいいと思っていなかったんです。それが話していくうちに、2人で深掘りすると面白くできるかもしれない、という可能性を見出せた感覚があって。難しいお題のときこそ、チームで参加すると助けてもらえるのかなと思いました。 もうみんなAIを使っている前提なので、出来上がるもののクオリティは全体的に高いんですよね。だからこそ、何を作るかの勝負になりそうな気がしています。 ──── 最後に、次回のツクアソに向けて一言お願いします! kumaさん ぜひ参加させてください。 ──── 本日はありがとうございました!

    2026.07.30
  • 「第10回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー① 最優秀賞 Beaver's Hiveさん

    ──── 最優秀賞おめでとうございます。まずは作品の概要を教えていただけますか? 齋藤さん ありがとうございます。今回作ったのは「めっちゃAI見てる」という作品です。もともとの着想は、巷で流行っている「めっちゃカメレオン」というゲームで、自分でも遊んだりしていたんですね。それを今回のテーマ「みたかAI!これが人類だ!」にかぶせて、AIと勝負して人間が勝てるかどうかを試せるものにしました。 遊び方はシンプルで、プロジェクションマッピングした机の中に、3Dプリンターで作った人型のフィギュアを隠すというものです。フィギュアが白いので、上から映像が投影されると本当に見えなくなるんですよ。それをChatGPTのVLMが検知できるかどうかをAIと競います。上に取り付けたカメラから画像を取り込んで、どこに人型が隠れているかをChatGPTに当ててもらう。1回目は見つかってしまっても、2回目に人の目でもパッと分かりにくいところにきれいに隠せると、見つからない。「これが人間の価値だ」という遊び方ができるものになっています。 ──── 最初からリアルな体験型にするつもりだったんでしょうか? 齋藤さん 最初はソフトの中、コンピューター内で完結させることも考えたんですけれども、ハードウェアを絡めたいというのがもともとあったのと、人類がAIに勝つのであればフィジカルな場で勝たなければ、というのもあって。それならリアルな場で体験して遊べるものにできないかな、というのがきっかけになっています。 ──── なぜハードに挑戦しようと思われたんですか? 齋藤さん 前回参加させていただいたときに、ハード寄りのアイデアを持ってこられている方が結構いらっしゃって、そういうのも受け入れていただけるハッカソンなんだと分かったので、いつかここでハードに挑戦したいなというのが前々からありました。 あとは正直なところ、最近はClaudeやCodexがだいぶ優秀になってきて、ソフト面での「すごさ」の差別化が難しくなってきたなというのはあります。前回出した「フォーマルジェン」という、写真を撮って証明写真風にするアプリは、当時はディープフェイク的な技術要素もあって面白がっていただけたんですけど、今見るとChatGPTに写真を撮って投げればできてしまう世界になってしまったので。 ──── 仕組みの部分で、一番苦労されたところはどこですか? 齋藤さん 超短焦点プロジェクターで机の上に映像を投影して、その上にカメラを取り付けている、という仕組み自体はシンプルなんです。ただ、投影されている場所とカメラで撮った画像の位置をきれいに合わせないといけないので、キャリブレーションの仕組みを入れていて、台形補正も入れています。この位置合わせを本当に一致させるのが、一番大変でしたね。 ──── どのあたりが難しかったのでしょう? 齋藤さん 技術的な難しさもありつつ、一番大きかったのはデバッグです。CodexやClaude Codeを使っていると、PC内で完結する話ならデバッグまでやってくれるんですけど、フィジカルな要素が出てくるとエージェントにはどうにもできないんですよ。「これは向きが間違っているな」とか、コードを見て「全然違う変換をしているな」とか、そこは自分で見て気づくしかない。リアルの状況をどう伝えるかが難しかったですね。 具体的な例だと、最初にエージェントが出してきたのは「画像内で台形を検知して変形する」というやり方だったんです。でも実際の画像にはいろんなものが映り込んでしまって、台形が全然検知できない。なので、こちらからマウスカーソルで「四隅はここだよ」と座標を指定して変換する方式に変えました。エージェントはきれいな環境であることを想定して作ってくるんですけど、実際のリアルは結構汚いぞ、という。 ──── 市販のプロジェクターだと自動で補正してくれますよね。あれは自分で実装しようとすると難しいものなんですね。 齋藤さん 製品の場合は部屋が暗くて映像だけがくっきり見えている環境が想定されているのと、カメラと投影側の位置関係がもう固定されているので、キャリブレーションがしやすいんです。今回は完全にこちらで後付けしたカメラなので、そのままファームウェアで済むようなものではなく、自分で実装してあげる必要がありました。 ──── アイデア出しと制作は、それぞれどのくらいかけたんですか? 齋藤さん 実はアイデアを考えていた時間がすごく長くて、制作自体は応募締め切りの日曜日に着手して、日曜日に仕上げました。それまではずっとAIと壁打ちしながら、いろいろ考えては「なんか違うな」を繰り返していた感じです。ソフトの中でプロトタイプも作ってはみたんですけど、あんまり面白くないな、と。AIの性能を試すとか、人間とAIの差をうまく出すとか、いろんな観点で考えたんですが、キャッチーじゃなかったのでボツにしました。 ──── 「めっちゃカメレオン」は、どこで降ってきたんですか? 齋藤さん 急に降ってきましたね(笑)。YouTubeショートでその手の動画がよく流れてくるので、これもしかしていけるんじゃないかと。 ──── ハードの調達は大変ではなかったですか? 齋藤さん プロジェクターをもともと持っていたのが大きいですね。壁にプロジェクションマッピングしたいなと思ってメルカリで中古を買っていたんですけど、そのまま眠っていたものを引っ張り出してきました。カメラもただのUSBカメラで手持ちのものですし、人型のフィギュアもパパッとモデリングして3Dプリンターで15分くらいで出力できるので、ハードとはいえ準備自体にはそんなに時間はかかっていないです。 ──── 昔からハードも触られていたんですか? 齋藤さん そうですね。ロボットを作ったりするのが好きで、学生の頃からものづくり系のサークルに入っていました。仕事は結構ソフト寄りなんですけど、ハード寄りのことをやりたいというのはずっとありましたね。 ──── 普段はチームで活動されているんですよね。 齋藤さん Beaver's Hiveという名前で活動していて、今回はほぼ一人でやったんですけど、他のハッカソンやコンテストにはチームで参加することが多いです。メンバーは昔からの知り合いが多いですね。最近だと、ブラックサンダーのハッカソン「ブラッカソン」で最優秀賞をいただいたりもしました。 ──── 発表を拝見していて、オーディエンスをすごく意識されている印象を受けました。 齋藤さん やっぱり楽しんでもらいたいというのはありますね。「そういう発想があったか」とか、「技術的にこういうのも面白いよね」と感じてもらいたいというのは、いつも考えています。 ──── 他の受賞チームの方にもインタビューさせていただいたのですが、「あのアイデアは思いつかない」とおっしゃっていましたよ。他のチームの作品で印象に残っているものはありますか? 齋藤さん ありがとうございます(笑)。一番印象に残っているのはやっぱり葬式のやつですね。あれはちょっとびっくりしました。その発想は本当になかったなと。でも確かに毎回モデルは死んでいってるな、という納得感もあって。 ──── 最後に、次回のツクアソに向けて一言お願いします! 齋藤さん ぜひ参加させていただきます。次回はチームのメンバーとも一緒に出られたらと思っています。 ──── 本日はありがとうございました!

    2026.07.30
  • 「第9回ツクってアソぶハッカソン」を開催しました!

    第9回ツクってアソぶハッカソンのテーマは、「〇〇だけじゃだめですか?」でした。 参加者からは自由度が高すぎてアイデアを絞りづらいという声もありました。しかし、その広い解釈の幅を活かし、参加者の皆様から独創的な作品が寄せられました! 今回のファイナリストは以下の14組! 飛車角だけじゃだめですか?(sf) 中学英語だけじゃダメですか?(うえっきー) 愛情だけじゃだめですか?(ハッカソンラバーズ) ぐーたらだけじゃだめですか?(CCNA勉強中) 風邪引くだけじゃだめですか?(CCNA勉強中) 表情だけじゃだめですか?(テントサウナ) 単語だけじゃ、だめですか?(Nobo) スライムだけじゃだめですか?(ごく普通のプログラマー) Tabキーだけじゃだめですか?(おでんの会) そうめんだけじゃダメですか?(チームKTN) 雅なだけじゃだめですか?〜雅協奏楽団 未来音(みらいね)〜(The Overfitters) ○○だけじゃだめですか?(金曜日の晩ごはん) 気が付いたらツクアソの応募締め切り迫っていたので、ハッカソン向けの製作は残り2時間だけじゃだめですか?(TakSan) 係員だけじゃだめですか?(丑之日プロジェクト) 結果発表 最優秀賞 The Overfitters 作品名:雅なだけじゃだめですか?〜雅協奏楽団 未来音(みらいね)〜 受賞者インタビュー① 最優秀賞 The Overfitters(ヒラヤマ&いっぽ)さん * * * 優秀賞 おでんの会 作品名:Tabキーだけじゃだめですか? 受賞者インタビュー② 優秀賞 おでんの会(おでん&ザッカー&さとしょー)さん * * * 優秀賞 テントサウナ 作品名:表情だけじゃだめですか? 受賞者インタビュー③ 優秀賞 テントサウナ(やっぷ&マッキー&たじ&セージ)さん * * * 特別賞 チームKTN 作品名:そうめんだけじゃダメですか? 受賞者インタビュー④ 特別賞 チームKTN (このみ&こち&naka)さん * * * 学生賞 金曜日の晩ごはん 作品名:〇〇だけじゃだめですか? 受賞者インタビュー⑤ 学生賞 金曜日の晩ごはん(フルイチ&クオ)さん * * * 今回も全力で一緒に遊んでいただき、どうもありがとうございました。 みなさんおつかれさまでした! 最後に恒例の集合写真です。「遊ぶ」の「A」をみんなで掲げての記念撮影。 謝辞と次回の予告 第9回も、参加者の皆さんとともに無事閉会することができました。皆さんいつも全力で遊んでいただき、運営一同大変うれしく思っています。 参加していただいたプログラマの皆さん、今回もありがとうございました! 次回は2026年2月開催予定です。 以下をフォローして頂けるとお知らせします。お楽しみに! https://tsukuaso.connpass.com https://twitter.com/tsukuasohack

    2025.10.10
  • 「第9回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー⑤ 学生賞 金曜日の晩ごはん(フルイチ&クオ)さん

    ──── 学生賞受賞おめでとうございます!まずはアプリの概要を教えていただけますか? フルイチさん: ありがとうございます。このゲームは「〇〇だけじゃダメですか?」というテーマで作りました。タイトルもそのままです。内容は、ボールを転がして右端のゴールまで持っていけばクリアというシンプルなものです。特徴的なのは、何もしなくてもクリアできるという点です。 ──── 何もしなくてもクリアできる、ですか? フルイチさん: はい。ただ、何もしないとスコアが低いままなんです。このゲームの本当の目的は、ステージ上に自分でギミックを配置して、ボールをたくさんギミックに触れさせてハイスコアを目指すことです。ボールがギミックに触れた回数がそのまま得点になります。何もしなくてもクリアできるのに、あえて手を加えてハイスコアを目指すか、それはプレイヤー次第。「やりたいならやれば」というスタンスのゲームになっています。 ──── テーマ「〇〇だけじゃダメですか?」から、この作品を思いつくまでの経緯を教えていただけますか? フルイチさん: テーマが「〇〇」の部分に何でも入ってしまうので、広すぎて逆に作りづらいと感じました。そこで、もう「〇〇(まるまる)」のまま行こうと決めて、ボールが転がるシンプルなゲームデザインになりました。 「だけじゃダメ」という要素は、「何もしなくてもクリアできるけど、手を加えることでクリアできなくなってしまうこともある」という点に込めました。ギミックの配置を考えないと、ボールが途中で止まったり、コースの外に飛んで行ってしまったりしてクリアできなくなります。その「余計な行動、本当にいるの?」という問いかけが、僕たちの考える「だけじゃダメですか?」というテーマの表現です。 ──── 今回はおふたりでの開発だったということですが、役割分担はどんな感じでしたか? クオさん: 企画段階では2人で意見を出し合いましたが、開発になるとフルイチ君が優秀で…。 フルイチさん:いやいや(笑)。 クオさん: 作業の分担は2対8くらいの割合でした。 フルイチ: 僕たちは普段から2人でゲームを作ることが多く、サウンドやUIなど機能ごとに役割分担するスタイルです。今回は、見た目や仕様のデザインを僕が主導し、それを動かすプログラムを2人で分担して書く、という形でした。 ──── 発表では伝えきれなかったこだわりポイントがあれば教えてください。 クオさん: クリア後の演出に一番時間をかけました。**この演出から逆算してゲームを作ったと言っても過言ではありません。 フルイチ:「こういう形で終わらせたいよね」という理想が最初にあって、そこから「そのためにはボールを転がさないと」というようにアイデアが派生していきました。ピタゴラスイッチの最後に番組名が出るようなイメージで、このゲームではボールが転がった先に「〇〇だけじゃダメですか?」というタイトルが現れる演出になっています。 ──── あの演出はとても印象的でした。技術的にはどうやって実現しているのですか? クオさん: 実は、ゲーム画面で転がっているボールと、演出画面に出てくる2つのボールは別物なんです。 フルイチさん: ゲームステージの横に演出用のスペースを用意しておいて、クリアした瞬間にカメラをスムーズに横移動させています。カメラを動かすことで、ボールが切り替わったことや速度の変化に気づきにくくしているのが工夫した点ですね。 ──── 音にも統一感があって素敵だと感じました。 フルイチさん:ありがとうございます。音はこだわった部分で、2人の中で「木の音」という共通イメージがありました。ガレージバンドを使って、マリンバやグロッケン、カスタネットなどの楽器の単音を収録して使っています。 クオさん: フリー素材の音だと、どうしても「フリーっぽい」感じが出てしまいますが、自分たちで音を作ることで、ゲームの世界観に合った、少し高級感のある音になったかなと思います。 ──── 開発で使われた技術についてもう少し教えていただけますか? フルイチさん: ゲーム自体はUnityで制作しました。UIなどのデザインは全てAdobeのIllustratorで自作しています。また、クリア演出のアニメーションは、まずAfter Effectsで試作をおこない、その動きを参考にUnity上で再現するという手順で作成しました。試作の段階でアニメーションのタイミングなどを調整しやすくするためです。 ──── 最後に、次回のツクアソ参加への意気込みをお願いします! (※編集注:次回のツクアソは2月か3月頃に開催予定です。) フルイチさん、クオさん:(うなずく)次も頑張ります! ──── またのご参加をお待ちしております。本日はありがとうございました!

