「第4回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー④ 特別賞 インコーズ(とり子 & memetan)さん

2023.07.14

2023年2月9日から17日にかけて「第4回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。
今回のテーマは『水!!』。このシンプルかつ自由度の限りなく高いテーマを前に、受賞者たちは、実に個性豊かな作品を見せてくれたました。そんな彼らに行った恒例の受賞者インタビューを公開します!

今回は特別賞を受賞したチーム「インコーズ」さんへのインタビュー。

かなり複雑なリズムも刻むことができる鹿おどし。メトロノームとして、またドラム代わりとして、他の楽器と組み合わせてライブ演奏を楽しむことも可能です。インコーズさんは親子ユニットで、中学生のmemetanさんが主にプログラムを書いています。

メトロノームとして普通に実用性があるところが面白いとの評価。シュールで面白い、ポテンシャルがあり今後の展開にも期待できる、中学生がここまでプログラムを書いているところもすごいというコメントがありました。


インコーズさんのプレゼンは 00:52:24 〜



「インコーズ」メンバー
とり子 さん
memetan さん

──── まずは、特別賞受賞おめでとうございます。
とり子:ありがとうございます。
──── まず、鹿おどしという発想に驚いたんですけども、これ言い出したのはmemetanさん? どうして鹿おどしになったんでしょう?
memetan:僕の発想です。なんで鹿おどしだったんでしょうね…? 最初に「水!!」って聞いて、すぐに鹿おどしが出てきたからなんですけどね。
──── 「水!!」からすぐに「鹿おどし」?
memetan:すぐだったね。
とり子:うん、すぐに言ってた。
memetan:なんか「水」っていったら鹿おどしじゃない?ってなって、「じゃあそれで」。
一同笑
──── 素晴らしい(笑)。リズムを刻むようにしようと思ったのは、作り始めてからなんですか? それとも最初から鹿おどしにリズムを刻ませるイメージができてたんですか?
とり子:memetanの中では最初からああいうイメージがあったみたいですね。私の中では、ちょっと速度が速くなったり遅くなったりの調整はできるけど、ぐらいのものができるんだろうというイメージでいたので、びっくりしました。こんなの作ってたの? って(笑)。
──── 普通に生きてて、中3までに(※memetanさんは現在中学3年生です)鹿おどし、触れますかね(笑)。大人のわれわれでもものすごい久しぶりに存在を思い出しました。
memetan:最近見たサンドイッチマンのコントに出てきたような気がしますけど、概念自体はもっと前から知ってましたね。どこで最初に知ったのかは自分でも分かんないです。
一同笑
──── このハッカソンに参加しようと思ったきっかけについて教えてください。
とり子:最初に参加したのは第2回なんですけど、私が誘ったのがきっかけです。多分、Twitterか何かで情報が流れてきたんだったんじゃないかな。ハッカソンというものに参加したいなっていう気持ちがずっとあったので、memetanを誘ってみたら、結構乗り気でやってくれて、しかも楽しかったので、次もあったらやろうねっていう感じで。前回は都合が合わなくて出れなかったんですけど、今回は満を持して。
──── そして特別賞を獲得と。さっきもおっしゃってくださいましたけど、楽しかったですか?
memetan:楽しかったです。
──── それが何より一番ありがたい言葉です。面白いと思った作品は何かありましたか?
memetan:チャットGPTで作ってた人(TakSan「水をぶっかけてやりたくなる事ってありますよね!!」)とか、ひげだるまさんの作品(ひげだるま「Splatwash」)とか、見てました。
──── 常連さんですね。お分かりだとは思いますが、ツクアソはああいった感じです(笑)
とり子:あんまり、社会課題を解決するプロダクトを、とかいうのは向かないんですよ。小中学生向けのコンテストにもいくつか出してて、ときどき賞をもらったりはしたんですけど、大体が、社会課題を解決するとか、みんなのためになるとか、テーマがそういう視点なんですよね。でもそういう気持ちはあまりなくて、大事なのは自分が作ってて楽しいかどうか。
memetan:そう。
──── ツクアソの本質はそこです。プログラミングで遊びたい、これが原点ですから。「デジタルししおどし」はまさにコンセプトにぴったりでした。
一同笑
──── テーマの発表からプレゼンまで、どんなふうに過ごしたか教えていただけますか?
とり子:別件があって、オープニングは参加できなかったんですよ。テーマはTwitterで確認して、すぐmemetanとDiscordで会話して。金曜日はお休み取ってたので、朝から取り掛かろうと思ってとりあえずテーマの共有だけ。
memetan:鹿おどしはすぐに決まったので。
とり子:言われるがままに100均などで買い物して、あとはもうmemetanが。プログラムもいつの間にか書いてくれたので、私はちょっと工作と、画面のCSS整えたくらいなんです。でも、プレゼンは全面的に私です。
memetan:プレゼンは苦手…。
とり子:すごい頑張ったんですよ、ライブ演奏。
──── ものすごく良かったですよ。じゃあもう、方針が決まったら一直線に作って完成に持ってくって感じだったんですね。
とり子:とにかく興味のあることに対する集中力がすごいもので。
──── しかしこれだけプログラムを中学生が書いてるということが衝撃でした。memetanさんがプログラムを始めたのって、いつ頃なんですか? きっかけとかは…。
とり子:もともと小さい頃から、物の仕組みに対する興味が強い子だったんです。時計の中を開けて見せろって言われたりしてました。だからきっとパソコンなんて与えたらハマるんだろうな、とは思ってたんです。それで…プログラミング教室に行ったのが始まりだよね?
memetan:ううん、その前にお母さんが教えた。
とり子:あそう?
memetan:そう。最初に、ちっちゃいHTMLとJavaScriptでなんか書いてくれたじゃん。時系列はあんまり覚えてないけど、多分そっちの方が教室より先だったと思う。
とり子:らしいです(笑)。
──── とり子さんもエンジニアでいらっしゃるんですね。
とり子:そうです。システムエンジニアとしてプログラム書くのを仕事にしてます。memetanは、最初はScratchとかビジュアルプログラミングをやってたんですけど、どんどん吸収していって、もう今は私なんか追い越しちゃってますね。時々仕事の相談をするぐらいなんです(笑)。
──── すごすぎる。Scratchから始まって、遍歴など教えていただけますか?
memetan:Scratchは最初ちょっとだけで、その後VBを教わって、C#になって、JavaScriptになって、TypeScriptになってっていう感じです。今回のフロントは、C#にHTMLとJavaScriptをそのままFlashに書き込んで、webサーバとして配信するようにしました。
──── 一体何を食べて育ったらこんな有望な人材に…。
とり子:とにかく興味が偏ってて、それしかやらない感じです。生活して行く上で。
memetan:パソコンする、寝る、を繰り返してます。
とり子:学校の勉強は大嫌いだもんね。僕はこんなにやりたいことがあるのになんでこんな面白くないことをやらないといけないんだ!って。
memetan:勉強は面白くない。
一同笑
とり子:だからもう、仕事をもらうような話もあるので、そうやって暮らしていくつもりで。
memetan:面白いことをして生きていきたいので。
──── 若干15歳でもう稼ぎが。すごいしか言えないです。でもそうですよね、楽しく暮らして、そしてまた楽しくツクアソに参加していただいて。次回は8月なんですけど。
とり子:ぜひ参加したいです。よろしくお願いします。
──── ありがとうございました!