2022年2月17日から25日にかけて開催された「第2回ツクってアソぶハッカソン」(通称ツクアソ)。
「時からカイホウ(開放/解放)されるサービス」をテーマに独創的な作品を見せてくれた受賞者たちのインタビューを公開します!
今回は、優秀賞を受賞した「ひげだるま」のインタビューです。
ひげだるまさんの作品は「家出時計」。周りが静かな状況になると、「時の表示」が家出してしまい、残された「分」だけで頑張って時間を表現する、というユニークな時計です。発表は、ちいさな紙芝居を使ってライブで行われ、その強いインパクトも高評価に繋がりました。
ひげだるまさんのプレゼンは 00:18:32 〜
──── 優秀賞おめでとうございます!早速ですが、このハッカソン自体をどこで知りましたか?
ひげだるま:ツクアソ運営メンバーの方がツイッターで共有されているのを見つけて、タイミングも良かったのでぜひ出たいなー、と。
──── ありがとうございます。今回はおひとりでの参加なんですね。
ひげだるま:ひとりだとやっぱりチームよりも時間の都合がつけやすいので。あと、最近はずっと在宅でやってるので、人と接する機会がなくて(笑)。調整するのも結構大変なので、ひとりのが楽かなと思いました。
──── 「家出時計」は、とてもユニークな作品でしたね。プレゼンも想定外でとても面白かった。プレゼン賞があったら絶対優勝でした。どうして作ろうと思ったんですか?
ひげだるま:全然あれを作る予定ではなかったんですよ。そもそも投票したものと違うテーマになったので…。
──── そういうことありますよね(笑)。
ひげだるま:違うテーマになってしまったのもそうなんですけど、そもそもこのハッカソンの主旨を勘違いしてたんです。期間がもっと長いハッカソンだと思ってたんですね。だからテーマが今日決まって、何か考えて週末に具材を買いに行こうかな、なんて考えてたら「あと8時間!」って言われて(笑)。だからもう自分の持ち物の中から使っていない機器を探して、そこでATOM Liteと、昔使った4桁の7セグが出てきたんです。これでなんとか作ろう、テーマに合うものは何だろうって考えて、そこから「時がなくなったらどうなるんだろう」ってアイディアが出ました。「時」がなくなったら、「分」が頑張って表示するだろうなって。
──── なるほど。
ひげだるま:最初は「秒」まで表示しようと思ったんですよ。でもそれだと4桁では足りなかったので、「分」までにして、あとは個人的に最近3Dプリンタを手に入れたんで、それを使いたかった。そんな感じで考えた結果、こういうちょっと変わった時計を作ってみようかなと。
──── じゃあハードが先にあった上でのアイディアなんですね。結構しばりがあった方が面白いアイディア浮かんだりしますよね。
ひげだるま:そうなんですよね。言われた瞬間難しいと思ったんですけど、「これを使うんだ」ってなればなんとか。
──── 提出までの24時間はどのように過ごされたんですか?
ひげだるま:実は割と早かったんですよ。初日の晩には一応アイディアが決まっていて、3Dのモデルを作って、翌日の朝には印刷をかけて、結局最終日20時締切だったと思うんですけど、16時ぐらいにはほぼ完成してました。
──── すごい!
ひげだるま:機能自体はシンプルなんですよね。あとはそのストーリーが肝心で。ただ時がなくなるってだけだと面白くないので、最初はお兄ちゃんが家出するんじゃなくて、弟が追い出す話を考えてたんです。でももうちょっと気弱な方が自分的に共感しやすいので、お兄ちゃんが勝手に遊びに出て行っちゃうから弟が頑張る、みたいなストーリーにして。作業自体は比較的早く終わって、ストーリー作りに少し時間をかけた感じですね。
──── ライブデモでも音が重要だったじゃないですか。静かにしてたら戻ってくるっていう。あれはちょっとした仕組みを組んでるんじゃないかなって思ったんですけど。
ひげだるま:元々音を使う想定でやってたので、中にマイクが入ってるんです。そのマイクの調整がハッカソンの期間の中では丁度良くできてなかったので、デモの時大変でしたね。やっぱり物理的なモノなので、動画だといまいち面白くない。ライブ感が損なわれてしまうなと思って、そのまま映してフリップ的なもので見せたらちょっと変わった発表になって面白いかなと思ってああいう形に。今回発表はハッカソンとは別に時間が取れたので、ちゃんと考えられて良かったですね。ちなみに、イーゼルはあんな小さいのがなかったので自作です。
──── すごい、いいなあ。
ひげだるま:木を買ってきて、釘打ち込んで。楽しかったです。
──── それは良い。素晴らしい。ハッカソン全体楽しかったですか?
ひげだるま:楽しかったですねえ。家にいるからっていうのもあるんでしょうけど、意外と平日の開発でもなんとかなりました。あとは発表と開発の時間がが分かれてたので、発表のことを気にせずにモノづくりに集中できたのも良かったですね。
──── 楽しんでもらえて何よりです。ちなみに自分が最優秀賞を取れると思ってましたか?
ひげだるま:いや、思ってなかったですね。だから自分の作品に投票するということもせず、自分の作品以外で本当に好きなものを選んだんで。好きな作品が残ってたから良かった。
──── 結構票が集中してましたよね。あの時計隠すやつとか…。
ひげだるま:そうなんですよね。綺麗に隠してないところがまた良くて。力技で隠してるのが、あれをもっと綺麗に精巧に作っちゃってたらだめだったと思うんですよ。
──── 確かに(笑)。
ひげだるま:あの雑なのが良かった。
──── 本当に楽しんでいただけたようで嬉しいです。良かった。
ひげだるま:トップクラスに楽しかったですね。楽しんでる人が賞を取ってるだろうな、とも思いました。チームでも個人でも、楽しくできたところが強いんで、ハッカソンは。
──── 次回またぜひ参加していただけたら嬉しいです。
ひげだるま:また、ぜひ!
──── ありがとうございました!