    2025.10.03
  • 「第9回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー④ 特別賞 チームKTN (このみ&こち&naka)さん

    ──── 特別賞おめでとうございます!まずはアプリの概要を教えていただけますか? このみさん: ありがとうございます。このアプリは、夏休みにそうめんだけで乗り切りたいお母さんが主人公のゲームです。ユーザーはお母さんになりきって、子どもにご飯をあげていきます。そうめんをあげた回数がスコアになるのですが、あげすぎると子どもが不機嫌になってゲームオーバーになるので、おにぎりやハンバーグをあげてバランスを取っていく、という内容です。 ──── テーマ「〇〇だけじゃダメですか?」から、この作品を思いつくまでの経緯を教えていただけますか? このみさん: テーマが発表されてからチームで集まって、それぞれ15分くらい考えて案を出し合いました。テーマが難しかったのですが、季節感もあって「そうめんだけじゃダメですか?」という響きが面白く、絶対に他のチームと被らないだろうと思ってこれに決めました。ちょうど直近で、みつかんさんのそうめんに関する投稿が炎上したこともあり、その話題性も生かせそうだと思いました。 こちさん:インパクトがありましたよね。 このみさん: 他のアイデアとして、瞬きをモールス信号にしてコミュニケーションをとるゲームなども考えました。 ──── このアイデアはどなたが考えられたのですか? こちさん:このみさんです。僕は他の人でも出そうなアイデアばかりだったので、想像もつかないようなものが出てきてすごいなと思いました。 ──── 今回は3人での開発だったとのことですが、役割分担はどんな感じでしたか? こちさん:僕がバックエンド、このみさんがフロント、そしてインタビューには参加できなかったnakaさんが全体を統括する役割でした。 このみさん: nakaさんはどちらもできる方です。 ──── プレゼンでは伝えきれなかったこだわりポイントがあれば教えてください。 このみさん: ゲームのビジュアルに力を入れました。背景やおにぎり、そうめんのイラスト、そして笑ったり、すねたり、泣いたりする3パターンの男の子の動画もAIで生成したんです。特に男の子の動画は、ジェミニの動画生成モデル「Veo」を使ったのですが、1日に3回までしか使えないという制約があったので、1発勝負で生成しました。 こちさん:ランキング機能はちゃんと作りました。結構土壇場で追加した機能だったのですが、案外ちゃんと動いてくれて良かったです。ゲーム性を高めるために必要だと考えました。 ──── 技術的なお話も少しお伺いしたいのですが、どのような技術スタックで開発されたのでしょうか? こちさん: フロントエンドはRiot.js、バックエンドはNode.jsを使いました。僕は普段PHP系のフレームワークを使うことが多く、Node.jsをバックエンドで使うのは初めての挑戦でした。 このみさん: 私もRiot.jsは初めて使うフレームワークだったので、1ヶ月くらい前から勉強していました。それが一番大変だったかもしれません。 こちさん:デプロイは、当初Vercelを予定していましたがうまくいかず、Render.comを使いました。ただ、データベースだけはVercelの名残でVercelのものを利用しています。 ──── 開発中に苦労した点は他にありますか? こちさん:実は僕、2日目にコロナウイルスを発症してしまって…。高熱でほとんど使い物にならなかったのですが、なんとか頑張りました。ちなみにその時もそうめんを食べていました。 このみさん: 私はやはり新しいフレームワークの勉強が大変で、途中であきらめそうになったくらいです。でも、最終日は見た目にこだわりたかったので、1日中ビジュアル作成に時間を使わせてもらいました。 ──── 大変な中での開発だったのですね。本当にお疲れ様でした。 このみさん: 終わって本当に安心しました。 こちさん:SEを探してきてくれたり、細かいこだわりもあってゲームらしさが出たのが良かったと思います。 ──── 次回のツクアソ参加への意気込みをお願いします! このみさん: またぜひ参加したいです。 ──── 本日はありがとうございました!

    2025.10.03
  • 「第9回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー③ 優秀賞 テントサウナ(やっぷ&マッキー&たじ&セージ)さん

    ──── 優秀賞おめでとうございます!まずはアプリの概要を教えていただけますか? ヤップさん: 今回作ったのは「表情だけじゃダメですか?」というサービスです。AIによる顔表情解析を活用したビデオチャットアプリケーションですね。 ──── このアイデアはどのように生まれたのですか? ヤップさん: 木曜日の夜にZoomで3人でブレストしていたんですが、最初は全然決まらなくて。1時間ぐらい話しているうちに、セージさんがこの案を出して、「それで行こう」となりました。 ──── 「表情」をテーマにした理由は? ヤップさん: メラビアンの法則にあるように、感情の伝達は言語が7%、声が38%、視覚情報が55%を占めると言われています。つまり「何を言うか」より「どう見せるか」が重要。顔の筋肉は40種類以上あり、眉の動きや口角の角度ひとつで豊かな感情を表現できます。表情はまさに万国共通の言語。それを使ったコミュニケーションをアプリで実現したいと思いました。 ──── どんな使い方が想定されていますか? ヤップさん: 声を出せない場面でも、表情だけで自然な会話ができます。ログイン不要・完全無料で、URLを共有すればすぐ使えます。 モードは2種類あり、「両者が表情で会話するモード」と「片方がチャット、片方が表情で会話するモード」があります。例えば、忙しい上司にチャットで質問して、上司が表情だけで答えるようなシーンを想定しています。これで生産性は倍に、残業はゼロになるはずです(笑)。 ──── この「片方チャット、片方表情」という発想はユニークですね。 ヤップさん: 忙しい上司に合わせた機能なんです。上司は手が離せないけど、顔なら動かせる。だから、チャットで質問を送って、表情で返すという形にしました。 ──── チーム内の役割分担はどうされましたか? ヤップさん: 特に明確な分担はなく、欲しい機能を箇条書きにして、上から順に担当していく形でした。最初のMVP(最小限の機能)はセージさんが一気に作り上げました。 ──── プレゼンでは触れられなかった工夫があれば教えてください。 ヤップさん: 表情に応じて背景のフィルター色が変わる機能を入れました。さらに、吹き出しが顔に追従して動くようになっています。そういう細かい演出をたくさん盛り込みました。 ──── その部分は誰が? ヤップさん: マッキーが作ってくれました。みんなClaudeCodeを使って開発しています。 ──── 開発中に苦労したところとか何かありますか? ヤップさん: 一番苦労したのは、複数人でClaudeCodeを編集していてコンフリクトしたときです。やり直しになって、心折れました(笑)。 ロゴもこだわりましたね。自動生成を使いながら、何パターンも試しました。 ──── 技術スタックはどんな感じですか? ヤップさん: フロントエンドはVue.jsとVite、JavaScriptを使用。 画像認識と動画撮影にはWebRTCとMediaPipe Task APIを利用しました。 バックエンドはFirebaseのリアルタイムデータベースを使用し、ホスティングにはCloudflareを使っています。 また、AI要約やログ機能にOpenAIのAPIも使っています。 ──── 開発スケジュールはどんな感じでしたか? ヤップさん: アイデア出しは木曜の夜中でした。セージさんがその夜のうちにMVPを完成させ、翌朝にはほぼ動いていました。 その後、金曜・土曜の2日間で僕とマッキーが機能追加やブラッシュアップを進めて、完成度を高めました。 ──── 他のチームで印象に残った作品はありましたか? ヤップさん: 「グータラだけじゃダメですか?」っていう、体を動かす音ゲーっぽい作品が面白かったです。上位に来ると思っていました。 ──── 次回のツクアソ参加への意気込みをお願いします! ヤップさん: 次は最優秀賞めざします! ──── 本日はありがとうございました!

    2025.10.10
  • 「第9回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー② 優秀賞 おでんの会(おでん&ザッカー&さとしょー)さん

    ──── 優秀賞おめでとうございます!まずはアプリの概要を教えていただけますか。 おでんさん: ありがとうございます。このアプリは、タブキーだけで完結する世界になっています。昨今AIエージェントが盛り上がっていますが、その一方で「自分たちは何のためにいるんだろう」というアンチテーゼ的な気持ちを感じられるアプリです。実は私たち、今年の4月に入社したばかりで、この半年間での葛藤やこれからの不安といった、行き場のない気持ちをこのアプリに込めました。自分たちの中でバランスを保とうという意図があります。 ──── 半年間の不安が込められているとは…!プレゼンからもアーティスティックな雰囲気を感じました。テーマ「〇〇だけじゃダメですか?」から、この作品を思いつくまでの経緯を教えていただけますか。 ザッカーさん: 最初は本当にどうしていいかわからなかったので、思いつく単語をどんどん上げていきました。その中で「タブキー」と「爆速」というワードで盛り上がったんです。タブキーでコードが補完されていくのは開発者として気持ちいい体験なので、その気持ちよさを表現できるものを作ろうか、というのが最初の盛り上がりでした。 おでんさん: でも、開発におけるAIの話になるにつれて、「タブキーを押すだけになっていないか?」と少し悲しい雰囲気になってきて…。その思いを作品にぶつけようと「タブキーだけじゃダメですか?」という方向性が決まりました。深夜テンションで、思考がネガティブな方に行きがちだったのもあったかもしれませんね。 ──── 気持ちの盛り上がりから一転、少し暗い方向へ向かっていったのですね。 さとしょーさん: はい、盛り上がってから暗くなっていくという、珍しい流れでしたね。 ザッカーさん: チーム内でも、タブキーをよく使う人とあまり使わない人がいて、そのギャップでも話が盛り上がりました。 ──── 今回は4人での開発だったとのことですが、役割分担はどんな感じでしたか? おでんさん: 今回の技術スタック的に一番リードできそうなザッカーさんが全体的な枠組みを担当しました。エディターの各コンポーネントはそれぞれで分担しましたが、それ以外は結構みんなでやっていましたね。 さとしょーさん: 特にまとめ役がいるわけではなく、各々がやりたいことをやっていったら、あの作品ができたという感じです。 おでんさん: 例えば、ターミナル部分はさとしょーさんが作ってくれたのですが、最初は見た目だけのモックの予定でした。でも、彼が実際にコマンドを打てるように実装してくれて、「LSコマンドを打つと変なGIFが出る」といった面白い機能も追加してくれたんです。 さとしょーさん: ただ表示するだけだとつまらないなと思って。おまけとして触って「おもろい」と思ってくれる人が一人でもいればいいな、という気持ちで、表示が虚っぽくなるように工夫しました。 ──── 皆さんが面白さを追求していく中で作品ができていったのですね。他にこだわったポイントはありますか? ザッカーさん: タブキーで生成されるコードにもこだわっていて、コード自体で人生を語る、ということをやっています。 おでんさん: 実は、あのコードのライターは私なんです。元々疑似コードで遊ぶのが好きで、今回は「最初は楽しくコーディングできていたのに、徐々に何も感じなくなる」というストーリーを大枠で考えていました。最終的に「虚無な顔」になるというバッドエンドを決めて、そこに向かってアップダウンをつけながら構成を考えました。 さとしょーさん: 僕はそのストーリーをどう「ペラペラ漫画」のように見せていくかを考えるのが大変でした。どの順番でコードを変化させると、この気持ちが伝わるだろうかと、3〜4時間ぶっ通しで考えていましたね。 おでんさん: そのせいで翌日寝込みました(笑)。自分と向き合いすぎましたね。 ──── 作品に込めた思いが強いからこその苦労ですね…。開発面で苦労した点はありましたか? ザッカーさん: タブ補完で文字が次々に変わっていく処理が一番大変でした。タブキーを押した回数ごとに表示する文字列を全部定義していくという、結構泥臭い実装をしたんです。AIが提案してくれた賢い実装もあったのですが、メンテナンス性を考えて、あえて頭の悪い作戦を選びました。差分を一つひとつ出していくところが本当に辛かったです。 さとしょーさん: 実は僕、開発当日に引っ越しの作業があって、一番大変な作業の部分で中抜けしていたんです。なので、2人がそんなに悩んで寝込むほどダメージを負っていたとは今知りました(笑)。 ──── そんな裏話があったとは!最後に、次回のツクアソ参加への意気込みをお願いします! おでんさん: めちゃくちゃ楽しかったです。ぜひまた参加したいです。 さとしょーさん: 引っ越し作業もあって大変でしたが、ライブ感があって面白かったです。 ザッカーさん: 僕らも楽しませていただきました。ありがとうございました。 ──── 本日はありがとうございました!

