「第2回ツクってアソぶハッカソン」受賞者インタビュー① 最優秀賞 ハック無謀 (TakSan & akitam) さん

2022.07.14

2022年2月17日から25日にかけて開催された「第2回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)。
「時からカイホウ(開放/解放)されるサービス」をテーマに独創的な作品を見せてくれた受賞者たちのインタビューを公開します!

今回は、映えある最優秀賞を受賞したチーム「ハック無謀」のTakSanへのインタビュー。
パソコン上のあらゆる時計を隠してくれるという、非常にハッカソンらしい独創的なアプリを開発してくれました。その「技術の無駄遣い」ぶりが素晴らしく、絶賛の中の最優秀賞。どんなふうに開発したのか、どうしてそのアイディアに至ったのか、根掘り葉掘り聞いてみました!


ハック無謀さんのプレゼンは 01:11:37 〜


「ハック無謀」メンバー
TakSanさん
akitam さん

──── まずはおめでとうございます。お見事でした。
TakSan:とってもありがたいです。とても楽しい、素晴らしいハッカソンを企画していただいて本当に感謝です。
──── 楽しんでもらえたら何よりです。ハック無謀さんは今回おひとりでのご参加でしたね。
TakSan:そうですね、一応2人でやってたんですけど、ちょっと相方が忙しくなってしまって、抜けたり入ったりしてたんで、私が代表で顔を出してる感じになりました。
──── 「ハック無謀」というチーム名はどういった理由で決めたんですか?
TakSan:今回の相方とは何回か組んだことがあるんですけど、いつも力技で無謀なことをするので、そのイメージからですね。
──── 力技感のある作品でした。
TakSan:私も個人的には力技が好きなんです。いざとなったら力技。いざとならなくても力技かもしれない(笑)。
──── (笑)どういうおふたりなんですか?
TakSan:大阪の、電子工作系とVR、MRとかのメタバースが混ざったようなサークルで知り合いました。相方もハッカソン好きで、関西でハッカソン参加したら結構な確率で出会うという…。そのうち示し合わせて出たりするようになって。ハッカソン仲間ですね。
──── いいですね。今回のハッカソンが始まって、「時計を隠しちゃえばいいじゃん」というアイディアに至るまでどのくらいかかったんですか?
TakSan:結構直感ですぐに思いついたんです。「時間をわからなくしたい」というところから入った感じですね。わからなくする方法は色々あると思ったんけど、賞は人気投票で決まると聞いていたので、できるだけ参加者の誰にでもわかるように意識して考えました。それで、一番わかりやすいのは「隠す」かなって。
──── 「投票」も念頭にあったんですね。わかりやすくて馬鹿馬鹿しくて最高でした。ウィンドウで隠すのがたまらない。きれいに隠せてなくてはみ出しちゃってるのも味があって(笑)。
──── アイディアはすぐ決まって、開発にかかった時間はどのくらいだったんですか?
TakSan:私も相方も仕事を持っていて、木曜日のオープニングイベントの後、そこから参加者たちがみんなバリバリに始めるとは思ってなかったんですよ。それで遅れを取ってるのはわかってたんですけど、仕事はしなきゃいけないのでとりあえず仕事して、金曜日の夜10時くらいから打ち合わせを始めました。実は相方を誘ったのも金曜日の朝だったんですけど。
──── 金曜の夜10時からだったらもう24時間切ってますね、締切まで。
TakSan:そうですね。お互いハッカソン慣れはしてたので、「明日の朝までにこういうことをしておきましょうか」だけ打ち合わせて。
──── 開発は2人で分担してやられたんですか?
TakSan:一応分担はしたんですけど、やっぱり相方が忙しくて。時計を隠すということが果たしてできるかどうかも金曜日の時点ではわからなかったんです。とりあえずベースを作ろうということで、私の方が顔認識、相方が画像認識でポップアップの方法を探る、という分担で考え始めました。ざっくり調べてオープンCVかYOLOどっちを使うか朝までに調べましょう、みたいな。朝になって、顔認識でポップアップあげるところまでなんとかいけたんで、そっちに舵を切りました。
──── 結局完成したのはどのくらいだったんですか?
TakSan:何時頃だろう?本当にやばかったんですけど、時計を隠してたんで…。
(一同爆笑)
──── 時計隠してたらいつだかわかりませんよね(笑)。
TakSan:多分4時か4時半…。時間を忘れて没頭できたことが一番良かったですね(笑)。
──── 楽しかったですか?
TakSan:楽しかったです。本当に時間を忘れてやってた感じで。
──── ちなみにハッカソンはよく参加されるんですか?
TakSan:もう二桁いってるかな。12、3回は。相方の方はもっといってると思います。
──── どんなハッカソンが楽しかったですか?
TakSan:大阪であった、デジットハッカソンっていう、ハードウェア系で3週間ぐらいの長い期間でやったやつですね。デジットっていう電子部品屋さんが主催で、そこで使えるクーポン5000円分を資金にして電子工作系の作品を作るというものでした。
──── ハード系も結構やられるんですか?
TakSan:本職は組み込みのハード系なんです。実は今回使ったような画像認識とかは専門外でした。今回、ハード系でいくのか、ソフト系でいくのか、サービス系でいくのかっていうのはかなり迷ったんです。ここ1年半くらいはオンラインのハッカソンが多くて、得意のハード系で頑張って作っても、画面できちんと見せられないと失敗しちゃうんですね。だから画面でしっかり見られて、インパクトのあるものにしようと思いました。
──── 確かにインパクトありましたね。間違いなかった。なんの実用性もないというところが最高。
TakSan:ありがとうございます。普段から実用性のないものを作ってるんで(笑)。
──── 「ザ・ハッカソン」という感じの作品でした。他のファイナリストプレゼンを見て、ご自分のチームが最優秀賞になると思いましたか?
TakSan:まさかくるとは思わなかったです。独創的なものが多くて、人数も多かったし。正直しくじったかなーと思いながらも、とりあえずやったことは頑張って発表しようと。
──── 刺さってましたね。コメンテーター陣にも好評でした
TakSan:先ほど「みんなにわかりやすく」にこだわったというお話しをしたんですけど、「なぜ時計を隠すことにしたのか?」とか、「なぜそうしたか?」を論理的に説明することに注力したので、それがちゃんと伝わってよかった。
──── このタイトルはすぐに決まったんですか?
TakSan:私が勝手に決めちゃいました。いつも作品に長い名前をつけてしまうんですよね。
──── ProtoPediaを見ると結構長いタイトルが多いですね。「昭和育ちのおっさんたちは黒電話を携帯する夢を実現する」とか…。本当に技術の無駄遣いが多いんですね(笑)。
TakSan:基本的には無駄遣いですね。
──── 昔から好きなんですか?無駄遣い。
TakSan:そうですね、コンテストやハッカソンに参加し出してからはそういうものばっかり作ってます。実用的な時計とかも作ってはいるんですけど、それはもう発表は全然してないですね。発表し甲斐がないというか。
──── インスタで「映え」を気にするのと同じような感覚なんですかね(笑)
TakSan:ああ、そういうかんじかもしれないですね(笑)。
──── 本当に面白い。ふさわしい方が最優秀賞になってくれました。「ツクアソ」は、この8月にも予定してますのでぜひまた参加してください。
TakSan:楽しみにしています。
──── ありがとうございました。