2023年8月17日から25日にかけて「第5回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)が開催されました。
今回のテーマは『大人のカンニング』。
「カンニング」の解釈をどうするかが肝となるテーマでしたが、安定の個性爆発ぶりで、皆さん楽しい作品を見せてくださいました。
さて、第5回も恒例の受賞者インタビューを行いましたよ。
今回は、特別賞を受賞したTankSanさんによるインタビューです。
「カンニング=cunning=ずる賢い」という単語の意味から着想した作品。サービス終了してしまったLINE CLOVAを、Raspberry Piを使って魔改造して再び蘇らせるというプロダクトでした。
ツクアソ常連のTakSanさんの確かな実力と斜め上を行く発想力がいかんなく発揮されており、高評価となりました。何もかもが異彩を放っている作品は、TakSanさんのProtoPediaにも公開されています。
第2回ツクアソから毎回参加しているTakSanさん。技術をあますことなく使い、誰にも思いつけないような作品を作り続けています。
開発過程はもちろん、ハード系製作者の苦悩までいろいろと明かしてくれました!
TakSanさんのプレゼンは 00:47:50 〜
──── 特別賞おめでとうございます。毎度ご参加ありがとうございます。
TakSan:こちらこそありがとうございます。
──── 早速ですが、LINECLOVAを使おうというのは最初から決まっていたんですか?
TakSan:いや違います。実は、今回はちょっと時間があったんで、別ネタでやろうと思ったんです。でも作り始めてから行き詰まってしまって…。結局実績のあったLINE CLOVAを改造することにしました。「ズル賢い」っていうワードを使ったんで、ちょうどいいかなって。
(一同笑)
──── 落としどころがまたちょうどいいですね。
TakSan:本当に「ズル賢く」です。CLOVAのサービス終了は去年の10月に発表されたんですけど、もう次の日には分解し始めたんで、1年ぐらいあたためていたネタですね、実際は。
──── あっ、そんなに前から…。CLOVAを使う前、最初に検討したアイデアについても少し教えていただければ。
TakSan:もう全然浮かばなくて。「カンニングってなんやろ」って思いながら、とりあえず買ってから積んであった、透過型のディスプレイ(後ろが透けて見える形のディスプレイ)を使おうかなと思ったんです。メガネのレンズよりもう一回り小さいぐらいのサイズ感なんですけど、それを制御したら何か思いつくかなと思って触り始めて…全くだめでしたね。
──── 「とりあえず机の上から探す」というのは、ハード系の参加者さんはよく言われますね。
TakSan:ハードウェアは癖が見えてきたり、道具を集めたりするのにどうしても時間がかかるんで、もともと手元にあったものとか、ある程度ベースがないものじゃないと時間的に厳しいんですよね。
──── じゃあCLOVAでってなってから、完成まではどれくらいかかったんですか?
TakSan:土曜の朝に「だめだ、CLOVA使おう」ってなって、その時点で12時間切ってたんで、残り時間でできる範囲でなんとかしようと奮闘して。
──── 上手くテーマに着地できるように。
TakSan:「ズル賢い」の極みで(笑)。
──── でもちゃんと収められたのは本当にすごいです。
TakSan:なんとか。今回は結構脱落者多かったですよね。プレゼンのときに「チーム数減ったな」と思いました。
──── やっぱり48時間という時間制限はひとつのハードルですよね。
TakSan:でもツクアソは、開発・提出とプレゼンの時間が分かれてるところがありがたいですね。割と他のハッカソンだと、プレゼンまで込みの場合が多いので、特に僕みたいなソロ参加は、全部1人でやるから間に合わなくなっちゃう。
──── TakSanさんはかなりハッカソン出ていらっしゃいますよね。ツクアソにもずっと参加していただいて。
TakSan:ツクアソは第2回からですね。第1回は存在に全然気づいてなくって逃しました。
──── 第2回はいきなり最優秀賞でしたね。とにかく時計を隠すっていうプロダクトで(「時から解放されるには、そうだ時計を隠しちゃえばいい…」ハック無謀)。
TakSan:その次もなんか似たようなものを作りましたね。画面いっぱいに羊を集めてくるみたいな。
──── 「眠れないのでコンピューターに 羊を数えさせた!?」でしたね。この回のテーマはTakSanさんが考えたものでした(第3回ツクアソテーマ『いや違う。そうじゃない。』とツッコまれたくなるモノまたはサービスをツクる」)。
TakSan:自分で考えたテーマだったのに、賞とれなかったんですよね。インパクト強かったはずなのになんでだろう…。
(一同笑)
──── 今回出てた作品で、印象に残ってるものはありますか?
TakSan:最優秀賞の「なるほどですね。」は「最初からきたな!」と思いました。あとは「さだこちゃん」ですね。丑の日プロジェクトさんは、いつもプレゼンも上手いし脅威です。あと、スパイツール製作所さん、3種類って!メンバー1人1作品作ったっていうのがもうすごい。スパイツールさんが一番の脅威だったような気がします。
やっぱり私からすると、同じハードウェア作品はどうしても気になりますね。
──── ツクアソはテーマがユニークなので、とがったものを作ってくるチームが多いですね。プレゼンもそれに合わせてかかなりとがってる(笑)
TakSan:プレゼンも大事ですよね。このCLOVAネタは他でも出していて、何回かプレゼンしてるんですけど、仕組みをしっかり理解してもらおうとすると3分じゃ全然足りないんですよ。3分だとさらーっと流す感じになっちゃう。まず「大人のカンニング」にどう関連付けるかっていうところを説明して…ってやってるとそこにも時間が取られますし。その時間配分はもしかしたら今回一番難しかった部分かもしれないです。
──── それでもすごいインパクトでした。だからこその特別賞なんですけども。
TakSan:とにかくCLOVAはいろいろいじくってまして、まだまだ絶賛製作中です。詳しくはプロトぺディアなどをご覧ください(笑)。
サービス終了予定の LINE CLOVA にラズパイを仕込んで改造してみた | @TakSan
サービス終了になった LINE CLOVA 達に第二の人生を歩ませる
ラズパイ化CLOVA-パート1(ガチの改造編)
ラズパイ化CLOVA-パート2(専用基板編)
振り返ると1年中CLOVA 改造していた件
──── たくさんのハッカソンにご参加されてる中、ツクアソにも毎回参加してくれていらっしゃいますけども、ぜひここでツクアソの魅力について教えてください。
TakSan:テーマの意外性です。ガチガチの社会課題解決系とかじゃないんで、やってて純粋に面白い、楽しめるというのが一番ですかね。この姿勢は崩れてほしくないと思ってます。
──── 次回のぜひご参加ください。お待ちしています。
TakSan:ぜひよろしくお願いします。
──── どうもありがとうございました!