    2025.10.03
  • 「第9回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー① 最優秀賞 The Overfitters(ヒラヤマ&いっぽ)さん

    ──── 最優秀賞おめでとうございます!まずはアプリの概要を教えていただけますか? ヒラヤマさん ありがとうございます。この作品は、僕らが投票していたテーマ「マジ卍みやび」と、実際に決まったテーマ「〇〇だけじゃダメですか?」を組み合わせたものです。元々、「女子十二楽坊」という楽団から着想を得て、「ロボット十二楽坊」というアイデアがありました。これをベースに、12体のロボットたちが雅楽を奏で、最も「雅(みやび)」な演奏をしたチームが勝ち、というコンセプトです。 ──── 2つのテーマを組み合わせたんですね!「マジ卍みやび」に惹かれたのはなぜですか? ヒラヤマさん 「マジみやびと言わせたら勝ち」というパワーワードが面白いじゃないですか。日常で使わない「みやび」という言葉の荘厳さと、「マジ」というギャルっぽい言葉の対比が面白いなと。評価基準もシンプルで良いと思いました。 いっぽさん 僕たちは2人とも「マジ卍みやび」に投票していたので、テーマが決まったときは「やられたな」と思いました(笑)。でも、どうしても「みやび」が頭から離れなくて、今回の形になりました。 ──── チーム名「The Overfitters」の由来を教えてください。 いっぽさん 仕事でクラウド系のサービスを勉強していて、短期間で多くのプログラミング言語などを詰め込んでいる状況なんです。まさに「過学習(オーバーフィット)」状態で頭がごちゃごちゃになっていることから、このチーム名を付けました。 ──── 今回は3人での開発だったとのことですが、役割分担はどんな感じでしたか? いっぽさん ヒラヤマさんがAIプロンプトの部分とフロントエンド、僕がロボットの制御と楽曲生成を担当しました。そして、インタビューには参加できなかった僕の奥さんが3Dモデリングと衣装制作を担当してくれました。 ヒラヤマさん 奥さんにはモデリングのベースを作ってもらい、最終調整をしました。その間に衣装の材料を買い出しに行ってもらって、制作もお願いするという形で、12体作るために全員でタスクを分担してパツパツのスケジュールで進めました。 ──── プレゼンでは伝えきれなかったこだわりポイントがあれば教えてください。 いっぽさん あんまりフォーカスされなかったんですけど、衣装は100円ショップで布を買ってきて全部手作りなんです。キャラクターごとにイメージカラーがあって、楽器もポスカで色を塗ったりと、細かく作り込んでいます。 ヒラヤマさん キャラクターも1体1体設定があるんですよ。 ──── 12体のロボットは3Dプリンターで作られたそうですが、制作は大変でしたか? いっぽさん 大変でしたね(笑)。高性能な3Dプリンター2台をフル稼働させて制作しました。1体あたり3〜4時間かかるので、とにかく印刷中は並行して他の作業を進めていました。 ヒラヤマさん 途中で「4体でいいんじゃないか」という話も出たんですけどね。 いっぽさん ロボットの中にはサーボモーターが4つ入っていて、それを3つ繋げて12体をコントロールしています。 ──── 開発で使われた技術についてもう少し教えていただけますか? ヒラヤマさん ロボットが演奏するUIのWebアプリはReactで作成しました。ただ、コードはほとんどAIに書かせています。「とりあえずReactで書いて」と指示して、出てきたものに対して「ダサいからここを変えて」といった修正を繰り返すペアプログラミングのような形で開発しました。 ──── The Overfittersさんは他のハッカソンでも優勝経験があるとお聞きしました。ツクアソのテーマはいかがでしたか? いっぽさん 正直に言うと、テーマはもう少し絞ってほしかったです。「〇〇だけじゃダメですか?」は何でも当てはまってしまうので、自由すぎて少し困りました。僕たちは事前に作ったものを出すのは面白くないと思っているのでやりませんでしたが、やろうと思えばできてしまいますからね。 ヒラヤマさん 以前参加した別のハッカソンでは、「金にまつわること」「歴史上の人物」「小さいもの」「本業に関わること」という4つの縛りがあって。縛りが厳しい方がかえって面白いアイデアが生まれる経験があったので、今回も「みやび」という指針があって助かりました。 ──── なるほど。他のチームの作品で印象に残っているものはありますか? ヒラヤマさん 「〇〇だけじゃダメですか?」のボールを転がすゲームはセンスがすごいなと。48時間であんなに美しくまとめられているのは素晴らしいと思いました。 いっぽさん 僕たちはどうしても技術スタックを積んで戦うスタイルなので、ああいうセンスで魅せる作品はすごいなと思います。あとは、顔の表情で操作するゲームや、タブキーのゲームも面白かったです。 ──── 最後に、次回のツクアソ参加への意気込みをお願いします! いっぽさん またぜひ参加したいです! ──── 本日はありがとうございました!

    2025.10.01
  • 「第8回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー⑤ 学生賞 コミットしちゃったズ(まーく & やぐ)さん

    2025年2月21日から28日にかけて「第8回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。 今回のテーマは『1年に1度だけ使いたいもの』。 難しくも考え甲斐あるテーマ。皆さん、いつも以上に楽しんで取り組んでくださいました。 今回の受賞者インタビューは特別賞、コミットしちゃったズさんです。 コミットしちゃったズさんの「サンタさんとはなそう!」は、子どもとサンタさん専用のリアルチャットアプリ。プレゼントに対するお互いの認識の齟齬を防ぐために開発されました。 プライベートチャットであるという体での認証機能、かわいらしいグラフィックなど、全体的に非常に丁寧に作られていること、また「サンタさんとのすれ違いによって起こりがちな『がっかりプレゼント』を防ぎたい」というほほえましい発想が評価されました。 制作の詳細な過程など、たくさんお話しいただきました! コミットしちゃったズさんのプレゼンは 00:41:26 〜 コミットしちゃったズメンバー まーくさん やぐさん ──── 学生賞の受賞おめでとうございます。 やぐ・まーく:ありがとうございます。 ──── 今回はツクアソ史上かなりの激戦でした。学生チームもたくさんあった中での受賞ということで。 まーく:ありがとうございます。歴代の参加者数を見てたんですけど、今回ものすごく多くて。賞をいただけて本当にうれしかったです。 ──── では早速ですが、ツクアソにご参加いただいた経緯をお聞かせください。 まーく:やぐさんと僕はもともとハッカソンで知り合ったんです。2人ともこの4月から社会人なんですけど、できるだけ学生の間にレベルアップしたいなと思っていて、connpassでハッカソンを探していました。そのときにたまたまツクアソを見つけたというのが経緯です。 ──── お2人とも4月からエンジニアですか? まーく:そうです。2人ともウェブ系の会社で。 ──── ハッカソンで知り合った仲間なんですね。 まーく:そうです。その即席チームで知り合って、気が合うなという感じで。 ──── ハッカソンにはよく参加されるんですか? まーく:僕は大好きで、いっぱい出てます(笑)。 やぐ:僕は今回で3回目のハッカソンです。 まーく:やぐさんと一緒になったのは徹夜でやるようなハッカソンだったんですけど、深夜の開発とか、修学旅行の夜のノリで開発できてすごく楽しくて。そういう雰囲気がやぐさんとはマッチしたんで、また一緒にやりたいなと思って誘いました。 ──── テーマ発表があってから、どんな感じで3日間を使われましたか? アイデアはすぐに出たんでしょうか。 まーく:テーマ発表されたのが20時頃で、昼夜逆転生活をしてたやぐさんと0時ぐらいからチームミーティングを始めました。1年に1度使うアプリってなんだろうって考えて、最初は「正月」が出てきたんですよね。お正月と言えばおせちで、おせちがあったら親戚と集まって話すよね、みたいな感じでどんどん話を膨らませていって、最終的にクリスマスにたどりつきました。多分2時間ぐらいでアイデアは固まったんじゃないかな。 ──── 早いですね。アイデア出しに1日かけちゃうチームもありますよ。 まーく:ハッカソンで受賞を狙うんだったら、アイデアに時間を割くべきだよねっていう話もしたんですけど、僕たちがハッカソンに出る一番の目的が「技術力を上げたい」だったので、今回はパパッと、面白い技術を使ってアプリ作りを楽しもうというスタンスでした。まあ、すんなり出たのは偶然と言えば偶然ですけど(笑)。 ──── では実際の開発についてお聞きします。今回作ってくださった「サンタさんとはなそう」は、チャットを実装してると思うんですが、フレームワークは何を使用されてるんですか? まーく:フロントはReactとTanstackの2構成でやってて、バックエンドはRailsを使って開発しようと思ってたんですけど、ちょっと開発速度が落ちそうだったんで、当日にsupabaseに切り替えてます。supabaseはテーブル設定だったりデータのストックなんかが簡単にできてすごくハッカソン向きでした。 ──── 役割分担はどんな感じに? やぐ:僕がフロントエンドで主にReact側を担当して、TanStack、今回はRouterを使ったんですけど、その環境構築とかもやって、まーくさんにはロジック側を、supabaseとの接続とかもゴリゴリ書いてもらいました。大雑把に分けると、フロントが僕、バックエンドがまーくさんでいい感じに分担を。 ──── お二人って普段使ってる言語やフレームワークなどは共通してるんですか? まーく:今回のハッカソンではウェブアプリを使ったんですけど、僕は本当はモバイルのほうが得意なんです。なので、主に使うフレームワークはFlutterですね。今回に関しては、やぐさんはReactが得意だったんで、できるだけその得意領域を生かしてほしいと思って、僕もReactを使ってアプリ開発をやってみました。 supabaseは共通して使ってて、前回一緒に出たハッカソンでも使ったんです。そこは爆速で開発しようと思って、得意なところを合わせて使いました。 ──── 今回、開発にあたって詰まったところとかありました? まーく:supabaseってDBとかデータベース操作のイメージがあるサービスだったんですけれども、それを使ってリアルタイムチャットをどう実装すればいいのかが最初わからなくて。いろいろ、Qiitaとかで調べまくってたらちょうどいい記事を見つけて実装できたんですけど、その記事が見つかるまでが大変でした。 やぐ:僕は2つあって、1つ目が、Reactでグローバルに値を保持する方法ですね。useContext使えば保持できるんですけど、それとTanStackRouterの管理方法を混ぜるためにどうすればいいのか全然わかんなくて詰まりました。でもuseContext使っても、今の配置から全部変えることになっちゃうんで結局断念したんですけど…。 2つ目は、僕が認証について全く詳しくなかったおかげでつまずきまくって、全部まーくさんに助けてもらいました(笑)。 ──── 今回のツクアソへの参加は、技術学習が目的だったということでした。新しく習得したスキルや知識はありましたか? まーく:実は、ツクアソが始まる前に開発環境を揃えておきたいなと思って、2週間ぐらい前から活動してたんです。最初はRails使って開発しようと思ってたってお話をさっきしたんですが、それももしかしたら就職先でRailsを使うかもしれないから触っておきたいっていうのがあったんですね。残念ながらうまくなじめなくて結局supabaseになりましたけども。 でもまだ1週間ぐらい余裕があったんで、サーバーサイドレンダリングをReactとExpressで、Next.jsを使わずにやろうっていう挑戦はしてみました。それ自体はできたんですけどまた別の要素が出てきてしまって、ツクアソでは使うことなくって感じでしたけど、挑戦自体ができたので満足してます。 やぐ:僕は、Dockerのコマンドの簡単な意味がわかったことと、Dockerのフォルダを圧縮する方法がわかったっていうのが学びでしたね。あとは、Reactの新しいAPIをふんだんに使って、いい感じにコード量を減らせたことかな。そのほかにも、CORSがどういうものなのか知れたとか、Vercelでビルドするときにコマンドを細かく設定しないとエラーになってデプロイできないことがわかったとか、数えきれないくらいの量の学びがありました。 ──── この3日間でたくさんコードが書けたんですね。 まーく:そうですね。やっぱりコード書いて実際にデプロイしてみて、練習環境だと見えなかったところも実際に自分の目で確かめることができたんで、たくさん学習できて本当によかったと思いました。 ──── 他の参加チームの作品で印象に残ってるものはありますか? まーく:ネットワークの速度でお年玉の金額が決まるやつ(ねっとわーく専攻 「Packet Gift」)ですね。どうやったら通信速度っていうモチーフに面白い要素を加えることができるんだろうって思いました。技術と面白要素を組み合わせられるその発想力が僕にはないものなので、印象に残ってます。 やぐ:僕は実家に帰ってお母さんに怒られるやつですね(チームKTN「ZIKKAN」)。音声認識を取り入れててすごく面白かった。 まーく:あれはプレゼンの見せ方的にもよかったよね。嫌なお母さんの演じ方が(笑)。 ──── ツクアソ、楽しんでいただけましたか? まーく:普段の生活の中では、なかなかチームでアプリを開発する機会はないので、みんなで目標に向かって深夜テンションで開発する経験がすごく楽しかったです。 やぐ:僕も同じく。ものすごく楽しかったし、めちゃめちゃ成長できました。 ──── 4月からおふたりとも社会人ということですけど、忙しくなっても深夜テンションで開発する気持ち、忘れずにいてくださいね。次回のツクアソは8月の下旬を予定しています。お忙しいかもしれないんですけど、ぜひご参加ください。 まーく:ぜひ。こういう面白い体験は、やっぱりハッカソンじゃないとできないので、またやぐさんと一緒に参加したいです。 やぐ:ぜひ次回もやりましょう。 ──── お待ちしてますね。本日はありがとうございました!

