2024年3月8日から15日にかけて「第6回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。
今回のテーマは『洗練された無駄のない無駄な機能』。
いつも以上にセンスが問われるテーマとなりましたが、皆さん想像を超える驚きと楽しさを持ったプロダクトを見せてくれました。
今回のインタビューは優秀賞、チーム「ZEN SELECT」さん。前回の第5回ツクアソでは最優秀賞を受賞しています。
チーム「ZEN SELECT」さんの「Coogle」は、検索すると、洗練されていて無駄のない検索結果を示してくれるというものでした。
示される検索結果は一件のみ。その結果の大喜利とも言えるおかしみと益のなさが非常に面白く、また短い時間で落とし所もばっちりときまったプレゼン動画が高く評価されました。「洗練」と「無駄」の二つをきれいに押さえた作りであったと言えます。
4人チームであるZEN SELECTさんが、今回はどうプロダクトを作り上げたのか、完全分業型チームの運営方法、今後のツクアソへの思いなど、賑やかなインタビューとなっています!
ZEN SELECTさんのプレゼンは 00:35:27 〜
↓↓↓ZEN SELECTさんの過去のインタビューはこちら↓↓↓
「第5回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー① 最優秀賞 ZEN SELECT(ZEN & ずんだ & suckhal & ハマ)さん
「ZEN SELECT」メンバー
ZEN さん
ずんだ さん
suckhal さん
ハマ さん
──── 優秀賞受賞、おめでとうございます。
ZEN:ありがとうございます。
──── 早速ですけれども、今回のテーマはいかがでしたか? このアイデアが出てくるまでにどのくらいの時間がかかったんでしょうか。
ZEN:「はい」か「いいえ」で答えるなら、「いいえ」ですね。今回、僕がオープニングに参加できなくて、後からテーマを聞いたんですよ。出席してた他の3人が先に相談をはじめてて、アイデアリストを見せてもらってまた一緒に考えたんですけど、なかなか形にならかったですね。1日目では決まらずに、翌日の夜に再集合して、それでも出なかった。
──── 結構苦戦したんですね。
ZEN:そうですね。テーマの解釈がすごく難しくて。いろんな考えが膨らんではしぼみ(笑)。そこにハマさんが「洗練されたものって何?」って、一段フェーズを落とした疑問を投げかけてくれて、そこで「Google、洗練されてるよな」っていう話になったのかな。
suckhal:そんな話してるときに、ハマさんが手を動かして「こんな感じ?」ってデモをぽんと出してくれたんですよ。それが「面白いね」ってなった。
ZEN:実はGoogleの話になる前の段階で、一つデモを作ってもらってたんですよ。しりとりをすぐ終わらせるbot、みたいなデモを。
ハマ:いやいや、「洗練された回答をしてくれる」チャットボットを作ったんですよ。アイデアがなかなか固まらないから、とりあえず手を動かそうと思ってさくっと。
ZEN:そうそう。思い出した。それでそのbotとしりとりしたんですよね。その返答が面白かったの。洗練された回答だから、かなり冷たく、端的に終わらせられたんですよね。それはもう完璧な答えで。
ハマ:「しりとり」から始めて、俺が「りんご」って言ったら、botが「ごめん」。終わり。
(一同爆笑)
──── 洗練されてますね。でもCoogleはそれを踏襲してる気がします。
ハマ:プロンプト一緒なので。
──── そうなんですか。
ハマ:ほとんど一緒。UIを変えただけですね。だからそうやって話してる間に作って、みんなに触ってもらって。
ZEN:洗練されているが故の冷たさが面白かったんだよね。以前、そういうテーマありましたよね。
ハマ:なんだっけ、「ちがう、そうじゃない」。(※第3回ツクアソテーマ『「いや違う。そうじゃない」とツッコまれたくなるモノまたはサービスをツクる』)
ZEN:それだ。そのときみたいな感覚で面白がれたっていう流れはありましたね。
ハマ:そんでもう、ロゴも俺が勝手に作って。作るとも何とも言わずに完成したものをぼんとみんなの前に出したんだよね。
suckhal:そうそう。
ZEN:Googleのロゴっぽいものを作れるやつで作ったんだよって、ハマさんが持ってきてくれたんだけど、suckhalさんにお願いして。
suckhal:一応、グラフィックをちゃんとしました。一回だけ修正入れて(笑)
ZEN:最初の洗練されたbotの流れのまま、何でも短い単語で返してくれる感じだったんですよ。それで何回か遊んだんですけど、もうちょっと返答を長くしてもらうように調整したんですよね。初期バージョンだと「確定申告」って検索すると、「必須」、終了、だったんで、もうちょい文字数増やしてもらって、人間味を出すというか、よりイラッとする回答を出したかったんで。
──── 以前のインタビューでもお聞きしているとは思いますが、「ZEN SELECT」さんを初めて知る方向けに、チーム結成秘話など、教えていただけますか。
↓↓↓前回のインタビューも合わせてお読みください↓↓↓
「第5回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー① 最優秀賞 ZEN SELECT(ZEN & ずんだ & suckhal & ハマ)さん
ZEN:僕がyoutubeのチャンネルを持ってまして。それが、中田敦彦さんが考案した「XENO」っていうゲームを解説するチャンネルだったんですけど、そこに集まってくれた人たちで結成しました。ハマさんとずんださんが常連で、最初は「3人でゲーム作ろっか」みたいなノリで。suckhalさんは、実は「XENO」のパッケージイラストを描いた方で、ハマさんがコンタクト取ってくださったんですよね。で、引き摺り込んで4人になりました。
──── 役割分担がはっきりしてるチームなんですよね。
ZEN:そうですね。suckhalさんがグラフィック的なポジションで、今日はお休みのずんださんもデザインワークが担当。ハマさん1人がばちばちのプログラマで、僕はアイディア出しとプレゼンテーション担当です。今回はアイデアひとつも出してないですけど(笑)。なんだかんだ毎回、アイデアはみんなで出し合ってますんで、僕はプレゼン動画を作る担当って言ったほうがいいかもしれない。
ハマ:今回ずんちゃん酒飲んでていなかったけどね。
suckhal:イベントに行ってたんだよね。それでべろんべろんだったっていう(笑)。普段だったら、ずんださんがデザインして、僕はイラストを描きます。
(一同爆笑)
──── アイデア出しながらデモを、というお話だったんですが、実際、開発にかかった時間はどのくらいでしたか?
