「第5回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー② PiedPiper (吉田早希 & 近藤里俊 & 髙尾凌我)さん

2023.12.14

2023年8月17日から25日にかけて「第5回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。

今回のテーマは『大人のカンニング』。
「カンニング」の解釈をどうするかが肝となるテーマでしたが、安定の個性爆発ぶりで、皆さん楽しい作品を見せてくださいました。

さて、第5回も恒例の受賞者インタビューを行いましたよ。

今回は、優秀賞を受賞したチーム「PiedPiper」の3名によるインタビューです。

PiedPiperさんの「GegeloMap」は、ユーザーが夜の街で粗相をした際にその場所を登録。蓄積された情報から、あらかじめ汚物を避けて通ることができるというアプリでした。


大人なら誰しも見かけたことのある夜の路上のゲロ。できれば避けたい、と「みんなが思うもの」という目の付け所が面白く、また大人ならではの発想にも注目が集まりました。

ツクアソ第1回から皆勤賞を誇るPiedPiperさん。今回のプロダクトの開発過程はもちろん、いつもどんな視点でものづくりをしているのかなど、常連ならではの楽しいお話をたくさん伺いました。


PiedPiperさんのプレゼンは 00:38:25 〜



「PiedPiper」メンバー
吉田早希(よしださき)さん
近藤里俊(こんどうりしゅん)さん
髙尾凌我(たかおりょうが)さん

──── 優秀賞おめでとうございます。PiedPiperさんは、第1回からずっと参加してくださってるんですよね。
高尾:そうですね、このメンバーは全員参加です。
──── 第1回は最優秀賞を取られました。今回のお題は難しかったという声が多いんですが、初回と比べていかがでしたか?
高尾:回を重ねるごとに難しくなっていく印象がありますね。
ツクアソって、ぶっ飛んだものを作らないと勝てない気がするんですよ。他にもハッカソンには出てるんですけど、ツクアソだけ勝ち方がイメージできないよねっていう話をよくしています。頑張って作ったとしても、それが勝てるかは最後まで分からないというか、とにかく予測不可能で、難しいハッカソンだなって。
──── 他のハッカソンにもよく出てらっしゃるんですか?
高尾:はい。見つけて予定があえば即参加っていう感じで、割と出ています。僕と近藤は学生時代にハッカソンを通して知り合ったんです。吉田は会社の同期で、同じようにハッカソンに積極的だったのでスカウトしました(笑)。
(※第1回ツクアソ最優秀賞受賞時のインタビューはこちら)
──── 開発の過程について伺います。テーマが発表されてからアイデアが浮かぶまで、どのくらいの時間がかかりましたか?
高尾:結構かかりましたね。木曜日の夜にテーマが発表されて、その日のうちには固まらなくて。金曜日は普通に出社してたんで、退勤してから集まってまた話し合いだったんですけど、それでも決まらなかったですね。土曜日の朝方、日付を超えてようやく決まって、制作にとりかかったっていう感じでした。
──── やっぱり難しかったですかね。
高尾:そうですねー。いつもはアイデアをそれぞれ出しながらHackMDに書いていって、そこから選んでさらにブラッシュアップさせていくってやり方なんですけど、出るからにはどうしても勝ちたいんですよ。
だからいかにぶっ飛んだアイデアにするかっていうので手こずって、納得するアイデアが出るまで時間がかかっちゃいました。
近藤:今回の「大人の」の部分で、アダルトっぽい案まで結構出してたんですけど、なかなか堂々と使えるのが出なかった。
高尾:あと今回、使う側と情報を提供する側、どっちもメリットがあるようなものを作りたい、サービスとして成り立つようなものを作りたいなっていう思いもあったので、そこでもアイデア出しに苦戦したよね。
──── からの、「GeeGeloMap」ですけど、これはどういった経緯で決まったんでしょうか。
吉田:これは結局のところ近藤がノリで。
(一同笑)
近藤:僕、その日飲んでたんですよ。金曜日の夜のミーティングをオンラインでやってたんですけど、僕、飲み会帰りだったんです。帰り道歩きながらで、金曜の夜だから周りも酔っ払いがいて、それを見てたら思いついたっていうかんじです。
高尾:前回は、「水」がテーマで、水文字から連想して時間経過で消えていくチャットアプリ(※第4回ツクアソ出品作品「ChatMith」)を開発したんですよね。真面目路線でパンチが足りなかった。
吉田:敗因は真面目さ。
近藤:やっぱりパンチだよね。ぶっ飛び具合で最優秀賞をもぎ取ったんだ。
(一同笑)
──── 名前から決めたんですか?
近藤:同時ですかね。そもそも僕がゲロでなんかできないかなって思ったんですよね。