    2025.05.30
  • 「第8回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー④ 特別賞 おむすびのカフェイン(すさき & kuro)さん

    2025年2月21日から28日にかけて「第8回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。 今回のテーマは『1年に1度だけ使いたいもの』。 難しくも考え甲斐あるテーマ。皆さん、いつも以上に楽しんで取り組んでくださいました。 今回の受賞者インタビューは特別賞、おむすびカフェインさんです。 おむすびのカフェインさんの「Room Pikapika Game」は、大掃除をRPG風のToDoリストで楽しく終わらせることのできるプロダクトです。ファミコン風のゲーム画面から、掃除したい場所を選び、クエストをこなすことでタスク完了となります。 お掃除のための豆知識を授けてくれたり、討伐(掃除)が完了すると村人がお礼の言葉を言ってくれたりと作り込まれており、大掃除を何とか楽しめるようにとさまざまな工夫が散りばめられています。発想が楽しく、世界観がしっかりとしている良作です。 前回ソロ参加だったすさきさんが結成したチーム「おむすびのカフェイン」。制作の詳細な過程など、たくさんお話しいただきました! おむすびのカフェインさんのプレゼンは 01:13:11 〜 おむすびのカフェインメンバー すさきさん kuroさん ──── 特別賞の受賞、おめでとうございます。 kuro:ありがとうございます。 すさき:ありがとうございます。 ──── 早速ですけども、今回のこの「Room Pikapika Game」のアイデアはどういう経緯で出てきたんでしょうか。 kuro:2人でテーマを聞いて、1年に1回「やりたくないことを楽しくする」アプリを作りたいねってなったんです。それをゲーミフィケーションかゲームか、まだどちらもやったことがなかったので、どちらかに落とし込みたいねってなりました。 すさき:アイデア自体は2人でたくさん出し合ったんです。その中から徐々に絞っていった感じですね。最初は「Room Pikapika Game」とは違ったゲームを作ろうと思ってUnityを頑張ってる時間もありました。2人ともUnityを触ったことがなかったんで、1日目はUnityの勉強に費やしてました。 ──── それはかなりチャレンジングなアプローチですね。最終的に使ったのはUnityだったんですか? kuro:いえ、最終的にはNext.jsを使いました。 ──── 普段使われてるからということですか? すさき:そうですね、2人ともハッカソンで少しNext.jsを使ったことがあったので。でも、Next.jsもめっちゃ慣れているというわけではなかったので、いろいろ苦しみつつ、なんとかなんとか作り上げた感じでした。 ──── 最初は勉強しながらUnityで進めて、結局Next.jsに切り替えたというのは「無理!」ってなったからですかね? すさき:そうです。Unity、ネットに転がってるチュートリアルをやるだけでも苦しすぎて。もう全然わけがわからなくて、どうしようみたいな感じになってしまったんです。これは3日間では何も形にならないかもって思って、大急ぎでゲーミフィケーションに舵を切りました。 kuro:学習コストと残り時間を見て、難しいかもねっていう話になってUnityは捨てました(笑)。 すさき:窓から放り捨てて乗り換えました。 (一同笑) ──── 素晴らしい判断ですね、捨てるのも大事なことです。じゃあ、Unityで作ろうと思ってたアイデア自体捨てて、Next.jsを使おうと思ったアイデアに切り替えたと。 すさき:そうです。たくさん出たアイデアから最終候補を2つに絞って、その1つがUnityを使ったゲームで、もう1つが今回の「Room Pikapika Game」です。 ──── 他にどんなアイデアがあったのか、教えてもらってもいいですか? kuro:それこそ確定申告とか年末調整とか。あとは夏休みの宿題を題材にして、8月31日をループするとか、年度末の3月31日がループする、みたいなことを考えていました。ミニゲームに成功した回数や選択肢によってループを抜けられるかどうかが決まるノベルゲームみたいなものですね。 ──── そちらも面白そうですね。 kuro:これが全く乗りこなせなくて。 すさき:ノベルゲームとか2Dゲームだったら、3Dゲームより簡単なんじゃないかという甘い想定のもとに始めてみたら、ネットにあんまり情報がなくて、「これは思ったより難しいぞ?」と。 kuro:情報量少なかったよね。 ──── なるほど、確かに2Dの情報少ないかもしれませんね。Unityを捨ててからの2日目の流れは順調だったんですか? 開発の様子について教えてください。 すさき:実際作り始めてからは、技術的な難しさより、作業量に絶望することが多かったです。多分、kuroさんがめっちゃ大変だったと思うんですけど。 kuro:いやいやいや(笑)。 すさき:このイラストの素材とかも、全部kuroさんが作ってくれたんですよ。私の方もクエストの文章を考えたり、プログラミング以外の作業が膨大で。そのことに途中で気付いて(笑)。 ──── 確かに、最初にこのゲームを見たときに、すごい手がかかってるなと思いました。素材もストーリーも全部オリジナルの素材ですよね。この素材を用意するの時間とプログラムを書く時間、配分はどのくらいだったんですか? kuro:記憶の中では常にイラストを描いてました。すさきは常に文章を考えてて、アイデアを出す時間やプログラミングする時間を比べると、6対4くらいなんじゃないかな、体感としては。 ──── プログラムの方で詰まったところとかはなかったんですか? kuro:デプロイだけすごく詰まったよね。 すさき:ちょっとつまずいたよね。Next.js自体は一応、他のハッカソンで使ったことがあって、その時の知識の範囲内に収まる感じでやろうと頑張って、細かい詰まりポイントがいっぱいあって。前回一緒に作った時も、Next.jsをVercelでデプロイするみたいなことをしたので、今回もいけるだろと思ってやったら詰まったという。 すさき:前回はデータベースを使ってなかったから、データベース周りでのエラーが出てしまったのかな。こんなふうにしゃべってますけど、提出間際の作業はkuroさんにほぼお任せしてしまってたんで、今、雰囲気で言ってます(笑)。 kuro:合ってます合ってます(笑)。そうなの、データベース。1回詰まったときは追加でやるべきことをやっていなかったから引っかかったんですけど、2回目に引っかかったのは、実はまだ原因がわからなくて、今もどうしようって思ってます。 ──── 今回のツクアソでのチャレンジポイントは、Vercelでデータベースを使ってみたこと、ですかね? kuro:そうですね、私にとっては。あとは素材の多さです。すごくチャレンジだったなと思います。 ──── これ、ドット絵がすごくかわいいですよね、懐かしくて。これはどうやって作ってるんですか? kuro:「PISKEL」っていうサイトがあって、そこを使いました。一個一個ぽちぽちドットを置いていくんですけど。 ──── 地道な作業だ。これは時間がかかりますね。本当にアニメーションを作画するのと一緒ですね。 kuro:アニメーションもドット絵も作れるすごい優れものなサイトです。アニメーションの場合は、素材をつないでフレーム作っていきます。 すさき:以前、一緒に出た別のハッカソンでも、このドット絵の素材を死ぬほど描いていただいて。 ──── すごいな、職人技だ。ドット絵のゲーム、いいですよね。初期の「ファイナルファンタジー」とか「ドラゴンクエスト」とか。 kuro:私、ポケモンで言うと「ブラック&ホワイト」の世代なので、ギリギリドット絵なんですよね。緻密過ぎてドット絵感薄いんですけど。それでドット絵に憧れがあって。 ──── 今回の作品は、いい感じのテイストのドット絵ですね。 すさき:今回は、ドット絵をいい感じに使っていこうとか、それ以外のUIもなるべく昔のゲームっぽくしたいよね、みたいなことを話しながら作りました。 ──── 個人的には勇者の剣が「はたき」なのと、鏡の前に勇者が立った時にちゃんと鏡に映り込んでるところが好きです。 kuro:そうなんです、ちょっと豪華な「伝説のはたき」をもたせてます。鏡も、気付いてくださってうれしいです。 ──── モンスターも「ほこり」とか、掃除にちゃんと関係してますもんね。すごくよく作り込まれてます。作業の役割分担としては、完全にkuroさんがドット絵を描いて、すさきさんがストーリーを作って、という感じだったんですか? すさき:kuroさんが全てのドット絵と、ログイン周りとか、バック寄りの部分を主に書いてくれてます。プログラミングの分量もkuroさんが若干多いぐらいで、めちゃくちゃ働いていただきました。私は文章周り全般と、フロント付近のプログラミングですね。 ──── ご自分たちの作品の中での推しポイントはありますか? kuro:さっき気づいていただいた映り込みの部分と、勇者がポップアップするところは自分でもこだわったて描きました。 すさき:私も開発者の無駄なちっちゃいこだわりみたいなもの、小ネタみたいなものを入れておいて、ニヤニヤしてもらえたらうれしいな、みたいな気持ちでやってました。 ──── 賢者が出てきたりとか、重曹とか洗剤とかも微妙にニュアンスを変えたアイテムにしてるのがいいですよね。 すさき:どれぐらいファンタジーにして、どれぐらいリアルな掃除にするかっていう塩梅が、文章にしても素材にしても難しかったですね。よく話し合って作りました。 kuro:こだわりましたね すさき:例えば敵キャラの、ほこりみたいなモンスターとかも、これ以上汚いとちょっと嫌、とか、でもこれ以上可愛くても違うな、とか、いい感じの塩梅を探りながらやってました。 kuro:部屋の画像もそうなんですけど、思わず掃除したくなる、思わず綺麗なバージョンの部屋を見たくなるようなイラストというのを目指して、できるだけ汚しつつ、だけど見るだけで嫌になる、ブラウザバックしたくなるような画像にはしないようにっていうバランスを気にしながら作りました。 ──── プレイヤーの心理もちゃんと考えながら設定をチューニングしてるんですね。すごいな。特にプレゼン中に出てきた「荒廃せし五つの徳」っていうのが面白かったです。うまいこと言うなと。 すさき:うれしいです。 kuro:すさきさんのワードセンス、すごいですよね。 すさき:自分が普段ゲームをやっていても、ちょっとニヤッとできるような小ネタが好きなんです。ピクシブ百科辞典には載るかもしれないけどしょうもないネタ、みたいな。そういうのを詰め込んでみたくてやってました。 ──── 世界観づくりがすごく良かったです。こだわりながら遊んでいて、そこが「ツクアソ」の目指すところにマッチしてますよね。がっつり作りこんでいて、それでいてちゃんと遊んでる。余談ですが特別賞に選出された経緯です。 kuro:うれしい、ありがとうございます。 すさき:ありがとうございます。 ──── 前回、すさきさんはソロ参加でした(第7回ツクアソで学生賞を受賞)ね。今回、kuroさんとチームを組まれた経緯について教えてください。 すさき:別のハッカソンで同じチームだったんですけど、その時がすごく楽しかったんです。見てくれる人を楽しませるっていうだけじゃなくて、作りながら楽しむっていうのをやれたなと思っていて。あの時は一緒にはしゃぎながら作れたなって、そういう手応えがあったので、kuroさんと参加したらきっと楽しいだろうなと思って誘いました。 ──── 今回もはしゃぎながら作れましたか? すさき:アイデアを考えてる時はすごくはしゃいでたんですけど、素材を作り始めたら、想像以上のしんどさにだんだんはしゃげなくなっていって(笑)。 (一同笑) すさき:いや、でも楽しかったです。ちゃんとはしゃいでました。 ──── 他のチームの作品で、気になったものや印象に残ったものはありましたか? kuro:「サンタさんとはなそう!」です。実は私たちも「サンタさんと話す」というアイデアはあったんですけど、どう形にするかまで考えきれなかったんです。それをすごくきちんと形にしていて、かつ子どもたちの夢を壊さずに親が欲しいものをリサーチできるっていう、いいバランスになって感動しました。私に足りなかったものがここに!と思って。 すさき:私は都合が会わなくて、ファイナリストプレゼンを少ししか見れてないんですけど、でも「サンタさんとはなそう!」は面白かったんです。発表して、おーってなるだけじゃなくて、実際使えそうで。 kuro:あとは丑の日プロジェクトさんのYouTube配信ですね。作ってる最中に他の参加者の状況がわかるかなと思ってXで検索したら、YouTubeで配信してらっしゃって、印象的でした。 ──── kuroさんも、次回はドット絵配信していただいて。 kuro:まだまだちょっとそこまでは精進が足りないんですけど(笑)。でも興味はありますね。 すさき:あの過程は見せたら絶対面白いよね。 ──── 次回のツクアソは8月の下旬を予定しています。いつもより短めになるかもしれないんで、Unityの勉強はできないかもしれないですけど(笑)。 すさき:あらかじめやっとかないと。 kuro:半年かけて勉強しておきます。 ──── 第9回もお待ちしておりますので、ぜひご参加ください。本日はありがとうございました!

