2024年3月8日から15日にかけて「第6回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。
今回のテーマは『洗練された無駄のない無駄な機能』。
いつも以上にセンスが問われるテーマとなりましたが、皆さん想像を超える驚きと楽しさを持ったプロダクトを見せてくれました。
さて、インタビューは特別賞、「オープニングの出席を忘れてたらなんか僕のテーマが選ばれていた」さん。初出場で見事受賞されました!
「オープニングの出席を忘れてたらなんか僕のテーマが選ばれていた」さんの、「SeiSeiAI」は、こちらの質問に対して全てを「セイ」に置き換えて回答してくれるというもの。
とにかく「セイ」しか言わない。いつか何か返してくれるのかもしれない、と期待して質問を投げ続けてしまう中毒性と、全てにおいての究極的な無駄のなさが強烈な印象を残しました。
初出場ソロ参加の「オープニングの出席を忘れてたらなんか僕のテーマが選ばれていた」こと、逢見泰久(おうみ・やすひさ)さん。どんなきっかけでツクアソへの参加に至ったのか、開発の過程や自身の開発履歴についてなどお話しいただいています。
オープニングの出席を忘れてたらなんか僕のテーマが選ばれていたさんのプレゼンは00:22:11〜
──── 特別賞受賞おめでとうございます。
逢見:ありがとうございます。
──── ツクアソへは今回が初の参加ですね。普段からハッカソンには参加されてるんですか?
逢見:実は、ハッカソンというものへの参加は、これが2回目なんです。ツクアソの1ヶ月ぐらい前に初めてハッカソンに参加したんですが、そちらの方ではあまりいい結果が残せなくて。それが悔しかったんで、リベンジのつもりでツクアソに参加させていただきました。
──── 以前参加したハッカソンはどのようなテーマだったんですか?
逢見:「つながり」というテーマでした。ちなみに「Qiitaハッカソン」です。これが非常に難しくて、技術も足りなくて結局予選に間に合わなかったんです。
──── なるほど。開発時間もちょっと短かったんですね。ツクアソは今回からプレゼン大会までの時間が72時間に伸びたんですが(前回までは48時間でした)、これはいかがでしたか?
逢見:私の経験が浅いというのもありますけれども、72時間あればまとめられるチームが多いんじゃないかなと思います。
──── 開発はスムーズに進められましたか?かかった時間などざっくり教えていただければ。
逢見:開発時間は大体6時間とか7時間ぐらいでした。テーマが出てから次の日の昼から夕方くらいで仕上げて提出、という感じですね。
──── 早い。時間を管理や開発の流れなどはどのようになさいましたか?
逢見:考えながら作るというよりは、アイデアが浮かんである程度固まってから手をつけました。割とすんなりアイデアが出て、それを実現する方法を探したら、これまたすんなり見つかったので、今回は運が良かったというか(笑)。
──── じゃあ今回は、苦戦されずに済んだんですね。技術的な課題はありましたか?
逢見:テーマが「洗練された無駄のない無駄な機能」だったので、無駄に形態素解析を使ったんですけど、形態素解析エンジンっていろいろあるじゃないですか。それをstreamlitに上げる時に、どうすればいいかなってなったぐらいですかね。
──── ローカルで作るところまではスムーズに組み合わせが決まってできたっていうことですね。このテーマってそもそも逢見さんの考えたものでしたね。
逢見:恥ずかしながら。
──── グループ名にもなっていますけども、いつの間にか選ばてたということで。
逢見:そうです。ちょっと用事があってオープニングをスキップしてしまったので、後から自分のテーマに決まったって知ったんですよ。これは何としてもモノをあげないと、ちょっとカッコつかないなと。
──── 俄然やる気が(笑)。テーマを応募した時に、もしこれが選ばれたらこういうもの作ろう、みたいなふわっとしたイメージも特に持ってたわけではなく。
逢見:なーんにも考えてなかったですね。
(一同笑)
──── 戦略的ではなかったんですね。
逢見:もう本当に、皆さんとスタートラインは一緒でした。
──── 今回でハッカソンは2回目だっておっしゃってましたが、このツクアソで習得した知識やスキルはありましたか?
逢見:実はなくて…。今回使ったフレームワークが非常に優秀だったので、フロントエンド何もいじってないんです。フレームワークが何もかもをすごくよしなにしてくれてしまったので、次回からはもうちょっと自分でやれるようなものを探したいなと思っています。
──── フレームワークってどこまでやってくれるんですか? フロントやってないっておっしゃってましたけど、画面自体ありましたよね?