マップ上に事故物件ばっかりが表示される「大島てる」っていうサイトがあるんですけど、それを友達に教えてもらったばかりで、ちょうど思い出して「ゲロ版作ったら面白そうだな」と…。
吉田:ひどい(笑)
(一同笑)
──── アイディアが出てから土曜日に提出するまでの開発などはいかがでしたか?
吉田:今回、あんまり大きな詰まりがなかったような。
近藤:GoogleMap APIでちょっとさきちゃんが苦労してた印象がある。
吉田:うん、でもそれぐらいですね。
高尾:機能を絞ったので、比較的スムーズに進めたと思ってます。
近藤:みんなで2ページずつシンプルに分けたんだよね、作業を。サーバーもなかったし。
高尾:サーバーなかったね。firebaseで。今回、実装部分のバックを全てfirebaseに任せて、実装はフロントだけだったんです。だからページで分担して。
近藤:パワーで押し切りました(笑)。
吉田:普段は高尾がバックエンドをメインでやっていて、近藤がデザインフロントやって私もフロントやってっていう感じなんですけど、今回はちょっとイレギュラーな形ですね。でもハッカソンによっては、いつもやってない部分を担当したりとか、柔軟にやってるので、そこまでの苦労はなく。
──── みなさんエンジニアでいらっしゃるということですが、お仕事では具体的に何をやっていらっしゃるんですか?
近藤:僕の本業は、サーバーサイドエンジニアです。フリーランスでデザイナーとしてフロントも触っているので、ハッカソンではフロントをやることが多いですね。
吉田:私はSEなので割と色々なんですけど、メインはクラウドアプリケーションエンジニアで、クラウド構築とかやってます。学生時代にフロントエンドのインターンをやっていて、フロントが一番好きなんです。なのでハッカソンの場でフロントを楽しみながらやってます。
高尾:僕も吉田と同じくSEです。専門領域はクラウドのインフラ部分で、業務ではOCPとかを中心に触っています。
──── 第1回から参加されていたということですが、ツクアソに最初に参加したきっかけについて教えてください。
高尾:基本的にネット検索です。常に僕や近藤がハッカソンを探してるんです。どっちが見つけたのかはもう覚えてないんですけど、ネット検索に引っかかったんじゃなかったかな。第1回は、ちょうど社会人になったタイミングで。当時はハッカソンって学生向けがすごく多くて、社会人向けって少なかったんですよね。それでツクアソは見つけた瞬間に「出よう!」って。
──── 今回参加された他のチームで、特に印象に残ったものってありますか?
近藤:僕らと同じ常連のユニバックさんとか、やっぱり毎回いい作品が多いですよね。完成度も高いですし。
吉田:丑の日プロジェクトさんとか。
高尾:そうですね。彼らとは懇親会でも話しましたけど、年代が近いのもあって、毎回楽しみにしてます。今回はどんなもの作るんだろうって思います。
──── ハッカソンはお好きということですけど、ならではの醍醐味とか良さはどんなところなんでしょう?
吉田:ハッカソンって大抵時間が極端に限られていて、参加すると大体オールになるんですよね。そういう追い込まれた状況で、がーってコーディングしてる時、もうアドレナリンがドバドバ出てすごい楽しく感じます。
あとは、もう普段の業務でコードを書かなくなっているので、その物足りなさをハッカソンで埋めてるところもあります。スピード感から何から普段の業務と全然違うので、ギャップがもたらす刺激みたいなのが強烈で、終わるとまた欲しくなってしまうという…。
(一同笑)
高尾:吉田が言ったことに僕も同意です。あと、やっぱり物作りが好きなので、それを仲間とできるという意味でも魅力的な場だと思ってます。
ハッカソンでしか触れない、触らない技術もあるので、そこも楽しいですね。他の人のアーキテクチャを見るのも勉強にりますし。ハッカソン、面白いです。
近藤:僕もみんなに近い気持ちですね。マネタイズとか気にせずに物を作れるっていいですよね…。僕自身飽き症なんで、長くひとつのサービスを守り続けるというよりは、短期間で考えて作ってを繰り返す方がより刺激を感じます。
吉田:あと、私、第1回ツクアソが人生初のハッカソンだったんです。それがすごく楽しくて。今思えばツクアソだったからなんですけど、「こんなに楽しいんだ!」みたいなのを知ってしまった、という感じでした。
このチームは、メンバーに教えてもらえる、学べることが多くて、それも楽しさのひとつですね。
──── ハッカソン愛が強い、いいお話を聞けました。今のところ皆勤賞です。ぜひ次回もご参加いただけますよね。
近藤:もちろん、皆勤賞逃すわけにはいかないですね。唯一のチームですよ、われわれ。
高尾:第10回ぐらいで表彰されるんだろうなぁって思ってます(笑)。
吉田:皆勤賞で。
──── ぜひお待ちしています。本日はありがとうございました!