    2025.05.22
  • 「第8回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー③ 優秀賞 丑の日プロジェクト(アニー)さん

    2025年2月21日から28日にかけて「第8回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。 今回のテーマは『1年に1度だけ使いたいもの』。 難しくも考え甲斐のあるテーマ。皆さん、いつも以上に楽しんで取り組んでくださいました。 今回の受賞者インタビューは優秀賞、丑の日プロジェクトさんです。 丑の日プロジェクトさんの「シャトルランブースター『らん』ちゃん」は、その名のとおり、シャトルランにおけるチート行為をするためだけのプロダクトです。 ラインに届かなかったつま先を手元のスイッチで伸ばす、というシンプルな動きですが、シャトルラン自体の邪魔にならないよう細やかな気遣いにあふれた機構。シャトルランのルールを熟知しているというニッチな面白さ、高度な技術力、目の付け所など話題をさらった作品でした。 毎回驚きのあるハードウェアを見せてくれる丑の日プロジェクトさん。今回はチームの中からアニーさんにお越しいただいて、「ランちゃん」の詳しい機構や制作の過程などについて伺いました! 丑の日プロジェクトさんのプレゼンは 00:54:08 〜 丑の日プロジェクト(今回の)メンバー アニーさん マークさん ↓↓↓丑の日プロジェクトさんの過去のインタビューはこちら↓↓↓ 「第7回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー② 優秀賞 丑の日プロジェクト(アニー & たろう & なるき)さん 「第3回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー④ 優秀賞 丑の日プロジェクト(アニー & マーク)さん 「第2回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー② 優秀賞 丑の日プロジェクト (アニー & マーク) さん ──── 今回も受賞おめでとうございます。 アニー:ありがとうございます。 ──── 今回のテーマ「1年に1度だけ使いたいもの」でしたけども、作品を思いつくまでの期間はいかがでしたか。 アニー:金曜日の夜にテーマが発表されて、一晩かけて考えたって感じですかね。いつもと比べたら早くアイデアが出ました。普段は大体、2日目のお昼過ぎくらいにうっすら方針が決まる、みたいなことが多いんで、それに比べたら今回は、2日目の朝にはもうはっきり決まってたんで、早かったですね。 ──── いつもより早くアイデアが固まったのはどうしてですかね? アニー:偶然ですね。 (一同笑) ──── 前回、アイディアをブレストしている時のMiroの画面を見せていただきました。今回もあれを。 アニー:はい。毎回やってますね、あれは。今回はマークと2人だったんですけど、通常通りにブレストしました。 ──── マークさん、今回もアメリカから来てくださって…。 アイデアが浮かんだのは早かったって話だったんですけど、恒例の「らんちゃん」のネーミングについても簡単に触れていただいてもいいですか? アニー:毎度女の子の名前をつけて、プロダクトに愛着を持たせようっていうコンセプトなんですけど、今回は「シャトルラン」から連想される女の子っぽい名前を考えました。わかりますよね、めちゃくちゃ安直ですよね「らんちゃん」って(笑)。でも一番かわいいのが「らんちゃん」だったんで決定しました。 ──── 他に名前の候補は上がりましたか? アニー:ありましたけど、それはメモってないのでちょっと思い出せないですね(笑)。名前はブレストに入ってないんですよ。ちょっと制作に行き詰まったり、開発に行き詰まったり、悩んでるときに「先に名前考えるか」みたいな感じで考えることが多いんです。 ハッカソンでは「アイデア思い浮かんだ!よっしゃ作るぞ!」でガーって作るんで、その時点では名前なんて全然頭にないんですよ。それで、行き詰まったときに「名前つけて愛情を込めて、ここからもういっちょ頑張ろうぜ」みたいな感じになるんで、ブレストは各自の脳内で完結するスタイルです。 考えたものをどんどん口に出して「今のかわいいね」ってなる、みたいな。だから、必死に手を動かしてるときとか、プログラム書いてるときとか、そういうときに考えてますかね。 ──── 完成までこぎつけるためのテクニックなんですね。 アニー:そうですそうです(笑)。 ──── 今回はおふたりでの開発だったということですが、役割分担はどんな感じでしたか? アニー:今回は2人だったんで、特に役割が分担をしてないんですよ。Arduinoで制御してるんですけど、コーディングも2人で交代しながら、サーボモーターを組み込んだりするのも交代しながらやって。とにかく手が空いてる方が次のタスクを行う、みたいな感じで開発しました。 ──── タスクは書き出したりしてるんですか? それともお互いがなんとなく認識してるって感じなんですか? アニー:普段はカンバンを使ってます。どんどんチケット作って、これは作業中、これは完了、みたいな感じでチケットを動かしてやってるんですけど、今回は2人だったんで、チケットも作ってません。作業の対象が一つだけだったんで、タスクが混乱するようなこともなかったので。 前回の「ちゃりんちゃん」なんかはめっちゃカンバン使ってました。 ──── 今回の「らんちゃん」は、シャトルランがテーマでした。どうしてシャトルランを選んだんですか? アニー:「1年に1度だけ使いたいもの」っていうテーマだったので、1年に1度だけ「使えるもの」じゃなくて、「使いたいもの」を開発したいと思ったんです。最初はポジティブな、楽しい気持ちで使いたくなるようなものを考えたんですけど、そうなると大体、1年に1回じゃなくて毎日使いたいものになっちゃうんですよね。「1年に1回」にフォーカスすると、結局1年に1回だけ「使えるもの」になっちゃう。それならイベント自体はネガティブなものにして、その救済措置として使えるものが良さそうだねっていうところにアイデアが進んでいきました。1年に1回だけあって、やりたくないけれどもやるからには結果を出したいことってなんだろうって考えて「シャトルランでしょう」って(笑)。そこで、シャトルランの救済措置として使える装置を作ろうっていう流れになりました。 ──── 機構なんかを詳しく見せていただきたいんですが…。 アニー:実物見ながらお話ししましょうか。手元で操作したかったんで、足から手元まで長いコードを使ってます。もう長すぎてごちゃごちゃなんですけど。 アニー:まず普通のランニングシューズがあって、その上にもう1個同じ靴を買って、上だけ切り抜いたものを重ねてくっつけて。 アニー:それにサーボモーターと、ストローの中に割り箸を通したものをグルーガンでくっつけて、シャフトにして動かしてます。裏側は、針金と割り箸を背骨みたいにして強度を出してます。 アニー:ここがお箸のケースで、軸を入れてまっすぐにしてる感じですね。 ──── こう見るとやっぱりお箸ケースぴったりですね。 アニー:いろいろ試したんですけど、これがぴったりだったんですよ。色も黒だし。割り箸の潤滑油を買いに行く時間がなかったので、食器用洗剤を使って潤滑油の代わりにしました。 ──── この潤滑油がないと滑らかに動かないんですか? アニー:全然動かないんですよ。滑らかとかいう騒ぎじゃなくて、全く動かないんです。あんまり滑らないんで、他の手段考えなきゃって思ったんですけど、ここはあのボーイング社の不祥事がヒントになって。 ──── ボーイング社って飛行機のですか?安全性が問題になってましたね。 アニー:そうです。その一連の不祥事の中で、飛行機の潤滑油の代わりに食器用洗剤を使ってるっていうのが、第三者委員会の報告で上がってて、とんでもねー!みたいなニュースがあったのを思い出したんですよ。代わりになるのねって思って使ったら、本当に代わりになったっていう。ボーイング社の炎上から得たアイデアです(笑)。 (一同笑) ──── すごいところからヒントが! アニー:で、最後にサーボモーターを靴紐にくっつけて。Arduinoはズボンの下からコードを引っ張ってきて、電源と一緒にポケットに入れてある感じですね。そこからさらにまた袖の中を通して手元にスイッチを持ってきて操作すると。 ──── いつもながら作りが精巧ですね。ありがとうございます。 アニー:かぶせるためにくりぬかれて使えなくなった靴は、捨てるのもかわいそうだし、家に置いてあります。 (一同笑) ──── 開発自体はいつもと比べて、時間かかりました? アニー:いつもに比べたらかからなかったですね。いつもは最後から2番目とか、3番目とかにギリギリで提出するんですけど、今回はだいぶ早いタイミング、前半に提出できたんで。 ──── 確かに、かなり早い方でした。 アニー:マークが仕事があってアメリカに帰らなきゃいけないってことで、最終日までいられなかったんです。だから、最終日の前の日までにはもうあらかた完成して、動画も撮らなきゃいけないっていう状況で。動画、1人じゃ撮れないんで。なので、なんとか前の日の夕暮れぐらいまでにあらかた完成させて、動画を撮って、あとは提出までにプログラムをもうちょっと書き直したり、1人で撮れる映像素材を撮ったりしてました。 ──── プレゼンの資料や動画作成まで制作時間に含んでるのがすごいですね。 アニー:本当は、完成してから発表までの1週間で作れたらいいんですけどね。ハードウェアだと撮影が1人でできないもので、いつも開発期間中に撮り終えてしまうんです。だから毎度バタバタで(笑)。 ──── 他のチームの作品で気になったものはありますか? アニー:やっぱりPiedPiperさんとTakさん、ひげだるまさんは面白いですよね。プロダクトもそうだし発表も面白かったし。さすが強いなーって思いながら見てました。毎回最優秀賞獲りたいと思ってやってますけど、今回は皆さんクオリティが高くて、最優秀賞どころか優秀賞も厳しいし、特別賞もめっちゃ難しいぞと思って、どきどきしながら見てました。 ──── 今回、参加チームも多かったですし、レベルも高かったですよね。 アニー:毎回そうなんですけど、レベルが高いだけじゃなくて、ちゃんと面白いのがツクアソのすごいところというか。にやにやしながら発表を見られるのが楽しいですよね。 ──── 次回は8月下旬開催を予定してます。ぜひ、強くご参加をお待ちしております。 アニー:もちろんまた、ぜひ。楽しみにしています。 ──── 本日はありがとうございました!

    2025.05.16
  • 「第8回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー② 優秀賞 鹿ちゃんさん

