「第2回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー② 優秀賞 丑の日プロジェクト (アニー & マーク) さん

2022.07.22

2022年2月17日から25日にかけて開催された「第2回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)。
「時からカイホウ(開放/解放)されるサービス」をテーマに独創的な作品を見せてくれた受賞者たちのインタビューを公開します!

今回は、優秀賞を受賞したチーム「丑の日プロジェクト」のおふたりによるインタビューです。

「丑の日プロジェクト」は、ランダムで遅刻理由を生成し、気に入ったものを選ぶと自動で言い訳文章を待たせている相手に送信することができるというアプリ『「ちこちゃん」遅刻理由ジェネレーター』を開発。アプリの圧倒的なユニークさもさることながら、プレゼン動画のクオリティの高さも注目を集めました。プロジェクト結成の由来やハッカソン当日の状況など、楽しいお話が満載です!


丑の日プロジェクトさんのプレゼンは 01:07:28 〜


「丑の日プロジェクト」メンバー
アニーさん
マーク さん

──── 優秀賞受賞おめでとうございます。早速ハンドルネームの話題なんですが、どうして「アニー」と「マーク」なんですか?
アニー:僕は普段から呼ばれているニックネーム。マークは本名なんですよね。
マーク:そうなんですよ。もともとアメリカで生まれまして、その時にミドルネームとしてつけられたのが「マーク」です。アメリカではそれが一番発音しやすいのでそのまま呼ばれてます。
アニー:「アニー」は「スター・ウォーズ」のアナキン・スカイウォーカーからです。ダース・ベイダーが好きなので…。僕もアメリカにいた時は本名を発音できる人が誰1人いなかったので、日本にいる時から使っていたニックネームをそのまま使っています。現在いる日本の職場でも「アニー」って呼ばれているので、ほぼ本名みたいな感じですね。
──── 異色のお2人ですね。どういうご関係なんですか?
アニー:大学の3DCADのクラスで初めて出会いました。この「丑の日プロジェクト」自体はそもそも僕と僕の幼馴染の2人で始めたんですけど、マークがいてくれたらきっともっと楽しいだろうと思って、誘ったら快諾してもらえました。
──── 「丑の日プロジェクト」という名前の由来は?
アニー:今、同席していない3人目のメンバーの「太郎」が、平賀源内が好きなんですよ。諸説ありますけど、土用の丑の日にうなぎを食べるブームの火付け役が平賀源内だというエピソードがあるじゃないですか。僕も平賀源内の、そういうちょっと意地が悪いような、賢いような発想が好きだなと思って、名前にしました。
僕的にこの3人は、妄想を実現化するために本気で取り組めるメンバーだと思っているんです。普通だったら「何に使うのそれ?」みたいなものでも、「そんなことわざわざやる必要ある?」ってことでも、実現したいと思ったからには全力でやろうって思える「プロジェクト」です。
マーク:僕も同じですね。やっぱり僕らはエンジニアなので、ものづくりが好きなんですよ。でも仕事で自分達の好きなものを作れるわけでもない。でもこの「丑の日プロジェクト」では、僕たちの本当に作りたいものを作れる。そのためのプロジェクトだと思っています。
──── このプレゼン動画の最初の背景、すごくかっこいいですよね。これはどなたが描かれたんですか?
アニー:丑の絵の方はプロのデザイナーをやっている友達で、題字の方はやっぱり友人の書道家に書いてもらいました。どちらもずっと丑の日プロジェクトを応援してくれている友人です。ちゃんと著作権を譲ってもらって、自由に使わせてもらっています(笑)。
──── 大事なことですね(笑)。
──── 今回のツクアソハッカソンにご参加いただいてありがとうございました。このハッカソンについてはどこで情報を?
アニー:僕らハッカソンがすごい好きで、週に1度は面白そうなハッカソンないかなってリサーチしてるんです。多分その中で見つけたんですけど、とにかくツクアソさんはすごく楽しそうで、HPがわかりやすかった。あと、賞品があるのも嬉しかったですね。それでメンバーで盛り上がって、今回はスケジュールの合うこの2人で出ようかって。
──── 実際参加してみてどうでしたか?楽しんでいただけました?
マーク:楽しかったです。
アニー:次も絶対出ようって話にもうなってます。
マーク:次こそは最優秀賞いこうって言ってたもんね。
──── 今回、テーマを3つの選択肢から投票で選ぶスタイルだったんですけど、お2人が望んだテーマでしたか?
アニー:僕は確か違うものを選びました。でも結果としてはこのテーマで良かったです。アイディアもいっぱい出てきましたし、そこからいろいろ妄想も膨らんで、今回発表させていただいたもの以外にも、「これはハッカソン関係なくやろうね」って言い合える面白いものがたくさん浮かびました。そうやって他にも作りたいものが出てきたりするところが、ハッカソンの好きなところなんですけど、今回のテーマでもそう思えたのでとても良かったです。