ハマ:今回短かったな。15分くらいじゃない?
ZEN:プレゼンテーション動画作ってる時間の方が長いですね。
ハマ:話してる中でさっさと作って出してるから、本当に時間かかってないんだよね。でもあと15分くらい真面目に作り込んだから、トータルで30分くらい。
──── 本当にさっくり作ったんですね。じゃあ時間の管理とかも特に意識せず?
ZEN:スケジューリングとかは特に。でも、トップバッターでプレゼンできないんだったら、中盤ぐらいで発表したいなと思って、提出する時間を待ちました(※ツクアソは提出順に発表となります)。コントロールしたのはそこだけですね。
ハマ:何だかんだ、アイデアソンにもトータルではそんなに時間使ってないもんね。2日に渡ったけど、夜しか集まってないし。
ZEN:でもね、日中もずっと考えてましたよ。何してても頭の片隅にあるというか。フライパン洗ってても「この、フライパンを洗うという動作はどうしたら洗練されるんだ?」とか。「無駄の無い無駄って何?」とか(笑)。
(一同笑)
ZEN:そうは言っても、実働って意味ではハマさんの15分プラス15分の30分になっちゃいますかね。
ハマ:あとsuckhalちゃんがロゴ作ってる時間。
suckhal:それ、2分くらいかな。
ZEN:では、32分です。
(一同爆笑)
──── 他のチームの作品で気になったものはありましたか?
ZEN:毎回ハードの作品が気になりますね。すごいの提案される方いらっしゃるじゃないですか。僕らも動くモノを作りたい、みたいな話は、毎回一瞬上がるんですけど。
ハマ:まあ、ハード系作るんだと、どうしても一緒にやらないといけないからね。
ZEN:場所どこにするかって話ですよね。
ハマ:俺、基本岡山から出ないからね。
(一同笑)
ZEN:毎度挑戦したいとは思ってるんですよ、心の片隅で。モノも作る展開になったら、またそれぞれ違う力が発揮できそうだし。
──── 今回のプレゼン動画はどんなふうに作られたんですか?
ZEN:今回はみんなに相談しないで、「僕、用意しときますね」ってアイデアから全部1人でやったんですよ。当日までみんなどんなものが出てくるか知らないっていう(笑)。本当にかつかつで、発表の1時間前ぐらいまで作ってました。
めちゃめちゃ悩んだんですよね。まず「やっぱ無駄だよね」ってみんなに思わせるオチが一番いいと思って、じゃあそう思わせるにはどうしたらいいのか。言葉で言わなくても、みんなの中で腑に落ちる展開っていうのを前提として逆算していった感じですね。それで、Coogleを紹介するんだけど、結局最後にはGoogleにアクセスして終わるのがいいかなと。持ち上げてから落とす。売るつもりのないものをいかによく見せるか、それを構成するのはすごい難しかったです。
──── 今回は動画でしたけど、過去にライブで行ったこともありましたね。
ZEN:水のテーマ(※第4回ツクアソテーマ「水!!」)のときですね。あの時は、会話に水をさすbot(「水差係長」)だったんで、それはリアルタイムで会話に水さしてもらったほうが面白いだろうって思ったんですよ。だからライブの形を採用したんです。
やっぱりライブは緊張しますから。本番で言いたいことが飛んだり、つじつま合わなくなったりとかしたら、冷めちゃう場合も多いじゃないですか。そういうものは、動画のほうが適切だろうって思ってやってます。
今回の「CoogleよりGoogleの方が結局いいじゃん」っていうオチは、要するにギャグですよね。動画でも盛大に滑った気分にはなったんですけど、リアルタイムでやったら大惨事かもしれないなと思って(笑)。あと、あれは検索してる場面とか、全部こまめに編集してテンポを調節してるんです。実際に検索してるともっともたもたして見えるので、そこで萎えるのも避けたかった。でもライブの良さっていうのはすごいあるんで。特に今回はそれを感じた発表が多かったですよね。ライブもやりたいとは思ってます。
──── 今後のツクアソの展開に期待することはありますか?
ZEN:僕、第1回のテーマが好きなんですよ。参加してないですけど。「明日がちょっと楽しくなるサービス」って、純粋に気持ちが上向くテーマだと思って。それ以降のテーマも今回のテーマも面白いんですけど、大喜利化してきてる気がするんですよね。プレゼンも何かオチを考えなきゃいけないようなものになっちゃう。それよりもっと「どうだ!すげーもん作っただろ!」っていうハッピーさが欲しいというか。
でも、一般投票で決めてますもんね。これは独り言みたいなものと捉えてください…。
──── いえ、貴重なご意見です。次回は9月を予定しています。ぜひ、ハードでの参加も期待しています。
ハマ:サーボモーターとM5スタックとかは、一応、手元に用意してるから。できるっちゃできるよ。
ZEN:それはまたその時考えましょう。
(一同笑)
──── ありがとうございました!