    2025年2月21日から28日にかけて「第8回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。 今回のテーマは『1年に1度だけ使いたいもの』。 難しくも考え甲斐あるテーマ。皆さん、いつも以上に楽しんで取り組んでくださいました。 今回の受賞者インタビューは優秀賞、鹿ちゃんさんです。 鹿ちゃんさんの「年に一度だけだから…仲良くしよ?」は、社会人の誰もが忌み嫌う年末調整と確定申告をテーマとした恋愛ノベルゲーム。年末調整の「ねねちゃん」と確定申告の「かなちゃん」と仲良くなるための正しい分岐を選んでいくことでハッピーエンドを目指します。 生成AIなどは使用せず、妄想力のみで組み立てたという本作は、ノベルゲームとしての完成度が高く、税金に関する豆知識を散りばめるという細やかさ、画面の華やかさなど多くの評価ポイントがありました。 生成AIと自前の妄想力をバランスよく組み合わせた作品を作り出した鹿ちゃんさん。どんなふうに制作したのか、また次回参加への思いなどを聞かせていただきました! 鹿ちゃんさんのプレゼンは 00:54:08 〜 ──── 優秀賞受賞おめでとうございます。 鹿ちゃん:ありがとうございます。 ──── 初出場でしたね。ツクアソはどこで知ったんでしょうか。 鹿ちゃん:connpassですね。一番最近やっているハッカソンを調べたらヒットしました。 ──── ハッカソン自体にはよく参加されているんですか? 鹿ちゃん:そうですね。今までに何回か参加しています。5回ぐらいかな? ソロだったり、チームだったりまちまちですが。 ──── ちなみに直近ではどのようなハッカソンに。 鹿ちゃん:直近と言っても1年くらい前になってしまうんですが、Flutterハッカソンとか、国土交通省が今推してる PLATEAUを使ったハッカソンとかですかね。 ──── いずれもwebとかスマホアプリとかでの参加ですか? 鹿ちゃん:そうです。私、ハード方面は本当に何もできないので、ソフトウェア専門です(笑)。お仕事もソフトウェアのお仕事なので。 ──── 今回、テーマが発表されてからアイデアが出るまでどのくらいかかりましたか? 鹿ちゃん:割とすぐに浮かびましたね。普段から10個ぐらいアイデアを出して、その中から選ぶようにしているんです。今回も同じような感じで初日にだーっと出して、この恋愛ノベルゲームで行こうって決まったのは、2日目の朝ぐらいです。 ──── オープニングの翌日ですね。早いな。じゃあ、オープニングが終わってテーマが発表されてから、すぐにしっかりアイデア出しして、寝て起きて、どれにしようかな、みたいなイメージで。 鹿ちゃん:そんな感じで1日寝かせました(笑)。 ──── アイデア出しが難しいですよね。でもそんな中で10個も候補があるのはすごいです。翌日から着手できる状態もなかないいスタートだったんですね。なぜ、確定申告を題材に選んだんですか? 鹿ちゃん:「年に1度だけ使いたい」の「だけ」っていう言葉にちょっとネガティブなものを感じて。「1回だけだから」「1回だけしかやらないだろ」っていう入り方ですね。マイナスを変な方向に解決する作品が、ハッカソンで賞をとりやすいっていう傾向があるんですよ。だから自分の中で面倒くさいことって何かな?と考えて、それを解決するためにちょっと変な方向に持っていこうと。実質解決してないけど変な風に解決してやろうっていうのを、アイデアのベースとして考えました。 ──── まさにでしたね。確定申告や年末調整ってもう憂鬱ですもんね。あの手順を楽しいラノベ風にして、選択しながら進んでいくというストーリーがすごく面白かったです。ギャップも狙って着地させたんですか? 鹿ちゃん:そうです。プラス続きだと面白くないかな、と思って。どこかでちょっと不快な、ひねくれた要素を入れたいと思って作りました。 ──── あの挿絵やキャラクターはどうやって用意したんですか? 鹿ちゃん:あれは「SeaArt.AI」っていう生成AIがあるんです。無料で使えるものなので、それで作りました。今、流行ってるというか、アニメ絵を作るならこれ使おう、みたいな流れがあるんですよね。作ったキャラクタのちょっと口を開かせたいとか、目を閉じさせたいとかも、プロンプト作るとうまいことやってくれます。 ──── 同じキャラクターを再度生成できるんですね。 鹿ちゃん:そうです。同じキャラクターにちょっとずつ表情や動きを付けられます。ただ、指が6本だったり服の形がおかしかったりするんで、そこは自分でペンツール使って。私、本来絵は描けないんですけど、頑張ってそれっぽく修正しました。 ──── 背景はどうしたんですか? 鹿ちゃん:背景はフリーの素材を組み合わせました。キャラを作るときに、プロンプトにグリーンバックって入れておくと背景をはめやすく作ってくれるので。 ──── そうか、最初から切り抜きやすくしておくんですね。動画でもそうですよね。えー、面白い。このサイト知らなかったです。 鹿ちゃん:今、いろんなのがあって楽しいですよね。 ──── 自分が知らない技術を知れるというのも、ハッカソン参加の醍醐味ですよね。作品の内容についてなんですけど、基本的にはノベルゲームの様相でトゥルーエンドを目指すんだと思うんですが、エンディングいくつかありますよね。何パターンぐらい作ってあったんですか? 鹿ちゃん:バッドエンドは10個弱ぐらい用意しました。 ──── あ、そんなに。何回かやったんですけど、全部違うパターンだったんですごいなと思って。 鹿ちゃん:一応、キャラの性格に合わせてバッドエンド回避できるようにはしていました。女の子が「主人公の役に立ちたい」と思っている設定なので、年末調整を複雑にしない項目を選ぶとバッドエンドになるように。 控除とか、いっぱい保険に入ってるとか、iDeCoやってるとかだと、だんだん難しくなるので、年末調整が。難しくするとキャラがたくさんしゃべってくれるので、トゥルーエンドっていう。 ──── 面白い。短時間でかなり作り込んだんですね。ストーリーやセリフ回しは生成AIは使わずに妄想でということでしたが(笑)。 鹿ちゃん:セリフと言い回しについては、自分で考えました。完全に妄想で(笑)。キャラに命を吹き込むにはAIは使っちゃダメかなと思って、そこだけは自力で頑張りました。なんとか書けてよかったです。 ──── 確定申告や年末調整の知識も必要ですよね。その辺りはどのように? 鹿ちゃん:家に本があるのでそれを漁りました。実は昔簿記を取ろうと思って諦めたんですよ。その時に買って置いてあった簿記の本とか、ネットなんかを使って調べて、こういう感じかなって。途中で差し込んでいた説明画像とかも自分で作りました。拾ってきた画像を使うのはよくないなと思って…。 ──── ちゃんと知識で裏付けた分岐がたくさんあって、それを上手に帳尻合わせてて、感心しました。 鹿ちゃん:ありがとうございます。でもストーリー展開は無理矢理な部分も…(笑)。猫にびっくりして骨折するとか、交通事故が起きて「そういえば車といえばトヨタよね」とか、もうギャグで無理矢理つなげました。 ──── その遊び心がまたよかった。オリジナリティがあって、ちょっと尖ってて。 鹿ちゃん:今回は「年に1回」っていうテーマでしたけど、それ以前にツクアソ自体の「作って遊ぶ」っていう大きなテーマを意識したかったんです。作って遊べるものがいい、それを頭の片隅に置いて作りました。 ──── 素晴らしい。作品名の「年に1度だけだから」っていうのも完全にオリジナルのタイトルですか? 何かのパロディとかでもなく。 鹿ちゃん:そうです。でも、今思えばパロディにしても面白かったですよね。「年に1度だけ」っていうフレーズは入れたかったので、それを条件に生成AIにいくつかアイデアはもらって、最終的には自分で考えてつけました。 ──── なんか本当にありそうでいいですよね。ロゴも可愛いし。ロゴのクオリティもすごく高い。このロゴは何のツールを使ったんですか?Canvaとかですか? 鹿ちゃん:「アイビスペイント」っていうお絵描きアプリを使って作りました。そもそも私は全然絵が描けないんですけど、動画を見ながら見よう見まねで。 ──── 短時間でいろんなことに挑戦して出来上がったんですね。他のチームの作品で気になったものはありましたか? 鹿ちゃん:すごいいっぱいありました。シャトルランのやつ(丑の日プロジェクト「シャトルランブースター『らん』ちゃん」)が面白かったですね。アイディア出しから、動画からすごくて。あと、織姫と彦星が会うために地球をめっちゃ回すっていうゲーム(カルピスだけじゃだめですか? 「彦星浮気チェッカー」)もすごい作り込まれてて完成度が高いなと思いました。あと、今回じゃないんですけど、何回か前の「水」がテーマの回のツクアソ(第4回ツクアソ「水!!」)で、確か中学生の子がししおどしを作ってましたよね(インコーズ「デジタルししおどし リズムを刻め」)。あれはもう本当にびっくりしましたね。今の若い子にはもう勝てないと思いました。 ──── そうですね。前回の優勝者も高校生でしたし、学生がコンスタントに出場してくれるので、そこもツクアソの面白さですね。 鹿ちゃん:大人からは出てこないアイデアが新鮮で。それも含めて本当に勉強になりました。 ──── 次回の開催は8月の下旬を予定しています。ぜひご参加いただければ。 鹿ちゃん:はい、ぜひ参加したいです。 ──── どうもありがとうございました!

    2025.05.01
  • 「第8回ツクってアソぶハッカソン」を開催しました!

    2025年2月21日から28日にかけて「第8回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)を開催しました。 今回参加したのはツクアソ史上最多の24組。ハード・ソフトが入り乱れ、ますますの盛り上がりを見せる戦いとなりました。 さて、そんな今回のテーマは… \どん!/ 開発期限はテーマ発表から72時間後の、2025年2月24日(月) 20:00。指定の応募フォームから作品を投稿し、動作する作品はすべてファイナリストとなります。 今回のファイナリストは以下の24組! 1年に1回しか引けない占い!(dai) Packet Gift(ねっとわーく専攻 ) Time Capsule | 未来の自分へ今の想いを残そう(dai) ネタフェイク画像作成(KICKHOST) 彦星浮気チェッカー(カルピスだけじゃだめですか?) クイズ再会は1年後(ZEN SELECT) 自分だけのボージョレ・ヌーヴォーのキャッチコピーを作ろう!(nabesan) シャトルランブースター「らんちゃん」(丑之日プロジェクト) 1年に1度だけログインボーナスが貰えるゲーム(モモンガムササビ) New Year's Card Generator(dai) ウソニュースメーカー(umikun-summer) サンタさんとはなそう!(コミットしちゃったズ) Once a Star(nobo) KABOOM(Pied Piper ) Otoshidama Bot(OUOB) 誕生日クーポン(webio) 年に一度だけだから…仲良くしよ?(鹿ちゃん) FC365(ひげだるま ) 4maruGen(Beaver's Hive) ZIKKAん(チームKTN) 年1投稿SNS「ANewal」(久保オチ物語) 1年に1度だけ使いたいものを入れる宝箱を作った(TakSan) #秒速で逢いたいっ!(ねむみ) Room Pikapika Game(おむすびのカフェイン) ファイナリストたちは、それぞれ2分のプレゼンを実施し、参加者全員が視聴。投票フォームに得点を記入するという審査方法です。 「1年に1度」をポジティブに捉えるか、ネガティブに捉えるかで解釈の幅が広く、いつも以上にそれぞれのアイデアが冴えるテーマとなりました! 結果発表 すべてのチームのプレゼンテーションが終わると、集計が行われ、得票数が一番多いチームが最優秀賞となります。 ちなみに賞品はこちら。 最優秀賞:amazonギフト券10万円分 優秀賞:amazonギフト券5万円分 特別賞:ツクったものにちなんだナニカ 学生賞:amazonギフト券1万円分 さて映えある最優秀賞は… 「Beaver's Hive」さんによる「4maruGen」でした! Beaver's Hiveさんの作品「4maruGen」は、自撮りした写真を証明写真風や背景付きなど、いい感じに補正してくれるアプリです。 流行りの画像生成AIを使用したプロダクトで、シンプルかつ優秀。SNSなど公式に使いたい写真が必要になる時期も「1年に1度くらい」と、絶妙にテーマにマッチしていました。あまりのクオリティの高さに正式リリースを待ち望む声も聞かれたお役立ちアプリです。 次点となる優秀賞は2チームを選出。まず1チーム目はこちら。 鹿ちゃんさんの「年に一度だけだから…仲良くしよ?」は、社会人の誰もが忌み嫌う年末調整と確定申告をテーマとした恋愛ノベルゲーム。年末調整の「ねねちゃん」と確定申告の「かなちゃん」と仲良くなるための正しい分岐を選んでいくことでハッピーエンドを目指します。 生成AIなどは使用せず、妄想力のみで組み立てたという本作は、ノベルゲームとしての完成度が高く、税金に関する豆知識を散りばめるという細やかさ、画面の華やかさなど多くの評価ポイントがありました。 お次は優秀賞2チーム目。 ハードでの参加を続ける丑の日プロジェクトさん。今回の「シャトルランブースター『らん』ちゃん」は、その名のとおり、シャトルランにおけるチート行為をするためだけのプロダクトです。 ラインに届かなかったつま先を手元のスイッチで伸ばす、というシンプルな動きですが、シャトルラン自体の邪魔にならないよう細やかな気遣いにあふれた機構。シャトルランのルールを熟知しているというニッチな面白さ、高度な技術力、目の付け所など話題をさらった作品でした。 運営のお気に入り。個性がきらりと光るプロダクトに与えられる特別賞は、おむすびのカフェインさんの「Room Pikapika Game」となりました。 大掃除をRPG風のToDoリストで楽しく終わらせることのできるプロダクトです。ファミコン風のゲーム画面から、掃除したい場所を選び、クエストをこなすことでタスク完了となります。 お掃除のための豆知識を授けてくれたり、討伐(掃除)が完了すると村人がお礼の言葉を言ってくれたりと作り込まれており、大掃除を何とか楽しめるようにとさまざまな工夫が散りばめられています。発想が楽しく、世界観がしっかりとしている良作です。 そして、学生として参加された方の中から選ばれる学生賞。コミットしちゃったズさんの「サンタさんとはなそう!」に決定しました。 子どもとサンタさん専用のリアルチャットアプリ。プレゼントに対するお互いの認識の齟齬を防ぐために開発されました。 プライベートチャットであるという体での認証機能、かわいらしいグラフィックなど、全体的に非常に丁寧に作られていること、また「サンタさんとのすれ違いによって起こりがちな『がっかりプレゼント』を防ぎたい」というほほえましい発想が評価されました。 * * * 今回のテーマは「1年に1度だけ使いたいもの」でした。 「1年に1回」のイベントをどう発想するか、アイデア力が問われましたね。 相変わらず発想力と妄想力に優れた参加者の面々でしたが、笑いをさそうもの、思わず関心してしまうもの、真面目に実用的なものが集まり、よりアイデアの幅の広い回になったと思います。 今回も全力で一緒に遊んでいただき、どうもありがとうございました。 みなさんおつかれさまでした! 最後に恒例の集合写真です。「遊ぶ」の「A」をみんなで掲げての記念撮影。 当日の様子は以下からご視聴いただけます。 謝辞と次回の予告 第8回も、参加者の皆さんとともに無事閉会することができました。皆さんいつも全力で遊んでいただき、運営一同大変うれしく思っています。 参加していただいたプログラマの皆さん、今回もありがとうございました! 次回は2025年8月21日開催予定です。 以下をフォローして頂けるとお知らせします。お楽しみに! https://twitter.com/tsukuasohack

    2025.05.01
  • 「第8回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー① 最優秀賞 Beaver's Hiveさん