逢見:htmlもcssも全く触ってなくて、Pythonコードでテキストボックス入れたぐらい。
──── めちゃくちゃ便利ですね。参考までにフレームワークの名前を教えてください。
逢見:streamlitです。デプロイされたものもあるらしいです。まず無料で使えるとっていうことで入れて、なんやかんやしたらなんやかんやなりました。全部面倒を見てくれたので本当に楽で。
(一同笑)
──── ハッカソン向きの優秀なやつですね。
逢見:ですね。でもその代わり自分の身につくことは本当になかったので、それに関しては今後の課題として残しています。
──── お仕事で使ってるとかそういうわけではないんですか?
逢見:いや、プログラムをいじる仕事ではないんです。プログラミング自体は学生時代にCを習ったくらいで、趣味としていろいろと触っているうちにPythonを習得しました。
──── なるほど。他に何か触ったりされてるんですか?
逢見:他にはGo言語やRustとか、あとJavaScriptも軽く触りました。Pythonの次だとRustが好きですね。Rustは習得できたらいいなと思っています。
──── 人生2回目、リベンジのハッカソンにツクアソを選んでくださって嬉しいです。ツクアソへの参加経緯を教えていただけますか?
逢見:Compassでたまたま見つけました。その前のやつは不完全燃焼だったんですけど、やっぱりハッカソンって面白いなと思ったので、次に出るハッカソンを探してて。
──── ツクアソって、参加してみると割とテーマもスタイルも独特だと思うんですが、その辺りの感想は。
逢見:今回、参加した方みんな難しいっておっしゃってたんで、癖のあるハッカソンだなっていうのは感じました。その「癖つよ」に貢献してしまったのは自分なんですけども。
(一同笑)
──── いや、良かったですよ(笑)。このテーマは何か参考というか元ネタがあるんですか?
逢見:ニコニコ動画のタグですね。「洗練された無駄のない無駄な動き」という…。
──── なるほど、ニコ動のタグから来てるんですね。
逢見:ニコ中だった時代があるので(笑)。
──── 他の参加チームの作品でお気に入りのものはありましたか?
逢見:個人的に好きだったのはくまっきーさんの「Nothing - 消える電卓 -」です。UIが洗練されてて。私はデザインができないので、嫉妬しちゃいました。
その他だと、Takさんの「キー未入力の無駄な時を無くすべく、無駄にキー入力し続ける洗練されたシステム」です。あれはすごかったですね。私自身も電子工作もやるのでわくわくしました。
──── ハードもいけるんですね!どんなものを作られるんですか?
逢見:今、使ってるこのマイクは自作です。オーディオインターフェースにつなげるようにしてあるマイクとか、あとはリューター作ったりとか…。あとは、今だとチップLEDがなぜか大量にあるので、それを使って遊んでます。次回参加するとき、アイデアがうまいこと思いつけば、ハードでいきたいなと考えてます。
──── ツクアソ常連さんに何組かハードをやる方いらっしゃるんで、増えるとまた面白いと思います。ぜひ。
逢見:今回インタビュー受けるにあたって、以前の受賞者インタビューをいろいろ読んでたんですけども、Takさんとか、「Uzurium」とか、すごく面白いですよね。すごくレベルの高いハッカソンだと思いました。
──── 技術力を無駄遣いされてる方、多いですよね。
(一同笑)
──── プレゼン、すごく面白かったんですけど、あれはどうやって準備されたんですか?
逢見:モノ自体が出来上がって、ファイナリストになったって通知が来てから作り始めました。もうとりあえずネタに振ってみようと。テーマからネタに振ってるんだから全振りだと思って。
──── なるほど、全振り(笑)。プレゼン大会中のチャットにたくさんコメントくださって、すごく盛り上がりました。リアクションが早くて、運営からするととても嬉しいです。
逢見:そこのあたりはニコ中だった経験が生きましたね。全体的にゆるくてコメントしやすい雰囲気なのもありました。ツクアソ、すごく楽しかったです。
──── ありがとうございます。次回のツクアソは9月を予定しているんですが、ご参加いただけますか?
逢見:今からわくわくして待ってます。次回はぜひ最優秀賞でアマギフを狙いたいです。
──── ぜひさらなる高みを目指していただいて。本日はありがとうございました!