マーク:すごい楽しかったです。「こんなものあったら便利だよね」っていうものがどんどん浮かんできて、すごく良いテーマでした。
──── テーマが発表されて、提出期限まではどんなかんじで過ごされたんですか?
アニー:僕は今東京にいるんですけど、マークが今もカリフォルニアに住んでいるんですよ。
マーク:そうなんです。だから僕は時差の関係でオープニングには出れなくて。朝起きてアニーからのメッセージを見て、「時からカイホウされるサービス」というのを知りまして、そこからオンライン上でフローチャートどんどん作っていって、時間ができたときにZoom繋いで会話して…ってかんじで進めました。
アニー:ちょうど時差がいいかんじになってましたね。テーマが発表されてから、僕がある程度のアイディアの下地みたいなのを作って、それが出来た頃にマークが起きてくる、みたいな(笑)。そこから「あとは任せた」って僕は一旦寝て、また起きたらマークがアイディアを膨らませてて、それをもとにどうしようか僕が考えて、僕の仕事が始まる時間に今度はマークの仕事が終わるので、バトンタッチしたマークが資料を作ったり準備したりして、僕の仕事が終わった時間に2人で開発始めて…というかんじでどっちかが起きてるんですよ僕ら。
──── いいな、交代制だ。
マーク:でももうハッカソンの当日は2人ともオールしてるんで、結局時差とか関係ないですよね。
アニー:金曜日から土曜日にかけてはそうだね。徹夜して仕上げて。
──── じゃあ結構余裕持ってできたかんじでした?
アニー:いや、なんだかんだ結構ぎりぎりでしたね。締切の50秒前くらいまでやばいやばい言いながらやってました。
マーク:いきなり「ちこちゃん」使うところでした。
(一同爆笑)
──── たくさんアイディアが出た中で、どうしてこの「ちこちゃん」になったんですか?
マーク:僕はアメリカで生活しているんですけど、やっぱりアメリカ人って自由に生きてるんですよ。毎日楽しく、どんな小さなことでも大げさに楽しむっていうか。日本人と何が違うんだろうって考えると「時間」なんです。時間から解放されてるってことだと思うんですよ。彼らは仕事でも普通に遅れてくるんですよ。「ごめん遅れた」みたいな。学校でも先生が授業に5分くらい遅刻してくるのは普通のことですし。そういう経験を踏まえると、「時から解放される」ってことは、「遅刻を認められる」っていうことだと思いまして。そこからアイディアが出た感じですね。
──── そっちの人たちは言い訳するんですか?
マーク:します。車がパンクする人が多いですね。
(一同爆笑)
マーク:他にも「渋滞が起きた」とか「歯が痛い」とか「娘の誕生日が」とかバラエティがあって。時間には縛られずに自分のライフを楽しむんだっていうのがありますから、こっちの人は。そういうのも参考にしました。
──── 動画がすごく印象的だったんですが…。
アニー:僕と太郎がすごい遅刻癖があって、基本この3人で何かする時はいつもマークが待ってくれる立場にあるんですよ。今回も遅刻の言い訳メッセージはマークが担当してくれたんですけど、いかにも僕が送ったことあるようなメッセージで(笑)。そんな流れで、これは動画の方が良さが伝わりやすいだろうと思うのと同時に、実際にいつも遅刻する側の自分がやるよりも、それを客観的に見てるマークの方がうまく演技できるんじゃないかと思ってああいう形になりました。予想以上にマークがすごい良い演技してて、「こういうかんじか!」って(笑)。
マーク:丑の日プロジェクトの強みは、全員動画が作れるところにあるんです。必要な素材を撮る環境が整っていて、編集できるスキルもあるので、せっかくだから使おうと。動画にした方が印象にも残りますし。
──── ホームページに掲載している他のプロダクトも楽しいものばかりですね。ネーミングは「〜ちゃん」しばりなんですか?
アニー:名前は大事ですね。プロジェクトに名前を付けた瞬間からすごい愛おしくなるんですよ。うまくいかない時も「ちこちゃん、今すぐ楽にしてあげるからね!」みたいな気持ちで、修正にも力が入ります。以前「しかくちゃん」って3Dプリンタを作った時、僕らの不注意で基盤が爆発しちゃったんですよ。その時も、「しかくちゃーん!!」って(笑)。
──── それは面白いですね(笑)。
アニー:そういうかんじで、すごく大事にする気持ちが出てくるんですよね。女の子の名前をつけることで、「僕らが1番大事にしてあげるよ」みたいな。そういう目的もあってああいう名付けをしています。
──── 他の人たちの作品を見てどう思いました?
アニー:もちろんみなさん面白いと思いましたけど、正直最優秀賞は僕らだなって思いながら聞いてました。
マーク:僕もまったく同じです。
(一同笑)
アニー:僕らは動画という発表スタイルで、インパクトを狙ったんですけど、紙芝居式にやってる方とかいたじゃないですか。ああいうの見て、「うわーこれめっちゃいいなー!」と思ったりしました。
──── 全体的にクオリティの高いハッカソンでした。ちなみに次回は8月に開催予定です。是非ご参加ください。参加者がより増える予想ですが。
アニー:ぜひ参加したいです。次回もっとライバルが増えると思うとわくわくしますね。
──── ありがとうございました!