    2025年2月21日から28日にかけて「第8回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。 今回のテーマは『1年に1度だけ使いたいもの』。 難しくも考え甲斐あるテーマ。皆さん、いつも以上に楽しんで取り組んでくださいました。 さて、恒例の受賞者インタビューです。 まずは最優秀賞から。 Beaver's Hiveさんは今回初参加での最優秀賞受賞となりました。 Beaver's Hiveさんの作品『4maruGen』は、自撮りした写真を証明写真風や背景付きなど、いい感じに補正してくれるアプリです。 流行りの画像生成AIを使用したプロダクトで、シンプルかつ優秀。SNSなど公式に使いたい写真が必要になる時期も「1年に1度くらい」と、絶妙にテーマにマッチしていました。あまりのクオリティの高さに正式リリースを待ち望む声も聞かれたお役立ちアプリです。 時流とテーマにしっかりと寄り添いながらも非常に面白味のあるプロダクトを生み出したBeaver's Hiveさん。初出場の思いや、具体的な制作過程、次回参加への思いなどを聞かせていただきました! Beaver's Hiveさんのプレゼンは 01:00:32 〜 ──── 最優秀賞おめでとうございます。 Beaver's Hive(斉藤):ありがとうございます。 ──── 早速ですが、「4maruGen」のアイデアはどのようにして出てきたんですか? Beaver's Hive(斉藤):「年に一度使えるもの」で実はかなり悩みまして、このアイデアが出てくるまで2日ぐらい使っちゃったんです。画像生成って、流行ってる割にいまいちユースケースがないですよね。でも「年に1度」ぐらいならあるんじゃないか、というのが最初の着眼点です。 そこから年に1度使う写真って何だろうと考えて、SNSとか、公式的などこかに掲載する自分の顔写真なら、年に一度ぐらいの頻度なんじゃないかというところに思い至りました。そこから使えそうな技術を調べていろいろ試してみたら、思いのほか面白いものができそうだなと。 ──── アイデアを考えるまでに2日で、そこから技術をいろいろ探して試して。 Beaver's Hive(斉藤):そうです。ギリギリに何とか上手いこといったっていうところですね。実はかなり危ない橋を渡ってます(笑)。ちゃんと固まったのは日曜日なので。 ──── 制作にはどのぐらいかかっていますか? Beaver's Hive(斉藤):やってること自体は、モデルを組み合わせてるので、今回モデル自体の学習はしてないんですね。モデルを引っ張ってきて組み合わせて、フロントのほうはもう一人担当がいるんでそっちに任せて、ぱっと作ってもらって、がっちゃんこして、みたいな感じです。日曜日に簡単なバージョンを作って、月曜日にそれをブラッシュアップして、提出しました。 ──── 組み合わせたモデルについて、具体的に教えていただきたいです。 Beaver's Hive(斉藤):まずプロンプトベースで画像を生成するようにして、それから、自分の画像とプロンプトを入れるとそれに合った画像を生成してくれる『Photomaker』というAIを使います。それを基本に、今回はポートフォリオイメージみたいな感じで、正面を向かせるプロンプトを入れて大まかに画像を生成します。でもこれだけだと、ちょっと本人感が薄れるというか、なんか違うぞ?ってなっちゃうんですよね。なので、そこにディープフェイクの技術『FaceSwap』を使って、顔の特徴を転移するようにしてあげると。さらにそこへ『FaceEnhancer』っていう、全体にきれいなフィルタをかけてくれるような技術を組み合わせて完成です。主にその3つのモデルで生成しています。 ──── 『Photomaker』で大雑把に作って、『FaceSwap』で本人感が出るように入れ替えて、最後に『FaceEnhancer』で補正すると。 Beaver's Hive(斉藤):そうですね。3つもモデル回してるんで、結構生成するのに時間がかかるんですけど、1年に1回だしいいかなと(笑)。 (一同笑) ──── 証明写真撮る手間に比べたらいいですよね(笑)。プレゼンでも印象的だったんですけど、実際にアプリも触ってみて、完成度に運営もかなり興奮しました。 Beaver's Hive(斉藤):ありがとうございます。 ──── 作品名の「4maruGen」とは、どういう意味なんでしょう? Beaver's Hive(斉藤):そんなに深い意味は実はないんです。フォーマル、公式な画像が作れるので、音的に「フォーマルジェン」なんですけど、実際に生成されるものが本当に公式に使えるわけじゃないと思うんで、「Formal」という単語をそのまま使うことをためらって、「4maru」にしたと。Genは「generator」のGen。 ──── ちなみに、コンプラ的なものなのか、あまりディープフェイクのライブラリって情報が出回ってないですよね。こういう技術はどこで学ぶんですか? Beaver's Hive(斉藤):「ディープフェイク」で調べると、確かにあんまり出てこないんですけど、「フェイススワップ」で論文や記事を漁ると結構出てくるんですよ。もともと画像系にすごく興味があってよく調べていたという背景があって、今回活かされました。 ──── 今回は初参加でいらっしゃいましたね。ツクアソについてはどこで知ったんでしょうか。 Beaver's Hive(斉藤):connpassで、ハッカソンでたまにお見かけする方々がツクアソに応募してるのを見て、「こんなハッカソンあるんだ、応募してみよう」と思いました。 ──── ハッカソンには普段どのように参加されているんですか? ハード系とかソフト系とか。 Beaver's Hive(斉藤):ハードが多いですね。このBeaver's Hiveっていう団体が、ハードに興味ある人が多めに集まってる団体で、ロボコンに参加したりもするんですよ。もともと大学の時のサークルのメンバーでできた、ものづくり系社会人サークルみたいな集まりなんですが。 ──── そうなんですね。組織的には結構規模が大きいんですか? Beaver's Hive(斉藤):人数で言うと数十人いるんですけど、コアに活動してるアクティブメンバーは15人くらいですかね。今回はその中から僕ともう1人で参加しました。メンバーの業種は割とばらばらで、Web系の人とかSES系の人とか通信系の人とかもいます。 ──── じゃあ、制作途中で困ったことがあると、誰かに何かしらの知見があるというような環境ですね。 Beaver's Hive(斉藤):はい。それぞれの得意分野を集めて作るみたいなことが多いですね。今回の最優秀賞については、サークルの中でも共有して、ちょっと盛り上がりました(笑)。 ──── 普段ハッカソンに参加される時は、どんなふうにチーム編成されてるんですか? Beaver's Hive(斉藤):基本、出たいハッカソンがあったら、メンバーを募って、なんとなく役割を決めて出る感じですね。今回は、参加募集したタイミングがちょっと遅かったんで、2人になったんですけど。 ──── 他のチームの作品で、気になったものやお気に入りのものはありますか? Beaver's Hive(斉藤):シャトルランのやつ、面白かったですね(丑之日プロジェクト『シャトルランブースター「らんちゃん」』)。動画のクオリティがすごいですね。ツクアソはハードの作品が多くて意外でした。ハードもソフトも受け入れてるハッカソン、少ないですよね。 ──── そうですね。 Beaver's Hiveさんもハードでの参加、大歓迎ですよ。 Beaver's Hive(斉藤):ハードやりたいな。ただ、使える時間的には、ソフトのほうが完成度高く見せる手段がいろいろあるよな、と迷うところです。でも、テーマや時期が合えばハードでの参加も検討したいです。 ──── 今回のテーマはいかがでしたか? Beaver's Hive(斉藤):面白かったですね、実用ベースのところが。他のハッカソンって、社会にある課題をどう解決するか、みたいなお堅いものが多いんで。もうそういうのって、アイデアが出尽くしてる感があるんですよね。「1年に1回」っていう切り口が面白くて、じゃあもう振り切ってこういうの出しちゃおう、みたいな奇抜なアイデアも許されるので、よかったです。 ──── 次回は8月ごろに開催予定です。ぜひBeaver's Hiveさんの中でも共有していただいて、参加をお待ちしてます。 Beaver's Hive(斉藤):はい、他にも興味を持ったメンバーが結構いましたので、ぜひ次回も参加させていただきたいと思います。 ──── どうもありがとうございました!

    2025.04.14
  • 「第7回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー⑤ 学生賞 すさきさん

    2024年9月20日から27日にかけて「第7回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。 今回のテーマは『ギリギリ商売できないアプリ』。 相変わらずの難しいテーマにもひるまず、みなさん素晴らしいアイデアをぶつけ合ってくれました。 最後は学生賞受賞者、すさきさんへのインタビューです。 すさきさんが開発した「宇宙商店街でお買い物」は、ロケットに乗り惑星をめぐりお買い物をするゲームです。それぞれの星で昼間しかお買い物できないという設定で、動きが早すぎてさっぱりクリアできません。 キモかわいいキャラクタと食材のイラストも印象的。「コードプログラミングが怖いので全てScratchで作った」という勢いの良さも新鮮で評価ポイントとなりました。 すべてScratchで開発したというすさきさん。初めてツクアソに参加した感想や開発の過程、Scratchを使って開発するということについてなど伺いました! すさきさんのプレゼンは 01:01:38〜 ──── 学生賞受賞おめでとうございます。今回、ツクアソへは初めてのご参加ですね。ツクアソのことをどこで知ったのか教えていただきたいです。 すさき:ハッカソンによく参加していて、connpassで検索するんですけど、その中で見つけました。実は数回前から認識はしていて、YouTubeのアーカイブをたくさん見てます。 ──── それは嬉しいですね。アーカイブご覧いただいて、どうでしたか? すさき:めちゃくちゃ面白いなと思って、良かった作品の技術スタックを紙にまとめたりしながら見てました(笑)。 (一同笑) すさき:すごい作品が多いので、今回は「学ぼう」という姿勢で参加しました。 ──── ありがとうございます。普段よくハッカソンにご参加されているということですが、どんなものですか? すさき:一番参加してるのが「技育ハッカソン」っていう、学生多めのハッカソンです。もう5回ぐらい参加してますね。それ以外のものにもちょろちょろという感じで。 ──── 他のハッカソンでもScratchを使うんですか? すさき:Scratchをハッカソンで使ったのは、今回が初めてです。今まで参加したハッカソンはチーム参加のものばかりだったので、他のメンバーと技術を合わせようとすると、Scratchはなかなか…。 (一同笑) ──── 難しいですよね、確かに。Scratch自体はどのくらい使ってらっしゃるんですか? すさき:一番最初に触ったの中学生の頃ですね。でも触らない時期がかなりあって、2年くらい前からまた触るようになって、プログラミング教室で小中学生に教えたりしています。 ──── プログラミング教室の生徒さんにこの学生賞、自慢しましたか? すさき:教室の中で作った作品を投稿するサイトがあるので、そこには投稿しました(笑)。 ──── ではちょっと制作についてお聞きします。テーマが発表されてから、アイデアはどのくらいの期間で浮かんだんですか? すさき:実は提出期限の当日に考え始めたので、かなり時間が足りなくて…。本当はアプリにしたかったんですけど、「ギリギリ商売ならない」と両立させるのが難しくて、今回はウェブ上で動かすことにしました。若干そこを妥協してしまったなとは思ってるんですが、なんとかひねり出せたので良かったです。Scratchだとちょっと作れるものの幅が狭いっていうのもありますが。 ──── そうは言っても想像の幅はかなり超えてきてました。 すさき:ありがとうございます。Scratchをもっと広めていきたいと思ってます。 ──── アイデアが浮かんでから、実際に作品が完成するまではどのぐらいの時間がかかりましたか? すさき:締め切り当日にアイデアを出すところから始めたので、かなりバタバタしちゃったんです。ベースとなるものを作るのにかかったのは、4、5時間ぐらいじゃないですかね。星野珈琲で頑張って作業しました(笑) ──── 4、5時間であそこまで作れるもんなんですか、Scratchで。 すさき:Scratchの扱い自体には慣れていたので、それがよかったんじゃないかと思います。 ──── 開発に関して、つまずきとかは特にありませんでしたか? すさき:難しくて詰まった、みたいなところはなかったんですけど、時間がかかって面倒な部分が多かったです。細かく場所の調整をしたりとか、土星作ったんだから地球も作らなきゃな、とか。そういう全部をちょっとずつ変えないといけない部分とか、ちまちました単調な調整作業が多くて、焦りながら作ってました。一番難しかったのは、初めてScratchでsin(サイン)cos(コサイン)を使ったことですね。以前から「どうやって使うんだろう?」って思ってたものだったので、使えて楽しかったですけど、難しかったです。 ──── どんな機能なんですか? すさき:簡単に言うと、X軸とY軸を使ってオブジェクトに曲線運動をさせることができる感じです。Scratchにはそもそも回転させるコマンドがあって、角度を決めて単純にオブジェクトを回転させることができるんです。惑星が自転する動きはその1行で簡単にできるんですけど、自転しつつ公転してほしかったので、そのためにsinとcosを使用しました。 すさき:太陽を起点に惑星たちを回していくんです。自転する動きをつけたら、公転角度という変数に応じて位置を調整します。こうやって回していくと、公転角度がどんどん増えていくんですが、この公転角度に合わせた場所に惑星が行ってくれるように、X座標はcos、Y座標はsinを使って計算します。 ──── 僕たちがデモの画面上で見ていたロジックから想像する以上のものをやっていて、素直に感心します。この惑星たち実際に回ってる太陽系の軌道をモデルにしたりしてるんですか? すさき:いや、そこは全く参考にしてなくて。だからそこを有識者の人に突っ込まれたらどうしようって思いながらやってました(笑)。そもそも公転って実際はめちゃくちゃゆっくりなんですよ。そこにこだわるとゲームとしての面白さとの両立が難しくなってしまうので、この惑星たちは見た目だけ何となくな太陽系で、あとは全部無視してます。全てがありえない速度でありえない軌道を回ってます。 (一同笑) ──── あのプレゼンの時に、まさか裏でこんなにロジック組んでるなんて本当にわかりませんでした。すごい。コードで書くよりよっぽど難しいんじゃないですか? すさき:その説もあります。 (一同笑) ──── 今後コードを書いていくっていうことは考えていますか? すさき:HTMLとかPythonとかは少し書いているんです。ただゲーム作りに適している、例えばUnityとかは触ったことがないので…。ゲームを作りたいと思うと毎回Scratchでぽちぽちやることに落ち着いてしまうんです。でもいつか時間をちゃんと作ってチャレンジしたい気持ちもあります。 ──── 今回のツクアソで、お気に入りの作品はありましたか? すさき:個人的な一押しは「今は時期が悪いおじさんchrome拡張」ですね。あれがものすごく好きです。アイデアを考えてる時、最初は資本主義を否定するようなものが作れないかなって考えてたので、その自分の中のアンチ資本主義の部分と共鳴しました。あれ、使いたいです!あとはやっぱり「丑の日プロジェクト」さんはすごいです。プレゼンも含めてめちゃくちゃ面白くて。あとZEN SELECTさんとかもすごかったですね。ツクアソのYouTubeのアーカイブを見まくっているので、常連の有名チームに関してはもはやファン目線で。 (一同爆笑) ──── 第7回まで来ると、ファン目線の方も出てくるんですね!嬉しいことです。 すさき:皆さん、毎回外さずにすごく面白いし、どんどんアイデアが出てくるのが本当にすごいなって思いながら見てます。 ──── すさきさんも今後「すごいScratchの人」として認知されていく可能性が大いにありますよ。 すさき:そうなったらすごいですね。Scratchを広めたいです。今回参加してみて、あとアーカイブ見てても思うんですけど、ツクアソは使う技術が多様なところがいいですよね。普段参加してる他のハッカソンだと、チームの中で技術合わせないといけないですし「みんなが知ってる技術」が中心に自然となると思うんですけど、ツクアソだとハードやる方もいるし、本当にいろいろで、アイデア面だけでなく技術面でもめちゃくちゃ刺激になります。 ──── ハードもソフトもごちゃ混ぜになりながらやってますんで、毎回驚きがありますよね。 すさき:自分が今回Scratchを使ったのも、ツクアソだから使いたいというか、許されそうだなというか、そういう気持ちもありました。 ──── 種類が増えることは、運営としてもありがたいことです。これからのツクアソに期待していることなど、もしあればお聞かせいただきたいのですが。 すさき:今の感じで、かなり完璧に近いと思っています。技術的に尖っている、変なことしてる人が自由にのびのびやっているところと、あのユニークなテーマも楽しいですし。今の、投票でテーマ決める形はぜひこのままでいてほしいです。次はどんなテーマが出るのかもすごく楽しみです。 ──── ぜひ今後もScratch代表選手としてご参加いただきたいです。ちなみに次回は2025年の2月下旬を予定しております。 すさき:さらに変な技術を探しつつ、参加したいと思います。 ──── お待ちしております。本日はありがとうございました!

    2024.12.09
  • 「第7回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー④ 特別賞 PiedPiper(近藤里俊)さん

    2024年9月20日から27日にかけて「第7回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。 今回のテーマは『ギリギリ商売できないアプリ』。 相変わらずの難しいテーマにもひるまず、みなさん素晴らしいアイデアをぶつけ合ってくれました。 特別賞受賞チームへのインタビューです。今回は「PiedPiper」さんから、近藤里俊さんにお越しいただきました。 今回PiedPiperさんが開発したのは、質問に対して運営が自力で回答してくれるというもの。その名も「Chat GRK(自力)」。 飛んできた質問内容に担当者が手動で答えます。24時間担当者を拘束するということは、最低賃金で単純計算して月額78万円コストがかかるということでした。確かに費用対効果を考えるとまったく商売になりません。シンプルかつ潔い良作です。 いつもはチームでの参加ですが、今回は近藤さんお1人での参加となりました。名だたるハッカソンへの参加常連であるPiedPiperさん。ツクアソでの受賞も3回目となりました。他のハッカソンと並行してアイデアを出したという驚きの秘話や、アプリ作りへのスタンスについてなど、たくさんお話を伺いました! PiedPiperさんのプレゼンは 00:52:51〜 ↓↓↓PiedPiperさんの過去のインタビューはこちら↓↓↓ 「第5回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー② 優秀賞 PiedPiper (吉田早希 & 近藤里俊 & 髙尾凌我)さん 「第1回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー① 最優秀賞 PiedPiper さん ──── 特別賞受賞おめでとうございます。毎度ご参加ありがとうございます。恒例の質問になりますが、ツクアソへ参加へのきっかけについて、教えてください(笑)。 (一同笑) 近藤:いつもこの「PiedPiper」っていうチームで参加してるんですけども、チームでハッカソン情報を共有してるんです。その中に第1回ツクアソの情報があったって感じですね。誰が見つけてきたのかまではちょっと覚えてないんですけど(笑)。Twitter上だったか、connpassだったかで見つけたんだと思います。 ──── チーム自体はどのような経緯で結成されたんですか? 近藤:学生の頃に出たハッカソンで出会ったのがきっかけですね。たまたまブースが隣同士で仲良くなったんです。その後、他のハッカソンでチーム組もうってなって、そこからいろいろ一緒に出るようになりました。チームでSlackのワークスペースを持ってて、そこで情報交換したりしてるんですが、それぞれのメンバーの会社の同僚とか、友達とか引き込んで、もうSlack上では10人くらいメンバーがいますね。その中で「PiedPiper」としてツクアソに出てるコアメンバーは3人ないし4人って感じですが。 ──── 今回、ツクアソの日程とQiitaハッカソンがかぶっちゃったんですよね。両方こなされたということで。ハッカソン、たくさん参加されてるんですか? 近藤:今年はツクアソ入れて4つくらいですかね。年始にもQiitaのハッカソンがあって、スパジャム、Vonageハッカソンと…あとなんかありました。大体ハッカソンと聞けば出るって感じです。 ──── すごい、精力的だ。ではここから開発について質問しますね。発表されてからアイデアってすぐに思い浮かびましたか? Qiitaハッカソンとかぶってましたけど…。 近藤:いやもう全然でしたね!発表されたのが金曜日で、Qiitaのほうに出ていた関係でオープニングに出れなくて、あとでwebサイトから確認したんですよ、テーマ。正直かなり時間的に厳しかったので、もしもアイデアが出たらやろうぐらいに思ってたんです。で、結局ちゃんと取り掛かったのがQiitaが終わった日曜日で、なんとか考えて、アイデアちゃんと出たのが月曜日。 ──── 締切当日じゃないですか。 近藤:そうなんですよ、最終日(笑)。まとまった時間も取れなかったし、今回1人参加だったんで議論する相手もいなかったんですよ。時間かかっちゃった。 ──── 通常のチーム参加の時は、アイデアソンして、役割分担して、みたいなスタイルですか? 近藤:そうです。ドキュメントツールにひたすらみんなでアイデア書きまくって、どれがいいか話し合いながらブラッシュアップしてって感じでやってます。 ──── お1人だとやっぱり時間がかかりましたか。 近藤:そうですね。あと、今回のテーマは僕には少し難しかったですね。どっちかっていうとビジネスというか、実用ベースが得意なんですよ。今回は実用を否定するプロダクトだったんで、なかなかの難問でした。 ──── アイデアが出てから作品の提出まですごく短い時間になりましたけど、制作自体はいかがでしたか? 近藤:技術的にはもう得意なものだけ使って、ひっかかりがないようにしたので。本当はサーバーサイドも作ろうと思ったんですけど、時間なくてやめて、インフラ周りはFirebaseのクラウドに投げてるんで、結局やったのって「チャットツール」でしかなかったんですよ。技術的な冒険はまったくせず、簡単に。 ──── ちなみに「チャットGRK」の名前はもちろんチャットGPTとかけて…。 近藤:そうです、そのとおり(笑)。せっかくだからダジャレっぽくしたくて、チャットGTPのどっかをもじりながら、それっぽく…って考えて「自力(GRK)」にしました。「自力」っていうのは「こっちが自力で返してる」だけなんで、ややこじつけではあるんですが、最も本家に近いもじりだなと思って。 ──── この字面だけ見ると「おっ」って思います。すごくキャッチーですよね。開いてみると本当にチャットで、オチも見事で(笑)。 近藤:ありがとうございます。 ──── 何の違和感もなく、説明もいらないし、秀逸です。 近藤:デザインを考える暇もなかったので、GPTの画面のカラーコードも真似して、スタイルもほぼ真似して。正確にピクセルを測ったりとかはしてないんですけど、ほぼ一緒なはずです。もうちょっといろいろ再現したかったんですけど、1日弱しかなかったので…。 ──── そうですよね、素晴らしいスピード感。ちゃんとデプロイして動くところまで持っていける辺りがもうさすがです。 近藤:ありがとうございます。開発にあてたのは、せいぜい10時間とかですかね。ハッカソンばっかりやってますので、もはや慣れです、この辺りは。Firebaseってハッカソン向きというか、サクッと作るのにすごく向いてるんです。サーバーサイド作らなくてよくて、ファイル保存できるし、データベース管理もできるし、認証機能も使えるんで、本当にすごいですよね。今回はGoogleだったんですけど、コードをコピペするだけで、もうGoogleのページに飛んで、認証して、内容返ってくるんで。助かりました。 ──── 作りたいものだけにフォーカスできるという意味ではすごくいいですよね。 近藤:コードも、昔の自分たちのチームのコードを引っ張ってきたりしてどうにか。パーツも揃ってるんで、リポジトリも。組み合わせに近かったですね。 ──── 今までのチームの蓄積があると、そういうメリットもあるんですね。 近藤:ハッカソン、いくつ出たかわかんないくらい出てきたんで(笑)。 ──── 今回、他の参加チームの作品でお気に入りのものはありましたか? 近藤:学生の、最優秀賞の、トチマルさん。 ──── 「AdX」ですね。 近藤:あれは面白かったですね。あと、ZEN SELECTさんの「LINE STAMP AI MAKER」も普通に便利だなと思いました。でもあれは審査通らないのか(笑)。 ──── トチマルさんはじめ、割と皆さん、先に「商売になるもの」を発想して、そこから崩していくってやり方でアイデア膨らましているチームが多かった印象ですね。PiedPiperさんも、採算が合わない、中の人がシンプルにしんどいから「ビジネスが成り立たない」というポイントが面白かったです。 近藤:今はデジタルで何でも解決できちゃうので、あまりデジタルに寄り過ぎると、結局マネタイズできちゃう仕組みになっちゃいそうだったんで、あえてアナログに振ったんです。結局人の手、というところに落として。 ──── ファイナリストプレゼンの途中で「1人でやってるんで、もう打てません!」みたいな流れが面白かったです。実際今回はお1人で参加されてたんで、自力の臨場感がすごくて。 (一同笑) ──── ちなみに今回も前回に引き続き、開発時間が72時間に延びていました。これ、以前のように48時間だったら今回出ていただけなかった感じですね…。 近藤:そうですね、1日足が出ちゃうんで(笑)。そういう意味では今回ありがたかったですね。3日間なら結構僕ら的には余裕のあるスケジュールという感じですね。2日間で徹夜で頑張る!っていうのも良さがありますが(笑)。 ──── 今回の開発にあたっては、過去に自分たちが作成したコードからひっぱってきたとおっしゃってましたが、新しい挑戦は避けて、全部引き出しの中から出した感じですか? 近藤:今回はもうほんとうにそうでしたね。キャッチアップする時間もないし、リスクも犯せないぐらい時間なかったんで…。 ──── ちなみに今、主に使ってる言語はなんですか? 近藤:最近はもうJavaScriptだらけです。僕は今、新卒4年目の年なんですけど、3年間の間に転職なんかも挟んで、JavaScript、GAS、Vue.js、PHPなどを触ってます。 ──── 引き出しがたくさんありますね。 近藤:新卒すぐのときにGoもRubyもPython、Node.js、Javaとかも書いたりしてました。もともと出身はロボット工学なんで、昔はC言語メインで書いてましたし、広く浅くいろいろ書けます(笑)。 (一同笑) ──── いろんなことできて楽しそうですね。 近藤:ハッカソンクオリティなら何でも作れるんで、楽しいです。会社でプロダクト作るぞ、となるとあれですけど。 ──── ではぜひ、その技術を持って次回のツクアソにもご参加いただければ(笑)。2月の下旬を予定しています。ぜひまたチームでも。もう2月のハッカソン、決まってるものがあったりしますか? 近藤:いえ、まだ2月はガラガラです。ツクアソをもう予定に入れて、参加します! ──── お待ちしております。ありがとうございました!

    2024.12.06
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